Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

メンズコスメ

2022年02月23日 11時49分12秒 | エッセイ


母さん 僕が小さい頃、いや今でもこう言い続けていますよね。
「眉が下がっていると男前が下がるよ。
指先を湿らせ、眉をきゅっと上げなさい」
それが母さん 最近の若い男性は母親からそう言われなくとも
自分で眉をハサミで整え、カミソリで俳優さんみたいに
きれいに仕上げているのだそうです。
母さん、それで驚いてはいけませんよ。
中には、眉を書く人もいるとか。
なんとまあ、ですね。

        

ああ、若い男性だけではありませんでした。
40歳代の人にも多くなっているそうです。
先日、テレビを見ていたら、何と男性専門の眉毛サロンもあるんですね。
確か、それだけで2000円でしたっけ。
1000円で散髪できるのにですね。


どうやら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で
オンライン会議や商談が増えたことも一因らしいんです。
要するに見栄えを気にする人が増えたということですよ。
確かに、母さんがいつも言うように
「眉をきゅっと上げていれば少しは男前に見えます」からね。
美容師さんに言わせると、
「目元を強調すると顔全体にメリハリが生まれ、シャープに見える」
そういうことなんですよ。
見栄えだけで、うまく商談がいけばいいのですがね……。
余計なお世話でしたか。

        

ついでに言いますと、最近の男性諸君は眉だけではありません。
肌を美しく見せるための男性向け化粧品、
これを「メンズコスメ」とか言うのだそうですが、
これの市場規模が年々拡大しているんです。
ある調査によると、メイクをする男性の1カ月当たりの
購入費用は平均4759円だと言います。
特に20、30歳代は約5600円で、
女性全体の約2倍というからビックリです。

      

「それで、あなたも眉をそうしたいと言うのですか」
なんてとんでもありませんよ、母さん。
80歳にもなろうとしているんですよ。
ひどく見苦しくなければ、それで結構。
何と言いましても、僕が眉をそうしたら
母さんは「私はもう用無しなんだね」と言って、
会いに来てくれなくなるじゃありませんか。
今まで通り、毎朝髭をそる時、鏡の中から出てきてくださいよ。
指先を湿らせ、眉をきゅっと横に引きますから。