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【第24回 数学カフェ】実験数学

2018-03-11 14:45:26 | 日記
【第24回 数学カフェ】実験数学
 
【第24回 数学カフェ】実験数学「見る数学ーー液体表面の曲がり方」に参加してきました。きちんとレポートできるか自信がありませんが、頑張ってやってみます(ご指摘あればお知らせください)。
 
場所:株式会社Preferred Networks多目的ルーム(大手町ビル3F)
日時:3月10日(日)13時~17時
講師:明治大学教授 矢崎成俊先生(専門は移動境界問題の数理解析)
   http://www.isc.meiji.ac.jp/~syazaki/index.html
 
内容:
実験数学ということで、1テーブル6人程度で向かい合うという、いつもの数学カフェとは違う、まるで理科室を彷彿とするテーブル配置。わくわく感あり。
 
冒頭は矢崎先生の自己紹介から。歳が近いというせいもあって親近感あり。ゴキブリほいほいの話など幼少の頃の体験にあるある状態で頷く。学生時代はテニス歴あり、科学部にも在籍。コンピュータに触れ、BASICでビリヤードのプログラムを作ったこともあるそう。大学生の頃、雪の結晶を作成する実験から実験数学が根付く。専門は解析、数値計算、微分方程式。数セミや大学への数学への寄稿あり。明治大学の生田キャンパスの理工学部数学科に所属(詳細はこちら)。現象数理学の人は他分野との交流が多く、コミュニケーション能力が必要とのこと。
 
現象数理学の研究の一例として、酸化還元反応があり、火災の燻りの広がりから炎が出てくるまでの境界の数式を研究されているとか。この研究は火災予防などに役立つ。雲のようなぼやけた図形の輪郭抽出(境界)を数式で解析することもやっている。MRIなどへの応用ができるとのこと。境界は曲線・曲面と見なせるので曲線・曲面がどう動くかを調べる。一般に物質には表面張力で動くルールがあり、数学で表現すると曲率になる。この現象の曲率を正確に表現することが課題となる。
 
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今日の実験:
実験1.2つの輪っかの間を石鹸膜でつないでその曲面を観察する。
実験2.2つのアクリル版の両端にシールを張って空気が入り込むようにし、絵の具を挟んで張り合わせアメーバ状の形態を観察する。
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【実験1】
針金で作った2つの輪っかの間を石鹸膜でつないでその曲面を観察する。輪っかをくっ付けて離すと、膜が結合して、真ん中の結合部分を破ると立体の線識面ができる。この結合部分の曲面がどのような形状をしているかは未だ解析できていない(円と思われるが証明はできていない)。輪っかの形状をぐにゃぐにゃにしても同様の現象が起こる。徐々に離していくと結合部分の面積が小さくなり、結合部分が切れる。これは平均曲率が無限大になり、ブローアップ(爆発)が発生したことによる。
 
休憩を挟んで、メビウスの帯の話から始める。実はメビウスの帯でも石鹸膜ができる。紙で作ったメビウスの帯を半分に切ってみる。捻りのある輪っかができる。メビウスの帯が二重になる(4回捻り、一回捻り180度)。ハートマークの帯もできる。ちょっとしたSegue。
 
話を元に戻して、石鹸膜で繋がった曲面の上位の曲線は実は重力が働いているので、懸垂曲線になる。懸垂曲線は放物線に似ているが若干横に膨れている。ガリレオ・ガリレイは最初の講義で間違って懸垂線の状態を放物線だと教えていた逸話があるそうだ。確かに似てはいる。テイラー展開の最初の項は放物線と同じ。懸垂曲線を数式で書くにはどうしたらいいか?目の細かい鎖が垂れ下がった姿をイメージしてみる。懸垂線は自分の重さだけで決まっている。懸垂線(カテナリ)の数式を導いてみよう!
※ちなみにカテナリの語源は鎖から来ている。懸垂面はカテノイドというそうだ。
 
懸垂線は実はcosh(hyperbolic cos)で表せられる!hyperbolicとは双曲曲線のことであり、双曲曲線の面積が2/θとなる座標が(coshθ,sinhθ)となる。詳細は下記Wikipedia参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/双曲線関数
 
では懸垂線がcoshであるとどう求めるのか?計算してみよう!まずは方針を考える。懸垂線は自分の重さだけで定まるものである。この量を表すのには位置エネルギー(mgh)というものを導入する必要がある。線密度ρ(長さ当たりの重さ)、重力g、高さf(x)、微小な長さをdsとし、曲線をΓとすると、位置エネルギーはΓの関数E(Γ)=∫ρg f(x) dsと書ける。曲線を決めると位置エネルギーが決まる、このように関数を与えると値が定まるような関数のことを一般に汎関数という。位置エネルギーは汎関数で表すことができる。方針は位置エネルギーE(Γ)を最小にするΓを求めること。ただし全長である鎖の長さ、L(Γ)=∫dsは一定であるという条件下でこのΓを求める。これで計算ができる。
 
微小長で考えるとピタゴラスの定理から、ds=sqr(1+f'(x)^2)dxと書ける。これをE(Γ)の式に代入する。E(Γ)を最小にするΓを見つけるためにΓをちょっとずらしたE(Γ)≦E(Γ+εφ)を考える。これはεに対する微分だ。さあ計算だ!φは任意の関数であることから、変分法の基本補題により積分の中身が0とならなければならない。今度は長さL(Γ+εφ)を考える。これもεに対する微分だ。L(Γ)の微分は曲率になる。この二つの微分等式から二階の微分方程式が導かれる。これを解くとcoshが導かれる。かなり強引だけど、流れはこんな感じ?ちょっと説明に自信がありませんが、まあ、めでたし、めでたし。私が見つけた参考ページはマスオさんの以下の記事。
・高校数学の美しい物語 - 懸垂線の2通りの導出
 https://mathtrain.jp/catenary
 
【実験2】
2つのアクリル版の両端にシールを張って空気が入り込むようにし、絵の具を挟んで張り合わせアメーバ状の形態を観察する。結果は添付の画像を参照。この流体の流れの簡単な実験を考えた人がHele-Shawさんで、この名前をちなんでHele-Shaw流れという。これも微分方程式から導かれる。この指で押すとアメーバ状の細かい枝のようになることをフィンガリング現象という。高粘性流体と低粘性流体を混ぜると不安定化して、このような状態となる。微分方程式は圧力の調和関数と表面張力の力から方程式が導かれる。この大元の微分方程式がナヴィエ・ストークス方程式という難しい流体の方程式なのである。これは今後の課題。
 
所感:
純粋に実験数学を楽しめた。また色々な実験や現象から数理学的に解析することの重要性も実感できた。矢崎先生の講演はMathPowerでも拝聴したが、今日はより深く現象数理学が理解できた気がする。矢崎先生最高!
 
参考文献:
実験数学読本:http://amzn.to/2F1Ylr8 
界面現象と曲線の微積分:http://amzn.to/2FIa0IS
 
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3月10日(土)のつぶやき

2018-03-11 04:15:48 | 日記
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