七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
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『一人で建てる木組みの家』 ~ 32  薪ストーブ その1

2010年02月25日 | 『一人で建てる木組みの家』

[薪ストーブ] ブログ村キーワード

1 薪ストーブは高くつくか   
 
薪ストーブは、田舎へ引っ越して新しい家を自分で建てたら、必ず置こうと考えていた。
田舎暮らしであれば、薪の確保は容易だから、暖房費が節約できる。

大三島では、みかんを栽培しているし、また荒廃して山林化した園地もあるので、
薪用材は簡単に手に入る。
雑木を伐って荒廃園を再生することも考えているので、薪をとるということは、
生活のサイクルの一つとなる。
都会での薪ストーブは贅沢品になるだろうが、田舎では、日常生活の必需品となる筈。

ただ、この薪ストーブには、大きな問題がある。
世間では、憧れの薪ストーブと言われているぐらい、とても高くつくのだ。

一つ目、薪ストーブそのものが、とても高価なのだ。
ヨーロッパやアメリカからの輸入品で数十万円はする。

二つ目、薪ストーブは、煙突を2重にするなどして、性能の良い煙突でないと、
うまく燃えないようだ。この煙突が、薪ストーブ本体程の費用がかかる。

三つ目、部屋の中へ、薪ストーブを持ち込むには、炉台や炉壁などのしっかりした
防火設備も必要だ。

あれやこれやで、総額100万は下らないというのが、費用の実際。
低価格の家作りを目指すとなると、こんなにお金のかかるものは、
とても取り入れられない。

薪ストーブのことを調べていた頃、どの本を見ても、ネットで調べても、
有名な欧米メーカーの高価なストーブのことしか書かれていない。

そのうち安価な鋳物の中国製のストーブがあることを知った。
時計型ストーブのようにとても安価なものはあるのだが、これだと耐久性がない。
中国製でも鋳物ならいいのではないか。調べてみると、
日本の企業が技術協力をしているようなので、安心できるのではないか。
ただ耐久性がよく分からない。欧米メーカーのストーブの耐久性もよく分からない。
半永久的とも、数年とも、使い方によるとも。
大いに迷ったが、10年ぐらいは大丈夫だろうと、中国製ストーブを購入することに決定した。
これで、一つ目の問題はクリヤー。

二つ目の煙突については、これも調べていくと、2重煙突が一重煙突の10倍程の値がついている。
これを作ることができればと思っていたら、やはりすでに作っている人がいた。
河原さんが、ブログて紹介してくれていた。この記事を見て、とても有難くマネをさせてもらうことに。
これで、二つ目もクリヤー。

次の三つ目の問題。
ストーブをリビングに置きたいので、炉台や炉壁をレンガ等で作る必要がある。
しかし、これはお手のもの。レンガやセメントの材料費などはたいしたことはない。
構造などは調べればわかる。
これで、三つ目もクリアー。

ということで、これなら納得のいく費用で薪ストーブを置けそうだ。
後は、楽しい労力だけだ。


2 床下の補強

当初から、薪ストーブの導入を考えていたので、
設置予定位置の床下補強はしてある。
105㎜角の大引を増量している。
これで充分だろうと思っていたが、
薪ストーブの設置図面を描いていて気付いた。
炉壁のレンガを積み上げると相当の集中荷重がかかる。
東側の炉壁の下の床板は土台に載せかけずに土台に釘止めした受板にのせている。
これはまずい。
16段も積むレンガの重みに耐えられない。
補強が必要だ。

よほどのことが無ければ、床下にもぐり込むことはないだろうと思っていたが、
早速に床下点検口を利用することに。
補強策としては、大引を追加して、束で支えることに。

点検口からは、長い大引は入らないので、2ピースに分けて持ち込んだ。
束は4本。出来上がった床をあとから支えるというのは、難しい。
平石を束の位置にしっかりと固定しておいて、大引と束石の間へ束を横から
叩き入れる方法をとる。
床下高は、高くは作ってあるのだが、作業をするには困難をきわめた。
昼から始めて夕方少し暗くなると、ほとんど見えないので、
懐中電灯を照らしての作業。
なんとか終えることができたが、体が凝り固まってしまった。


3 炉台

調べれば調べただけのやり方がある。
畳の上へレンガを置いただけの人もいた。
これは少し怖そうだ。

レンガなら、10㎝程の厚みをとれば良さそうなので、
自分なりの方法をとることにする。

気に入って購入したレンガは、舗装用の硬く焼成したもので、厚みが40㎜しかない。
だから、総厚をカバーするために下に石こうボードやモルタルを打つことにした。

 (1)炉台の位置が決まれば、床板の上へ防水紙をタッカーでとめる。
 (2)外周に、40㎜厚のレンガをモルタルで1段積む。
 (3)外周が出来たら、中へ
    壁下地材の余りの石こうボードt9,5㎜とラスボードt6㎜を形切りし、
    2層にしてキッチリ並べ置く。
    念の為、ボード釘を打っておく。
 (4)その上へ、壁下地材の余りのラスを形切りして置き、
    砂:セメント=3:1程の練りモルタルを厚さ25㎜流し入れてコテで均す。
 (5)2段目の外周レンガを積む。余分なモルタルをしっかり拭き取っておく。
 (6)中へ、3:1の空練りモルタルを10㎜敷く。水練りにするか迷ったが、   
    施工性と仕上がりを重視し空練りとした。
 (7)レンガを並べる。硬いレンガなので、端部の45°のカットに手間取った。
 (8)2:1の空練りモルタルを目地へ掃き入れる。
    その後、ジョロで様子を見ながら、水をまく。
    目地に水が溜って、これ以上吸い込めないと思われるまで、水をまく。 
    その後、目地ゴテで目地部分を押えると1cm程沈むので、そこへ練りモルタルを
    詰めてコテで押える。目地にゴミが溜まらないように、浅目地にする。
    最後に余分なモルタルをスポンジで何回も拭き取る。



防水紙の上に炉台縁レンガの設置



残材の石こうボートやラスボートを敷く


2段の縁レンガを設置後モルタル敷き


炉台完成

4 炉壁
 
壁際へストーブを置くので防火のための炉壁が必要だ。
壁材はやはりレンガ。
割り肌のロックフェイスレンガが気に入ったので購入した。


壁面レンガの購入

ストーブの背が少し高いので、炉壁も少し高くなって、1,2m程。
段数にすれば、16段もある。1日4~5段積む。薄くて背が高いので
転倒を心配して控壁をつけた。
目地は少し、落し目地にした。レンガはモルタルを上手く拭き取れていないと、
乾いた時にとても汚く目立つので、しっかり拭き取っておく。

2月の末で、水がとても冷たい。


壁面レンガの加工


壁面レンガ積み



壁面レンガ5段目完了


壁面レンガ積み最上段


炉壁完成





一人で建てる木組みの家』のこれまでは、こちらをご覧ください。

『一人で建てる家』のインテリア編は、こちらをどうぞ

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