この子はマナという。4歳の女の子、いや女性だ。
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本当に元気が良い。
幅が20㍍ほど、長さが70、80㍍の扇型をした川べりの砂場
ここが、この子の遊び場で雨など天気が悪い日を除くと
毎朝のように駆け回っている。
また、すっくと首を伸ばし端正な姿で立っている白サギを狙い
あるいは飼い主の老婦人が投げる小石を追って川の中に飛び込む。
深くはない。水の中に入っても歩けるほどしかない。
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少し離れた所で飼い主の老婦人が
まぶしい陽ざしに左手をかざして、動き回るマナを眺めている。
こんなに元気なこの子は捨て犬だった。
人の身勝手さに傷つき、翻弄され
動物愛護管理センターで、あるいは殺処分されかねない身の上だった。
幸い今の飼い主に引き取られ、家族の慈しみの中で安穏に暮らしている。
それでもどんな辛い思いをしたのか、当初は
「人への警戒心が強く、こうやって外に出るのも
この砂場遊びの時くらい」だったそうだ。
そう言えば、近くによると尻尾を垂れ、俯き加減になり、
上目づかいにこちらをうかがうなど警戒、いや恐れているような素振りを見せた。
ウォーキング途中、マナを見かけるようになってからにもう1年以上。
「マナ」と呼びかけると以前より少し慣れたのか、こちらに近づいてくる。
突然、苦くて辛い記憶が甦った。
幼い頃、我が家にも白い子犬がいた。
ある日、いつものようにじゃれ合うようにして遊んでいたら
何をどうしたのか自分でもよく分からないのだが、
突然、その子犬を投げ飛ばしてしまったのである。
子犬は「きゃん」と言ったきり起き上がらず、そのまま死んでしまった。
「ごめんなさい、ごめんなさい」泣き叫びながら
自分の内に潜む残虐性におののいた。
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福岡県も連日、新型コロナウィルスの感染者が増えていき
ついに不要不急の外出自粛要請となった。
29日の日曜日は、東京をはじめ関東地方は雪が降る
真冬並みの天候だったようだが
福岡地方は風が少し冷たくはあったが、陽春の候となった。
外出自粛と言われたとあれば、もっぱら家で過ごすこととなったが
午前中、1時間ほど夫婦連れだっていつもの川べりへウォーキングに出かけた。
今日もマナはいた。1年前より体が一回り大きくなっている。
元気なのは相変わらずだ。
走り回っている。
そして、白さぎを追い、小石を追い水へ飛び込んでいく。
ユキのハゲオヤジです。
マナちゃんを見たら、年齢といい見た目といいユキに見えたので・・。
いつか、ユキもこのようになっていることを・。
でも、犬それぞれ・・お互いが共に幸せならばいいんです。
ちょっと感傷的になってしまいました。
失礼いたしました。