東日本大震災の復興で、個人や会社の2重ローンが、大きな問題となっているが、中小企業は、個人が、初めて、起業するときに、取引先銀行が、真っ先に、取り上げるのが、融資の担保と見返りの個人保証契約である。海外との輸入取引では、信用状(Letter of Credit)の開設には、当然、大きな額のそれこそ、月額3千万円の取引が、見込まれれば、当然支払先との売掛金の回収条件次第では、3ヶ月程度の輸入ユーザンスが、必要となり、総額では、9千万円程度、ざっくり、最低でも、1億円程度の資金を、融資して貰わなければ、小さな資本金それ自体では、商売自身が、成り立たないことになる。そんな時に、信用保証協会の無担保融資で、銀行は、最低、3千万円程度から、銀行のリスクをヘッジして、紹介するものであるが、この融資には、外貨為替取引手数料を、稼げると同時に、複雑な「超長期先物為替予約デリバティブ」なるものが、セットとされており、まるで、その血を吸い取るのを当たり前のようにしている寄生虫のように、パッケージ化されているのである。今日のような「超円高」の時には、その期日が、到来したときには、5年前、10年前の契約した当時の為替レートと期日到来日のそれとは、大幅な「乖離」があり、その時点で、解約しようにも、ペナルティーが、課されるだけで、その損失は、全く、一方的に、契約者リスクで、損失は、補填されることはない。それでは、逆に、「円安」の時には、利益が、出るであろうという議論もあるが、確かに、理屈では、そうではあるが、実際には、デリバティブ自体をしないで、流していたほうが、結局は、メリットになり、一方的な個人支払い保証契約に、縛られて、得べかりし利益は、限定的なものに、なってしまうのである。リーマン・ショックで、奇しくも、露見した、金融工学の複雑化した数式の中に、ちりばめられた「住宅ローン」の不良債権は、いつしか、破裂した挙げ句に、余剰資金・投機資金として、様々な分野へ、向かい、金融政策とのイタチごっこを、今も尚、繰り返している。円高になれば、輸出企業は、1円でも、数百億円の損失が嵩み、中小企業では、融資とパッケージ化された為替デリバティブで、これまで、目に見えない形での損失と倒産のリスクが、顕在化しつつある。スイス・フランが、自国通貨防衛策に、打って出ると決断したようであるが、一体、日本の為替政策は、官製ファンドの立ち上げも含めて、どのような方向性を打ち出すのであろうか?中小企業主の声は、いつになったら、届くのであろうか?これらからは、個人的には、やっと、解放されたが、依然として、喫緊の課題であることは、間違いない。銀行は、いつの時代も、必要なときには、傘を貸さずに、大雨が降れば、有無を言わさずに、取り返しには、やってくるものである。大体、この件を持ち出すと、大抵の銀行筋は押し黙ってしまうものである。