Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

愛着

2022年02月07日 15時28分56秒 | エッセイ


生まれ育った長崎市から福岡市へ居を移して45年ほどになる。
福岡暮らしの方が、はるかに長くなっている。
でも、「どちらに愛着がある」と問われれば、長崎がはるかに勝る。
これほど長く離れていても、それはまったく関係ない。
建て替えられているものの生まれた家は、今も鮮明に覚えている。
幼い頃遊んだ街の隅々、小学校や中学校の
同級生たちとの楽しかった学校生活、
少し大人になりかけの高校、大学の青春時代、
それらが身に焼き付いている。
それらは振り払い、こさぎ落としようがない。

だから、高校野球にしても、都道府県対抗駅伝にしても
目は、声は長崎県の方に向く。
あるいは長崎県の所属チームであったり、
出身が長崎県の選手であれば、やはり同じことだ。

           
                 長崎市

Yahoo! JAPANを何気なく覗いていたら、
「長崎県の地域注目度ランキング」というものがあった。
『生活ガイド.com』サイト内の長崎県のページに
今年1月の1カ月間、どの市に、どれほどのアクセス数があったか、
その数によってランキング化したものらしい。
 
それを見て、ちょっとイラっとした。
何と第1位が、長崎市でなく佐世保市になっているのだ。
両市を比べると「街並みや雰囲気が良い」は、
佐世保市84%、長崎市83%だから差はないに等しい。
「安全」は佐世保市73%、長崎市75%で、
これとて大した差ではない。
「愛着」については、佐世保市73%に対し、長崎市68%である。
「地域交流」はどうか。これは佐世保市59%に対し、長崎市63%。
これらを見ると、ほとんど差がない。

問題は「店の充実」だ。
佐世保市が73%となっているのに、長崎市の数字がない。
それで、「店の充実」が佐世保市が上というのであれば、
少々異議を申し立てたい。
これが1、2位を分けたのなら、なおさらだ。

        
                  佐世保市

何と言っても長崎市は県都だ。
人口にしても長崎市は約40万人なのに対し、
佐世保市は約24万人だ。
佐世保市にも住んだことがあるが、中心商店街の規模も違う。
何をもって「店の充実」としているのか定かではないが、
だんだん腹が立ってきた。
同じ長崎県であっても、生まれ育ちが長崎市とあれば、
「佐世保なんか目ではない」と言いたくなるのだ。

腹立ちまぎれに1人ブツブツ言っていたら、妻がやって来た。
即座に口を閉ざした。
妻は佐世保市の生まれ育ちだ。
迂闊にこの話をしようものなら大論争になりかねない。
そうなれば、長崎市の大敗は確実だ。