比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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 『私は山の上のお母さん』 を読みました

2006-08-08 | 山が好き 北アルプス
最近、松本在住の兄から1冊の本が贈られてきました。書名は『私は山の上のお母さん』。北アルプス後立山連峰の中にある船窪小屋のお母さん(女主人,おかみさんなどと呼んでは似つかわしくないような気がします松澤寿子さんの手作りの本です(発行者は松澤宗弘さん、ご主人です。定価1,200円,B6判

信州生まれ、日常の中に山や林があり、登山などという非日常的なことと少し違う単なる山が好きという私ですが、読み進んでいくうちになんだか分からぬ感動を覚えましたので今チョッとハマッているブログで紹介してみようと思い立ちました。
3章からなるこの本は、1章でお父様の山小屋建設と雪崩による遭難死、筆者の山小屋との出会い,継承が綴られ、2章ではたぶんパソコンのホームページから纏められたのでしょうか。気持ちのこもったポエム(短歌)も随所にちりばめられて山小屋の日常やエピソード、トピックが語られています。3章は船窪小屋との出会いの人々たちが寄せた「思い」の数々。

実を言うと私は船窪小屋船窪岳も行ったことが無いのです。なぜか白馬から五竜まで(このときは針ノ木岳までを目指しましたが雨で途中下車)、烏帽子から南へのコースは経験があるのですが憧れの鹿島槍針ノ木船窪はヌケているのです。高校時代に米、味噌、ジャガイモなど粗末なリュックザックにつめて(重かったナー)赤石山脈三伏峠(南アルプスという言葉はキライです)に行ったときから、森林限界と高山潅木帯の交じり合う辺りが好きなのです。樅やシラビソ、栂の森をぬけてカンバ,高系高山植物の草原に、這松の匂いのする稜線に,ウ~ン。船窪小屋辺りはそんな情景ではないかと思い、ネットで検索してみると実にのどかでホットするようなロケーションですね。なによりもマイナーなところ(ゴメンナサイ)がよい。たぶん寝る場所を確保するのに血眼ということは無いでしょう。さて本の話に戻ります。

この本の中に流れているものは何でしょうか。お父様との別れからご主人との出会い、50年以上の時の流れはいろいろあったでしょうが、すべてたんたんとしています。一緒に働いてくれた人、山小屋を訪れた人、みんなが絡み合って今があると思います。一期一会の人も再訪してくれた人も思いは同じでしょう。寄せられたエッセーの一つ一つがヨイショではないのがよいです。エッセーの中から船窪周辺のすべての空気が伝わってきます。
ご主人のあとがきもよい。寿子さんへの愛情が感じられます。
感動しました!

山と山小屋の好きな人、これから船窪岳に行ってみようかなという人、必見です。

話は跳んで数年前山小屋で一緒になった人に聞いた話ですが某山脈の某山小屋で寝ながら同室の人と話をしたら10人中10人がここには二度と来たくないといっていたそうです。山小屋と言ってもいろいろです。


それにしても「寿子さん」の山菜のテンプラを食べたいナ。
       


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