だーばぁの流儀

児童文学作家・岡田なおこブログです。
全身マヒ+オストメイト・作家・アラ還ならではの日々を気ままにつづっています。

「相互直通運転」   番外編

2013年07月08日 | 四方山話
脳が二分する体験


前回のつづきです。

乗った電車が特急で、ワタクシメは駅に降りられないかも知れないと焦っている最中、スマホを見ている男性が目に入りました。
ワタクシメは自分たちの状況をどこかの駅に伝えたいと思っていたところだったので、
ーーあの人に頼もうか・・・スマホなら駅に連絡が取れるかも、と考えました。
ヘルパー・Sさんは「ケータイをスマホに変えよう」と。

後でわかったことですが、ワタクシメとSさんは同時にその男性を見て、脳内が「スマホ」になっていたというわけです(笑)




これも後でわかったことですが・・・
ワタクシメは、
「自分は車椅子から下り、周囲の方たちに声を掛け、車椅子をホームに下ろすのを手伝ってもらおう」と腹をくくり、
ヘルパーさんは、
「下ろすのに手間取り、もしドアが閉まりかけたら、体をはって開扉させよう」と決意した時です。
ワタクシメたちのそばに怪しげなカップルがいました。
新興宗教っぽいやり取りが耳に入ってきます。
ーーゲッ。
ワタクシメとSさんはまたしても同時に、
「この人たちには関わるまい」と、二人から目を背けていました(笑)

            (V)o¥o(V)

ワタクシメたちは、
「車椅子を誘導してホームに下車させてくれる係員がいない」と思い込み、
「勢いつけて、ホームに車椅子ごと飛び移ろうか」と切羽詰っていましたが、それでも「スマホ」のことや「新興宗教」について考える余裕は残っていたようです。

「脳の中」には、興奮して訳が分からなくなっている部分と、一歩引いて物事を観察している部分が同居し、
精神のバランスを取っているのだと感じました。


パニック中のエトセトラ

無事に帰宅して落ち着いてから、ワタクシメとSさんは「あの時考えたこと」を語り合いました。

ワタクシメが、
「車椅子から下りる云々=車椅子の重量を軽くして人力でホームに下ろしてもらおう」と提案した時、
Sさんは、
「利用者さんを守るために、自分が車椅子に乗り操作して、ホームに飛び込もう」と考えたとのこと。
「あなたが乗ったら、よけい重量が増えるって・笑」とワタクシメ。
「ああいう状況に備えて、日頃から電動車いすの操作を練習しなきゃ」
「そう・で・す・ね???」。
「ホームに飛び込む練習もW」
「それは全然意味ないし~・爆」

ワタクシメ達の乗っていた電車は「横浜中華街ゆき」だったので、
「電車から上手く下りられなかったら、中華街まで行って、ラーメン食べたくなった」とワタクシメ(これは冗談)
しかし、
「もし終点で駅員に助けを求める前に折り返し運転になったら、飯能に逆戻り。横浜・埼玉間をずっと行ったり来たりするのかな~と不安になったわ」とワタクシメ。
「中華街で下りられず、車庫に入れられ『出してくださーい』と叫ぶ姿を想像したとSさん。

ワタクシメ達の頭に浮かんだことはすべて「妄想がボーソー」で終わったから良かったけれど、多少でも「現実」になったら、「首都圏ニュース」で取り上げられたかも知れませぬ(-"-)

でも、取り上げてもらえたら、これからの改善につながったでしょう。
何につけても日本の社会は「事故」がないと、改善策を出しませんからねぇ(怒〉

※ 車椅子ユーザー(支援をようする人)が長時間電車に乗る場合は途中で何が起こるかわかりませんから、車掌のそば・後尾車両に乗るのが安心ですよ o(^^)o


人生観が変わったというのは ,。oO 

ちょっとしたことから、ワタクシメはなかなかできない経験をし、短時間でいろいろな感情を味わいました。

痛切に感じたことは・・・
一人(ここでは二人)の人間が命がけの決断をしていても、周囲の人は淡々と「日常」を営んでおり、
♪線路は続くよ、どこまでも~と、ワタクシメたちの知らない所でポッポヤたち(鉄道会社)はワタクシメを下車させる段取りを決めていた・・・
つまり、一人の人間の生き死になんて関係のない人たちにとっては、まったく関係なく(苦笑)
大きな組織はきちんと稼動している。
ワタクシメは大河の流れに飲まれるミズスマシみたいいな存在だってこと。

そんなことは今までも百も承知していた、つもり、でしたが、二分した脳みそで見た光景により、
「ワタクシメが死のうが生きようが世の中なにも変わらないんだ」と思い知らされました。

ーーあまり力まず(?)日々を重ねていこうと思います。
ーーホントか~ (?_?)
コメント
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