教室では僕の班以外は、全員、給食を食べる用意ができたようだった。僕の班がトレイを持って、おかず、スープ、パンなどを受け取り、席に戻ると、初めて全員が「いただきます」と言って食事ができることになっていた。
僕は全裸で床に座り込んだまま、椅子に接着したパンツを取ろうとしていたが、同じ班の人や風紀委員、Y美から、早く立ち上がって給食を受け取りに行くように責めたてられていた。しかし、僕が一向に立ち上がろうとしないので、強行策として、パンツの張付いた椅子を教室の外へ出してしまおうとY美が言い、それに賛同した同じ班の人が僕から椅子を奪い、その椅子を担いでどこかに行ってしまったのだった。
ついにパンツまで取り上げられてしまった。同じ班の人たちはすでに並んでいた。僕は左右の手でおちんちんとお尻を隠しながら、列の最後尾に付いた。クラスメイトの忍び笑い、ひそひそ話がいやでも耳に入ってくる。
恥かしさで体がいっぱいだったので、パンツ一枚の時よりも寒さは感じなかった。
自分が給食を受け取る番になって、まずトレイを渡された時、前と後ろの、どちらを隠している手で受け取ろうか、迷い、しばらく手を差し出すことができなかった。給食当番が苛立って乱暴にトレイを僕の裸の胸に押し当てるので、ぐっとこらえる気持ちで、お尻を隠していた手で受け取った。その瞬間、クラス中から「おおお」と歓声が湧いた。しかし、すぐに風紀委員の「静かに。給食の時間です」の一声で静まり返った。
トレイに食事を盛った皿が増えると、片手では重心のバランスを取るのが難しくなる。僕もこんな恥かしい格好でなければ、当然両手を使っている。しかし、風紀委員は例外を認めなかった。
おちんちんを隠し、トレイにのせた食器をがたがた鳴らしながら、たどたどしい足取りで席に戻ろうとする僕の前に、風紀委員と同じ班の男の人が立っていた。この男の人は、先ほど僕のパンツが付いた椅子を教室の外へ運び出した者だ。僕がおずおずと顔を上げると、風紀委員が、
「トレイは両手で持つことになってる。規則だから、両手で。ごめんね、恥かしいかもしれないけど、我慢してよ。私だって風紀委員として務めがあるんだから」と、顔を真っ赤にして、ほんとに申し訳なさそうに言ってから、何度も頭を下げた。
クラスメイトたちは、僕が席に戻れば全員の準備が整ったということで「いただきます」の合図のもと、食事を開始することができる。その最後の一人である僕の動きにクラス中の視線が集まるのは、全裸という特別な状態であることも相まって、極めて容易に想像できるはずなのに、そんな状況の中で、おちんちんを隠している手をどけてトレイを持てというのは、あまりにも酷い。
もじもじしていると、今度は男の人が怒声を発した。
「早く言われたとおりに両手で持てよ。ぐずぐすしてると素っ裸のまま、教室の外へ放り出すぞ、お前の椅子みたいにな」
思わず後ずさりして、トレイの上のスープがこぼれそうになった。それを見たY美が、
「もしこぼしたりしたら、その格好のまま床掃除してもらうことになるよ。そのほうがずっと恥かしくないかな」と、僕の耳元で息を吹きかけるように、ねちっこく言った。
「おらおら」と男の人が僕の頭を小突き始めた。あやうく食事がこぼれそうになるのをなんとか支えながら、僕は少しずつ後退した。そして、黒板に裸の背中が付いた。それは、僕の席からもっとも遠い場所だった。
この位置からトレイを両手で持って、自分の席まで戻れというのだった。クラス全員が注視している。
恥かしくて体中から汗が出ていた。僕は規則に従いトレイを両手で持ち、おちんちん丸出しの全裸で給食を自分の席まで運んだのだった。そこにはパンツの付いた椅子の代りに新しい椅子があった。僕は裸のお尻を椅子の座面にのせた。僕の用意が整うまで誰も一言も喋らなかった。ただ、運んでいる最中、揺れる僕のおちんちんを見て、くすくす笑いが二三、起こっただけだった。
全裸のまま食事をしていると、先生が職員室から戻ってきた。紙袋を提げている。僕に向かって、「おい、服があったぞ。上履きも」と言った。
「どこにあったと思う?通用門のそばの植え込みの中だよ。校長先生が見つけてくれたんだって。驚いてたぞ。しかし、お前らも相当、意地が悪いねえ」
僕は急いで立ち上がって、先生から紙袋を受け取りに行った。これでようやく服が着れる。先生は、驚いていた。
「なんだ、お前、素っ裸じゃないか。パンツまで脱がされちゃったのか」
受け取った紙袋でおちんちんを隠した状態で僕が頷く。と、すぐ横からその紙袋を引ったくられた。Y美だった。僕は慌てて両手でおちんちんを隠した。Y美は言った。
「先生、彼はまだ食事が終わっていないので、食べ終わるまで勝手な行動をとることは許されていません。服を着るのが許されるのは、食事を終えて、食器を片付けたあとです」
きっぱりと言い切るY美にクラスから拍手が起こった。先生も「それもそうだな」と言って納得してしまった。
僕がこの恥かしさから解放されたのは、Y美が言ったとおり、トレイを両手で持って、みんなにおちんちんを見られながら食器を片付けた、そのあとだった。
それ以後、僕はY美や風紀委員とはなるべく話をしないようにして、小学五年の一年を過ごした。
僕は全裸で床に座り込んだまま、椅子に接着したパンツを取ろうとしていたが、同じ班の人や風紀委員、Y美から、早く立ち上がって給食を受け取りに行くように責めたてられていた。しかし、僕が一向に立ち上がろうとしないので、強行策として、パンツの張付いた椅子を教室の外へ出してしまおうとY美が言い、それに賛同した同じ班の人が僕から椅子を奪い、その椅子を担いでどこかに行ってしまったのだった。
ついにパンツまで取り上げられてしまった。同じ班の人たちはすでに並んでいた。僕は左右の手でおちんちんとお尻を隠しながら、列の最後尾に付いた。クラスメイトの忍び笑い、ひそひそ話がいやでも耳に入ってくる。
恥かしさで体がいっぱいだったので、パンツ一枚の時よりも寒さは感じなかった。
自分が給食を受け取る番になって、まずトレイを渡された時、前と後ろの、どちらを隠している手で受け取ろうか、迷い、しばらく手を差し出すことができなかった。給食当番が苛立って乱暴にトレイを僕の裸の胸に押し当てるので、ぐっとこらえる気持ちで、お尻を隠していた手で受け取った。その瞬間、クラス中から「おおお」と歓声が湧いた。しかし、すぐに風紀委員の「静かに。給食の時間です」の一声で静まり返った。
トレイに食事を盛った皿が増えると、片手では重心のバランスを取るのが難しくなる。僕もこんな恥かしい格好でなければ、当然両手を使っている。しかし、風紀委員は例外を認めなかった。
おちんちんを隠し、トレイにのせた食器をがたがた鳴らしながら、たどたどしい足取りで席に戻ろうとする僕の前に、風紀委員と同じ班の男の人が立っていた。この男の人は、先ほど僕のパンツが付いた椅子を教室の外へ運び出した者だ。僕がおずおずと顔を上げると、風紀委員が、
「トレイは両手で持つことになってる。規則だから、両手で。ごめんね、恥かしいかもしれないけど、我慢してよ。私だって風紀委員として務めがあるんだから」と、顔を真っ赤にして、ほんとに申し訳なさそうに言ってから、何度も頭を下げた。
クラスメイトたちは、僕が席に戻れば全員の準備が整ったということで「いただきます」の合図のもと、食事を開始することができる。その最後の一人である僕の動きにクラス中の視線が集まるのは、全裸という特別な状態であることも相まって、極めて容易に想像できるはずなのに、そんな状況の中で、おちんちんを隠している手をどけてトレイを持てというのは、あまりにも酷い。
もじもじしていると、今度は男の人が怒声を発した。
「早く言われたとおりに両手で持てよ。ぐずぐすしてると素っ裸のまま、教室の外へ放り出すぞ、お前の椅子みたいにな」
思わず後ずさりして、トレイの上のスープがこぼれそうになった。それを見たY美が、
「もしこぼしたりしたら、その格好のまま床掃除してもらうことになるよ。そのほうがずっと恥かしくないかな」と、僕の耳元で息を吹きかけるように、ねちっこく言った。
「おらおら」と男の人が僕の頭を小突き始めた。あやうく食事がこぼれそうになるのをなんとか支えながら、僕は少しずつ後退した。そして、黒板に裸の背中が付いた。それは、僕の席からもっとも遠い場所だった。
この位置からトレイを両手で持って、自分の席まで戻れというのだった。クラス全員が注視している。
恥かしくて体中から汗が出ていた。僕は規則に従いトレイを両手で持ち、おちんちん丸出しの全裸で給食を自分の席まで運んだのだった。そこにはパンツの付いた椅子の代りに新しい椅子があった。僕は裸のお尻を椅子の座面にのせた。僕の用意が整うまで誰も一言も喋らなかった。ただ、運んでいる最中、揺れる僕のおちんちんを見て、くすくす笑いが二三、起こっただけだった。
全裸のまま食事をしていると、先生が職員室から戻ってきた。紙袋を提げている。僕に向かって、「おい、服があったぞ。上履きも」と言った。
「どこにあったと思う?通用門のそばの植え込みの中だよ。校長先生が見つけてくれたんだって。驚いてたぞ。しかし、お前らも相当、意地が悪いねえ」
僕は急いで立ち上がって、先生から紙袋を受け取りに行った。これでようやく服が着れる。先生は、驚いていた。
「なんだ、お前、素っ裸じゃないか。パンツまで脱がされちゃったのか」
受け取った紙袋でおちんちんを隠した状態で僕が頷く。と、すぐ横からその紙袋を引ったくられた。Y美だった。僕は慌てて両手でおちんちんを隠した。Y美は言った。
「先生、彼はまだ食事が終わっていないので、食べ終わるまで勝手な行動をとることは許されていません。服を着るのが許されるのは、食事を終えて、食器を片付けたあとです」
きっぱりと言い切るY美にクラスから拍手が起こった。先生も「それもそうだな」と言って納得してしまった。
僕がこの恥かしさから解放されたのは、Y美が言ったとおり、トレイを両手で持って、みんなにおちんちんを見られながら食器を片付けた、そのあとだった。
それ以後、僕はY美や風紀委員とはなるべく話をしないようにして、小学五年の一年を過ごした。
自分もこんな体験をしてみたかったなぁ…
ただ、自分の場合はおちんちんから手を放した瞬間に、恥ずかしさのあまり勃起してしまい、さらに恥ずかしい思いをしたでしょう(笑)
でもうらやましいです。
全裸給食、いいなぁ。
コメント、ありがとうございます。
トラウマというかショックの体験が元になっていることは事実です。
心に傷のある身として、どうすればよりよく生きられるかと考えました。
ある体験、または複数の似た体験の積み重ねによって性的志向が大きく変質した場合、よりよく生きるために必要なのは、その変質した性的志向を肯定することではないかと思いました。
無意識のうちに自分で招き寄せたとは考えません。体験してしまったことは、あくまでも不条理極まることです。
不条理を不条理のまま受け止めること、性的志向の変質を肯定すること。
これに尽きます。
何やら言葉の問題のような気がしないでもありません。しかし、大切なのは生きることであり、よりよく生きる手立てとなるのなら、言葉にこだわるのも悪くないですよね。
長文、失礼しました。