1 破風板
「破風板なんぞは、単なる飾り板だから 取り付ける必要などない」
と放っておいた。
そしたら、妻面の垂木を止めている釘の頭が錆びて、とても目立ってきた。
これはまずい。最も風を受ける部分が吹き飛ばされたら大変だ。
破風板は、単なる飾板ではないことに気付き、取り付けることに決めた。
古民家の破風板はとても立派だ。
幅は30cmを超える程あって、厚みも相当あるようだ。
建物の妻面の顔となる部分だからだ。
しかし、ここではあくまでも垂木を隠す程度にとどめる。
板は下見板に使ったt15×w180の杉板を使う。
平板ではおもしろくないので、裾模様をつけることにして、
ジグソーで切り出した。
何種類かの絵を描いて試し切りしてみたが、
一番単純な模様が良かった。
破風板の飾りは、一番単純な模様を採用した
2 破風飾り
せっかく破風板を取りつけるなら、
破風に何かシンボルをつけたくなった。
以前住んでいた滋賀県の湖北地方では破風の合わせ部分に、
水という文字を透かし彫りしてあるのをよく見た。
あれは、火事除けのお守りだそうだ。
我が家の守り神は何
海辺の家であるから、海を崇めるためにも、
よく獲れるチヌとタコをシンボルとすることに決めた。
崇めると言うよりは、大漁祈願かもしれないが。
何枚かの下絵を描いて気に入ったデザインを採用。
タコは少し漫画チックになったが、ユーモラスな感じが出て、これで良し。
材は、ヒノキの30cm板。
ノミを使ってレリーフ加工。
目玉には、白と黒の色付けをした。
チヌを製作中
チヌを彫刻中
チヌとタコ出来上がり
3 取り付け
取り付けるために、一度返却した2段はしごを、Hさんから再度借りてきた。
しかし、このままでは妻側にはしごを固定することはできない。
ロフトの小窓の引戸を全部とりはずして、
はしごが立てかけられるように、角材とロープではしご掛けを組み立てる。
窓から突き出たはしご掛けは、長いので少し揺れるが何とか作業はできた。
破風板をステンレス釘で打ちつけてから、
破風板の合せ目にシンボルのチヌとタコを、
やはり、ステンレス釘で止めつける。
下におりて見上げれば、妻面がビシッと決まったようだ。
チヌもタコも50cmもあったのに、上へ上げれば小さなものだ。
それでも、この小さな家に少しは風格が出たかな。
向かいの道路から見れば、チヌが目に入る。
しかし、小さく目立たないようで、このチヌの存在に気付いて、
声をかけてくる人は、まだ誰もいない。
ロフトの小窓をはずして、角材ではしご掛けを組み立てた
破風板取付け中
タコ取付け中
取り付けたタコの破風飾り
作業期間 2007年10月中旬
所要日数 2日
付記:妻・ひろ
いつの頃から、妻は、
妻から「家作り実況版」と名づけて、
夫が、「あっ~ それは、いいとこ取りやろ~」
と嘆くのも構わず、家作りを実況し始めました。
妻のいいとこ取りの実況版は、
こちらをどうぞ。
『一人で建てる木組み家』のこれまでは、こちら です。