汗で足元の土が柔らかくなってきたらしい。踏ん張る足の指が何度も土をえぐった。両手を後ろで縛られた素っ裸の僕は、腰を前後に揺すって、命じられた通り、アキ姉さんの指の間のおちんちんから精液を放出させようとして必死に励んでいた。
目の前では、白い花柄パンツ一枚のキク姉さんが自ら乳房を揉んだり、官能的に腰をくねらせたり、耳元に息を吹きかけたりして、僕を挑発する。最初は僕に裸を見られるのを嫌がっていたキク姉さんも、それを見ただけで僕がおちんちんを大きくさせてしまったことに気をよくしたようで、今では大胆に生々しい肢体を見せつけながら、僕が性的に興奮してオナニーに没頭するのを半ば楽しんでいる。
同級生のお姉さんにオナニーを強制され、それに従う僕の惨めさは、おちんちんを根元で縛り付けたロープが頭上の桜の枝を通っていることで倍増される。腰を落とすことも移動することも許されないこのような状況は、最初に僕をここに放置することを思いついた風紀委員も考えなかったことだろう。二人のお姉さんに見つかったら酷い目に遭わされると言った風紀委員の忠告を思い出した。
四つん這いになったキク姉さんがお尻を上げて悩ましく腰を回している。白いパンツが眩しく、なんともいえないよい香りが漂ってきた。陶酔した僕は、あられもなく腰を振って射精に励む自分の姿を恥ずかしいと思う以上に性的な興奮にまみれた。
指の輪っかをおちんちんに嵌めて動かさないアキ姉さんは、腰を振り続ける僕におちんちんの形状が変化する様をねちねちと伝える。太く、堅くなってきたこと、亀頭がうっすらと赤味を帯びて、膨らんできたことなどを面白おかしく言い、パンツ一枚の裸体で自ら乳房を揉んだり、僕の首筋に息を吹きかけたりするキク姉さんの笑いを誘った。
いよいよ射精の迎えようとした時、突然アキ姉さんがストップをかけた。咄嗟には意味が分からず腰を振り続けた僕は、風紀委員から借りていたシュノーケルで思い切りお尻を叩かれた。突然の激しい痛みに悲鳴を上げて腰を前に突き出したまま静止する。おちんちんの先っぽが精液でてかてかと光っていた。
許可なく射精したら罰を与えるとアキ姉さんに脅かされた僕は、「許しが出るまで精液を出しません」と約束させられ、オナニーを再開した。再び頂点を迎えそうになると、アキ姉さんのストップが入る。その後に少しでも動いていると、すかさずシュノーケルでお尻を叩かれるのだった。
朦朧とした頭の中で、早く精液を放出したい気持ちだけが募り、募る程に頭の中が白くなっていった。お尻を何度叩かれたか分からない。半分泣きながら腰を振る僕の背筋を汗が幾筋も流れた。もうまもなく射精しそうになった僕は、アキ姉さんのストップの声が入ることを予想して腰を振る速度を落とした。が、今度はストップがなかなか入らない。のみならず、アキ姉さんはもっと真剣に腰を振るように僕を叱咤した。
勝手にストップの入ることを予想した僕に対して、アキ姉さんは不快の念を露わにした。そして、シュノーケルでお尻を叩く。続けて叩き続ける。大粒の涙で頬を濡らした僕は謝りながら腰を振る速度を上げる。
「オナニーって、泣きながらでもできるんだね」
感心したようにキク姉さんが呟く。もう格別に挑発的なポーズを取る必要はないと判断したキク姉さんは、パンツ一枚の裸体を恥ずかしがるように両腕を自分の体に巻き付けながら、僕の痴態に粘り気のある視線を這わせる。
「やっぱり男の子って面白いよね。許しを乞いながらオナニーができるんだから」
アキ姉さんがそう返すと、冷やかな目で僕を見上げた。もう我慢の限界だった。ストップがかかろうとも、精液を放つのを止めることはできない。そんな僕の気持ちを見透かしたようにアキ姉さんが警告する。勝手に精液を放ったらおちんちんの袋を蹴っ飛ばすと宣言するのだった。腰を振る速度を少しだけ落とす。アキ姉さんの声が冷たく響いた。
「ストップ」
なんとか腰を前に突き出した状態で踏みとどまった。が、すぐに異様な快楽の高波に襲われて、膝の力が抜けてしまった。僕が腰を止めたのと前後するように、アキ姉さんの指が往復運動を始めたのだった。その指のかったるそうな動きが精液の放出を懸命に堪えるおちんちんを逆撫でするようにいたぶった。到底耐えられない。喘ぎ声も憚らかず、おちんちんの袋からせり上がった精液がおちんちんを通って外へ出るまでの過程をスローモーションのような白い時間の中で悶えた。精液が空中に弧を描いて飛んだ。
お姉さんたちは喝采した。勝手に放出したことについては罰せられなかった。あの指戯に耐えられる訳がないとアキ姉さんは考えているようだった。キク姉さんは露出した乳房を両手で覆いながらアキ姉さんに服の返却を求めた。アキ姉さんは脱がした服をずっと太腿に挟んでいたのだった。
キク姉さんがそそくさと服を着込んだ。僕だけが素っ裸を晒して立ったまま拘束されている。キク姉さんは今から友達と遊びに行くのだと言い、呆れたアキ姉さんが小言を並べた。毎日ぶらぶら遊び歩いている妹を心配している口調だった。二人のお姉さんは真剣な面持ちで小声で話し合った。そして、僕には微塵も関心を払わず、母屋へ向かった。
後ろ手に縛られ、立ち居で拘束されている僕の、何度もロープを解くように懇願する声は無視された。おちんちんの根元を縛ったロープが目の前を通って、頭上にさし伸びた桜の枝をわずかに撓らせている。体の向きこそ自由に変えられるものの、通常の半分しか足を踏み出すことができず、腰を落とせばたちまちロープがおちんちんの袋に食い込んで痛みをもたらす。
膝をすり合わせ、もじもじしながら考えた。誰かが庭に入ってきたら、僕の恥ずかしい格好をすぐに見つけるだろう。おちんちんを隠す自由も奪われた両手を腰の辺りで揺する。どんなにあがこうとも、じっとここに立ち尽くしている他ない状況であることに変わりはなかった。
どのくらいの時間が経過したのか分らない。青葉のおかげで直接日を受けてはいないけど、うだるような暑さで汗が体の中からじわじわと湧いてくる。塀に面した道路を人や車が思い出したように通り、それ以外は風もろくに吹かないせいか、不気味な程の静けさだった。
足音がして身が硬くなった。キク姉さんだった。外出の装いでお化粧がばっちり施されていた。黒のタイトスカートに黄緑の半袖シャツをまとい、ハイヒールの爪先からピンクのマニキュアを塗った足が見えた。ガムを噛みながら無言で僕の無防備な全裸を眺めている。その目には静かな怒りがこもっていた。
「ねえ、もう吊り上げるのは許してください」
じっと見られていることに居たたまれず、両の太腿も擦り合わせながらお願いすると、キク姉さんは目を僕の下半身から動かさずに言下に答えた。
「駄目だよ」
予想していたとはいえ、辛い思いが一気に押し寄せてきた。それと同時に肉体的な疲れも覚えた。うなだれる僕にキク姉さんが言った。
「あんたみたいなガキに、私の裸を見られたのが許せない。ほんとにいやらしい」
別に見たくて見た訳ではない。アキ姉さんが脱がしただけではなかったか。が、僕の言い分は分かっているというように人差し指を立てた。
「しばらくそうやって晒されていなよ、おちんちん丸出しにして」
そう言い捨てると、キク姉さんは背を向けて歩き出した。鉄扉を開ける音がすると、ハイヒールがコツコツとアスファルトを鳴らし、段々小さくなった。
人も車も途絶えた時間が長く続いた。足の指で小石をつまんで遠くへやった。何度も足を踏み変えた。いつまでこの格好でいなければならないのだろうかと考えながら、暑さのせいで朦朧とする頭を励ましているうちに、半分眠ったような感覚に襲われた。はっきりと意識が戻ったのは、人の声がしたからだった。
「ごめんください」
大人の女の人の声だった。鉄扉が開き、家の敷地に入り込んできた。小さな子どもの声もあった。家にはアキ姉さんがいる筈なので、アキ姉さんが応対すれは庭に回ってくることはないだろうと思った。が、返事がないようで、女の人はもう一度「ごめんください」と言って、ドアをノックした。
「お留守かな」
小さな女の子らしい声が言う。
「お留守かもね」
母親が答えると、庭の方に移動する気配がした。
まずい。
僕は心臓のばくばくする鼓動を押さえて、この客人が入ってくる方向に対して背中を向けた。いきなりおちんちんを見られたくはなかった。
「誰かいますか」
縁側のガラス戸に向って呼びかけているようだった。と、小さな女の子が悲鳴ともつかぬ短い声を上げた。続いて、息を飲むような沈黙があった。とうとう見つかってしまったらしい。僕は背中を向けたまま、もじもじしながら羞恥に備えた。女の人たちの近づく気配が止まない。
「ねえ、あの裸の人、女の子かな」
「さあ、どっちかな。背中やお尻だけじゃ分らないね。頭の形でも分らないし」
母親が娘の好奇心を煽るように答えた。
「確かめてみようか」
「うん」
震える僕の背中で、二人はそんな会話を交わした。母親の手が僕の腰の側面に伸びて、がっしりと押さえる。僕はくるりと向きを変えさせられた。
「男の子だあ」
無邪気な声を上げたのは5歳くらいの女の子だった。しかし、体が強張り、すごい勢いで全身が朱に染まったのは、母親が誰だか気づいた瞬間だった。
「あらやだ、ナオス君、何してんのよ、こんなところで」
「あ、K田先生」
目を丸くして驚いているのは、僕が小学校を卒業するまで通っていた学習塾の先生だった。およそ三か月振りに会った先生にこんな恥ずかしい格好を見られ、僕は返す言葉がない。赤面してうつむく僕をK田先生は質問責めした。
はいとかいいえとか、時には首を振るだけで答える僕の、拘束されて隠しようのない体を先生が娘と一緒に眺め回した。娘は、なぜか僕のお尻をぺたぺたと軽く叩いて喜んでいる。二年間教わった先生に一糸まとわぬ裸を見られるのは辛かった。
「ナオス君、体は全然成長してないじゃない。ご飯しっかり食べなさいよ」
「もう見ないで。恥ずかしいよ」
「ご飯しっかり食べてないでしょ。だから、おちんちんもこんなに小さいのよ」
「助けて。ロープを解いてほしいの」
まともにK田先生の顔を見ることができない。助けを求める声が震えた。厳しい先生だったが、困った時には優しかった。しかし、僕の期待はあっさり裏切られた。
「助けてあげたいけど、あなたはご家族の方に叱られて、お仕置きを受けているんじゃないの。私が勝手な真似はできないこと分かるでしょ。学習塾の先生はね、家庭のしつけにまで口は出せないんだから。確かに酷い仕打ちだと思うよ。年頃の男の子を素っ裸にして庭に立たせたまま放置するなんて、かわいそう。でも、悪いけど私は何もしてあげられない。あなたがずっとおちんちん丸出しで恥ずかしいのは分かるけど、我慢してねとしか、言えないの。それくらいのことも分からないのかしら。あなたも子どもね」
一気にまくしたてると、K田先生は、おちんちんを指でツンと突いた。学習塾でもよくこんな風に口早に説明して、最後に生徒の頭をツンと突いたものだった。僕はこれまで一度も先生に小突かれたことはなかったが、ついに今日、初めて小突かれた。しかもおちんちんに。今までにも多くの人に裸を見られ、恥ずかしい思いを重ねてきたが、初めて味わうような種類の屈辱だった。膝ががくがく鳴った。長いこと立ち続けているせいばかりではなかった。
何か柔らかいものがおちんちんに当たった。女の子の鼻だった。女の子は母親であるK田先生に変なにおいがすると伝えた。揃えた膝をきれいに折り曲げて、K田先生がおちんちんに鼻を近づけた。そして、女の子に微笑みかけると、立ち上がり、僕の耳元で囁いた。
「精液のにおいがするじゃないの。この格好でどうやって出したのよ」
答えに窮して身を震わせる僕の耳から首にかけて、K田先生が息を吹きかけた。大人の女の人の甘い香りがした。
「ごめんなさいね。シャワーを浴びていて気付かなかったの」
後ろからアキ姉さんがやって来た。洗い髪を乾かしたばかりのさっぱりした身なりで、丈の短いワンピースを着ていた。早速二人の訪問者を居間へ案内しようとする。しかし、女の子はその場を動こうとしなかった。
「どうしたの、マミちゃん。一緒においでよ。冷えたスイカがあるよ」
アキ姉さんの誘いにものらず、じっと僕の体を正面から眺めている。
「このお兄ちゃん、どうして裸んぼで縛られてるの?」
「それはね、このお兄ちゃん、女の子の裸を見たからよ」
微笑みを浮かべてアキ姉さんが説明する。長いまつげが意地悪そうに動いた。
「男の子はね、女の子の気持ちも知らないで平気でエッチなことしようとするからね。こうやって恥ずかしい思いをさせるの。女の子の気持ちが分かるようにね。男の子にはね、裸んぼにされて、おちんちんとか見られる恥ずかしい、女の子には絶対できないようなお仕置きが必要なの。大人になって女の人に威張ったりしないようにね」
マミちゃんと呼ばれた女の子は、人形のようにうなづいてアキ姉さんの手を取った。二人はくすくす笑いながら、母屋へ向かった。K田先生が突然訪問した理由を話す声が聞こえた。アキ姉さんは朗らかな調子を崩さず、家の中へ客人を招き入れるのだった。
太陽はすでに真上にさしかかろうとしていた。すでに昼の時間は過ぎたことだろう。おちんちんを縛りつけたロープは相変わらず僕を上から繋ぎ止めて、立ち居を強制していた。足の踏み場を変える間隔が短くなった。後ろで縛られた両手を動かし、体をくねらせた。疲れの蓄積と暑さが僕を苦しめ続けた。
K田先生は、帰る前にもう一度僕のところへ来て、侮蔑の視線を投げた。そこには、久し振りにあった教え子の惨めな姿に対する失望があった。アキ姉さんは訪問客が門の外へ出たのを見届けると、K田先生に末の妹である風紀委員の家庭教師を頼もうと思ったけどもやめた、と苦々しく告げた。
喉の渇きを訴える僕に水とパンを運んできてくれたアキ姉さんは、僕の足元のふらつきが甚だしいのを危ぶみ、桜の幹に縛りつけたロープをほどいてくれた。脱力してその場に座り込み、差し出された水とパンを口に入れる。ロープの端は、再び排水溝の中の金具に縛りつけられ、その上に格子状の蓋がはめられた。アキ姉さんは、あんたのクラスメイトは今頃勉学に勤しんでいるだろうに、と嫌味を言った。こんな場所で丸裸のまま犬のように過ごしている。時間が惜しいと思わないのか、とアキ姉さんが訊ねた。
桜の幹に寄りかかって、茫然と過ごす。アキ姉さんの問いが痛みを伴って体内を駆け巡った。すでにアキ姉さんはこの場を離れているのに、声だけが生々しく残って、軽蔑の眼差しを現前に浮かばせた。
塀の外の道路を行く人や車の数が増えつつあった。下校する小学生の賑やかな声が響いてきた。聞き間違いを祈ったが、鉄扉の開いたのは間違いなかった。複数の侵入者がこの家の敷地内に入り込んできたようだった。
侵入者が庭に回り込んできた。僕は、腰を低くして小川に向かった。ピンク色のシュノーケルが見当たらなかった。アキ姉さんが持ち去ったのかもしれない。冷たい川の中に恐る恐る足を突っ込み、身を潜めてゆく。肩まで浸かると冷たさが気にならず、むしろ温い位に感じられた。草を踏む足音が迫った。僕は水中の岸側から突き出た岩に掴まって、顔半分を水面に沈めた。
桜の木のところまでたどり着いた侵入者たちは、小学生のようだった。会話から僕を探していることが分かった。
「いないじゃん」
「おかしいな。学校に行く時、裸の男の子が吊り上げられているのを見たんだけど」
小学生の一人は、病院に寄ってから登校したので九時くらいに通った時、真っ裸の小学生くらいの男の子がお姉さんたちにこの桜の枝に吊るされて、いじめられているのを目撃したと説明した。
「男の子だったの? 確かなの?」
と、一人が確認すると、
「男の子だよ。だって、おちんちんが丸見えだったもん」
と、答えた。
それを聞いた時、僕は大きく息を吸い込んで水中に全身を潜めた。シュノーケルがなくてはわずかな時間しか潜っていられないけども、とにかく、この世界から消えてなくなりたいような気分だった。
苦しくなると、そっと水面に顔を出し、また大きく息を吸って潜る。それを繰り返した。小学生たちはなかなか去ろうとせず、お喋りを楽しんでいるようだった。と、水中の岩に掴まっていた手が滑って、流されてしまった。
用水路のような小川は流れが速く、岸の両側の水中には掴まるものがほとんどなかった。僕は掴まる物を探したがぐいぐい流され、ついにロープがピンと張って、おちんちんの袋にロープの食い込む激痛を味わった。
足の届かない深さで、岸側は壁のように土があるだけだった。掴まると、簡単に土塊が取れた。岸の上に腕を伸ばすしかない。ロープで引っ張られながら、そっと顔を出し、岸辺に身を寄せる。小学生たちは岸辺に立って、川の様子を窺っていた。地面のロープがいきなり動き出したので不審に思ったらしい。なんとか岸の草を掴んだ僕は、あっけなく小学生たちに見つかってしまった。
「やだ、チャコ兄ちゃんじゃない」
Y美の家の近所に住むF田姉妹の長女、幸ちゃんだった。妹の雪ちゃんもいた。他に二人、幸ちゃんの友達らしい女の子が僕を珍しそうに見つめていた。
「吊り上げられてた男の子って、この人かな」
幸ちゃんが太った女の子に尋ねる。
「そうかもしれない。顔はよく覚えてないけど」
「この人、知ってるよ。チャコ兄ちゃんって呼ばれてるの」
女の子たちは、なぜ僕がここにいるのか知りたがっていた。幸ちゃんに問われるままに言葉少なに答える。
「それでさ、チャコ兄ちゃんは、叱られて、お仕置きを受けてるんだね」
細い体つきの肌の浅黒い女の子が割って入った。僕のはっきりしない返答に苛立っているようだった。首を縦に振ると、口角を痙攣させた。
「ま、とにかく、いつまでも川の中にいないで、上がりなよ」
「そんな、レイちゃんたら、やめなよ」
幸ちゃんが軽くたしなめると、レイちゃんと呼ばれた肌の浅黒い女の子は心外という顔をして、
「駄目。川の中にいたら、私たちが何のために来たのか分からないよ」
と、いささか強い口調で反論した。幸ちゃんは顔を赤くしてうつむいてしまった。
四人の女の子たちが僕の前に集まった。僕は川の中でぴったりと岸に体を寄せた。女の子たちは、なかなか上がろうとしない僕にその理由を質した。答えるのを渋っていると、レイちゃんの声に次第に怒りがこもってきた。僕が川から上がるのをためらう理由を女の子たちが感づいているのは間違いないと思った。それでも、わざわざ打ち明けさせる。女の子たちの底意地の悪さに眩暈を覚えながら、望み通りに答えた。
「裸だから。お願いだから僕を放っておいて」
「裸なのは知ってるよ。でも、パンツくらい穿いてるんでしょ」
岸辺に仁王立ちしたレイちゃんが冷然と僕を見下ろす。僕が穿いてない旨を告げると、女の子たちが笑った。
「うそばっかり。証拠見せてよ」
レイちゃんがそう言うと、僕の腕を持ち上げようとした。幸ちゃんがもう片方の腕を取った。ずるずると川の中から僕の体が引き上げられる。
水面からお臍が出た状態で一旦止められた。レイちゃんが皆に今一度注目するように呼びかける。僕は両腕を持ち上げられたまま、許しを乞う。ほとんど悲鳴に近い声になっていることに気づいた。
再び、ゆっくりと引き上げられた。女の子たちの黄色い声が耳をつんざいた。足の指が水面に触れる位置にまで僕は引き上げられていた。太った女の子がおちんちんを指して、今朝自分が見たのと同じだと言った。
幸ちゃんは小学六年生で、雪ちゃんを除く三人も同じ学年と思われた。三人とも僕よりも背が高く、小学四年生の雪ちゃんが僕と同じくらいの背丈だった。女の子が両端から僕の腕を持ち上げて、岸辺に移動した。足の指が草や土に触れた。
「やめて。放してよ。見ないで」
地面に叩きつけられるように落とされた僕は、白昼に晒された真っ裸の体をすぐに小さく丸めた。レイちゃんのよく日に焼けた腕が伸びて、僕の髪の毛を掴んだ。
「あのさ、チャコ兄ちゃん、年上だからって命令するような言い方はやめなよ。裸んぼのくせに偉そうな口きいたら許さないからね。分かったの?」
頭を激しく揺すられた。分かったと答えると、いきなり脇腹を蹴られた。運動靴のゴムの靴底がお尻を踏みつける。じわじわと体重を乗せていき、地面に押し付けられたおちんちんが痛くなった。
分かったという僕の返事が気に入らなかったらしい。分かりましたと言い直すと、耳たぶを引っ張られて、その場に正座させられた。レイちゃんは僕を見下ろしながら、僕が裸でいる間は、相手が年下でも敬語の使用を義務付けるのだった。
今日初めて会ったにもかかわらず、このレイちゃんと言う女の子は僕に全く遠慮がなかった。すでにY美と一緒に僕の体を弄んだ経験のある幸ちゃん雪ちゃん姉妹から、話を聞いていたのかもしれない。背丈こそ僕より高いものの、レイちゃんは幸ちゃんの大人びた雰囲気とは対照的で、少女らしいあどけなさが顔の作りや浅黒い肌、体つきに表れて、歳よりも幼く見える程だった。
おちんちんの根元に細いロープが縛られているのがレイちゃんの凶暴性を煽った。僕を仰向けに倒すと、止めに入った幸ちゃんに嫌味を言い、他の女の子たちにも協力させて僕の両足を広げ、膝が胸に付くまで上げた。女の子たちの力には敵わないが、それでも僕は抵抗を続けた。お尻の穴からおちんちんの袋の裏側までじっくりと見られ、いじられながらも、抵抗は続けた。
どんなにロープを引っ張っても、おちんちんの袋に食い込むだけで抜けることがないことを時間をかけて確認したレイちゃんは、眩しい白い歯を覗かせて、不敵な笑みを浮かべるのだった。
ロープを引っ張って僕を起立させると、いきなり引き回し始めた。太った女の子が馬鹿みたいに大笑いする中、右へ行ったり左へ行ったり、円を描いたり、ジグザグに歩かされたりした。濡れた体のまま寝かされたせいで僕の背中やお尻、足が土に塗れていることを雪ちゃんが指摘し、幸ちゃんが心配そうな顔をして頷いた。幸ちゃんはエスカレートするレイちゃんの嗜虐性を危惧しているようだった。レイちゃんの引き回す速度が次第に速くなってきた。
排水溝の格子状の蓋の上からロープが切り取られていた。太った女の子がナイフを持っていたのだ。
「しっかり付いてこないと、おちんちん抜き取っちゃうからね」
健康そうな小麦色の脚が眩しかった。レイちゃんは野生動物のように速く走った。僕はとてもそんなに走れない。おちんちんを引っ張られる痛みに耐えながら、草や土を踏んで必死に付いて回る。
レイちゃんは運動靴を履いているから小石の多い場所でも平気で走れるが、僕は裸足だし、丈高い雑草や藪の中を潜り抜けても、レイちゃんは洋服を着ているから何ともないかもしれないが、僕は全裸なので、同じ走るにしても条件が全く違う。
体じゅうがひりひりと痛む。息が上がって苦しく、これ以上とてもレイちゃんの速度に合わせて走れなくなった僕は、ロープがおちんちんの袋に食い込む痛みに呻き声を上げた。肩で呼吸しながらたどり着いたのは岸辺だった。
「御苦労さん。川で冷やしなよ」
レイちゃんは僕を川へ突き落した。
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目の前では、白い花柄パンツ一枚のキク姉さんが自ら乳房を揉んだり、官能的に腰をくねらせたり、耳元に息を吹きかけたりして、僕を挑発する。最初は僕に裸を見られるのを嫌がっていたキク姉さんも、それを見ただけで僕がおちんちんを大きくさせてしまったことに気をよくしたようで、今では大胆に生々しい肢体を見せつけながら、僕が性的に興奮してオナニーに没頭するのを半ば楽しんでいる。
同級生のお姉さんにオナニーを強制され、それに従う僕の惨めさは、おちんちんを根元で縛り付けたロープが頭上の桜の枝を通っていることで倍増される。腰を落とすことも移動することも許されないこのような状況は、最初に僕をここに放置することを思いついた風紀委員も考えなかったことだろう。二人のお姉さんに見つかったら酷い目に遭わされると言った風紀委員の忠告を思い出した。
四つん這いになったキク姉さんがお尻を上げて悩ましく腰を回している。白いパンツが眩しく、なんともいえないよい香りが漂ってきた。陶酔した僕は、あられもなく腰を振って射精に励む自分の姿を恥ずかしいと思う以上に性的な興奮にまみれた。
指の輪っかをおちんちんに嵌めて動かさないアキ姉さんは、腰を振り続ける僕におちんちんの形状が変化する様をねちねちと伝える。太く、堅くなってきたこと、亀頭がうっすらと赤味を帯びて、膨らんできたことなどを面白おかしく言い、パンツ一枚の裸体で自ら乳房を揉んだり、僕の首筋に息を吹きかけたりするキク姉さんの笑いを誘った。
いよいよ射精の迎えようとした時、突然アキ姉さんがストップをかけた。咄嗟には意味が分からず腰を振り続けた僕は、風紀委員から借りていたシュノーケルで思い切りお尻を叩かれた。突然の激しい痛みに悲鳴を上げて腰を前に突き出したまま静止する。おちんちんの先っぽが精液でてかてかと光っていた。
許可なく射精したら罰を与えるとアキ姉さんに脅かされた僕は、「許しが出るまで精液を出しません」と約束させられ、オナニーを再開した。再び頂点を迎えそうになると、アキ姉さんのストップが入る。その後に少しでも動いていると、すかさずシュノーケルでお尻を叩かれるのだった。
朦朧とした頭の中で、早く精液を放出したい気持ちだけが募り、募る程に頭の中が白くなっていった。お尻を何度叩かれたか分からない。半分泣きながら腰を振る僕の背筋を汗が幾筋も流れた。もうまもなく射精しそうになった僕は、アキ姉さんのストップの声が入ることを予想して腰を振る速度を落とした。が、今度はストップがなかなか入らない。のみならず、アキ姉さんはもっと真剣に腰を振るように僕を叱咤した。
勝手にストップの入ることを予想した僕に対して、アキ姉さんは不快の念を露わにした。そして、シュノーケルでお尻を叩く。続けて叩き続ける。大粒の涙で頬を濡らした僕は謝りながら腰を振る速度を上げる。
「オナニーって、泣きながらでもできるんだね」
感心したようにキク姉さんが呟く。もう格別に挑発的なポーズを取る必要はないと判断したキク姉さんは、パンツ一枚の裸体を恥ずかしがるように両腕を自分の体に巻き付けながら、僕の痴態に粘り気のある視線を這わせる。
「やっぱり男の子って面白いよね。許しを乞いながらオナニーができるんだから」
アキ姉さんがそう返すと、冷やかな目で僕を見上げた。もう我慢の限界だった。ストップがかかろうとも、精液を放つのを止めることはできない。そんな僕の気持ちを見透かしたようにアキ姉さんが警告する。勝手に精液を放ったらおちんちんの袋を蹴っ飛ばすと宣言するのだった。腰を振る速度を少しだけ落とす。アキ姉さんの声が冷たく響いた。
「ストップ」
なんとか腰を前に突き出した状態で踏みとどまった。が、すぐに異様な快楽の高波に襲われて、膝の力が抜けてしまった。僕が腰を止めたのと前後するように、アキ姉さんの指が往復運動を始めたのだった。その指のかったるそうな動きが精液の放出を懸命に堪えるおちんちんを逆撫でするようにいたぶった。到底耐えられない。喘ぎ声も憚らかず、おちんちんの袋からせり上がった精液がおちんちんを通って外へ出るまでの過程をスローモーションのような白い時間の中で悶えた。精液が空中に弧を描いて飛んだ。
お姉さんたちは喝采した。勝手に放出したことについては罰せられなかった。あの指戯に耐えられる訳がないとアキ姉さんは考えているようだった。キク姉さんは露出した乳房を両手で覆いながらアキ姉さんに服の返却を求めた。アキ姉さんは脱がした服をずっと太腿に挟んでいたのだった。
キク姉さんがそそくさと服を着込んだ。僕だけが素っ裸を晒して立ったまま拘束されている。キク姉さんは今から友達と遊びに行くのだと言い、呆れたアキ姉さんが小言を並べた。毎日ぶらぶら遊び歩いている妹を心配している口調だった。二人のお姉さんは真剣な面持ちで小声で話し合った。そして、僕には微塵も関心を払わず、母屋へ向かった。
後ろ手に縛られ、立ち居で拘束されている僕の、何度もロープを解くように懇願する声は無視された。おちんちんの根元を縛ったロープが目の前を通って、頭上にさし伸びた桜の枝をわずかに撓らせている。体の向きこそ自由に変えられるものの、通常の半分しか足を踏み出すことができず、腰を落とせばたちまちロープがおちんちんの袋に食い込んで痛みをもたらす。
膝をすり合わせ、もじもじしながら考えた。誰かが庭に入ってきたら、僕の恥ずかしい格好をすぐに見つけるだろう。おちんちんを隠す自由も奪われた両手を腰の辺りで揺する。どんなにあがこうとも、じっとここに立ち尽くしている他ない状況であることに変わりはなかった。
どのくらいの時間が経過したのか分らない。青葉のおかげで直接日を受けてはいないけど、うだるような暑さで汗が体の中からじわじわと湧いてくる。塀に面した道路を人や車が思い出したように通り、それ以外は風もろくに吹かないせいか、不気味な程の静けさだった。
足音がして身が硬くなった。キク姉さんだった。外出の装いでお化粧がばっちり施されていた。黒のタイトスカートに黄緑の半袖シャツをまとい、ハイヒールの爪先からピンクのマニキュアを塗った足が見えた。ガムを噛みながら無言で僕の無防備な全裸を眺めている。その目には静かな怒りがこもっていた。
「ねえ、もう吊り上げるのは許してください」
じっと見られていることに居たたまれず、両の太腿も擦り合わせながらお願いすると、キク姉さんは目を僕の下半身から動かさずに言下に答えた。
「駄目だよ」
予想していたとはいえ、辛い思いが一気に押し寄せてきた。それと同時に肉体的な疲れも覚えた。うなだれる僕にキク姉さんが言った。
「あんたみたいなガキに、私の裸を見られたのが許せない。ほんとにいやらしい」
別に見たくて見た訳ではない。アキ姉さんが脱がしただけではなかったか。が、僕の言い分は分かっているというように人差し指を立てた。
「しばらくそうやって晒されていなよ、おちんちん丸出しにして」
そう言い捨てると、キク姉さんは背を向けて歩き出した。鉄扉を開ける音がすると、ハイヒールがコツコツとアスファルトを鳴らし、段々小さくなった。
人も車も途絶えた時間が長く続いた。足の指で小石をつまんで遠くへやった。何度も足を踏み変えた。いつまでこの格好でいなければならないのだろうかと考えながら、暑さのせいで朦朧とする頭を励ましているうちに、半分眠ったような感覚に襲われた。はっきりと意識が戻ったのは、人の声がしたからだった。
「ごめんください」
大人の女の人の声だった。鉄扉が開き、家の敷地に入り込んできた。小さな子どもの声もあった。家にはアキ姉さんがいる筈なので、アキ姉さんが応対すれは庭に回ってくることはないだろうと思った。が、返事がないようで、女の人はもう一度「ごめんください」と言って、ドアをノックした。
「お留守かな」
小さな女の子らしい声が言う。
「お留守かもね」
母親が答えると、庭の方に移動する気配がした。
まずい。
僕は心臓のばくばくする鼓動を押さえて、この客人が入ってくる方向に対して背中を向けた。いきなりおちんちんを見られたくはなかった。
「誰かいますか」
縁側のガラス戸に向って呼びかけているようだった。と、小さな女の子が悲鳴ともつかぬ短い声を上げた。続いて、息を飲むような沈黙があった。とうとう見つかってしまったらしい。僕は背中を向けたまま、もじもじしながら羞恥に備えた。女の人たちの近づく気配が止まない。
「ねえ、あの裸の人、女の子かな」
「さあ、どっちかな。背中やお尻だけじゃ分らないね。頭の形でも分らないし」
母親が娘の好奇心を煽るように答えた。
「確かめてみようか」
「うん」
震える僕の背中で、二人はそんな会話を交わした。母親の手が僕の腰の側面に伸びて、がっしりと押さえる。僕はくるりと向きを変えさせられた。
「男の子だあ」
無邪気な声を上げたのは5歳くらいの女の子だった。しかし、体が強張り、すごい勢いで全身が朱に染まったのは、母親が誰だか気づいた瞬間だった。
「あらやだ、ナオス君、何してんのよ、こんなところで」
「あ、K田先生」
目を丸くして驚いているのは、僕が小学校を卒業するまで通っていた学習塾の先生だった。およそ三か月振りに会った先生にこんな恥ずかしい格好を見られ、僕は返す言葉がない。赤面してうつむく僕をK田先生は質問責めした。
はいとかいいえとか、時には首を振るだけで答える僕の、拘束されて隠しようのない体を先生が娘と一緒に眺め回した。娘は、なぜか僕のお尻をぺたぺたと軽く叩いて喜んでいる。二年間教わった先生に一糸まとわぬ裸を見られるのは辛かった。
「ナオス君、体は全然成長してないじゃない。ご飯しっかり食べなさいよ」
「もう見ないで。恥ずかしいよ」
「ご飯しっかり食べてないでしょ。だから、おちんちんもこんなに小さいのよ」
「助けて。ロープを解いてほしいの」
まともにK田先生の顔を見ることができない。助けを求める声が震えた。厳しい先生だったが、困った時には優しかった。しかし、僕の期待はあっさり裏切られた。
「助けてあげたいけど、あなたはご家族の方に叱られて、お仕置きを受けているんじゃないの。私が勝手な真似はできないこと分かるでしょ。学習塾の先生はね、家庭のしつけにまで口は出せないんだから。確かに酷い仕打ちだと思うよ。年頃の男の子を素っ裸にして庭に立たせたまま放置するなんて、かわいそう。でも、悪いけど私は何もしてあげられない。あなたがずっとおちんちん丸出しで恥ずかしいのは分かるけど、我慢してねとしか、言えないの。それくらいのことも分からないのかしら。あなたも子どもね」
一気にまくしたてると、K田先生は、おちんちんを指でツンと突いた。学習塾でもよくこんな風に口早に説明して、最後に生徒の頭をツンと突いたものだった。僕はこれまで一度も先生に小突かれたことはなかったが、ついに今日、初めて小突かれた。しかもおちんちんに。今までにも多くの人に裸を見られ、恥ずかしい思いを重ねてきたが、初めて味わうような種類の屈辱だった。膝ががくがく鳴った。長いこと立ち続けているせいばかりではなかった。
何か柔らかいものがおちんちんに当たった。女の子の鼻だった。女の子は母親であるK田先生に変なにおいがすると伝えた。揃えた膝をきれいに折り曲げて、K田先生がおちんちんに鼻を近づけた。そして、女の子に微笑みかけると、立ち上がり、僕の耳元で囁いた。
「精液のにおいがするじゃないの。この格好でどうやって出したのよ」
答えに窮して身を震わせる僕の耳から首にかけて、K田先生が息を吹きかけた。大人の女の人の甘い香りがした。
「ごめんなさいね。シャワーを浴びていて気付かなかったの」
後ろからアキ姉さんがやって来た。洗い髪を乾かしたばかりのさっぱりした身なりで、丈の短いワンピースを着ていた。早速二人の訪問者を居間へ案内しようとする。しかし、女の子はその場を動こうとしなかった。
「どうしたの、マミちゃん。一緒においでよ。冷えたスイカがあるよ」
アキ姉さんの誘いにものらず、じっと僕の体を正面から眺めている。
「このお兄ちゃん、どうして裸んぼで縛られてるの?」
「それはね、このお兄ちゃん、女の子の裸を見たからよ」
微笑みを浮かべてアキ姉さんが説明する。長いまつげが意地悪そうに動いた。
「男の子はね、女の子の気持ちも知らないで平気でエッチなことしようとするからね。こうやって恥ずかしい思いをさせるの。女の子の気持ちが分かるようにね。男の子にはね、裸んぼにされて、おちんちんとか見られる恥ずかしい、女の子には絶対できないようなお仕置きが必要なの。大人になって女の人に威張ったりしないようにね」
マミちゃんと呼ばれた女の子は、人形のようにうなづいてアキ姉さんの手を取った。二人はくすくす笑いながら、母屋へ向かった。K田先生が突然訪問した理由を話す声が聞こえた。アキ姉さんは朗らかな調子を崩さず、家の中へ客人を招き入れるのだった。
太陽はすでに真上にさしかかろうとしていた。すでに昼の時間は過ぎたことだろう。おちんちんを縛りつけたロープは相変わらず僕を上から繋ぎ止めて、立ち居を強制していた。足の踏み場を変える間隔が短くなった。後ろで縛られた両手を動かし、体をくねらせた。疲れの蓄積と暑さが僕を苦しめ続けた。
K田先生は、帰る前にもう一度僕のところへ来て、侮蔑の視線を投げた。そこには、久し振りにあった教え子の惨めな姿に対する失望があった。アキ姉さんは訪問客が門の外へ出たのを見届けると、K田先生に末の妹である風紀委員の家庭教師を頼もうと思ったけどもやめた、と苦々しく告げた。
喉の渇きを訴える僕に水とパンを運んできてくれたアキ姉さんは、僕の足元のふらつきが甚だしいのを危ぶみ、桜の幹に縛りつけたロープをほどいてくれた。脱力してその場に座り込み、差し出された水とパンを口に入れる。ロープの端は、再び排水溝の中の金具に縛りつけられ、その上に格子状の蓋がはめられた。アキ姉さんは、あんたのクラスメイトは今頃勉学に勤しんでいるだろうに、と嫌味を言った。こんな場所で丸裸のまま犬のように過ごしている。時間が惜しいと思わないのか、とアキ姉さんが訊ねた。
桜の幹に寄りかかって、茫然と過ごす。アキ姉さんの問いが痛みを伴って体内を駆け巡った。すでにアキ姉さんはこの場を離れているのに、声だけが生々しく残って、軽蔑の眼差しを現前に浮かばせた。
塀の外の道路を行く人や車の数が増えつつあった。下校する小学生の賑やかな声が響いてきた。聞き間違いを祈ったが、鉄扉の開いたのは間違いなかった。複数の侵入者がこの家の敷地内に入り込んできたようだった。
侵入者が庭に回り込んできた。僕は、腰を低くして小川に向かった。ピンク色のシュノーケルが見当たらなかった。アキ姉さんが持ち去ったのかもしれない。冷たい川の中に恐る恐る足を突っ込み、身を潜めてゆく。肩まで浸かると冷たさが気にならず、むしろ温い位に感じられた。草を踏む足音が迫った。僕は水中の岸側から突き出た岩に掴まって、顔半分を水面に沈めた。
桜の木のところまでたどり着いた侵入者たちは、小学生のようだった。会話から僕を探していることが分かった。
「いないじゃん」
「おかしいな。学校に行く時、裸の男の子が吊り上げられているのを見たんだけど」
小学生の一人は、病院に寄ってから登校したので九時くらいに通った時、真っ裸の小学生くらいの男の子がお姉さんたちにこの桜の枝に吊るされて、いじめられているのを目撃したと説明した。
「男の子だったの? 確かなの?」
と、一人が確認すると、
「男の子だよ。だって、おちんちんが丸見えだったもん」
と、答えた。
それを聞いた時、僕は大きく息を吸い込んで水中に全身を潜めた。シュノーケルがなくてはわずかな時間しか潜っていられないけども、とにかく、この世界から消えてなくなりたいような気分だった。
苦しくなると、そっと水面に顔を出し、また大きく息を吸って潜る。それを繰り返した。小学生たちはなかなか去ろうとせず、お喋りを楽しんでいるようだった。と、水中の岩に掴まっていた手が滑って、流されてしまった。
用水路のような小川は流れが速く、岸の両側の水中には掴まるものがほとんどなかった。僕は掴まる物を探したがぐいぐい流され、ついにロープがピンと張って、おちんちんの袋にロープの食い込む激痛を味わった。
足の届かない深さで、岸側は壁のように土があるだけだった。掴まると、簡単に土塊が取れた。岸の上に腕を伸ばすしかない。ロープで引っ張られながら、そっと顔を出し、岸辺に身を寄せる。小学生たちは岸辺に立って、川の様子を窺っていた。地面のロープがいきなり動き出したので不審に思ったらしい。なんとか岸の草を掴んだ僕は、あっけなく小学生たちに見つかってしまった。
「やだ、チャコ兄ちゃんじゃない」
Y美の家の近所に住むF田姉妹の長女、幸ちゃんだった。妹の雪ちゃんもいた。他に二人、幸ちゃんの友達らしい女の子が僕を珍しそうに見つめていた。
「吊り上げられてた男の子って、この人かな」
幸ちゃんが太った女の子に尋ねる。
「そうかもしれない。顔はよく覚えてないけど」
「この人、知ってるよ。チャコ兄ちゃんって呼ばれてるの」
女の子たちは、なぜ僕がここにいるのか知りたがっていた。幸ちゃんに問われるままに言葉少なに答える。
「それでさ、チャコ兄ちゃんは、叱られて、お仕置きを受けてるんだね」
細い体つきの肌の浅黒い女の子が割って入った。僕のはっきりしない返答に苛立っているようだった。首を縦に振ると、口角を痙攣させた。
「ま、とにかく、いつまでも川の中にいないで、上がりなよ」
「そんな、レイちゃんたら、やめなよ」
幸ちゃんが軽くたしなめると、レイちゃんと呼ばれた肌の浅黒い女の子は心外という顔をして、
「駄目。川の中にいたら、私たちが何のために来たのか分からないよ」
と、いささか強い口調で反論した。幸ちゃんは顔を赤くしてうつむいてしまった。
四人の女の子たちが僕の前に集まった。僕は川の中でぴったりと岸に体を寄せた。女の子たちは、なかなか上がろうとしない僕にその理由を質した。答えるのを渋っていると、レイちゃんの声に次第に怒りがこもってきた。僕が川から上がるのをためらう理由を女の子たちが感づいているのは間違いないと思った。それでも、わざわざ打ち明けさせる。女の子たちの底意地の悪さに眩暈を覚えながら、望み通りに答えた。
「裸だから。お願いだから僕を放っておいて」
「裸なのは知ってるよ。でも、パンツくらい穿いてるんでしょ」
岸辺に仁王立ちしたレイちゃんが冷然と僕を見下ろす。僕が穿いてない旨を告げると、女の子たちが笑った。
「うそばっかり。証拠見せてよ」
レイちゃんがそう言うと、僕の腕を持ち上げようとした。幸ちゃんがもう片方の腕を取った。ずるずると川の中から僕の体が引き上げられる。
水面からお臍が出た状態で一旦止められた。レイちゃんが皆に今一度注目するように呼びかける。僕は両腕を持ち上げられたまま、許しを乞う。ほとんど悲鳴に近い声になっていることに気づいた。
再び、ゆっくりと引き上げられた。女の子たちの黄色い声が耳をつんざいた。足の指が水面に触れる位置にまで僕は引き上げられていた。太った女の子がおちんちんを指して、今朝自分が見たのと同じだと言った。
幸ちゃんは小学六年生で、雪ちゃんを除く三人も同じ学年と思われた。三人とも僕よりも背が高く、小学四年生の雪ちゃんが僕と同じくらいの背丈だった。女の子が両端から僕の腕を持ち上げて、岸辺に移動した。足の指が草や土に触れた。
「やめて。放してよ。見ないで」
地面に叩きつけられるように落とされた僕は、白昼に晒された真っ裸の体をすぐに小さく丸めた。レイちゃんのよく日に焼けた腕が伸びて、僕の髪の毛を掴んだ。
「あのさ、チャコ兄ちゃん、年上だからって命令するような言い方はやめなよ。裸んぼのくせに偉そうな口きいたら許さないからね。分かったの?」
頭を激しく揺すられた。分かったと答えると、いきなり脇腹を蹴られた。運動靴のゴムの靴底がお尻を踏みつける。じわじわと体重を乗せていき、地面に押し付けられたおちんちんが痛くなった。
分かったという僕の返事が気に入らなかったらしい。分かりましたと言い直すと、耳たぶを引っ張られて、その場に正座させられた。レイちゃんは僕を見下ろしながら、僕が裸でいる間は、相手が年下でも敬語の使用を義務付けるのだった。
今日初めて会ったにもかかわらず、このレイちゃんと言う女の子は僕に全く遠慮がなかった。すでにY美と一緒に僕の体を弄んだ経験のある幸ちゃん雪ちゃん姉妹から、話を聞いていたのかもしれない。背丈こそ僕より高いものの、レイちゃんは幸ちゃんの大人びた雰囲気とは対照的で、少女らしいあどけなさが顔の作りや浅黒い肌、体つきに表れて、歳よりも幼く見える程だった。
おちんちんの根元に細いロープが縛られているのがレイちゃんの凶暴性を煽った。僕を仰向けに倒すと、止めに入った幸ちゃんに嫌味を言い、他の女の子たちにも協力させて僕の両足を広げ、膝が胸に付くまで上げた。女の子たちの力には敵わないが、それでも僕は抵抗を続けた。お尻の穴からおちんちんの袋の裏側までじっくりと見られ、いじられながらも、抵抗は続けた。
どんなにロープを引っ張っても、おちんちんの袋に食い込むだけで抜けることがないことを時間をかけて確認したレイちゃんは、眩しい白い歯を覗かせて、不敵な笑みを浮かべるのだった。
ロープを引っ張って僕を起立させると、いきなり引き回し始めた。太った女の子が馬鹿みたいに大笑いする中、右へ行ったり左へ行ったり、円を描いたり、ジグザグに歩かされたりした。濡れた体のまま寝かされたせいで僕の背中やお尻、足が土に塗れていることを雪ちゃんが指摘し、幸ちゃんが心配そうな顔をして頷いた。幸ちゃんはエスカレートするレイちゃんの嗜虐性を危惧しているようだった。レイちゃんの引き回す速度が次第に速くなってきた。
排水溝の格子状の蓋の上からロープが切り取られていた。太った女の子がナイフを持っていたのだ。
「しっかり付いてこないと、おちんちん抜き取っちゃうからね」
健康そうな小麦色の脚が眩しかった。レイちゃんは野生動物のように速く走った。僕はとてもそんなに走れない。おちんちんを引っ張られる痛みに耐えながら、草や土を踏んで必死に付いて回る。
レイちゃんは運動靴を履いているから小石の多い場所でも平気で走れるが、僕は裸足だし、丈高い雑草や藪の中を潜り抜けても、レイちゃんは洋服を着ているから何ともないかもしれないが、僕は全裸なので、同じ走るにしても条件が全く違う。
体じゅうがひりひりと痛む。息が上がって苦しく、これ以上とてもレイちゃんの速度に合わせて走れなくなった僕は、ロープがおちんちんの袋に食い込む痛みに呻き声を上げた。肩で呼吸しながらたどり着いたのは岸辺だった。
「御苦労さん。川で冷やしなよ」
レイちゃんは僕を川へ突き落した。
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「とりあえず生中でぇー♪」って言われて、何の事か聞いてみたら
生でナカダシしてって事だって(*´ー`)ノ 略語ムズィな。。
ちょっとしつけが必要だと思ったから3回ナカダシしといたぞ(。`・ω・)!!!
オレの祖 チ ンがまさかの大活躍だぞ!!!
お姉さんに祖 チ ンもてあそばれて5万貰えて
俺もうtw;おいいhそあぁ最高!!!!!
これやるとき、一緒に買い物来てもらうほうがいいぞ!!!!
だってオレ、報酬とは別で、普通に欲しい物買ってもらってるしw
物買っても金が減らないシステム考えたオレ天才すぐる(`・ω・´)!
てか、逆に増えてるしなwwwwwうんめぇわぁwwwww