蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

穴太衆とは・・・#小布施北斎ホールシアター2020

2020年08月28日 23時52分41秒 | 日記

「水の甍(いらか) ~おねの育てた正則~」には
穴太衆と言う石工集団が登場する。

穴太衆とは・・・

日本の近世初期にあたる織豊時代(安土桃山時代)に活躍した、石工の集団。
主に寺院や城郭などの石垣施工を行った技術者集団である。
石工衆(いしくしゅう)、石垣職人(いしがきしょくにん)とも称す。
「穴太」の歴史的仮名遣での読み仮名は「あなふ」である。
(「Wikipedia」より転載)

石積みの歴史は古く、山の傾斜地に石垣を築いて
棚田をつくる手法は古代から行われてきたようだし
古墳も石を積まれて出来ている。

高野山と並んで信仰の山として名高い比叡山の山麓に
穴太の里はある。

現在の滋賀県大津市穴太である。

古くから比叡山寺院の石工を任されていたが
戦国末期、織田信長が穴太石工の高い技術に惚れ込んで
天下一の安土城の石垣造成を依頼し
穴太衆の名が一躍有名になったと言われている。

安土城は、明智光秀の謀反により信長が亡くなった後
残念なことに何者かの手により焼かれてしまったが
穴太衆はその後も、豊臣秀吉や秀吉家臣たち
そして徳川家康にも重用され
数々の名城を築城する礎となった。

石垣に囲まれた壮大な城づくりは
信長の時代から始まった。

秀吉が建築した大坂城は
絢爛豪華で要塞としての備えもピカ一だったが
秀吉の死後、関ヶ原の戦いを経て
大坂夏の冬の陣では徳川家康との講和条件により
お堀や二の丸・三の丸が破却され丸裸の城となってしまう。

その後、大坂城は落城し、豊臣家は滅亡。

徳川幕府が開かれて一国一城令が発令されるまで
権力の象徴としての城づくりが盛んだった。

川の築堤は武田信玄が有名だが
他の戦国武将たちも、水害には悩まされ
川の氾濫をなくすことが国を治めること・・・
と考えるほど、築堤(堤防を築く)に心血を注いだ。

穴太衆は築城だけでなく、築堤にも技術を提供したことだろう。

穴太衆の石積み奥義は全て口伝らしい。
文書や設計図は一切残されていないのは
後世を生きる私たちにとって残念なことだ。

にしても・・・

頭の中に石を配置する完成イメージ図を描き
そのイメージにそって積んでいったらしいから
緻密なイメージを脳に描く能力があったわけで・・・

そこが凄い!!

現代人は、映像や写真、図面が簡単に手に入るから
想像力がどんどん退化しているんじゃないか・・・と。

緻密な想像力は演技をする上にも非常に重要でして。

漠然とした想像ではなく、色、形、音、匂い、皮膚感覚・・・

五感を総動員して記憶しておかないと
演技に生かすことが出来ないんだよねー

穴太衆のことを考えながらも
つい演劇に結び付けて考えてしまう💦

口伝により学ぶ側に必要なのは・・・

 記憶力、想像力、観察力、理解力。

教える側に必要なのは・・・

 上記の他に技術力、伝達力。

これを兼ね備えた人が穴太衆のお頭だとすると
想像以上に人間力が高い人物だったに違いない。

 

今日は、その穴太衆一家と正則家臣の稽古日だった。

上記を考えると穴太衆を演じる役者のハードルが
ドーンと上がってしまうけど
大切なのは本気で超具体的に想像すること。

 

 

どんな役でも想像力の大切さは同じ。

そして、役者陣が具体的なイメージを持てるように
アドバイスをするのが演出の役割・・・

私のイメージが相手に伝わり
相手のイメージを私が受け取れれば
稽古はスムーズに進む。

ところが・・・

全員同じ日本語を話しているにもかかわらず
言葉の捉え方が異なるケースもあり
伝えたいことが伝わらない時がある。

伝わっていない!と知ることができれば
別の言葉を使うなど、努力することができるけど

相手の考えや思いを知る機会がなければ
伝達した側は理解していると思って進めてしまう。

そして、これが摩擦の要因になったりもする。

これって、日常でもよくあることでして💦

「思い込み」って奴(^-^;

なので、私はキャスト陣に交換ノートをつくってもらって
思ってることや疑問点などを提出してもらうことにしている。

ノートに書くなんて面倒だよねー

だから無理強いではできないし
実際提出してくれないメンバーもいるけれど
半数以上は、自分の思いや質問などを率直に書いて
提出してくれている。

ありがたや~

子どもたちの提出率が高いのは
保護者のおかげでしょうか(^-^;

この交換ノート、いつも一、二回の提出で終わってしまうので
今回は最後まで続くといいなーと思う今日この頃💛



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