七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

『一人で建てる木組み家』~31 破風

2009年02月26日 | 『一人で建てる木組みの家』

1 破風板

「破風板なんぞは、単なる飾り板だから 取り付ける必要などない」
と放っておいた。

そしたら、妻面の垂木を止めている釘の頭が錆びて、とても目立ってきた。
これはまずい。最も風を受ける部分が吹き飛ばされたら大変だ。

破風板は、単なる飾板ではないことに気付き、取り付けることに決めた。

古民家の破風板はとても立派だ。
幅は30cmを超える程あって、厚みも相当あるようだ。
建物の妻面の顔となる部分だからだ。

しかし、ここではあくまでも垂木を隠す程度にとどめる。
板は下見板に使ったt15×w180の杉板を使う。
平板ではおもしろくないので、裾模様をつけることにして、
ジグソーで切り出した。
何種類かの絵を描いて試し切りしてみたが、

一番単純な模様が良かった。


破風板の飾りは、一番単純な模様を採用した


2 破風飾り

せっかく破風板を取りつけるなら、
破風に何かシンボルをつけたくなった。

以前住んでいた滋賀県の湖北地方では破風の合わせ部分に、
水という文字を透かし彫りしてあるのをよく見た。
あれは、火事除けのお守りだそうだ。

我が家の守り神は何

海辺の家であるから、海を崇めるためにも、
よく獲れるチヌとタコをシンボルとすることに決めた。
崇めると言うよりは、大漁祈願かもしれないが。

何枚かの下絵を描いて気に入ったデザインを採用。
タコは少し漫画チックになったが、ユーモラスな感じが出て、これで良し。
材は、ヒノキの30cm板。
ノミを使ってレリーフ加工。
目玉には、白と黒の色付けをした。


チヌを製作中


チヌを彫刻中


チヌとタコ出来上がり



3 取り付け

取り付けるために、一度返却した2段はしごを、Hさんから再度借りてきた。
しかし、このままでは妻側にはしごを固定することはできない。
ロフトの小窓の引戸を全部とりはずして、
はしごが立てかけられるように、角材とロープではしご掛けを組み立てる。
窓から突き出たはしご掛けは、長いので少し揺れるが何とか作業はできた。
破風板をステンレス釘で打ちつけてから、
破風板の合せ目にシンボルのチヌとタコを、
やはり、ステンレス釘で止めつける。

下におりて見上げれば、妻面がビシッと決まったようだ。
チヌもタコも50cmもあったのに、上へ上げれば小さなものだ。
それでも、この小さな家に少しは風格が出たかな。
向かいの道路から見れば、チヌが目に入る。

しかし、小さく目立たないようで、このチヌの存在に気付いて、
声をかけてくる人は、まだ誰もいない。



ロフトの小窓をはずして、角材ではしご掛けを組み立てた


破風板取付け中


タコ取付け中


取り付けたタコの破風飾り




作業期間 2007年10月中旬
所要日数 2日


 付記:妻・ひろ

いつの頃から、妻は、

妻から「家作り実況版」と名づけて、

夫が、「あっ~ それは、いいとこ取りやろ~」
と嘆くのも構わず、家作りを実況し始めました。

妻のいいとこ取りの実況版は、
こちらをどうぞ。




『一人で建てる木組み家』のこれまでは、こちら です。

コメント (1)
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