土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

南禅院、京都五山之上、巨刹南禅寺発祥の地です。

2014年06月05日 | 京都の古寺巡り



(2014.05.31訪問)


天授庵を出て少し行くと、右手に京都ドラマとは切っても切れないロケ地の一つ、水路閣が見えます。その
奥に石段、それが南禅院の参道です。このお寺こそ巨刹南禅寺誕生の地なんです。亀山法王渾身の作庭と伝
わる池泉回遊式庭園、離宮の地に生まれて700有余年、幾多の星霜を経て今なおその優美な姿をボクたちに
見せてくれている美しいお庭を拝見しましょう。


▼水路閣を潜るとスグ、勅使門への参道石段。




[ 南禅寺 南禅院 ]
●寺号 南禅寺 南禅院 (なんぜんじ なんぜんいん)南禅寺別院
●開基 亀山法王(かめやまほうおう) 第九十代亀山天皇
●開山 大明国師無関普門 (だいみんこくし みかんふもん)
●開創 弘安十年(1287年)
●中興 元禄十六年 (1703年) 桂昌院 (けいしょういん)
●宗派 臨済宗南禅寺派
●本尊 木造亀山法皇坐像  
▲京都市左京区南禅寺風呂山町 TEL.075-771-0365
▲拝観料 300円 御朱印はありません
▲拝観時間 9:00~17:00
▲地下鉄東西線「蹴上」下車徒歩10分
 市バス5系統「南禅寺、永観堂道」下車徒歩10分

南禅寺 南禅院縁起 (南禅寺HP 南禅院から抄出)
第九十代亀山天皇は、正応二年 (1289年) 離宮で出家して法皇となられ、離宮を寄進して禅寺とし大明国師を
開山とされました。ここは離宮の遺跡であり、また南禅寺発祥の地です。


         ▼一応こちらが参道と思われます。





▼庫裡。





▼拝観受付を済ますと方丈に続きます。
 方丈は元禄十六年徳川綱吉の母、桂昌院の寄進によって再建され、総桧の入母屋造こけら葺きです。
 襖絵は狩野養朴とその子 如川隋川の筆になる水墨画です。 (南禅寺HP 南禅院から抄出)





         ▼内陣中央には亀山法皇木造 (重文) が安置されています。

 



▼方丈前庭です。江戸期作庭家、小堀遠州による枯山水庭園です。





▼方丈前庭。





▼方丈前庭。





▼方丈前庭から勅使門。




方丈南の庭園は池泉回遊式庭園。京都の三名勝史蹟庭園(天竜寺庭園、苔寺庭園)の一つ。鎌倉時代作庭の京都
唯一の庭園と云われ、室町期に夢窓国師が完成させたと伝わります。

▼正面見えるのは鶴島と云うことですが、姿形さだかならず、手前の刈り込みは皐月。





▼池泉回遊式庭園回遊路完備!





         ▼南禅院最大の売り! 巨大な青もみじ、秋はおして知るべし。





▼池に張り出している青もみじ、映り込みがきれいです。





▼庭園の東南隅には亀山法皇の遺言により分骨を埋葬した御廟があります。





▼庭園南奥の龍門瀑。
 琵琶湖疏水から水が引かれ、緩やかに迂回して流れ落ちる滝は、龍頭を象り中国黄河流域にある龍門瀑の
 故事に由来しているそうです。





         ▼アップにすると。





▼アヤメかな、花菖蒲かな。





▼睡蓮も池一面に葉を広げてます。ポツリポツリと白い花が。





▼これだけ樹々のパワーが強烈ですと、どこからも方丈全景撮影不能!





▼オシマイに水路閣から庫裡を見ました。

 

決して広いとは云えないお庭ですが、京三名勝史蹟庭園と云われる理由はわかるような気がします。落飾天
皇の離宮が禅刹に姿を変えたとは云え、往時の為政者の想いそのままに、幽玄閑寂の趣が今にこうして見る
ことが出来るお庭の美、深い樹林で包まれたこの時期、青もみじと緑の樹々ばかりですが、季節の移ろいと
ともに自然が織りなす色彩のマジック、その姿を池が映し出す光景、それを想像すると一年を通じて何度で
も通いたくなるお
庭になりそうです。


 

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天授庵、奥深い緑の空間に滝一筋。

2014年06月03日 | 京都の古寺巡り



(2014.05.31訪問)


お庭巡りでお茶を濁す訳ではありませんが、古寺巡り、今週も名庭拝観です。
禅刹の名庭と云えば、白砂に石と苔がお決まりの枯山水石庭が思い浮かびますネ。極端に象徴化された石庭
は、結論の出ない奥義の意味をああでもない、こうでもないと思索する様なもので、暑い中、我が脳みそは
煮えくり返るのが落ち、よって今回もグリーンシャワーとこぼれ陽が、美しい青もみじが、パンクしかけて
いる精神をいくらかでも癒してくれる名刹庭園を訪ねることにしました。はじめに南禅寺塔頭の天授庵、昨
秋のJR「そうだ 京都、行こう」のキャンペーン寺院です。秋の紅葉素晴らしいですネ、なんのなんの初夏の
緑もなかなかのもんなんです。


▼山門というよりこれは通用門、正門は左に在ります。




[ 南禅寺 天授庵 ]
●寺号 南禅寺 天授庵 (なんぜんじ てんじゅあん)南禅寺塔頭
●開山 虎関師錬 (こかんしれん)
●開創 暦応二年(1336年)
●中興 細川幽斎
●宗派 臨済宗南禅寺派
●本尊 無関普門(むかんふもん)の木像  
▲京都市左京区南禅寺福地町 TEL.075-771-0744
▲拝観料 400円 御朱印はありません
▲拝観時間 9:00~17:00
▲地下鉄東西線「蹴上」下車徒歩10分
 市バス5系統「南禅寺、永観堂道」下車徒歩7分


南禅寺 天授庵縁起 (天授庵パンフから抄出)
暦応二年(1336年)南禅寺の第十五世虎関師錬が、南禅寺開山した無関普門を祀る開山塔を建立を願い出た
折に、翌三年その庵として創建された。これが天授庵の開創。応仁の兵火で焼失し、復興することなく荒廃。
慶長七年(1602年)細川幽斎により再建された。



▼境内マップ。





▼庫裡。





▼庫裡の玄関から書院庭が見えます。





▼書院。この南に書院南庭が広がっています。

 



▼小径を進むと左手、池です。









▼池面を埋め尽くさんばかりの睡蓮。花は数個、まだまだこれからのようです。





▼そのうちの一つ。





▼書院からのお庭、見たかったんですがね。





▼木の橋にいい塩梅にこぼれ陽が。





▼奥の方から滝の音が。





▼これだけ見ると涼感イッパイ!





▼小径に沿って回ってみましょう。





▼色んな緑の競演です。咲き始めの皐月が唯一の色。





▼こんな手水鉢も置かれています。





▼本堂前庭の一部です。組まれた足場の間から撮りました。ここも皐月が時を待っているようで。

 

今天授庵の方丈 (本堂) は覆屋で覆われ修復中なので、方丈東庭は足場が組まれて全景を見ること出来ません。
東庭は枯山水庭と云われていますが後ろに控える樹々のグリーンはボリューム満点です。


少々物足りない天授庵オシマイ、次はスグ近くの南禅院へ行きます。 



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