土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

法起院、西国三十三カ所観音霊場番外札所です。

2014年12月04日 | 奈良の古寺巡り



(2014.11.29訪問)


依然霧時雨のなか、些か消化不良のまま長谷寺を辞し、参道を下ったところにある番外札所の法起院に寄り
ました。行も帰りも常に見逃される小さなお寺も、長谷寺塔頭開山坊で西国三十三カ所観音霊場生みの親、
徳道上人の御廟寺、見逃すわけにはいきません。番外と云えど観音霊場、しかし不思議なことにこのお寺の
ご本尊は観音さんではありません。上人自ら彫ったと伝わるお像です。閻魔大王の教示を受け、三十三カ所
霊場を定めた上人の決意の源がこの小さなお寺にあったのでしょうか。
それにしても御朱印をいただく時間の方が長かったくらい、10分もあれば拝観オシマイの小さなお寺です。


▼与喜の山の色付きも今日は冴えません。





[ 法起院 ]
●寺号 法起院 (ほうきいん)
●開基 伝 徳道上人 (とくどうしょうにん)
●開創 伝 天平五年 (733年)
●宗派 真言宗豊山派 長谷寺塔頭
●本尊 木造徳道上人
▲拝観料 無料 朱印300円 駐車場 無料
▲拝観時間 9:00~16:30 (12月~3月)
▲西国三十三カ所観音霊場番外札所
▲http://www.houkiin.or.jp/
▲奈良県桜井市初瀬776番地 Tel.0744-47-8032
▲近鉄大阪線「長谷寺駅」下車 徒歩15分



         ▼寺標。





法起院縁起 (法起院HPより抄出)
徳道上人は、当時我が国随一の名僧であった大和長谷寺の道明大徳との間に師弟の契りをお結びになり、約
十年間の修行の後、名僧となられた上人は、大和長谷寺、鎌倉長谷寺をはじめ諸国に四十九カ所の寺院を建
立、その中でも大和長谷寺では本尊大観音を造立されました。養老二年の春、病のため仮死状態の上人は、
夢の中で閻魔大王にお会いになり、人々を救う為に三十三カ所の観音菩薩の霊場を広めるように委嘱され、
三十三カ所の宝印を与えられ仮死状態から解放されました。上人は三十三カ所の霊場を設けましたが、人々
は上人を信用しなかったので、やむなく宝印を摂津中山寺にお埋めになったと伝えられています。二百七十
年後の永延二年(988年) 、花山法皇がこの宝印を掘り出し、今日の三十三カ所を復興しました。



▼山門。





         ▼半浮き金泥塗りの立派な寺号札。





▼開山堂、本堂です。





▼扁額。





         ▼徳道上人が本尊として祀られています。





▼徳道上人廟。





         ▼徳道上人十三重塔廟。





▼本堂横の仏足石。





▼よう来たなァと布袋さん。





▼あまりにリアルなお地蔵さん。少々引きそうになりました。





▼境内一角のお稲荷さん、ココだけ赤が目立っております。





▼番外札所の御朱印です。上人塔廟に置かせていただきました。





で法起院オシマイであります。

法起院に向かって参道の草餅処寿屋さんの前を通っていると、お店のお姉さんが「お兄さん、味見して」と
出来立てホヤホヤの草餅を一個いただきました。
当然、名物草餅三箱、お土産に買ったことは云うまでもありません。



↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。

神社・お寺巡り ブログランキングへ

長谷寺、初瀬の山々霧隠れ。

2014年12月01日 | 奈良の古寺巡り


(2014.11.29訪問)


身丈三丈三尺のご本尊十一面さんの足元まで近寄れる内陣特別拝観に行きました。十一面さんは大きすぎて、
下からお顔が見えません。お顔は正堂と礼堂の間の通路から拝顔するに限ります。
長谷寺は雨でした。しかし札所の力は雨に関係なく多くの参拝者で溢れています。
靄がかりすっかり霞んだ境内、今日は廻り切れずに半端なお寺歩きで少々心残り、撮った写真も心残り……。



▼霧時雨の靄に霞む初瀬の山々。





[ 長谷寺 ]
●山号 豊山 (ぶさん)
●院号 神楽院 (かぐらいん)
●寺号 長谷寺 (はせでら)
●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 徳道上人 (とくどうしょうにん)
●開創 神亀四年 (727年)
●宗派 真言宗豊山派
●本尊 十一面観世音菩薩立像
▲拝観料500円 朱印300円 駐車場500円
▲拝観時間 9:00~16:30 12月~2月
▲西国三十三カ所観音霊場第八番札所
▲http://www.hasedera.or.jp/
▲奈良県桜井市初瀬731-1 Tel.0744-47-7001
▲近鉄大阪線「長谷寺駅」下車 徒歩15分



▼湿り始めた参道。





長谷寺縁起 (長谷寺HPより抄出)
朱鳥元年道明上人は、天武天皇のおんために銅板法華説相図「千仏多宝仏塔」を西の岡に安置、のち神亀四
年徳道上人は、聖武天皇の勅を奉じて、衆生のために東の岡に十一面観世音菩薩をお祀りになられました。
上人は観音信仰にあつく、西国三十三所観音霊場巡拝の開祖となられた大徳であり、当山を三十三所の根本
霊場と呼ぶいわれであります。
現在の長谷寺は、真言宗豊山派の総本山として、 また西国三十三観音霊場第八番札所として、 全国に末寺三
千余ヶ寺、 檀信徒はおよそ三百万人、 四季を通じ「花の御寺」として多くの人々の信仰をあつめています。



▼仁王門。





▼扁額は後陽成天皇の宸筆。





▼いよいよ入山。





▼399段ありますよ。





         ▼スグ右手、道明上人の廟塔に桜散り葉がヒラヒラと。
          道明上人は、天武天皇と関わりのある方、
          事実上の長谷寺開山と云ってもいい方かも知れません。





▼登下廊から中廊が燃えてるようです。





▼塔頭月輪院の門前から下廊と仁王門。初瀬の山々は霧隠れ。





         ▼繋屋のお地蔵さんにも散り紅葉。





▼中廊横の楓はまだ元気。





▼上廊横の楓もまだ元気。





▼鐘楼に着きました。相当降ってるんです。





▼若い僧侶が迎えてくれてます。さぁ本堂へ。





         ▼読経の声、朗々と朝の法要です。





▼床紅葉の中、清しい一心のお祈り。お姉さんか、ムカシお姉さんかわかりません。ビンズルさんおせーて。





▼こちら内舞台から外を見ると、……降ってますワ。





▼一瞬無人、本堂西口の紅葉。




▼濡れ舞台へ。





▼靄がかり、すっかり霞んだ初瀬の山々。正面向こうは本坊と大講堂。





         ▼定番五重塔。裸の楓が目立ちます。





▼アングルかえて境内を舞台から。





▼礼堂に掛かる大扁額。おかあさんナニしてはんのン。





▼紅葉トンネルを通って本堂から開山堂へ。





▼開山堂。祖師徳道上人をお祀りしています。





▼徳道上人はこんな方。





▼参道の散り紅葉。





▼五重塔エリアへ、少々きつい登り参道も燃える赤に励まされ。





         ▼雨粒だけはちゃんと撮れてるようです。
          五重塔全景はまともに撮れませんでした。
          したがって写真ありません。





▼靄が酷くなってきました。





▼うかつでした、三重塔跡初めて気が付きました。





▼奥之院への道すがら、きれいな紅葉に出会いました。





         ▼相変わらず霧時雨に煙ってますが、こんな景色にも逢えました。





▼元気な紅葉林。





▼奥之院興教大師堂が見えてきました。横は石仏群です。





▼興教大師堂の宝珠と露盤。





▼興教大師覚鑁さんを祀ってます。





▼興教大師堂の扁額。





▼高さ五尺くらいの白漆喰土塀に囲まれた美しい空間です。





         ▼参道を下って本坊の方へ。





▼陽光あればまだまだキレイでしょうネ。









▼本坊境内から北方山腹に…、





▼本堂が見えます。





▼西国三十三カ所観音霊場第八番札所、長谷寺のご朱印です。





霧か靄か霞か判らないベールに全山が包まれた長谷寺、秋霖という美しい言葉がある秋雨が小粒の水滴をい
つまでも初瀬の山々に撒き散らしているようです。晩秋から初冬へと季節が徐々に変わり始め、最後の紅葉
も散り染め、やがて山々は冬の準備に勤しむんでしょう。
残りモミジを惜しみながら霞む境内を歩く、こんな日も時には有りかと一人納得して長谷寺の一日を終えま
した。




↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。

神社・お寺巡り ブログランキングへ