小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

まくわ瓜を食す=懐かしい昔の味に出会う幸せ

2011年09月06日 | 男の手料理・食

子供の頃、井戸水に、冷やしてあるスイカとまくわ瓜は、子供達にとって、アイスキャンディーと並ぶ、極上の夏のおやつの果物だった。だが、アンデス・メロンが、開発されてからと言うもの、滅多に、東京では、果物屋さんや、スーパーでは、お目に掛かれなくなってしまった。確かに(作る、売る、買うのに安心です)というキャッチフレーズから、名付けられたアンデス・メロンは、瞬く間に、市場を席捲し、悪貨は、駆逐されてしまった訳か(?)久しぶりに、信州の産直売り場で、あの懐かしい黄金色した瓜を見つけて、買うことにした。お婆さんの説明では、多少、香りが強くなり、表面が、手に、べとつくくらいが、食べ頃で、冷蔵庫で、逆に、余り、冷やしすぎない方が、甘みを感じるそうである。暫くして、頃合いを見計らい、半分に割り、中の種とわたを取り除き、色白の果肉を、ほおばれば、懐かしい「上品な香りとほのかな甘み」とが、口の中に、充満する。確かに、メロンのような濃厚な喉の粘膜を、むず痒くするような強い刺激はないが、飽くまでも、「控えめな淡いその香りと甘み」は、日本人好みの繊細な舌の感覚を、想い出させる。まるで、個性の強い「香水」と淡い「匂い袋」の違いのように感じられるのである。この淡い「色目と香りと味わい」をもっと、市場に、復活させられないものであろうか?高級メロンに較べて、余り、付加価値がなくて、やはり、儲けが少ないか?(残念!)今年の夏は、何か、得をしたように、食べ終わった後に、感じられたのは、錯覚だろうか?