頭のてっぺんまで川の中に入った僕に水圧が襲いかかって、自分が完全に裸であることを意識させられた。流されながらも、もがき続け、やっとの思いで水面に顔を出すと、僕を川へ落した小学生の女の子たちが囃し声を上げて岸を並行移動している。
おちんちんを根元で縛り付けたロープが引っ張られて、ロープの食い込むおちんちんの袋に痛みが走る。岸辺に寄せられた僕は、これ以上引かないでほしいと懇願したが、レイちゃんは薄笑いを浮かべて無視するのだった。岸に引き上げられ、びしょ濡れの体を震わせている僕に、今度は太った女の子がタックルした。
「やめて」
小さく叫んだだけで、また川に落とされた。川上からロープを引かれて、僕の無防備な体は川の速い流れに逆らって動く。このままロープがおちんちんの袋から抜けてしまえばよいと祈ったが、食い込むばかりで、おちんちんを切り取らない限りロープから逃れられそうもなかった。
呻き声を漏らしながら、なんとか岸に這い上がった僕を幸ちゃんと雪ちゃんが憐れむような目で見ていた。恥ずかしくなっておちんちんに手を当ててうずくまっていると、太った女の子に「立ちなさいよ」と言われ、髪の毛を握られた。
立たざるを得なくなった僕に走ってくるレイちゃんの姿が見えた。助走をつけたのは僕に飛び蹴りするためだった。咄嗟に後ろを向いた僕の背中にレイちゃんの運動靴が当たった。衝撃と痛みに声を上げる間もなく、再び川に落とされた。太った女の子の引くロープに手繰り寄せられるようにして岸に上がった僕は、太った女の子に「気をつけ」を命じられた。おちんちんから手を放し、体の側面に沿って腕を伸ばす格好を取らされた僕を正面に据えて、レイちゃんが走ってきた。
鹿のように飛んだレイちゃんの体が水平に傾き、踵が僕の胸骨に当たった。衝撃を受けて、後ろ向きに川へ落下した。鼻から水が入って苦しく、ゲボゲボと水を吐きながら、許しを乞う。しかし、レイちゃんと太った女の子は、この遊びを楽しんでおり、何度も僕を川へ突き落してはロープで引き上げて飽きないのだった。
だんだんレイちゃんの跳躍が伸びて、ついには僕の頬を蹴るまでに至った。川のほとんど向こう岸にまで届きそうなところまで蹴り飛ばされた僕は、向こう岸に並んだ岩に頭をぶつける恐怖を覚え、岸に引っ張り上げられた時には涙を流して、「もう許してください」と叫びながら土下座を繰り返した。
「ほんとに怖がってるみたいね。おちんちんがあんなに縮こまってる」
深々と下げていた頭を上げると、雪ちゃんが覗き込むように首を伸ばして、言った。ここで下手におちんちんを手で隠すと、どんなに酷い目に遭わされるか、分からない。隠す代わりに、地面に両手をつけて、再び頭を下げる。頭から水滴がぽたぽたと落ちて、全身ずぶ濡れのまま素っ裸で土下座する惨めさが身に沁みた。年下の女の子たちの冷笑が聞くまいとする耳をこじ開けて入ってくる。
見るに見かねた幸ちゃんが間に入ってくれなかったら、川突き落とし遊びはまだ終わらなかったと思う。
「幸ちゃんに免じて許してあげる。最後に一回だけね」
そう言ってレイちゃんは僕を川岸から少し離れた位置に気をつけをさせると、今までにないくらい助走をつけてこちらに向かった。歯を食いしばって痛みに備える僕の目にレイちゃんはさほど高く飛ばなかった。レイちゃんの足が狙ったのは僕の下腹部だった。予想外の箇所を蹴られて、体がくの字に曲がったまま、芝生を飛んだ。足の下に川があると思った瞬間、水の中に沈んだ。
蹴られたのは鳩尾だった。水面から顔を上げても呼吸ができず、手で水面を何度も叩く。苦しくて、頻りに手足を動かしたが、そんなことをしても無論苦しさが軽減することはなかった。沈んだり浮いたりして流される僕は、誰かがロープを引いて僕を岸に引き寄せてくれることを期待したが、女の子たちは僕が溺れながら流されるのを楽しむように、並行して岸を移動するばかりだった。
鼻から水を吸い込んだ苦しさが岸に上げられてからも続いた。ようやく呼吸ができるようになっても涙が止まらず、何度も水を吐いた。いつまでも草地に横たわる僕のお尻を太った女の子が蹴った。
レイちゃんは、もう一度僕に土下座させたがっていた。いつまでも横たわっていると、今度はレイちゃんの鋭いキックが飛んできた。踵がおちんちんの袋に当たって、激痛に悲鳴をあげる。
めそめそ泣いているのを見ると苛立ちが増すから泣くな、とレイちゃんに激しく詰られた。通りを行く人にも聞こえるような大きな声だった。そして、僕にもそれと同じくらいの声量で許しを乞うように命じた。
「何やってんの、あんたら」
騒ぎを聞きつけて、アキ姉さんがやって来た。小学生の女の子たちが自宅の敷地にいることには、さして驚いた風でもなかった。僕が泣きべそをかきながら土下座させられていることの方に目を丸くしていた。
幸ちゃんが事態を説明すると、アキ姉さんは納得したように大きく息をついた。そして、
「あんたたち、あんまり苛めたら可哀そうじゃない。おちんちんも小さくて、皮かむりだけど、一応、年上の男の子なんだしね」
と、言った。
「私たち、実験にきたんです」
「実験?」
アキ姉さんが幸ちゃんの顔をまじまじと見つめながら、聞き返した。
「はい。男の子の体のことで」
頬を染めた幸ちゃんが恥ずかしそうに俯くと、全てを察したかのようにアキ姉さんが頷いた。
「そのことなら聞いてるよ。道具も玄関に用意してあるから早く始めなよ」
「はい」
元気な声で返事をすると、幸ちゃんは雪ちゃんを誘って、母屋へ走って行った。太った女の子が後ろから僕の両腕を取って曲げると、そのまま立たせた。少しでも力が加わると両腕の骨が折られる。お腹の肉を背中に感じながら、びくびくする僕の前にレイちゃんが近づいた。
「エー子、こいつが暴れたら、腕折ってもいいからね」
「簡単に折れちゃいそう」
エー子と呼ばれた太った女の子は、スナック菓子の臭いがする息を僕の首に吐いて、お腹を揺さぶった。少し遅れて、詰まったような笑い声が口から漏れ出た。
「それにしても小さいおちんちんだよね。こんなの付けてて恥ずかしくないのかな」
「ほら、苛めないのよ」
軽くたしなめるアキ姉さんにちらりと詫びるような微笑を向けると、レイちゃんはそれで自分のすることが許されたかのように、臆することなく手をおちんちんへ伸ばしてきた。膝をがくがく震わせる僕は、腰を左右に振って逃れようとしたが、その無意味な抵抗はアキ姉さんの微笑を誘っただけだった。ついにレイちゃんの指がおちんちんの皮をつまむと、ぐいぐい引っ張る。
千切れるような痛みに悲鳴を上げて悶える僕に、レイちゃんは容赦なかった。
「こんなにちっちゃくても、おちんちんなんだよね。むかつくんだよ。おちんちんが付いててごめんなさいって言え」
皮を引っ張ってぐるぐると回す。腰を前に突き出して、引っ張られる方向に体を動かすと、背中に回された腕がきりきりと痛む。許しを乞う僕は必死のあまり、敬語を忘れた。と、レイちゃんはその言葉遣いを咎めて、更に強く引っ張る。おちんちんの皮がゴムのように伸ばされて、白くなった。アキ姉さんが、
「早く言われたとおりにしなよ。おちんちんの皮が千切れるよ」
と、忠告してくれて、初めて僕は自分が何を言わないといけないのか思い出した。レイちゃんのおちんちんの皮を引っ張り回す速度が上がった。
「言うんだよ。ほら、おちんちんが付いててごめんなさいって」
屈辱的な言葉だったが、考えている余裕はなかった。言われた通りに叫ぶとエー子が馬鹿みたいに笑った。
「私は、おちんちんが付いててごめんなさいって言えって。ごめんなさいおちんちん、じゃないんだよ。てめえのおちんちんに謝ってどうすんだよ。ほら、言えよ。おちんちんが付いててごめんなさいって。ちっぽけなおちんちんのくせして強情張るんじゃないよ、素っ裸のくせに」
更に強く皮を引っ張られたような気がした。もう何が何だか分からず、泣きじゃくりながら、言われた通りのことを口にする。語句の順番なぞ気にしていられなかったし、覚えられなかった。が、レイちゃんは助詞が一つ欠けただけで許さないのだった。やっとまともに言えたと思ったら、声が小さいからと、やり直しをさせられる。
「おちんちんが付いててごめんなさい」
通りを行く人たちにもはっきり聞こえる程の大声を出して、やっと許された僕は、だらりと伸び切ったおちんちんの皮を撫でながらその場に座り込んでしまった。アキ姉さんが僕の肩を撫でて同情してくれた。幸ちゃんがプラスチックの箱を抱えて、水の張ったバケツを持った雪ちゃんと戻ってきた。幸ちゃんは、早速実験を始めたいと言った。
何の実験か分からないけど、僕の体を使ったものであるらしいことは、僕に四つん這いの姿勢を取らせたことから感じ取れた。不吉な予感に体が小刻みに震える。引っ張られたおちんちんがまだずきずきと痛かった。
おちんちんの根元を縛ったロープを軽く揺さぶって、僕に大人しくするように命じると、レイちゃんは幸ちゃんに始めるように促した。
冷たい水をお尻にかけられ、お尻の穴の周りをぬるぬるした物が塗られる。石鹸とのことだった。幸ちゃんの指がお尻の穴の周りを揉む。恥ずかしさと何をされるのか予想もつかない恐ろしさで体が強張る。いざって前へ逃れようとしたら、エー子に頭髪を掴まれて、動かないように脅かされた。
しゃがんで様子を見ていたアキ姉さんが仰向けにした方がよいと幸ちゃんに言い、いつのまに用意したのか、たくさんのロープを手渡した。レイちゃんも仰向けにするという意見に賛成し、手伝いを申し出る。
一番年下の雪ちゃんだけがつまらなそうな顔をして、僕の体がひっくり返される様子を見つめていた。仰向けに寝かされ、足首にかけられたロープで足を広げた状態のまま吊り上げられる。怖さのあまり悲鳴を上げて暴れる僕の両手にもロープがかかり、両の手首を合わせた形で頭の上に引っ張られた。
必死に暴れて抵抗したものの、アキ姉さんまで加わった女の人たちの力には敵わなかった。気がつけば仰向けに寝かされた僕の体は両腕、両足ともにがっちりとロープで固定されてしまった。しかも、足首を縛ったロープが股を広げたまま吊り上げられ、お尻が浮いた状態になっている。僕がどんなに足に力を入れても、ロープを結んだ木の枝は大してたわまなかった。
「いい格好だね、チャコ兄さん。お尻の穴まで丸見えだよ」
レイちゃんが股の間から顔を差し伸べて、僕に冷たい視線を送った。
「何をするんですか。ねえ、やめてください。お願いだから」
「うるさいな。幸ちゃんがね、お前の体で実験するんだよ」
面倒くさそうに答えて、下腹部にぺたりと付いたおちんちんを指で弾くと、レイちゃんは幸ちゃんに場所を譲った。石鹸を塗られたお尻の穴に幸ちゃんの指が当たった。ゴムの感触がした。コンドームを指に嵌めているのが女の子たちの会話から分かった。その指がゆっくりと僕のお尻の穴に入ってきた。
力を抜くように、リラックスするように、とアキ姉さんが声を掛けてくる。下手に気張ると、肛門を傷めることになるとのことだった。痛みを感じたら、力を抜かなければならないとアキ姉さんがアドバイスを送る。僕は幸ちゃんの指がずぶずぶとお尻の穴に入ってくる恐怖と不安で胸が潰れそうになりながら、痛みを最小限に抑えるべく、アキ姉さんの忠告に従って極力、脱力に努めた。
思った以上にスムーズに指が入ることを喜び、素直に力を抜いた僕を褒めた幸ちゃんは、人差し指がすっぽり入ると、上下に指を動かし始めた。
これまで僕が思わず漏らしてしまう声を聞き留めて冷やかしてきたエー子は、お尻の中の指をぐりぐりと回された途端僕の口から喘ぎともつかぬ声が断続的に漏れると、手を叩いて喜び、その声を真似て僕を嘲笑した。
気持ちの悪いような、ぬるぬるとした変な感覚に苛まれ、全身を朱に染めて悶える。幸ちゃんは、そんな僕の様子を冷静に観察しているようだった。お尻の中に入れた指を躍らせながら、首を傾げる。
知的好奇心が旺盛で優等生である幸ちゃんは、人体に関する難しい本を読み、お尻の穴のある個所を刺激すれば、おちんちんが勃起し、精液を出すことができることを知ったと言う。しかし、幸ちゃんがどんなに指を回しても、おちんちんは一向に変化しない。レイちゃんに引っ張られた時のまま、だらりと伸びた皮の中で縮こまっている。
「おかしいな。大きくならない」
「場所が違うんじゃない」
女の子たちはそんなことを言い言い、おちんちんの皮をするすると剥いて、中の様子を見たり、おちんちんの袋を揉んだりした。しかし、直接おちんちんに刺激を与えることはしなかったので、大きくなることはなかった。
指が疲れた幸ちゃんに代わって、レイちゃんが人差し指にコンドームを嵌めた。僕は首を上げ、生まれて初めてコンドームを見た。石鹸をたっぷり塗りつけたレイちゃんの指は、お尻の穴に入ってすぐに回転を始めた。おちんちんを勃起させる個所は、もっと入口近くにあると考えたようだった。激しく回転させながら、少しずつ奥へと指を埋め込んでいく。僕の拘束されて伸ばされた四肢が震え、言葉にならない声が小さく漏れ続ける。
時間をかけて試したレイちゃんも、しかしおちんちんを大きくさせることはできなかった。幸ちゃんは溜息をつき、本で読んだことは間違っていたのかなと考え込む。諦めたレイちゃんがお尻の穴から指を抜くと、コンドームを嵌めた指で僕のお腹を擦り、最後に乳首を抓った。
三人目はエー子だった。僕は指を入れられる痛みをなくすため、指が肛門に触れると、うんちをする時のように気張ることにしていたが、エー子の指の動きはタイミングがずれたので、いかにも異物を挿入されたような痛みが走った。思わず悲鳴を上げると、幸ちゃんにバケツの水を顔に掛けられた。自分の考えた通りに僕の体が反応しないことに腹立たしさを覚えているようだった。実際、エー子がまさぐっても、皮を剥かれたおちんちんは、形状変化の兆しを一向に見せない。僕自身、お尻の穴を責められても、おちんちんを刺激する気持ちよさに結びつかないのを感じていた。
お尻の穴に指を入れておちんちんを大きくさせようとする試みを一刻も早く女の子たちが諦めてくれることを願って、「許してください。やめてください」と、哀願する。一番年下の雪ちゃんがおちんちんをつまんで振ったり、押したりして、「大きくなれ、大きくなれ」と呪文のようなことを唱えていた。
地面に仰向けに寝かされ、拘束されている僕の無防備な体を見下ろしながら、女の子たちは話し合った。アキ姉さんが用意した緑色のプラスチックの箱から歯磨き粉や歯ブラシを取り出したレイちゃんは、これを使おうと提案した。
お尻の穴に何かが入ってきた。歯磨き粉だとエー子が面白おかしく言った。ひんやりとした液状の物体が奥深くへ挿し込まれてゆく。ミント味だとレイちゃんが付け足した。お尻の中に半分ほど入れて、チューブを押しているようだった。刺激性の強いどろどろしたものが次々とチューブから押し出されるのが感じられる。お尻が痛くてたまらなかった。幸ちゃんが僕にうんちを出すつもりで踏ん張るように告げる。
頭を挟んで縛られた両手を引き寄せようとしても、手首にロープが食い込むばかりで肘を曲げることすらできない。吊られた両足も同じで、股を広げたまま悶える僕の動きを封じていた。視界には桜の枝の向こうに雲一つない青空が広がっている。歯磨き粉がぬるぬるとお尻から引き抜かれた。
ミントの刺激でお尻の中がひりひりする。と、硬い物体がお尻の中に入れられた。仰向けに寝かされている僕にはそれが何かは分からないが、推測することはできた。歯ブラシだ。幸ちゃんは、ブラシとは反対の柄の部分をお尻に挿入するのだった。
息の塊のような声を漏らし、仰け反る僕は、これも幸ちゃんの言う実験の一つかと思い、恐怖を覚えながらも、体が硬直すれば逆にお尻を傷つけることになることから、努めてリラックスするようにした。歯ブラシの柄が沼にはまったかのようにぬるぬるとお尻の中へ入るのを幸ちゃんは楽しんでいるようだった。何度か出し入れをした後、一旦抜いた。
「今度はブラシの側から入れるからね」
幸ちゃんの元気な声は、お尻の穴を広げられた痛みがじんじんと伝わって悶える僕の神経を逆撫でした。反射的に強い口調で止めるように呼びかけたが、レイちゃんは僕のその言い方が気に入らないらしく、おちんちんを根元から縛っているロープを上に引っ張った。おちんちんの袋に容赦なくロープがきりきりと食い込み、痛みに悲鳴を上げる。
体を万遍無く濡らした川の水は、肉体の発する熱で大方蒸発したが、全身から汗が噴き出ているので、体がぬめぬめと濡れて土に汚れやすくなっているのは同じだった。ブラシはかなり使い込まれて柔らかくなっていた。それでもブラシの一本一本がお尻の中に当たるのが感じられ、ミントの刺激がする歯磨き粉にまみれながら、ゆっくりと奥へ進んでは後退する歯ブラシに悶えさせられる。ほとんど永遠に続くような責めだった。
実験と称して、僕のお尻の穴にどんな物が挿入できるのか試みているようだった。アキ姉さんが再び戻ってきて、自分が連れて来た新たな二人を前へ出した。Y美と風紀委員だった。二人とも学校帰りの制服姿だった。僕は二人から顔をそむけた。
「お尻の中に歯ブラシ突っ込まれて、悶えないでよ。恥ずかしくないの?」
仰向けで両腕をロープで固定され、足を吊り上げられて、丸出しにしたお尻の穴に歯ブラシが入れられている僕を見下ろしながら、Y美が冷やかしの言葉を浴びせる。自分たちが学校に行っている間もずっと丸裸のまま、おちんちんをロープで括りつけられた状態で庭にいたことに加えて、こうして無残な格好を晒されて幸ちゃんの実験台になっている僕を憐れむように見つめる。
「馬鹿みたい」
Y美が唾を吐いて僕のお臍を濡らすと、風紀委員が「でも、なんか可哀想」と呟いた。幸ちゃんがゆっくり歯ブラシを動かした。ブラシの一本一本がお尻の奥の襞に当たる。おちんちんが刺激を受けているような錯覚を覚えたが、痛みを伴った。声を出して悶える僕にアキ姉さんが心配して「大丈夫?」と呼びかけたが、返事ができなかった。
歯ブラシで直腸を傷つけると面倒だからという理由で、アキ姉さんが幸ちゃんに歯ブラシを引き抜くように言った。
「でも、傷つかないように、たっぷり歯磨き粉も入れてあるんですけど」
幸ちゃんが答えると、アキ姉さんは驚いて僕の顔を覗き込んだ。
「やだ。あんた、歯磨き粉までお尻の中に入れられちゃったんだ。災難ねえ」
「ねえアキ姉さん、見てよ。ほら、お尻の穴の周りから白い物が出てるでしょ」
風紀委員に教えられて、アキ姉さんが僕のお尻を覗き込むと、大きな息をついた。女の子たちの仕出かしたことに呆れているようだった。そして、いい加減にするように少し強い口調で幸ちゃんに注意した。
ぷちぷちとブラシがお尻の中で形を崩している。歯磨き粉のミント性の刺激でスースーするお尻の中から、歯ブラシが抜け出ようとしていた。最後のところですぽりと一段と強い痛みのような刺激があって、ようやく歯ブラシが抜けた。女の子たちはブラシが変色していることに無邪気な笑い声を上げた。レイちゃんがそのブラシを僕の乳首に当てて、擦り始めた。女の子たちは大喜びした。
乳首をざらざらしたブラシでしつこく撫でながら、レイちゃんは僕の喘ぐ様子をじっと観察している。幸ちゃんの実験は休むことなく続けられた。汗でぬるぬるした手首からロープが抜けないかと引き寄せたが、両の手首は頭の先で固く結び付けられていた。膝を屈曲して胸に近づけた状態で吊り上げられた足も、ぴんと張られたロープに動かせる範囲が極端に狭められ、足の指を閉じたり開いたりしながら、むなしく宙に小さな円を描くのだった。
おちんちんを根元で縛り付けているロープを手に取ったエー子が垂直に上げて引っ張り、木の枝に括りつけた。おちんちんの袋が盛り上がった形になり、女の子たちを一斉に笑わせた。素っ裸のまま両手、両足、おちんちんをがっちりと拘束され、お尻の穴まで夏の日光に晒している僕を、女の子たちの中で一番年下の雪ちゃんが悲しげな目をしてじっと見下ろしていた。そして、ポケットから直径が3センチ程のスーパーボールを取り出し、幸ちゃんに渡した。
「入るかしら。無理かもね」
「石鹸付けて濡らせば入るかも」
「この子のお尻の穴、意外に広がるからできるよ」
ひそひそと会話する声を聞きながら、地面に仰向けの僕は、目に入る女の人たちの足を数える。全部で十四本、七人の足が見えた。明るい野外で一人だけ丸裸でいる僕の体に七人の視線が注がれている。と、突然お尻に硬い物が押し込まれた。
なかなか入らなかったが雪ちゃんが根気よく押し込み続けたせいで、最後にはすぽっと吸い込まれるようにお尻の中に入った。お尻の穴を広げられる痛みに呻き声を漏らす僕にアキ姉さんがリラックスして、うんちを出すつもりで踏ん張るように忠告した。
「入ったね」
「入った入った」
感動する幸ちゃんやレイちゃんは、僕が肛門の痛みに苦しんでいることになかなか気付かなかった。傍らで見ていたY美と風紀委員が体を震わせて呻き声を漏らす僕を興味ありげに見つめていた。しかし、事態は更にいやな方向に進んだ。いざ取り出す段になってコンドームを嵌めた幸ちゃんの指がお尻の中に入ってくると、中のスーパーボールは指に押されるようにしてどんどん奥へ入ってしまい、指では取り出せなくなってしまった。これには雪ちゃんが文句を言った。
「酷い。絶対返すって約束で貸したのに。お気に入りのスーパーボールなんだよ」
「ごめん。必ず取り出してみせるから」
そうは答えたものの、幸ちゃんにはよい手立てが浮かばないようだった。と、アキ姉さんがプラスチックの箱から空気入れを取り出した。これを使ってお尻の中に水を注入し排泄させるとよい、とアドバイスするのだった。僕はお尻の異物感に身をくねらせながら、そんな真似は絶対にしないでほしいと懇願した。
それに呼応したかのようにY美がしゃがむと、ロープで垂直に引っ張られているおちんちんとおちんちんの袋を指で弄び始めた。性的な快感が少しずつ高まる。レイちゃんが目を輝かせて、おちんちんが大きくなってきたことを皆に伝えた。
その空気入れはボール用で自転車のタイヤなどに使うそれと比べると小さいらしい。だからお尻にも楽に入る筈だとアキ姉さんが言った。実際に歯ブラシよりもスムーズに奥へぬるぬると進んでゆく。幸ちゃんの掛け声がして、冷たい液体が注入された。バケツに手を入れた雪ちゃんが冷たくて気持ちよいと喜んでいる。水には氷が浮かんでいるらしい。
「直腸を痛めたくなかったら深呼吸してうんちを出す時のように踏ん張りなさい」
次々と冷水がお腹の中に入れられお腹が張る苦しみに喘ぐ僕の耳に、アキ姉さんの声が聞こえる。空気入れは水を出し切り、新たに水をいっぱいにしてお尻に入れられた。
「すごい。三度目だよ」
エー子がにやにや笑いながら言うと、
「違うよ、四度目だよ、四度目」
と、レイちゃんが嬉しそうに訂正した。Y美がアキ姉さんに、昨日も僕のお尻に異物を入れて刺激を与え、皆の前でうんちをさせたことを伝えていた。そのY美に大きくさせられたおちんちんを、レイちゃんが歯ブラシで擦る。お尻の中に入れられた歯ブラシがおちんちんやおちんちんの袋を万遍無く擦る。
その間にも、冷たい水がお腹の中にどんどん入れられてゆく。
「お願い、縄を解いてください」
猛烈な便意を催した僕は、拘束された四肢を揺すって訴えた。膝を胸に近づけた位置から両足を吊り上げられ、お尻の穴を丸出しにさせられている悔しさに涙が込み上がってくる。
おちんちんを根元で縛り付けたロープが引っ張られて、ロープの食い込むおちんちんの袋に痛みが走る。岸辺に寄せられた僕は、これ以上引かないでほしいと懇願したが、レイちゃんは薄笑いを浮かべて無視するのだった。岸に引き上げられ、びしょ濡れの体を震わせている僕に、今度は太った女の子がタックルした。
「やめて」
小さく叫んだだけで、また川に落とされた。川上からロープを引かれて、僕の無防備な体は川の速い流れに逆らって動く。このままロープがおちんちんの袋から抜けてしまえばよいと祈ったが、食い込むばかりで、おちんちんを切り取らない限りロープから逃れられそうもなかった。
呻き声を漏らしながら、なんとか岸に這い上がった僕を幸ちゃんと雪ちゃんが憐れむような目で見ていた。恥ずかしくなっておちんちんに手を当ててうずくまっていると、太った女の子に「立ちなさいよ」と言われ、髪の毛を握られた。
立たざるを得なくなった僕に走ってくるレイちゃんの姿が見えた。助走をつけたのは僕に飛び蹴りするためだった。咄嗟に後ろを向いた僕の背中にレイちゃんの運動靴が当たった。衝撃と痛みに声を上げる間もなく、再び川に落とされた。太った女の子の引くロープに手繰り寄せられるようにして岸に上がった僕は、太った女の子に「気をつけ」を命じられた。おちんちんから手を放し、体の側面に沿って腕を伸ばす格好を取らされた僕を正面に据えて、レイちゃんが走ってきた。
鹿のように飛んだレイちゃんの体が水平に傾き、踵が僕の胸骨に当たった。衝撃を受けて、後ろ向きに川へ落下した。鼻から水が入って苦しく、ゲボゲボと水を吐きながら、許しを乞う。しかし、レイちゃんと太った女の子は、この遊びを楽しんでおり、何度も僕を川へ突き落してはロープで引き上げて飽きないのだった。
だんだんレイちゃんの跳躍が伸びて、ついには僕の頬を蹴るまでに至った。川のほとんど向こう岸にまで届きそうなところまで蹴り飛ばされた僕は、向こう岸に並んだ岩に頭をぶつける恐怖を覚え、岸に引っ張り上げられた時には涙を流して、「もう許してください」と叫びながら土下座を繰り返した。
「ほんとに怖がってるみたいね。おちんちんがあんなに縮こまってる」
深々と下げていた頭を上げると、雪ちゃんが覗き込むように首を伸ばして、言った。ここで下手におちんちんを手で隠すと、どんなに酷い目に遭わされるか、分からない。隠す代わりに、地面に両手をつけて、再び頭を下げる。頭から水滴がぽたぽたと落ちて、全身ずぶ濡れのまま素っ裸で土下座する惨めさが身に沁みた。年下の女の子たちの冷笑が聞くまいとする耳をこじ開けて入ってくる。
見るに見かねた幸ちゃんが間に入ってくれなかったら、川突き落とし遊びはまだ終わらなかったと思う。
「幸ちゃんに免じて許してあげる。最後に一回だけね」
そう言ってレイちゃんは僕を川岸から少し離れた位置に気をつけをさせると、今までにないくらい助走をつけてこちらに向かった。歯を食いしばって痛みに備える僕の目にレイちゃんはさほど高く飛ばなかった。レイちゃんの足が狙ったのは僕の下腹部だった。予想外の箇所を蹴られて、体がくの字に曲がったまま、芝生を飛んだ。足の下に川があると思った瞬間、水の中に沈んだ。
蹴られたのは鳩尾だった。水面から顔を上げても呼吸ができず、手で水面を何度も叩く。苦しくて、頻りに手足を動かしたが、そんなことをしても無論苦しさが軽減することはなかった。沈んだり浮いたりして流される僕は、誰かがロープを引いて僕を岸に引き寄せてくれることを期待したが、女の子たちは僕が溺れながら流されるのを楽しむように、並行して岸を移動するばかりだった。
鼻から水を吸い込んだ苦しさが岸に上げられてからも続いた。ようやく呼吸ができるようになっても涙が止まらず、何度も水を吐いた。いつまでも草地に横たわる僕のお尻を太った女の子が蹴った。
レイちゃんは、もう一度僕に土下座させたがっていた。いつまでも横たわっていると、今度はレイちゃんの鋭いキックが飛んできた。踵がおちんちんの袋に当たって、激痛に悲鳴をあげる。
めそめそ泣いているのを見ると苛立ちが増すから泣くな、とレイちゃんに激しく詰られた。通りを行く人にも聞こえるような大きな声だった。そして、僕にもそれと同じくらいの声量で許しを乞うように命じた。
「何やってんの、あんたら」
騒ぎを聞きつけて、アキ姉さんがやって来た。小学生の女の子たちが自宅の敷地にいることには、さして驚いた風でもなかった。僕が泣きべそをかきながら土下座させられていることの方に目を丸くしていた。
幸ちゃんが事態を説明すると、アキ姉さんは納得したように大きく息をついた。そして、
「あんたたち、あんまり苛めたら可哀そうじゃない。おちんちんも小さくて、皮かむりだけど、一応、年上の男の子なんだしね」
と、言った。
「私たち、実験にきたんです」
「実験?」
アキ姉さんが幸ちゃんの顔をまじまじと見つめながら、聞き返した。
「はい。男の子の体のことで」
頬を染めた幸ちゃんが恥ずかしそうに俯くと、全てを察したかのようにアキ姉さんが頷いた。
「そのことなら聞いてるよ。道具も玄関に用意してあるから早く始めなよ」
「はい」
元気な声で返事をすると、幸ちゃんは雪ちゃんを誘って、母屋へ走って行った。太った女の子が後ろから僕の両腕を取って曲げると、そのまま立たせた。少しでも力が加わると両腕の骨が折られる。お腹の肉を背中に感じながら、びくびくする僕の前にレイちゃんが近づいた。
「エー子、こいつが暴れたら、腕折ってもいいからね」
「簡単に折れちゃいそう」
エー子と呼ばれた太った女の子は、スナック菓子の臭いがする息を僕の首に吐いて、お腹を揺さぶった。少し遅れて、詰まったような笑い声が口から漏れ出た。
「それにしても小さいおちんちんだよね。こんなの付けてて恥ずかしくないのかな」
「ほら、苛めないのよ」
軽くたしなめるアキ姉さんにちらりと詫びるような微笑を向けると、レイちゃんはそれで自分のすることが許されたかのように、臆することなく手をおちんちんへ伸ばしてきた。膝をがくがく震わせる僕は、腰を左右に振って逃れようとしたが、その無意味な抵抗はアキ姉さんの微笑を誘っただけだった。ついにレイちゃんの指がおちんちんの皮をつまむと、ぐいぐい引っ張る。
千切れるような痛みに悲鳴を上げて悶える僕に、レイちゃんは容赦なかった。
「こんなにちっちゃくても、おちんちんなんだよね。むかつくんだよ。おちんちんが付いててごめんなさいって言え」
皮を引っ張ってぐるぐると回す。腰を前に突き出して、引っ張られる方向に体を動かすと、背中に回された腕がきりきりと痛む。許しを乞う僕は必死のあまり、敬語を忘れた。と、レイちゃんはその言葉遣いを咎めて、更に強く引っ張る。おちんちんの皮がゴムのように伸ばされて、白くなった。アキ姉さんが、
「早く言われたとおりにしなよ。おちんちんの皮が千切れるよ」
と、忠告してくれて、初めて僕は自分が何を言わないといけないのか思い出した。レイちゃんのおちんちんの皮を引っ張り回す速度が上がった。
「言うんだよ。ほら、おちんちんが付いててごめんなさいって」
屈辱的な言葉だったが、考えている余裕はなかった。言われた通りに叫ぶとエー子が馬鹿みたいに笑った。
「私は、おちんちんが付いててごめんなさいって言えって。ごめんなさいおちんちん、じゃないんだよ。てめえのおちんちんに謝ってどうすんだよ。ほら、言えよ。おちんちんが付いててごめんなさいって。ちっぽけなおちんちんのくせして強情張るんじゃないよ、素っ裸のくせに」
更に強く皮を引っ張られたような気がした。もう何が何だか分からず、泣きじゃくりながら、言われた通りのことを口にする。語句の順番なぞ気にしていられなかったし、覚えられなかった。が、レイちゃんは助詞が一つ欠けただけで許さないのだった。やっとまともに言えたと思ったら、声が小さいからと、やり直しをさせられる。
「おちんちんが付いててごめんなさい」
通りを行く人たちにもはっきり聞こえる程の大声を出して、やっと許された僕は、だらりと伸び切ったおちんちんの皮を撫でながらその場に座り込んでしまった。アキ姉さんが僕の肩を撫でて同情してくれた。幸ちゃんがプラスチックの箱を抱えて、水の張ったバケツを持った雪ちゃんと戻ってきた。幸ちゃんは、早速実験を始めたいと言った。
何の実験か分からないけど、僕の体を使ったものであるらしいことは、僕に四つん這いの姿勢を取らせたことから感じ取れた。不吉な予感に体が小刻みに震える。引っ張られたおちんちんがまだずきずきと痛かった。
おちんちんの根元を縛ったロープを軽く揺さぶって、僕に大人しくするように命じると、レイちゃんは幸ちゃんに始めるように促した。
冷たい水をお尻にかけられ、お尻の穴の周りをぬるぬるした物が塗られる。石鹸とのことだった。幸ちゃんの指がお尻の穴の周りを揉む。恥ずかしさと何をされるのか予想もつかない恐ろしさで体が強張る。いざって前へ逃れようとしたら、エー子に頭髪を掴まれて、動かないように脅かされた。
しゃがんで様子を見ていたアキ姉さんが仰向けにした方がよいと幸ちゃんに言い、いつのまに用意したのか、たくさんのロープを手渡した。レイちゃんも仰向けにするという意見に賛成し、手伝いを申し出る。
一番年下の雪ちゃんだけがつまらなそうな顔をして、僕の体がひっくり返される様子を見つめていた。仰向けに寝かされ、足首にかけられたロープで足を広げた状態のまま吊り上げられる。怖さのあまり悲鳴を上げて暴れる僕の両手にもロープがかかり、両の手首を合わせた形で頭の上に引っ張られた。
必死に暴れて抵抗したものの、アキ姉さんまで加わった女の人たちの力には敵わなかった。気がつけば仰向けに寝かされた僕の体は両腕、両足ともにがっちりとロープで固定されてしまった。しかも、足首を縛ったロープが股を広げたまま吊り上げられ、お尻が浮いた状態になっている。僕がどんなに足に力を入れても、ロープを結んだ木の枝は大してたわまなかった。
「いい格好だね、チャコ兄さん。お尻の穴まで丸見えだよ」
レイちゃんが股の間から顔を差し伸べて、僕に冷たい視線を送った。
「何をするんですか。ねえ、やめてください。お願いだから」
「うるさいな。幸ちゃんがね、お前の体で実験するんだよ」
面倒くさそうに答えて、下腹部にぺたりと付いたおちんちんを指で弾くと、レイちゃんは幸ちゃんに場所を譲った。石鹸を塗られたお尻の穴に幸ちゃんの指が当たった。ゴムの感触がした。コンドームを指に嵌めているのが女の子たちの会話から分かった。その指がゆっくりと僕のお尻の穴に入ってきた。
力を抜くように、リラックスするように、とアキ姉さんが声を掛けてくる。下手に気張ると、肛門を傷めることになるとのことだった。痛みを感じたら、力を抜かなければならないとアキ姉さんがアドバイスを送る。僕は幸ちゃんの指がずぶずぶとお尻の穴に入ってくる恐怖と不安で胸が潰れそうになりながら、痛みを最小限に抑えるべく、アキ姉さんの忠告に従って極力、脱力に努めた。
思った以上にスムーズに指が入ることを喜び、素直に力を抜いた僕を褒めた幸ちゃんは、人差し指がすっぽり入ると、上下に指を動かし始めた。
これまで僕が思わず漏らしてしまう声を聞き留めて冷やかしてきたエー子は、お尻の中の指をぐりぐりと回された途端僕の口から喘ぎともつかぬ声が断続的に漏れると、手を叩いて喜び、その声を真似て僕を嘲笑した。
気持ちの悪いような、ぬるぬるとした変な感覚に苛まれ、全身を朱に染めて悶える。幸ちゃんは、そんな僕の様子を冷静に観察しているようだった。お尻の中に入れた指を躍らせながら、首を傾げる。
知的好奇心が旺盛で優等生である幸ちゃんは、人体に関する難しい本を読み、お尻の穴のある個所を刺激すれば、おちんちんが勃起し、精液を出すことができることを知ったと言う。しかし、幸ちゃんがどんなに指を回しても、おちんちんは一向に変化しない。レイちゃんに引っ張られた時のまま、だらりと伸びた皮の中で縮こまっている。
「おかしいな。大きくならない」
「場所が違うんじゃない」
女の子たちはそんなことを言い言い、おちんちんの皮をするすると剥いて、中の様子を見たり、おちんちんの袋を揉んだりした。しかし、直接おちんちんに刺激を与えることはしなかったので、大きくなることはなかった。
指が疲れた幸ちゃんに代わって、レイちゃんが人差し指にコンドームを嵌めた。僕は首を上げ、生まれて初めてコンドームを見た。石鹸をたっぷり塗りつけたレイちゃんの指は、お尻の穴に入ってすぐに回転を始めた。おちんちんを勃起させる個所は、もっと入口近くにあると考えたようだった。激しく回転させながら、少しずつ奥へと指を埋め込んでいく。僕の拘束されて伸ばされた四肢が震え、言葉にならない声が小さく漏れ続ける。
時間をかけて試したレイちゃんも、しかしおちんちんを大きくさせることはできなかった。幸ちゃんは溜息をつき、本で読んだことは間違っていたのかなと考え込む。諦めたレイちゃんがお尻の穴から指を抜くと、コンドームを嵌めた指で僕のお腹を擦り、最後に乳首を抓った。
三人目はエー子だった。僕は指を入れられる痛みをなくすため、指が肛門に触れると、うんちをする時のように気張ることにしていたが、エー子の指の動きはタイミングがずれたので、いかにも異物を挿入されたような痛みが走った。思わず悲鳴を上げると、幸ちゃんにバケツの水を顔に掛けられた。自分の考えた通りに僕の体が反応しないことに腹立たしさを覚えているようだった。実際、エー子がまさぐっても、皮を剥かれたおちんちんは、形状変化の兆しを一向に見せない。僕自身、お尻の穴を責められても、おちんちんを刺激する気持ちよさに結びつかないのを感じていた。
お尻の穴に指を入れておちんちんを大きくさせようとする試みを一刻も早く女の子たちが諦めてくれることを願って、「許してください。やめてください」と、哀願する。一番年下の雪ちゃんがおちんちんをつまんで振ったり、押したりして、「大きくなれ、大きくなれ」と呪文のようなことを唱えていた。
地面に仰向けに寝かされ、拘束されている僕の無防備な体を見下ろしながら、女の子たちは話し合った。アキ姉さんが用意した緑色のプラスチックの箱から歯磨き粉や歯ブラシを取り出したレイちゃんは、これを使おうと提案した。
お尻の穴に何かが入ってきた。歯磨き粉だとエー子が面白おかしく言った。ひんやりとした液状の物体が奥深くへ挿し込まれてゆく。ミント味だとレイちゃんが付け足した。お尻の中に半分ほど入れて、チューブを押しているようだった。刺激性の強いどろどろしたものが次々とチューブから押し出されるのが感じられる。お尻が痛くてたまらなかった。幸ちゃんが僕にうんちを出すつもりで踏ん張るように告げる。
頭を挟んで縛られた両手を引き寄せようとしても、手首にロープが食い込むばかりで肘を曲げることすらできない。吊られた両足も同じで、股を広げたまま悶える僕の動きを封じていた。視界には桜の枝の向こうに雲一つない青空が広がっている。歯磨き粉がぬるぬるとお尻から引き抜かれた。
ミントの刺激でお尻の中がひりひりする。と、硬い物体がお尻の中に入れられた。仰向けに寝かされている僕にはそれが何かは分からないが、推測することはできた。歯ブラシだ。幸ちゃんは、ブラシとは反対の柄の部分をお尻に挿入するのだった。
息の塊のような声を漏らし、仰け反る僕は、これも幸ちゃんの言う実験の一つかと思い、恐怖を覚えながらも、体が硬直すれば逆にお尻を傷つけることになることから、努めてリラックスするようにした。歯ブラシの柄が沼にはまったかのようにぬるぬるとお尻の中へ入るのを幸ちゃんは楽しんでいるようだった。何度か出し入れをした後、一旦抜いた。
「今度はブラシの側から入れるからね」
幸ちゃんの元気な声は、お尻の穴を広げられた痛みがじんじんと伝わって悶える僕の神経を逆撫でした。反射的に強い口調で止めるように呼びかけたが、レイちゃんは僕のその言い方が気に入らないらしく、おちんちんを根元から縛っているロープを上に引っ張った。おちんちんの袋に容赦なくロープがきりきりと食い込み、痛みに悲鳴を上げる。
体を万遍無く濡らした川の水は、肉体の発する熱で大方蒸発したが、全身から汗が噴き出ているので、体がぬめぬめと濡れて土に汚れやすくなっているのは同じだった。ブラシはかなり使い込まれて柔らかくなっていた。それでもブラシの一本一本がお尻の中に当たるのが感じられ、ミントの刺激がする歯磨き粉にまみれながら、ゆっくりと奥へ進んでは後退する歯ブラシに悶えさせられる。ほとんど永遠に続くような責めだった。
実験と称して、僕のお尻の穴にどんな物が挿入できるのか試みているようだった。アキ姉さんが再び戻ってきて、自分が連れて来た新たな二人を前へ出した。Y美と風紀委員だった。二人とも学校帰りの制服姿だった。僕は二人から顔をそむけた。
「お尻の中に歯ブラシ突っ込まれて、悶えないでよ。恥ずかしくないの?」
仰向けで両腕をロープで固定され、足を吊り上げられて、丸出しにしたお尻の穴に歯ブラシが入れられている僕を見下ろしながら、Y美が冷やかしの言葉を浴びせる。自分たちが学校に行っている間もずっと丸裸のまま、おちんちんをロープで括りつけられた状態で庭にいたことに加えて、こうして無残な格好を晒されて幸ちゃんの実験台になっている僕を憐れむように見つめる。
「馬鹿みたい」
Y美が唾を吐いて僕のお臍を濡らすと、風紀委員が「でも、なんか可哀想」と呟いた。幸ちゃんがゆっくり歯ブラシを動かした。ブラシの一本一本がお尻の奥の襞に当たる。おちんちんが刺激を受けているような錯覚を覚えたが、痛みを伴った。声を出して悶える僕にアキ姉さんが心配して「大丈夫?」と呼びかけたが、返事ができなかった。
歯ブラシで直腸を傷つけると面倒だからという理由で、アキ姉さんが幸ちゃんに歯ブラシを引き抜くように言った。
「でも、傷つかないように、たっぷり歯磨き粉も入れてあるんですけど」
幸ちゃんが答えると、アキ姉さんは驚いて僕の顔を覗き込んだ。
「やだ。あんた、歯磨き粉までお尻の中に入れられちゃったんだ。災難ねえ」
「ねえアキ姉さん、見てよ。ほら、お尻の穴の周りから白い物が出てるでしょ」
風紀委員に教えられて、アキ姉さんが僕のお尻を覗き込むと、大きな息をついた。女の子たちの仕出かしたことに呆れているようだった。そして、いい加減にするように少し強い口調で幸ちゃんに注意した。
ぷちぷちとブラシがお尻の中で形を崩している。歯磨き粉のミント性の刺激でスースーするお尻の中から、歯ブラシが抜け出ようとしていた。最後のところですぽりと一段と強い痛みのような刺激があって、ようやく歯ブラシが抜けた。女の子たちはブラシが変色していることに無邪気な笑い声を上げた。レイちゃんがそのブラシを僕の乳首に当てて、擦り始めた。女の子たちは大喜びした。
乳首をざらざらしたブラシでしつこく撫でながら、レイちゃんは僕の喘ぐ様子をじっと観察している。幸ちゃんの実験は休むことなく続けられた。汗でぬるぬるした手首からロープが抜けないかと引き寄せたが、両の手首は頭の先で固く結び付けられていた。膝を屈曲して胸に近づけた状態で吊り上げられた足も、ぴんと張られたロープに動かせる範囲が極端に狭められ、足の指を閉じたり開いたりしながら、むなしく宙に小さな円を描くのだった。
おちんちんを根元で縛り付けているロープを手に取ったエー子が垂直に上げて引っ張り、木の枝に括りつけた。おちんちんの袋が盛り上がった形になり、女の子たちを一斉に笑わせた。素っ裸のまま両手、両足、おちんちんをがっちりと拘束され、お尻の穴まで夏の日光に晒している僕を、女の子たちの中で一番年下の雪ちゃんが悲しげな目をしてじっと見下ろしていた。そして、ポケットから直径が3センチ程のスーパーボールを取り出し、幸ちゃんに渡した。
「入るかしら。無理かもね」
「石鹸付けて濡らせば入るかも」
「この子のお尻の穴、意外に広がるからできるよ」
ひそひそと会話する声を聞きながら、地面に仰向けの僕は、目に入る女の人たちの足を数える。全部で十四本、七人の足が見えた。明るい野外で一人だけ丸裸でいる僕の体に七人の視線が注がれている。と、突然お尻に硬い物が押し込まれた。
なかなか入らなかったが雪ちゃんが根気よく押し込み続けたせいで、最後にはすぽっと吸い込まれるようにお尻の中に入った。お尻の穴を広げられる痛みに呻き声を漏らす僕にアキ姉さんがリラックスして、うんちを出すつもりで踏ん張るように忠告した。
「入ったね」
「入った入った」
感動する幸ちゃんやレイちゃんは、僕が肛門の痛みに苦しんでいることになかなか気付かなかった。傍らで見ていたY美と風紀委員が体を震わせて呻き声を漏らす僕を興味ありげに見つめていた。しかし、事態は更にいやな方向に進んだ。いざ取り出す段になってコンドームを嵌めた幸ちゃんの指がお尻の中に入ってくると、中のスーパーボールは指に押されるようにしてどんどん奥へ入ってしまい、指では取り出せなくなってしまった。これには雪ちゃんが文句を言った。
「酷い。絶対返すって約束で貸したのに。お気に入りのスーパーボールなんだよ」
「ごめん。必ず取り出してみせるから」
そうは答えたものの、幸ちゃんにはよい手立てが浮かばないようだった。と、アキ姉さんがプラスチックの箱から空気入れを取り出した。これを使ってお尻の中に水を注入し排泄させるとよい、とアドバイスするのだった。僕はお尻の異物感に身をくねらせながら、そんな真似は絶対にしないでほしいと懇願した。
それに呼応したかのようにY美がしゃがむと、ロープで垂直に引っ張られているおちんちんとおちんちんの袋を指で弄び始めた。性的な快感が少しずつ高まる。レイちゃんが目を輝かせて、おちんちんが大きくなってきたことを皆に伝えた。
その空気入れはボール用で自転車のタイヤなどに使うそれと比べると小さいらしい。だからお尻にも楽に入る筈だとアキ姉さんが言った。実際に歯ブラシよりもスムーズに奥へぬるぬると進んでゆく。幸ちゃんの掛け声がして、冷たい液体が注入された。バケツに手を入れた雪ちゃんが冷たくて気持ちよいと喜んでいる。水には氷が浮かんでいるらしい。
「直腸を痛めたくなかったら深呼吸してうんちを出す時のように踏ん張りなさい」
次々と冷水がお腹の中に入れられお腹が張る苦しみに喘ぐ僕の耳に、アキ姉さんの声が聞こえる。空気入れは水を出し切り、新たに水をいっぱいにしてお尻に入れられた。
「すごい。三度目だよ」
エー子がにやにや笑いながら言うと、
「違うよ、四度目だよ、四度目」
と、レイちゃんが嬉しそうに訂正した。Y美がアキ姉さんに、昨日も僕のお尻に異物を入れて刺激を与え、皆の前でうんちをさせたことを伝えていた。そのY美に大きくさせられたおちんちんを、レイちゃんが歯ブラシで擦る。お尻の中に入れられた歯ブラシがおちんちんやおちんちんの袋を万遍無く擦る。
その間にも、冷たい水がお腹の中にどんどん入れられてゆく。
「お願い、縄を解いてください」
猛烈な便意を催した僕は、拘束された四肢を揺すって訴えた。膝を胸に近づけた位置から両足を吊り上げられ、お尻の穴を丸出しにさせられている悔しさに涙が込み上がってくる。
無理をせずに、自分のペースで書いて下さい。
読みふけってしまいました。
肛門責めはつらいですよね(笑)
いつもあたたかいお言葉、ありがとうございます。おかげさまで自分のペースでやらせていただいております。
べんたろ様
コメント恐れ入ります。
少しずつ話を進ませていきます。
また更新を祝してくださった方のコメントにも励まされています。ありがとうございました。