蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

「メモリー・シアター in 金沢」に向けて♪

2015年05月25日 14時43分43秒 | 日記
今週は、メモリーシアターの製作と
オープンエアの台本執筆一色。

合間に演奏・声楽隊の皆様との打ち合わせがあり
今週末には演奏隊&声楽隊メンバーが確定する予定。

メモリーシアターは今週土曜日
金沢の結婚式場で上演する予定で
これまで合間を盗み、台本執筆と
音響セレクトをしてきた。

台本は新郎新婦さんにご相談しながら
いい感じに仕上がって、ホッ♪

一生に一度の晴れの日に華を添えられるよう
しっかりと準備をして当日を迎えよう。

昨日は、新潟市で開催された「えんとつ王☆決定戦!」に
参戦すべく、朝4:00に出発して新潟へ向かった。

6:30に現地到着。
スタッフさんの到着を待ち、すぐに準備開始。

小劇場の雰囲気が漂う黒づくめの小屋。

 いい感じだよね~

と。。。
ここで、とんでもないことが発覚!

音響をCD2枚に焼いて持っていったのだけど
小屋にあったのは、CDデッキ1台とMDデッキ2台。

事前に確認を頼んでおいたはずだが
どこかですれ違ってしまったようだ。

すぐに、えんとつシアターの管理人さんが
CDをMDにダビングしてくると仰ってくださったので
ホッとしたのも束の間、CDデッキが
CDを読みこまないとのこと(汗)

最終的に管理人さんがポータブルのCDデッキを
持って来てフェーダーにつないでくださって
何とか音が出る状態にはなったが
これでは座った状態で操作できない。

音響は私一人で行う予定だったが
音響スタッフさんが一人お手伝いに来てくれて
大変助かった。
私一人だったら、デッキ2台が
離れた位置にある状況では
音出しを出来なかったに違いない。

更に音響ブース右前に柱があり
舞台全体を見ることが出来ない。
これでは、役者の演技きっかけでは
音を出すことが出来ない。

この状況を想定していれば
対策は考えられたはずなのだが・・・

しかも、小屋のソデの出入りの仕方が
想定したものと違った。

そして照明で空間を区切りたかった私は
シュート状態の回路図を送って欲しいと思ったが
スタッフさんはご多忙の様子で、それも儘ならなかった。
つまり想定だけでの小屋入りとなってしまった。

で、実際に照明のシュート状態と
上手&下手ソデから本舞台への
出入りの状況を見て

 これでは、想定した空間が作れない…

かといって、役者の出方やドアの位置を
変更する時間もない。 

CDトラブルがなければ、何か考えられたかもしれないが。。

 やれることをやるしかないね。
 照明は、空間が作れないなら
 心情を優先していこう・・・

ある意味、割り切りに似た思いで準備を進める。
照明と音響合わせを終了したのが8:35…

9:00から全体のゲネプロが始まってしまう…

照明チェックと音響チェック
場当たりを全て完了できないまま
そのままゲネに突入。

本番は、CDデッキのセッティングが終わっていないのに
「夢幻工房さん、お願いします」と言われ、焦ってしまった。

まさか、スタッフの状況を確認せずに始まるなんて
想定もしていなかったので・・・
私が「ちょっと待ってください」と言えば良かったのだが
ちょうどその時、セットが終わったため
そのまま音を出し始めたら、冒頭にミスが・・・

「慣れない、見えない」状況で、何とか本番を終えた。
ご協力いただいたスタッフの皆さんには、心から感謝!
ありがとうございました。

結果は一次予選敗退。

審査員の講評を聞き

 そう言われても仕方ないよね、これでは…

と。

役者のレベルは高かったはずだし
スタッフさんもやれるだけのことをやってくれた。
講評の中で、役者の演技がチグハグに見えたとあったが
それは、役者が心理を落とし込むまでの
稽古時間が不足していのと
20分以内に仕上げるために、本来必要な間を
充分使うことが出来なかったため。

20分以内の作品として「天使と鬼の狂想曲」は
不適切であったということである。

言葉通りの感情を表に出すなんて容易い。
言葉の裏側に潜む感情を出してこそ役者。

それを探って、考えて、表現できるのが
「天使と鬼の狂想曲」という作品なのだ。

極限の状態で出会った敵同士の男女の淡い恋心
それが無残に散っていく悲劇―
究極の“ロミオをジュリエット”かも(笑)

それを伝えることが出来なかったのが残念でならない。

頑張ってくれた役者陣とスタッフに申し訳なかった。
私の準備不足、想定の甘さが原因。

それと、任せるということの怖さを体験した。

どこまでチェックし、どこまで口を出すか…
今後の課題である。

それと…

「慣れ」の怖さも知った。
私は舞台を短期間で作ることに
「慣れ」始めていたのかもしれない。

自分でそういうつもりはなかったが
どこかに驕りがあったのだろう。

実際、劇団員たちに

 自分たちは「天使と鬼の狂想曲」
 相当練習しましたよ
 そんな短期間で大丈夫ですか?
 ちゃんと見せられない状態では
 勿体なさ過ぎますよ

と忠告を受けたが、時(とき)既に遅し。
今更作品を変更するわけにも行かなかった。

当たり前のことが当たり前に出来なかったことが無念(-"-)

コンテストに出場する時の注意点

 ①時間制限内で伝えたいことを伝えることができる作品を選ぶ
  無理して短縮したものは不適切
 ②事前に小屋の照明回路図とシュート図をいただく
 ③音響&照明の位置から舞台を見た写真か映像をいただく
 ④正確な舞台図と出入りが出来る位置
  ソデの状況を記載した舞台図をいただく
 ②~④が不可能な場合、地明かりのみ&音響なしで可能な作品
 あるいは、地明かりのみ&音響なしで可能な演出方法を考える。

色々な意味で良い経験になったし
気持ちを引き締める良い機会にもなった(^^)

えんとつ王の実行委員会の皆さんと
ご観覧いただきました皆さんに
心より御礼申し上げますm(__)m

ありがとうございました!

さて、次はメモリー・シアター!
場所が金沢なので、下見が出来ない。
新潟と同様のことが起きないように
万全の準備をして臨まねば!