氷の浮かぶ水風呂に漬けられた僕は、素っ裸の肌に一気に押し寄せる冷水に歯の根が合わず、全身の震えが止まらなかった。その上、湯混ぜ棒で冷水を掻き回されたから、もう悲鳴どころではなく、意識が遠のきかかって、体が異常に震えるのを他人事のようにぼんやりと感じていたような気がする。
「肩まで浸かって百まで数えたら出してあげる」
小さい子供に言い聞かすようにY美が約束し、エンコに言いつけて、僕の肩を水風呂の中に押し込ませる。エンコが「冷たい」と言って水の中から手を出してしまうと、
「あんたみたいに脂肪の余計にある子がちょっと手を入れたぐらいで何よ。こいつなんか丸裸で全身浸かってるのに」
と、たしなめ、Y美自身もちょっと手を水の中に入れる。
「わ、ほんとだ。すごい冷たい」
妙に嬉しそうな悲鳴を上げて水から手を出したY美に釣られて、女の人たちは競うように水の中にちょっと指を突っ込み、口々に水の冷たさを言い合った。
「こんなにたくさんの氷が浮かぶ水の中に裸で入ってるナオス君を尊敬しちゃう」
目は全然笑っていないのに顔の筋肉だけで笑顔を作ったN川さんの冷やかしは、女の人たちを大いに笑わせた。
「ほら、こうすると、もっとすごいよ」
いきなりS子の手が僕の頭をかざしたかと思ったら、ぐっと水の中に押し込んだ。冷たくて顔や耳たぶが痛い。水の中から引っ張り出された僕の唇が紫に変色している、と風紀委員が僕を憐れむような目で見つめながら指摘した。
震えが止まらない。やっとのことで水風呂から出してもらえたけど、体がぶるぶると小刻みに揺れて、しゃんと立つこともままならない。それでも僕は執念のようにおちんちんを手で隠した。どうせおちんちんをじろじろと観察され、いじられ、冷やかされるのは分かっているけど、少しでもその時間を先に延ばしたかった。彼女たちの関心はどうしてもそこに集中する。案の定、僕はすぐに手を後ろに回され、氷の浮かぶ冷水の中で小さく縮み上がったおちんちんをたっぷりと鑑賞された。
「もうおちんちん、無くなる寸前じゃん」
小指の第一関節の先を示しながら、S子が笑った。水風呂に入れられる直前まで射精寸前の大きさだったおちんちんと比べてあまりに違いすぎるという理由から、「これって詐欺じゃん」と風紀委員が変なことを言い出した。その理不尽ぶりはY美を大いに喜ばせ、風紀委員に倣って「詐欺、詐欺」と寒さで震える僕の耳元で低く呟き、乳首を抓った。おちんちんの袋にも鳥肌が立っている、とN川さんが知らせると、女の人たちはこぞっておちんちんの袋を手に取り、観察した。
「あと少し押し込んだら、完全におちんちんが無くなるね」
寒さで震えるおちんちんを人差し指で押し込みながら、Y美が言った。痛みを覚えて腰を左右に揺すり、もうやめるように小さな声で訴えるが、無視される。僕の背中で両手を曲げているS子がろくにおちんちんを観察できないという不満を述べた。自分もY美がしているようにおちんちんを指で押し込んでみたいらしい。そこでエンコと交代することになったのだけど、交代する直前、S子が僕の腕を少し強く曲げたので、骨折させられそうな激しい痛みが走った。おちんちんを押し込まれている痛み、乳首を抓られている痛みに腕を曲げられた痛みが重なり、もう限界とばかりに恥ずかしさも忘れて、僕は泣き出してしまった。
「男の子のくせに、女子にいじめられて泣くなんて」
軽蔑の眼差しでN川さんが無防備に泣いている僕をじっと見据えた。Y美に変わってS子がおちんちんを指でぐっと押し込む。その乱暴さ加減はY美以上で、僕は、激痛に悲鳴を上げて身悶えするうちに、慣れないエンコの抑えを振りほどいて、両手でおちんちんを庇ってしまった。
「勝手な真似するなよ。もう一度水風呂ね」
怒声を発したS子が僕の体を軽々と持ち上げると、氷の浮かぶ水風呂に僕を落とした。大きな声を出さないとそのままショックで心臓が停まってしまいそうなのに、風紀委員が僕の悲鳴は幾らなんでも大き過ぎて近所迷惑だと難じるので、ルコが、
「ナオス君可哀想。冷たい水風呂に落とされて、悲鳴を上げれば叱られるし」
と、困ったような顔をして僕の頭を撫でた。
女の人たちとともにゆっくりと十を数えた後、ようやく氷水の風呂から出された僕は、ロープを体に巻かれ、両手を背中で縛られた。僕の乳首の上下に二本のロープが食い込む様を見て、今まであまり物を言わなかったミューが、
「なんか痛々しいよ。可哀想じゃん」
と、呟いた。
「でも、ミューは、こいつにパンツをじっくり見られたこと忘れたの? 女子のスカートを覗くなんて最低だよね? 」
S子が同情は無用とばかりにミューの肩を勢いよく叩いた。
大きな窓ガラスの外、周囲を生垣に囲まれたコンクリートの空間には、Fさんがやはり素っ裸のまま、放置されていた。コンクリートの上に横座りして胸の前に腕を置き、豊かな乳房を隠す肢体が生垣に囲まれた狭い空間の中で息づいている。Fさんは放心したような、うつろな表情で、風呂場から外に出される僕を見つめた。
外に出ると、むっとする空気が冷え切った体を包み込んできて、冷房利き過ぎの室内にいるよりも余程有難かった。僕はFさんの前に引っ張られ、Fさんの顔の前に無防備なおちんちんを晒す羽目になった。冷水に浸かってこれ以上ないくらいに縮み上がったおちんちんにFさんが虚ろな視線を当てる。
「じゃ、再開ね。さっき五分て言ったけど、もう時間はいいや。とにかく、こいつのほとんど陥没しかかってるおちんちんから精液を絞り取ってみて」
腰を落としたY美がFさんがこう言うと、胸を覆うFさんの腕を払って、二っの乳房を同時に揉み回した。Fさんがいやがって離れようとすると、Y美に、
「ほらほら逃げないの。しっかりやってね」
と、後ろ髪を掴まれ、元の位置へ戻された。
一切を諦めたように、Fさんの手がおちんちんに伸びた。ゆっくりとおちんちんをほぐし、舌で舐め回す。また、唇を当てて、軽く吸う。おちんちんの袋を手のひらで包み、軽く握って揉む。僕のお尻に手を回したFさんが「冷たい」と囁いて立ち上がると、僕の体を引き寄せて、ぎゅっと抱き締めた。温かくて柔らかいFさんの肌が僕の肌に密着して、左右に揺れる。Fさんは僕の耳たぶから首、乳首に唇を当てながら、手でおちんちんを扱き続けた。縛られて手が不自由な僕は、口に入ってきたFさんの乳首を舐め、吸った。Fさんが切ない声を上げる。おちんちんに絡み付く指が粘着性を帯びる。Fさんが乳首を僕の口から抜き、もう片方の乳首を押し込む。
女の人たちの嬌声が聞こえ、自分が勃起しつつあるのに気づいた。あれだけ小さくて、今にも消えてしまいそうだったおちんちんが次第に硬くなり、亀頭をもたげる。快楽の水位がおちんちんの袋から徐々に体全体へ広がり、もはや体のどの部分を触られても性的快感に結びつかないことはないくらい、敏感になる。ぬるぬるとした亀頭へFさんの舌が伸び、ぺろりと舐める。おちんちんを扱く指がゆっくりになった。少しでも速くなったら、もう射精を我慢できない。
「はい。じゃ休憩しようか」
突然、Y美がFさんを僕の体から強引に引き離した。S子が僕を背後から持ち上げ、股を開かせる。
「すごい。さっきと大違いだね。こんなに大きくなるんだね」
おちんちんに触りながら、感心したルコが息を吹きかける。
「大きいって言っても、さっきの縮み上がった状態と比べての話でしょ。モン先輩のは、こんなもんじゃないからさ」
Y美がおちんちんをぴんと指で弾いて、憎々しげに言った。
勃起したおちんちんどころか、お尻の穴まで白日の光の中に丸出しにさせられている僕の目に、Y美たちの背後で全裸の体を丸めているFさんが映った。Fさんは、女の人たちに弄ばれている僕の方は見ようとせず、ずっと垣根の外へ顔を向けていた。
N川さんやエンコが頻りにおちんちんをいじるので、射精寸前の状態に変わりはなかった。N川さんが、僕の乳首もまたピンと立っていることを指摘して、はしゃいだ。いやな予感がしたのは、S子が僕を持ち上げて、股を開かせた格好のまま、風呂場に戻ったことだった。例の氷の浮かぶ水風呂のすぐ近くで、Y美が言った。
「いきそうになったら教えるんだよ。黙っていったら、氷風呂に浸けるからね。はい、じゃミュー。こいつのお尻の穴に指入れて」
「え、私?」
「そうだよ、早く」
Y美に指名されたミューが困惑したように僕の前に出てきた。Y美に指示された通り、ミューは中指をすっと立て、ゆっくりと僕のお尻の穴の皺をなぞった。穴を突き止めた指がずぶずぶと中へ押し込まれてゆく。足先から頭のてっぺんまで感じやすくなっている僕の体にどすんと重い電流のようなものが流れ、更にY美がおちんちんを扱くので、もう僕はこれ以上、射精を我慢できなくなり、「いきそうです、いっちゃいそうです」と、訴えた。すると、Y美がおちんちんから手を放し、ミューにもお尻の穴から指を出させると、
「よく見てて。おちんちんがどうなるか」
と、女の人たちに言ってから、僕を抱えるS子に目配せした。
いやだ、いやだ、やめて、と叫んだけども、無駄だった。大小様々な氷の浮かぶ水風呂に落とされた僕は、悲鳴を上げて助けを求めた。湯混ぜ棒で冷たい水が掻き回される。剥き出しになっている亀頭の敏感な部分が痛い。両腕を後ろでがっしりと縛られて、動かすことができない一糸まとわぬ体ががくがくと震える。しつこく助けを求めると、
「うるさいな。少しは静かにしてろって」
と、Y美に頭ごと水の中に押し込まれた。
もう時間の感覚はなかった。冷え切った体を水風呂から出してもらった僕は、再び皮の中に逃げ込むようにして小さく縮こまったおちんちんをじっくりと観察された。
おちんちんを射精寸前までの大きさにさせると、また氷水に漬けて強制的に小さくする、という遊びをY美たちは殊のほか気に入ったようで、空が茜色に染まるまで何度も繰り返された。僕が氷水に漬けられている間、Fさんが風呂場の外のコンクリートで真っ裸のまま待機している。氷水の風呂から上げられた僕の背中がうっすらと赤く染まっていることを風紀委員がのんきな声で僕に知らせ、「なんで?」などと訊ねる。両腕を縛られたまま泣きながら外へ引き摺り出される僕を、Fさんは優しく愛撫し、全身を使って僕の快感を高め、何度もおちんちんを射精寸前に導いた。射精寸前に追い込まれると、すかさず氷水の浮かぶ風呂に入れられる。
膝に力が入らず、立てない。N川さんとエンコに支えられるようにして居間に連れ戻された僕は、ぐったりとして、どんな辱めを受けようとも抵抗する気力がなかった。氷水の風呂から出たばかりの僕の体は、まだところどころ濡れていて、ルコからタオルを渡された風紀委員が連行される僕の歩調に合わせて歩きながら、ごしごしと僕の背中や胸、足、股間を手早く拭いた。
氷水の風呂から上げられたばかりのおちんちんは、できればこの世から消失したいとおちんちん自身が願っているかのように小さく縮み上がった、極小の形になっている。両腕を縛り付けるロープが一旦解かれ、すぐに柱の間で手足を広げて縛られた。S子がおちんちんの皮を摘まみ上げ、「安心していいのよ。すぐに元の大きさにしてあげるからね」と言って、皮を面白半分に引っ張った。千切れるような痛みに耐える僕に向かって、「せめてこれくらいの大きさがあるといいね」と嘲笑し、引っ張ったおちんちんの皮をぐるぐる回した。手足を左右に広げたままがっしりと柱の間に縛られた僕は、四肢を震わせて呻き声を漏らすしかなかった。
風呂場から出てきたFさんにルコが手渡した水着は、サスペンダー式の特異なタイプだった。股間のところからVの字に伸びて肩に引っ掛けるタイプの露出度が異常に高い水着で、横側の肌は全て露出するものだから、その水着を着用した体を横から見ると、全裸にしか見えない。股間を覆う小さな面積は、足の付け根がすっかり見えるほどの鋭い角度で股間から上方に伸び、極めて細い紐になって乳首の上を掠め、Fさんのつるんとした肩に引っ掛かっている。父親の愛人の衣装棚から見つけた、とルコが笑いを堪えながら説明し、露出大好きの変態淫乱な女には似合うと思う、と付け足すと、Y美がFさんの股間を指し、横から剛毛のはみ出ていることを容赦なく指摘した。
いや、と鋭い声を上げて股間を手で隠すFさんは、Y美とS子にまた風呂場に連れられ、戻って来た時は、鼠径部の青白い肌が剥き出しになっていた。
「はみ出た部分だけでいいって言ったのに、S子ったら、全部剃っちゃったんだよ」
大袈裟に困ったような顔を作ったY美がS子の頬を撫でると、Fさんを引き寄せ、股間の水着をめくって、ツルツルになったその部分をみんなに見せた。
見てはいけないと思ってもどうしても見てしまう。Fさんの股間は剃られたばかりで青白く、どこか痛々しかった。生唾を飲み込んだ僕は、体温を戻しつつあるおちんちんにきゅっと甘い、じわじわとせり上がってくる微量の電流が流れるのを感じた。エンコが目敏くこの変化に気づいて、
「ツルツルを見て、こっちのツルツルが反応してるよ」
などと素っ頓狂な声を出しておちんちんを指すので、みんなはその幼い子供のような言い草に大笑いしながら、丸出しにさせられているおちんちんへ視線を移した。
恥ずかしい水着姿のままFさんは、エンコと風紀委員が自宅から持ってきたという冷凍食品の海老ピラフをフライパンで温め直した。夕食の準備をFさんが一人でさせられている間、Y美がおちんちんをいじって刺激を加え、たちまちの内におちんちんを射精寸前の形にした。
「ね、いきたい?」
手足を左右に広げた形で拘束されている僕の悶えてしまう顔を見上げて、Y美が無邪気に訊ねる。
「もうやめて。許してください」
「ちゃんと質問に答えなよ。また冷たいお風呂に入りたいの?」
急いで首を横に振る僕は、いやです、もう許して、と口にしてから、更に声を絞って、いきたいです、と答えた。
「ふうん、いきたいんだ。女の子に見られながら射精するの大好きだもんね。でも、駄目。まだまだ我慢」
ぎゅっとおちんちんの袋を掴む一方、天井へ亀頭を向けるおちんちんに息を吹きかける。Y美は僕の後ろに回ると、お尻を開き、肛門を剥き出しにし、
「これからはここも拡張しないといけないしね」
と、独り言のように呟いた。
女の人たちが夕食を済ますと、次は僕の番だった。柱の間に素っ裸の身を大の字に広げたまま縛られている僕の口にFさんがピラフと野菜サラダを運んでくれた。これらは女の人たちの残り物であり、ピラフとサラダが一つの皿にごちゃ混ぜになっていて、その上に味噌汁がかけられていた。見た目が悪いのでなるべく皿は見ないようにして口に入れられた物だけを喉に流し込むことに専念するのだけど、Fさんの乳首だけを細長い織物で隠しただけの大きな胸が迫って、時折僕の剥き出しの肌に接するので、自然と呼吸が荒くなってしまう。官能を感じてしまう僕をY美たちが見過ごす筈がなかった。
ケチャップの付着したFさんの乳首を舐めさせられている僕の一糸まとわぬ体にFさんがその全裸にかぎりなく近い体を密着させ、自ら激しく上下に揺らしている。Fさんのかすかに喘ぐ声が空気の震えとなって耳に入ってくる。頭が朦朧とする。おば様に奉仕をさせられている時みたいにFさんの乳首を軽く噛む。Fさんが仰け反って、おちんちんを股に挟んだ。
Fさんの後ろにいたY美がFさんの股下の水着を引っ張り、硬くなったおちんちんを無理矢理中に押し込んだ。おちんちんの上部にぬるぬるした湿地帯の感触があり、下部には水着の締め付けがある。角度が少し上がれば、おちんちんはFさんの中に入ってしまう。これがいわゆる性行為というものではないかと思った途端、本能的に腰を前後に揺らしてしまった。
「やだ。こんな無毛の男の子でもセックスのことは本能的に分かるのかな」
S子が感心すると、
「そんなんじゃないと思う。ただおちんちんが水着と体に密着して気持ちがいいから、腰を揺すってるだけよ」
と、Y美が冷淡な口調で返した。
これまで、おば様への奉仕で何度も濡れた秘部に接する機会はあったけど、おちんちんを挿入することは絶対に許されなかった。一度だけおちんちんの先がおば様の秘部に接したことがあったけど、この偶然の出来事もおば様は決して認めず、直ちに僕をベッドから下ろすと直立を命じ、お尻をいやという程平手打ちし、最後におちんちんの袋を膝蹴りした。僕は激痛に泣きながら、もう二度とおちんちんを入れようとしないことを誓わされた。
今、おちんちんは、Fさんのねちねちした部分と水着に挟まれて、今しも外部へ突破する精液の凄まじい勢いに耐え忍んでいる。Fさんの最も感じる部分にもおちんちんの上部が当たっていることから、Fさんの喘ぎ声も次第に激しくなったような気がする。僕はもう射精を我慢することで精一杯だった。これ以上、続けられたら、もう射精するしかない。僕は声に出して、もういってしまうことを告げた。でも、女の人たちがどんな回答をしたか、Y美の許可があったのか覚えていない。許可があろうがなかろうが、もう一刻の猶予もなかったのは確かだった。
我慢に我慢を重ねた挙句の射精だったから、おちんちんの中の器官を通じて、白いどろりとした精液がどくどくと飛び出す時間が普通以上に長く感じられた。長い忍苦の果ての性的な快感に僕の喉から短い叫びが迸った。女の人たちから歓声が上がった。
射精を終えてぐったりとした僕は、二本の柱に手足を広げる形で縛り付けられている両手首、両足首を解いてくれるよう、Y美の丁寧に頼み込んだ。長時間縛られていることで手足が痛くなっているというのがその口実だったけど、本当は、どこも隠すことのできない素っ裸の身を射精した後までも、じろじろといつまでも女の人たちに見つめられる苦痛から解放されたかった。
「あ、出す物出したら、おちんちんがだんだん萎んできたね。こんな風に真っ裸で体を広げているから、体の恥ずかしい部分の刻々の変化がよく観察できるわ。恥ずかしくていやかもしれないけど、もう少し我慢して、私たちを楽しませてよ」
S子が僕のお尻を撫で回しながら、ふっと耳に息を吹きかける。
「お前、まだ食事中だろうが。とりあえず食事しろよ」
床に置かれた皿をY美が取り上げ、僕の前に突き付けた。味噌汁をかけられたピラフの上には、先ほど僕の出した精液がかかっていた。女の人の誰かが僕の食事が盛られた皿で精液を受けたようだった。
「ほら、おいしそうなソースがかかっているよ」
スプーンでピラフに白いどろりとした精液を混ぜ込むと、Y美はFさんに皿を渡した。Fさんは黙って皿を受け取り、スプーンで精液の混じったピラフをすくった。Fさんの水着の紐がずれて、乳首がはみ出ていた。そのことに気づかないのか、それともわざとそうしているのか、Fさんは紅潮した顔のまま、黙々と皿に盛られた食事を僕の口に運んだ。量はそれほど多くなかったけど、精液や女の人たちの唾液がたくさんかかっているので、本来のピラフ、味噌汁、サラダの味がしなかった。どろっとした液体が喉に触れ、食道を伝う。僕は味を感じないように、とにかく早く喉に流し込むことだけを考えて、わずかな量の夕食を終えた。
ロープを解いて欲しいとY美にお願いしたのだけど、その理由を尋ねられ、尿意を催したからだと正直に答えたところ、おちんちんの先に紙コップがあてがわれた。射精してしぼんだおちんちんを風紀委員がつまみ、早く出すように促す。おしっこの紙コップの底を叩く音が冷房を消した居間に生々しく、いつまでも響いた。いやな予感がした。このような状態でおしっこをさせられる時は、大抵飲まされるのだった。この時も例外ではなかった。おしっこが臭いと喚くエンコと風紀委員によって、おしっこの溜まった紙コップが僕の唇に乗せられ、無理矢理開かされた口におしっこを注ぎ込まれてしまった。一滴でもこぼしたらお仕置きだから、とY美に脅かされながら、僕は自分のおしっこを飲み干した。涙がこぼれて仕方がなかった。素っ裸を広げた恥ずかしい格好のままおしっこを飲まされる僕の惨めな姿をじろじろと見つめながら、N川さんが思い出したように、
「そういえば、みっくん呼んだっけ?」
と、ルコに訊ねた。
「ごめん、忘れてた。近くに住んでるから、すぐ来れると思うけど」
すぐに受話器を手に取ったルコがダイヤルに指をかける。僕は四肢を強張らせて、Y美を見た。Y美は、浮き浮きした様子でS子と話をしている。
みっくんは、同級生の男子だった。背丈は僕よりも少し高い程度で小柄な方だけど、性格が割と強気で、特に女子に対しては結構容赦ない物言いをするタイプだった。女子と接するのにすごく慣れている感じがして、僕はみっくんのことを、クラスの中で最も女子と普通に話のできる男子として、認識していた。ただ、僕自身は同じクラスでもほとんど話をしたことがなかった。その攻撃的な性格が僕と合わないような気がした。そのみっくんをどういう経緯かは不明だけど、今からここ、ルコの別荘に呼びつけるという。僕は、声を震わせて哀願した。
「お願いですから、呼ばないでください」
「なんで? みっくんのこと、嫌いなの?」
ルコが不思議そうな顔をして大の字に縛られている素っ裸の僕を見つめる。
女の人たちに辱めを受けていることは、同性の男子には絶対に見られたくない。こういう僕の心理を、Y美たちは知っているに違いなかった。でも、わざと知らない風を装って、僕の恥ずかしがる様子を訝る。
「分かった。そんなに恥ずかしいならおちんちん丸出しの刑は勘弁してあげる」
Y美がおちんちんを指でぴんと弾き、ロープを解くようにN川さんとエンコに命じた。二人が僕の手首足首を柱に縛り付けるロープを解くと、僕は、その場にぐったりとして座り込み、おちんちんを股に挟み、長時間縛り付けられていた手首と足首を摩った。
「手足が自由になっても、ここにはお前の着る物なんか何一つないんだからね」
もうすぐみっくんが来るのが楽しみで仕方がないのか、Y美は鼻歌でも歌うように僕を冷やかした。僕は素っ裸の身を小さく丸めた。衣類をまとわなくなって久しい肌を女の人たちの毒々しい視線から少しでも守りたかった。
「肩まで浸かって百まで数えたら出してあげる」
小さい子供に言い聞かすようにY美が約束し、エンコに言いつけて、僕の肩を水風呂の中に押し込ませる。エンコが「冷たい」と言って水の中から手を出してしまうと、
「あんたみたいに脂肪の余計にある子がちょっと手を入れたぐらいで何よ。こいつなんか丸裸で全身浸かってるのに」
と、たしなめ、Y美自身もちょっと手を水の中に入れる。
「わ、ほんとだ。すごい冷たい」
妙に嬉しそうな悲鳴を上げて水から手を出したY美に釣られて、女の人たちは競うように水の中にちょっと指を突っ込み、口々に水の冷たさを言い合った。
「こんなにたくさんの氷が浮かぶ水の中に裸で入ってるナオス君を尊敬しちゃう」
目は全然笑っていないのに顔の筋肉だけで笑顔を作ったN川さんの冷やかしは、女の人たちを大いに笑わせた。
「ほら、こうすると、もっとすごいよ」
いきなりS子の手が僕の頭をかざしたかと思ったら、ぐっと水の中に押し込んだ。冷たくて顔や耳たぶが痛い。水の中から引っ張り出された僕の唇が紫に変色している、と風紀委員が僕を憐れむような目で見つめながら指摘した。
震えが止まらない。やっとのことで水風呂から出してもらえたけど、体がぶるぶると小刻みに揺れて、しゃんと立つこともままならない。それでも僕は執念のようにおちんちんを手で隠した。どうせおちんちんをじろじろと観察され、いじられ、冷やかされるのは分かっているけど、少しでもその時間を先に延ばしたかった。彼女たちの関心はどうしてもそこに集中する。案の定、僕はすぐに手を後ろに回され、氷の浮かぶ冷水の中で小さく縮み上がったおちんちんをたっぷりと鑑賞された。
「もうおちんちん、無くなる寸前じゃん」
小指の第一関節の先を示しながら、S子が笑った。水風呂に入れられる直前まで射精寸前の大きさだったおちんちんと比べてあまりに違いすぎるという理由から、「これって詐欺じゃん」と風紀委員が変なことを言い出した。その理不尽ぶりはY美を大いに喜ばせ、風紀委員に倣って「詐欺、詐欺」と寒さで震える僕の耳元で低く呟き、乳首を抓った。おちんちんの袋にも鳥肌が立っている、とN川さんが知らせると、女の人たちはこぞっておちんちんの袋を手に取り、観察した。
「あと少し押し込んだら、完全におちんちんが無くなるね」
寒さで震えるおちんちんを人差し指で押し込みながら、Y美が言った。痛みを覚えて腰を左右に揺すり、もうやめるように小さな声で訴えるが、無視される。僕の背中で両手を曲げているS子がろくにおちんちんを観察できないという不満を述べた。自分もY美がしているようにおちんちんを指で押し込んでみたいらしい。そこでエンコと交代することになったのだけど、交代する直前、S子が僕の腕を少し強く曲げたので、骨折させられそうな激しい痛みが走った。おちんちんを押し込まれている痛み、乳首を抓られている痛みに腕を曲げられた痛みが重なり、もう限界とばかりに恥ずかしさも忘れて、僕は泣き出してしまった。
「男の子のくせに、女子にいじめられて泣くなんて」
軽蔑の眼差しでN川さんが無防備に泣いている僕をじっと見据えた。Y美に変わってS子がおちんちんを指でぐっと押し込む。その乱暴さ加減はY美以上で、僕は、激痛に悲鳴を上げて身悶えするうちに、慣れないエンコの抑えを振りほどいて、両手でおちんちんを庇ってしまった。
「勝手な真似するなよ。もう一度水風呂ね」
怒声を発したS子が僕の体を軽々と持ち上げると、氷の浮かぶ水風呂に僕を落とした。大きな声を出さないとそのままショックで心臓が停まってしまいそうなのに、風紀委員が僕の悲鳴は幾らなんでも大き過ぎて近所迷惑だと難じるので、ルコが、
「ナオス君可哀想。冷たい水風呂に落とされて、悲鳴を上げれば叱られるし」
と、困ったような顔をして僕の頭を撫でた。
女の人たちとともにゆっくりと十を数えた後、ようやく氷水の風呂から出された僕は、ロープを体に巻かれ、両手を背中で縛られた。僕の乳首の上下に二本のロープが食い込む様を見て、今まであまり物を言わなかったミューが、
「なんか痛々しいよ。可哀想じゃん」
と、呟いた。
「でも、ミューは、こいつにパンツをじっくり見られたこと忘れたの? 女子のスカートを覗くなんて最低だよね? 」
S子が同情は無用とばかりにミューの肩を勢いよく叩いた。
大きな窓ガラスの外、周囲を生垣に囲まれたコンクリートの空間には、Fさんがやはり素っ裸のまま、放置されていた。コンクリートの上に横座りして胸の前に腕を置き、豊かな乳房を隠す肢体が生垣に囲まれた狭い空間の中で息づいている。Fさんは放心したような、うつろな表情で、風呂場から外に出される僕を見つめた。
外に出ると、むっとする空気が冷え切った体を包み込んできて、冷房利き過ぎの室内にいるよりも余程有難かった。僕はFさんの前に引っ張られ、Fさんの顔の前に無防備なおちんちんを晒す羽目になった。冷水に浸かってこれ以上ないくらいに縮み上がったおちんちんにFさんが虚ろな視線を当てる。
「じゃ、再開ね。さっき五分て言ったけど、もう時間はいいや。とにかく、こいつのほとんど陥没しかかってるおちんちんから精液を絞り取ってみて」
腰を落としたY美がFさんがこう言うと、胸を覆うFさんの腕を払って、二っの乳房を同時に揉み回した。Fさんがいやがって離れようとすると、Y美に、
「ほらほら逃げないの。しっかりやってね」
と、後ろ髪を掴まれ、元の位置へ戻された。
一切を諦めたように、Fさんの手がおちんちんに伸びた。ゆっくりとおちんちんをほぐし、舌で舐め回す。また、唇を当てて、軽く吸う。おちんちんの袋を手のひらで包み、軽く握って揉む。僕のお尻に手を回したFさんが「冷たい」と囁いて立ち上がると、僕の体を引き寄せて、ぎゅっと抱き締めた。温かくて柔らかいFさんの肌が僕の肌に密着して、左右に揺れる。Fさんは僕の耳たぶから首、乳首に唇を当てながら、手でおちんちんを扱き続けた。縛られて手が不自由な僕は、口に入ってきたFさんの乳首を舐め、吸った。Fさんが切ない声を上げる。おちんちんに絡み付く指が粘着性を帯びる。Fさんが乳首を僕の口から抜き、もう片方の乳首を押し込む。
女の人たちの嬌声が聞こえ、自分が勃起しつつあるのに気づいた。あれだけ小さくて、今にも消えてしまいそうだったおちんちんが次第に硬くなり、亀頭をもたげる。快楽の水位がおちんちんの袋から徐々に体全体へ広がり、もはや体のどの部分を触られても性的快感に結びつかないことはないくらい、敏感になる。ぬるぬるとした亀頭へFさんの舌が伸び、ぺろりと舐める。おちんちんを扱く指がゆっくりになった。少しでも速くなったら、もう射精を我慢できない。
「はい。じゃ休憩しようか」
突然、Y美がFさんを僕の体から強引に引き離した。S子が僕を背後から持ち上げ、股を開かせる。
「すごい。さっきと大違いだね。こんなに大きくなるんだね」
おちんちんに触りながら、感心したルコが息を吹きかける。
「大きいって言っても、さっきの縮み上がった状態と比べての話でしょ。モン先輩のは、こんなもんじゃないからさ」
Y美がおちんちんをぴんと指で弾いて、憎々しげに言った。
勃起したおちんちんどころか、お尻の穴まで白日の光の中に丸出しにさせられている僕の目に、Y美たちの背後で全裸の体を丸めているFさんが映った。Fさんは、女の人たちに弄ばれている僕の方は見ようとせず、ずっと垣根の外へ顔を向けていた。
N川さんやエンコが頻りにおちんちんをいじるので、射精寸前の状態に変わりはなかった。N川さんが、僕の乳首もまたピンと立っていることを指摘して、はしゃいだ。いやな予感がしたのは、S子が僕を持ち上げて、股を開かせた格好のまま、風呂場に戻ったことだった。例の氷の浮かぶ水風呂のすぐ近くで、Y美が言った。
「いきそうになったら教えるんだよ。黙っていったら、氷風呂に浸けるからね。はい、じゃミュー。こいつのお尻の穴に指入れて」
「え、私?」
「そうだよ、早く」
Y美に指名されたミューが困惑したように僕の前に出てきた。Y美に指示された通り、ミューは中指をすっと立て、ゆっくりと僕のお尻の穴の皺をなぞった。穴を突き止めた指がずぶずぶと中へ押し込まれてゆく。足先から頭のてっぺんまで感じやすくなっている僕の体にどすんと重い電流のようなものが流れ、更にY美がおちんちんを扱くので、もう僕はこれ以上、射精を我慢できなくなり、「いきそうです、いっちゃいそうです」と、訴えた。すると、Y美がおちんちんから手を放し、ミューにもお尻の穴から指を出させると、
「よく見てて。おちんちんがどうなるか」
と、女の人たちに言ってから、僕を抱えるS子に目配せした。
いやだ、いやだ、やめて、と叫んだけども、無駄だった。大小様々な氷の浮かぶ水風呂に落とされた僕は、悲鳴を上げて助けを求めた。湯混ぜ棒で冷たい水が掻き回される。剥き出しになっている亀頭の敏感な部分が痛い。両腕を後ろでがっしりと縛られて、動かすことができない一糸まとわぬ体ががくがくと震える。しつこく助けを求めると、
「うるさいな。少しは静かにしてろって」
と、Y美に頭ごと水の中に押し込まれた。
もう時間の感覚はなかった。冷え切った体を水風呂から出してもらった僕は、再び皮の中に逃げ込むようにして小さく縮こまったおちんちんをじっくりと観察された。
おちんちんを射精寸前までの大きさにさせると、また氷水に漬けて強制的に小さくする、という遊びをY美たちは殊のほか気に入ったようで、空が茜色に染まるまで何度も繰り返された。僕が氷水に漬けられている間、Fさんが風呂場の外のコンクリートで真っ裸のまま待機している。氷水の風呂から上げられた僕の背中がうっすらと赤く染まっていることを風紀委員がのんきな声で僕に知らせ、「なんで?」などと訊ねる。両腕を縛られたまま泣きながら外へ引き摺り出される僕を、Fさんは優しく愛撫し、全身を使って僕の快感を高め、何度もおちんちんを射精寸前に導いた。射精寸前に追い込まれると、すかさず氷水の浮かぶ風呂に入れられる。
膝に力が入らず、立てない。N川さんとエンコに支えられるようにして居間に連れ戻された僕は、ぐったりとして、どんな辱めを受けようとも抵抗する気力がなかった。氷水の風呂から出たばかりの僕の体は、まだところどころ濡れていて、ルコからタオルを渡された風紀委員が連行される僕の歩調に合わせて歩きながら、ごしごしと僕の背中や胸、足、股間を手早く拭いた。
氷水の風呂から上げられたばかりのおちんちんは、できればこの世から消失したいとおちんちん自身が願っているかのように小さく縮み上がった、極小の形になっている。両腕を縛り付けるロープが一旦解かれ、すぐに柱の間で手足を広げて縛られた。S子がおちんちんの皮を摘まみ上げ、「安心していいのよ。すぐに元の大きさにしてあげるからね」と言って、皮を面白半分に引っ張った。千切れるような痛みに耐える僕に向かって、「せめてこれくらいの大きさがあるといいね」と嘲笑し、引っ張ったおちんちんの皮をぐるぐる回した。手足を左右に広げたままがっしりと柱の間に縛られた僕は、四肢を震わせて呻き声を漏らすしかなかった。
風呂場から出てきたFさんにルコが手渡した水着は、サスペンダー式の特異なタイプだった。股間のところからVの字に伸びて肩に引っ掛けるタイプの露出度が異常に高い水着で、横側の肌は全て露出するものだから、その水着を着用した体を横から見ると、全裸にしか見えない。股間を覆う小さな面積は、足の付け根がすっかり見えるほどの鋭い角度で股間から上方に伸び、極めて細い紐になって乳首の上を掠め、Fさんのつるんとした肩に引っ掛かっている。父親の愛人の衣装棚から見つけた、とルコが笑いを堪えながら説明し、露出大好きの変態淫乱な女には似合うと思う、と付け足すと、Y美がFさんの股間を指し、横から剛毛のはみ出ていることを容赦なく指摘した。
いや、と鋭い声を上げて股間を手で隠すFさんは、Y美とS子にまた風呂場に連れられ、戻って来た時は、鼠径部の青白い肌が剥き出しになっていた。
「はみ出た部分だけでいいって言ったのに、S子ったら、全部剃っちゃったんだよ」
大袈裟に困ったような顔を作ったY美がS子の頬を撫でると、Fさんを引き寄せ、股間の水着をめくって、ツルツルになったその部分をみんなに見せた。
見てはいけないと思ってもどうしても見てしまう。Fさんの股間は剃られたばかりで青白く、どこか痛々しかった。生唾を飲み込んだ僕は、体温を戻しつつあるおちんちんにきゅっと甘い、じわじわとせり上がってくる微量の電流が流れるのを感じた。エンコが目敏くこの変化に気づいて、
「ツルツルを見て、こっちのツルツルが反応してるよ」
などと素っ頓狂な声を出しておちんちんを指すので、みんなはその幼い子供のような言い草に大笑いしながら、丸出しにさせられているおちんちんへ視線を移した。
恥ずかしい水着姿のままFさんは、エンコと風紀委員が自宅から持ってきたという冷凍食品の海老ピラフをフライパンで温め直した。夕食の準備をFさんが一人でさせられている間、Y美がおちんちんをいじって刺激を加え、たちまちの内におちんちんを射精寸前の形にした。
「ね、いきたい?」
手足を左右に広げた形で拘束されている僕の悶えてしまう顔を見上げて、Y美が無邪気に訊ねる。
「もうやめて。許してください」
「ちゃんと質問に答えなよ。また冷たいお風呂に入りたいの?」
急いで首を横に振る僕は、いやです、もう許して、と口にしてから、更に声を絞って、いきたいです、と答えた。
「ふうん、いきたいんだ。女の子に見られながら射精するの大好きだもんね。でも、駄目。まだまだ我慢」
ぎゅっとおちんちんの袋を掴む一方、天井へ亀頭を向けるおちんちんに息を吹きかける。Y美は僕の後ろに回ると、お尻を開き、肛門を剥き出しにし、
「これからはここも拡張しないといけないしね」
と、独り言のように呟いた。
女の人たちが夕食を済ますと、次は僕の番だった。柱の間に素っ裸の身を大の字に広げたまま縛られている僕の口にFさんがピラフと野菜サラダを運んでくれた。これらは女の人たちの残り物であり、ピラフとサラダが一つの皿にごちゃ混ぜになっていて、その上に味噌汁がかけられていた。見た目が悪いのでなるべく皿は見ないようにして口に入れられた物だけを喉に流し込むことに専念するのだけど、Fさんの乳首だけを細長い織物で隠しただけの大きな胸が迫って、時折僕の剥き出しの肌に接するので、自然と呼吸が荒くなってしまう。官能を感じてしまう僕をY美たちが見過ごす筈がなかった。
ケチャップの付着したFさんの乳首を舐めさせられている僕の一糸まとわぬ体にFさんがその全裸にかぎりなく近い体を密着させ、自ら激しく上下に揺らしている。Fさんのかすかに喘ぐ声が空気の震えとなって耳に入ってくる。頭が朦朧とする。おば様に奉仕をさせられている時みたいにFさんの乳首を軽く噛む。Fさんが仰け反って、おちんちんを股に挟んだ。
Fさんの後ろにいたY美がFさんの股下の水着を引っ張り、硬くなったおちんちんを無理矢理中に押し込んだ。おちんちんの上部にぬるぬるした湿地帯の感触があり、下部には水着の締め付けがある。角度が少し上がれば、おちんちんはFさんの中に入ってしまう。これがいわゆる性行為というものではないかと思った途端、本能的に腰を前後に揺らしてしまった。
「やだ。こんな無毛の男の子でもセックスのことは本能的に分かるのかな」
S子が感心すると、
「そんなんじゃないと思う。ただおちんちんが水着と体に密着して気持ちがいいから、腰を揺すってるだけよ」
と、Y美が冷淡な口調で返した。
これまで、おば様への奉仕で何度も濡れた秘部に接する機会はあったけど、おちんちんを挿入することは絶対に許されなかった。一度だけおちんちんの先がおば様の秘部に接したことがあったけど、この偶然の出来事もおば様は決して認めず、直ちに僕をベッドから下ろすと直立を命じ、お尻をいやという程平手打ちし、最後におちんちんの袋を膝蹴りした。僕は激痛に泣きながら、もう二度とおちんちんを入れようとしないことを誓わされた。
今、おちんちんは、Fさんのねちねちした部分と水着に挟まれて、今しも外部へ突破する精液の凄まじい勢いに耐え忍んでいる。Fさんの最も感じる部分にもおちんちんの上部が当たっていることから、Fさんの喘ぎ声も次第に激しくなったような気がする。僕はもう射精を我慢することで精一杯だった。これ以上、続けられたら、もう射精するしかない。僕は声に出して、もういってしまうことを告げた。でも、女の人たちがどんな回答をしたか、Y美の許可があったのか覚えていない。許可があろうがなかろうが、もう一刻の猶予もなかったのは確かだった。
我慢に我慢を重ねた挙句の射精だったから、おちんちんの中の器官を通じて、白いどろりとした精液がどくどくと飛び出す時間が普通以上に長く感じられた。長い忍苦の果ての性的な快感に僕の喉から短い叫びが迸った。女の人たちから歓声が上がった。
射精を終えてぐったりとした僕は、二本の柱に手足を広げる形で縛り付けられている両手首、両足首を解いてくれるよう、Y美の丁寧に頼み込んだ。長時間縛られていることで手足が痛くなっているというのがその口実だったけど、本当は、どこも隠すことのできない素っ裸の身を射精した後までも、じろじろといつまでも女の人たちに見つめられる苦痛から解放されたかった。
「あ、出す物出したら、おちんちんがだんだん萎んできたね。こんな風に真っ裸で体を広げているから、体の恥ずかしい部分の刻々の変化がよく観察できるわ。恥ずかしくていやかもしれないけど、もう少し我慢して、私たちを楽しませてよ」
S子が僕のお尻を撫で回しながら、ふっと耳に息を吹きかける。
「お前、まだ食事中だろうが。とりあえず食事しろよ」
床に置かれた皿をY美が取り上げ、僕の前に突き付けた。味噌汁をかけられたピラフの上には、先ほど僕の出した精液がかかっていた。女の人の誰かが僕の食事が盛られた皿で精液を受けたようだった。
「ほら、おいしそうなソースがかかっているよ」
スプーンでピラフに白いどろりとした精液を混ぜ込むと、Y美はFさんに皿を渡した。Fさんは黙って皿を受け取り、スプーンで精液の混じったピラフをすくった。Fさんの水着の紐がずれて、乳首がはみ出ていた。そのことに気づかないのか、それともわざとそうしているのか、Fさんは紅潮した顔のまま、黙々と皿に盛られた食事を僕の口に運んだ。量はそれほど多くなかったけど、精液や女の人たちの唾液がたくさんかかっているので、本来のピラフ、味噌汁、サラダの味がしなかった。どろっとした液体が喉に触れ、食道を伝う。僕は味を感じないように、とにかく早く喉に流し込むことだけを考えて、わずかな量の夕食を終えた。
ロープを解いて欲しいとY美にお願いしたのだけど、その理由を尋ねられ、尿意を催したからだと正直に答えたところ、おちんちんの先に紙コップがあてがわれた。射精してしぼんだおちんちんを風紀委員がつまみ、早く出すように促す。おしっこの紙コップの底を叩く音が冷房を消した居間に生々しく、いつまでも響いた。いやな予感がした。このような状態でおしっこをさせられる時は、大抵飲まされるのだった。この時も例外ではなかった。おしっこが臭いと喚くエンコと風紀委員によって、おしっこの溜まった紙コップが僕の唇に乗せられ、無理矢理開かされた口におしっこを注ぎ込まれてしまった。一滴でもこぼしたらお仕置きだから、とY美に脅かされながら、僕は自分のおしっこを飲み干した。涙がこぼれて仕方がなかった。素っ裸を広げた恥ずかしい格好のままおしっこを飲まされる僕の惨めな姿をじろじろと見つめながら、N川さんが思い出したように、
「そういえば、みっくん呼んだっけ?」
と、ルコに訊ねた。
「ごめん、忘れてた。近くに住んでるから、すぐ来れると思うけど」
すぐに受話器を手に取ったルコがダイヤルに指をかける。僕は四肢を強張らせて、Y美を見た。Y美は、浮き浮きした様子でS子と話をしている。
みっくんは、同級生の男子だった。背丈は僕よりも少し高い程度で小柄な方だけど、性格が割と強気で、特に女子に対しては結構容赦ない物言いをするタイプだった。女子と接するのにすごく慣れている感じがして、僕はみっくんのことを、クラスの中で最も女子と普通に話のできる男子として、認識していた。ただ、僕自身は同じクラスでもほとんど話をしたことがなかった。その攻撃的な性格が僕と合わないような気がした。そのみっくんをどういう経緯かは不明だけど、今からここ、ルコの別荘に呼びつけるという。僕は、声を震わせて哀願した。
「お願いですから、呼ばないでください」
「なんで? みっくんのこと、嫌いなの?」
ルコが不思議そうな顔をして大の字に縛られている素っ裸の僕を見つめる。
女の人たちに辱めを受けていることは、同性の男子には絶対に見られたくない。こういう僕の心理を、Y美たちは知っているに違いなかった。でも、わざと知らない風を装って、僕の恥ずかしがる様子を訝る。
「分かった。そんなに恥ずかしいならおちんちん丸出しの刑は勘弁してあげる」
Y美がおちんちんを指でぴんと弾き、ロープを解くようにN川さんとエンコに命じた。二人が僕の手首足首を柱に縛り付けるロープを解くと、僕は、その場にぐったりとして座り込み、おちんちんを股に挟み、長時間縛り付けられていた手首と足首を摩った。
「手足が自由になっても、ここにはお前の着る物なんか何一つないんだからね」
もうすぐみっくんが来るのが楽しみで仕方がないのか、Y美は鼻歌でも歌うように僕を冷やかした。僕は素っ裸の身を小さく丸めた。衣類をまとわなくなって久しい肌を女の人たちの毒々しい視線から少しでも守りたかった。
恥ずかしさより、体力的な苦しみが強くなってきましたね。
みっくんがどうからんでくるのか楽しみです。