思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

留守番という放置

2013-02-03 15:07:43 | 8.夏休み恥辱編
 夕方五時を過ぎた頃、Fさんは四時間にも及ぶ長い勉強時間に区切りを付けた。一緒に始めたルコは、とっくに飽きて勉強道具を片付け、着衣を一切与えられず丸裸のままでいるしかない僕を連れて二階の自分の部屋へ入った。それまでは僕を四つん這いにさせてテーブル代わりにしては、裸の背中に置いた教科書を落としたら罰だと告げて、僕のおちんちんをいじりながら勉強していたが、おちんちんが大きくなってしまうと、もうルコは勉強どころではなくなり、傍らでFさんが一心に問題を解いているにも拘わらず、僕を射精寸前まで追い込んではふと手を止めて、お尻の穴に息を吹きかけたり、乳首を撫でたりして、遊び始めるのだった。このような有り様だから、ルコがきっぱり勉強続行を諦めて教科書だの筆記用具だのを片付け始めると、Fさんはほっと大きく息をつき、これで誰にも邪魔されずにしっかり勉強に専念できる、という内心の声が聞こえてきそうな、安堵感のある表情を見せた。
 勉強を終えたFさんが二階に上がってくる足音がした。ドアをノックする。僕は思わず「入らないで、入ったら駄目」と叫んだけど、すぐにその上からルコの入室を許す声が被さった。ドアノブが音を立てて回り、ドアがひらく。
「呆れた。何やってんのよ、あんたたち」
 車庫で初めて僕のおちんちんを見た時のような悲鳴ではなく、大人のような落ち着き払った声でFさんがルコと僕を叱った。
 天井の剥き出しの梁に引っ掛けられたロープで引っ張られ、万歳する格好で両手を縛られた僕は、隠しようのない一糸まとわぬあられもない姿を晒して、ルコのいつ果てるともしれない責めに耐え続けていた。刺激によって大きくさせられたおちんちんが亀頭を剥き出しにしてひくひくと動いている。
「人が受験を控えて必死に勉強してんのに、いい気なもんだね」
 と、Fさんが誰にともなく呟いた。
 最初、ルコと僕は漫画を読み耽っていた。ベッドと机があるだけのシンプルなルコの部屋には、漫画が山と積まれていた。ルコにとって、漫画を存分に読めるのがこの別荘に滞在する楽しみの一つのようだった。「ナオス君も読んでいいからね。その代わり正座」とルコが言ってベッドに寝転んで漫画を読み始めたので、僕もまた、少女漫画ばかりであまり関心は無かったけど他にすることがないので、とりあえず適当に一冊手に取って、言いつけ通りに正座して読んだ。
 僕よりも少し年上の女の人を主人公に据えた恋愛漫画だった。女の子たちが入浴するシーンでは、全裸の女の子たちが一列に並んで石鹸まみれの体をこすり合う。ページをめくると、今度は相手の胸に手を回し、成長を確かめるシーンが続いた。たちまちおちんちんがピンと勃起する。慌てて本でおちんちんを隠したけど、ルコに見つかってしまった。
「何隠してんのよ。ナオス君、裸んぼなんだから、興奮したらすぐに分かるんだよ」
 意地の悪そうな笑みを浮かべてルコが僕の手から漫画を取り上げ、立ちあがるように命じた。硬くなったおちんちんを手で隠して所在なく立っている僕をルコが黙って眺めていたかと思うと、部屋を出て、しばらくして長いロープを持って戻ってきた。
 高い天井の間に一本の梁が横切っている。椅子の上に立ったルコが梁にロープを通して引っ張る。こうして僕は縛られた両手を左右に上げた形で拘束された。
「やだな。ナオス君、エッチな漫画見て興奮するんだね」
 例のお風呂のシーンを僕に見せ、おちんちんが反応するのを面白がって観察したルコは、ベッドに腰かけたまま、足を伸ばしておちんちんをいじり、ずっと勃起しているように刺激を加えるのだった。
 射精寸前で止められるので、いたずらに高められた性的な欲求は一向に満たされることがない。羞恥と精液を出したい欲求に切なく悶え続ける僕の全身の肌はすごく敏感になっていて、お尻や太腿、背中を撫でられたり、唾液に濡れた指で乳首を擦られたりするだけで喘ぎ声を上げてしまう。Fさんが部屋に入ってきた時には、僕はルコにおちんちんを扱かれつつ、もう片方の手でお尻を鷲掴みにされ、射精寸前の快感に頭が朦朧としていた。と、突然ルコがおちんちんから手を放した。
「ほんと男の子っておもしろいんだから」
 またしても射精を許されず、むなしくひくひくと亀頭を揺らすおちんちんへルコの甘ったるい息がかかる。
「ルコったら、もういい加減にした方がいいよ。幾らなんでも可哀想じゃないの」
 困ったような表情でFさんがたしなめると、ルコは精液が飛び出す直前には予想通りぴたりと手を止め、「用事を思い出した」と小さく呟いて、部屋を出て行ってしまった。
 一糸まとわぬ体をYの字に広げた形で拘束されている僕は、おちんちんを勃起させたまま、少しでもこの羞恥と屈辱から逃れようと体をくねらせるのだが、ふとこの部屋にFさんと僕の二人しかいないことに気づくと、気まずい空気がのしかかってきた。
「ねえ、こんなことされて、恥ずかしくないの?」
 手に取った漫画本を机の上の平積みに戻して、Fさんが重たい沈黙を破った。
「恥ずかしい。でも、仕方ないんです」
 一層強い性的な快感を求める体を揺すりながら、小さく答えた。頭では、もうこれ以上故のない羞恥に耐えるのは堪忍してもらいたいと願っている。Fさんは、僕が同級生の女の人たちから性的ないじめを受けるようになった経緯を僕の口から改めて聞き出し、辛い生活を強いられている僕を励ました。
 小学生の頃同じ通学班だった年上のFさんには、随分と世話になった思い出がある。寝坊した僕を家まで迎えに来てくれたことも二回や三回ではない。登校中、信号が点滅したので渡らなかった僕の頭を撫で回し、「偉い偉い」と褒めてくれた時は、すごく嬉しかった。そのFさんに対して僕は今、小学生の頃にも見せたことのない真っ裸を晒している。しかも、吊り上げられた両手のせいで、勃起させられたおちんちんを隠すことができない。せめて、おちんちんだけでもFさんの目から隠したい。そう思って、ロープを解いて欲しいと丁重にお願いしたけど、これは従妹のルコがやっていることだから勝手なことはできない、とFさんは申し訳なさそうに断るのだった。
 ルコが部屋に戻ると、居間に移動させられ、柱と柱の間に全裸の体を拘束された。僕が激しく抵抗したため、ルコはFさんの手を借りて僕の体を押さえ付けたのだった。今度は手だけでなく足も縛られた。Xの形に体を開いた状態だった。 
 すでに充分大きくなっていたおちんちんがぴくんと動く。ルコが背後から僕の首すじを舐めて、お尻を撫で回す。おちんちんの袋がきゅっと締まって、快感の波がせり上がってきた。短い呼吸を激しく繰り返す僕の口から限界を告げる声が漏れる。Fさんの指がおちんちんを摘まんで小刻みに動き続けている。
「勝手にいかないでね。いったらお仕置きだからね」
 耳にルコの生温かい舌が入ってきた。くすぐったいような、甘い感覚が全身を貫き、喘ぎ声を上げてしまう。FさんはFさんでまるで言いつけられた仕事をこなすかのように機械的におちんちんをいじり続けるので、もしもルコがFさんに動きを緩めるように言わなかったら、射精を止めることはできなかったと思う。おちんちんの袋を揉みながら、ルコが僕に今一度射精を我慢するように言いつける。許してください、と懇願する僕も、もう何を許してもらいたいのか、はっきり分からなくなっていた。
 おちんちんも射精も今までじっくり見たことがなかった、とFさんが告白した時は、ルコが大仰な声を上げて仰け反った。三人姉妹の長女であるFさんは、これまでおちんちんをまじまじと眺めたことはもちろん、触れたこともなかった。全てが初めての体験であったが、年下のルコにそれを言えば馬鹿にされると思い、ずっと黙っていたと言う。Fさんが思い切って白状したのは、精液を出す瞬間を見たくなったからだった。
 手足を広げた素っ裸の恰好で縛られたまま、これから強制的に射精させられようとする僕のことを、Fさんが気の毒そうに、申し訳なさそうに見つめる。これまでにも何度も女の人に射精するところを見られているから慣れているよ、とルコがFさんに同情が無用であることを説き、透明なプラスチック製の使い捨て用コップを渡した。
 許可が下りてから射精するようにルコがしつこく注意したにもかかわらず、それよりも早いタイミングで射精してしまったので、ルコには丸めた新聞紙でお尻を十発も叩かれてしまい、更にもう一度Fさんの前で射精することを約束させられた。おちんちんを扱くFさんの手の動きが一本調子だったから、快楽の波が高まるともう堪えることはできなくなる。コップの底に溜まった精液をじっと観察するFさんを恨めしく思いながら、叩かれたお尻の痛みに悶えていると、ルコが次は自分が扱くと言って、腰を屈めた。
 慣れた手つきでぐいぐいとおちんちんを扱かれる。左右に固定された両手両足を動かそうとしてじたばたしているうちに性的な律動の波が否応なく高まってきて、あっけなく二回目の射精をしてしまった。一回目と比べて精液の放出量が少ないことをFさんが言うと、このまま扱き続ければ、どんどん精液の量が減り、薄くなることの例として、ルコが昨日の連続射精の話をした。Fさんは驚いて、昨日に続いて今日もこんなに射精させらるなんてほんとに可哀想だと僕を憐み、萎んで小さくなったおちんちんを優しく撫でた。
 夕食の材料を買いにルコとFさんが出掛けた。留守の間に僕が逃亡するといけないからと言って、ルコは僕の手足を縛るロープを解こうとしなかった。全裸の体をXの形に広げたまま、がらんとした別荘の中に一人取り残された僕は、喉の渇きを訴えたばかりに大量の水を飲まされたせいで、しばらくすると尿意を覚えた。しかし、もちろん両手両足の自由が全く利かない今の状況ではトイレに行くことなどできない。二人が帰ってくるまで我慢するしかない。歩いて十五分ほどのスーパーへ行くとのことだったけど、食卓の上の時計は八時半を回っていた。家を出てもう二時間以上経ったことになる。
 がらんとした家に放置されて最初に感じた心細さは段々に消えて、その代わりに両腕と両足の付け根に鈍い痛みを感じるようになった。それにも増して苦しいのは、迫りくる尿意だった。早く帰ってきて。心の中で強く念じつつ、長時間拘束されている全裸の身を動かせるだけ動かして悶えていると、玄関のドアをガチャガチャ鳴らす音がした。
 やっと帰ってきた、と安堵したのもつかの間、女の人たちの賑やかな話し声が聞こえて、四肢が強張った。どすどすと無遠慮に家に上がり込む。その足音から察して五人は下らないだろうと思った。ルコやFさんは混じっていないようだが、この家の構造を知っているのか、足音に迷いがなかった。こっちに来ないで、と叫びたいのをぐっと堪える。左右に広げられた手足が緊張のあまりぴくんと震えた。
 居間に入ってきたのは、ルコの友達と思われる女の人たちだった。同い年くらいから小学校四年生くらいまで、十人近くいる。女の人たちは、素っ裸のまま手足を大きく広げた僕の後姿を見て、「まあ」という驚きの叫びとともに駆け寄り、心配そうに声を掛けてくれたけど、前に回って僕が男の子だと気づくと、急に脱力した。
 女の人たちにとって意外な先客である僕は、彼女たちから矢のような質問を受けた。質問に答える間も、布切れ一片もまとわない完全な裸を少しでも隠そうとして、いっぱいに広げた状態で固定された手や足をぐいと引き寄せようと無駄な努力を怠らない僕の丸出しの体に、彼女たちは無遠慮な視線を浴びせ続ける。
 僕がルコの同級生であること、罰ゲームとしてこのような恥ずかしい格好で縛られていることを知った女の人たちは、僕の必死な頼みに耳を貸さず、ロープを解こうとしなかった。床に座り込み、皿に盛ったスナック菓子を頬張り、ジュースを飲んだ。ある人たちはお喋りをし、またある人たちはトランプをする。この突然の来客者たちは、時折僕に視線を向け、目が合うとすぐに逸らした。くすくす笑うのは、恥ずかしい裸を晒し続けている僕を見てのことに違いなかった。そのうち、長い黒髪で顔を半分隠した女の人が一番年少な女の子を僕の前に呼びつけ、女の人たちの中で唯一、恥ずかしがって僕の拘束された体を見ようとしないその子を説得し、おちんちんをじっくり観察させるのだった。こんなに間近でじっくりとおちんちんが見られる機会を逃してはいけない、と長い黒髪の人が年上らしい落ち着いた声で女の子にアドバイスをする。 
 そのうち、いやがる女の子の手を無理矢理取って、おちんちんへ近づけた。
 幾つかの指がおちんちんに絡み付いた。年少の女の子におちんちんの袋をぎゅっと握り締められ、痛みに悶える僕を女の人たちは嘲笑した。
 トイレに行かせて欲しい、もうおしっこが我慢できない。体を震わせてこう訴えると、女の人たちはびっくりして急いでロープを解こうとしたが、一人がテーブルの上に使い捨て用のコップが幾つか転がっているのに気づいて、この中にすればよいからロープを解く必要はないね、と提案した。それで僕は、結局、素っ裸の身をXの形に拘束されたまま、女の人たちの見ている前でおしっこをさせられる羽目になった。
「しっかりコップを当ててるから、早くしなさい」
 羞恥と尿意に苦しみながら、なかなかおしっこをしようとしない僕のお尻を叩いて、女の人たちが急かす。おしっこの溜まった下腹部を押されると、もう堪え切れるものではなかった。女の人たちが息を呑む中、コップに注がれるおしっこの音だけが異様に大きく室内に響いた。コップに溢れる程のおしっこが出ると、年少の女の子が女の人たちに教わった通りにおちんちんを指で摘み、軽く振って滴を払った。長い黒髪の人が「男の人はおしっこの終わりにはいつも振って滴を払うのよ」と教えると、女の子はげらげら笑い出し、自分が男でなくて良かった、と胸を撫で下ろすのだった。
 使い捨てコップに溜まったおしっこが臭いので、女の人たちは捨てに行くのをいやがり、出した本人である僕にやらせることにした。ロープを解こうとする寸前、一人の女の人がテレビの前の床にもう一つの使い捨てコップが置かれていることに気づいた。ルコとFさんの手で絞り出された精液が入ったコップだった。白い澱んだ液体が入っているそれを僕の前に突き出し、これは何かと訊ねる。女の人たちは、年少の女の子を除いて、明らかに一目でそれが何か分かったようだけど、あえて僕に答えさせようとした。きちんと答えるまでロープを解くのは保留にされた形になった。
 両手両足をいっぱいに広げた立ち居の状態で固定され、何も覆う物のない素っ裸の身を晒したまま、自分の出した精液を見せられる。体じゅうが朱に染まるような羞恥を覚え、突き出されたコップへまともに顔を上げることができない。しかし、それで許してくれる人たちではなかった。裾がだらりと垂れた縦縞のシャツを着た女の人が僕の後ろ髪を掴んで引っ張り、
「よく見なさいよ。これは何なの。早く答えなさい」
 と、迫る。
 目をつむって「精液です」と答えると、間髪を入れずに「誰の?」と畳み掛ける。
「僕の、です」
「へえ、君の精液なんだ。でも、その格好でどうやって出したの?」
 冷たい微笑を浮かべて、コップの中のどろんとした精液とうなだれる僕の顔を交互に見つめる。その殊更に驚いたような表情が他の女の人たちの笑いを誘った。ルコとFさんに射精させられたことを話すと、縦縞のシャツの人は、細かい質問を次々と重ねてくる。
 年少の女の子が幾らいじってもおちんちんが大きくならなかったのは、すでに精液を出したあとだったからではないか。それなのに僕はその理由をおしっこがしたいからだと説明した。なんで嘘を付いたのか、と縦縞のシャツの人が僕を責めるので、もういい加減ロープを解いて欲しいと内心強く思いながら、ほんとにおしっこが漏れそうだったと弁明した。その前の二回の射精は関係がない、と半ば誘導されるようにして断言してしまうと、縦縞のシャツの人はそこで質問を打ち切り、精液の入ったコップをおちんちんにあてがい、年少の女の子を手招きして、言った。
「さ、もう一回おちんちん擦ってみようか。おしっこしたから、今度は大きくなるってこのお兄ちゃん約束してくれたよ。大きくなったおちんちんを擦り続けていると、このコップにあるような、白い液体を出すから見逃さないでね。コップには、もうすでに二回分の精液が入ってるんだよ」
 神妙な顔をして話を聞いていた女の子がおちんちんに手を伸ばし、さっきと同じように摩り始めた。
「おしっこ出したんだから、今度は射精できるんだよね。君、確かにそう言ったよね。今から三分以内に射精しなかったら、罰としてコップの精液、飲み干してもらうからね。いきそうになったら、いきそうですもっと扱いてくださいってこの子にお願いするんだよ」
 言い終わるや、ぎゅっと二つの乳首を同時に抓る。激痛に悲鳴を上げる僕の耳元に息を吹きかけ、「頑張ってね」と囁くと、縦縞のシャツの人は女の子の後ろに回って、僕の責められる様子をじっと見つめた。
 精液を飲みたくない、この一心で性的快楽に意識を集中する。幸い、女の子の扱く手が独特の不器用な動きをして、それほどの努力の必要もなく快楽の波が矢継ぎ早に押し寄せてきた。最大化したおちんちんが亀頭を膨らませ、ドクドクと脈打つようになると、女の人たちの間からどよめきが起こった。女の子もおちんちんから一旦手を放し、射精寸前に追い込まれたおちんちんを様々な角度から観察する。
 女の子の指が再びおちんちんを扱き始める。おちんちんの袋が引き締まり、ぐっと快楽の水位がせり上がる。僕は命じられた通り、「いきそうですもっと扱いてください」と恥ずかしさに耐えながら射精の近いことを告げると、女の子はふと手を止めて、宙づりのまま放り出されたおちんちんをお姉さんたちからいろいろ教わりながら眺めた。
 こんなことを繰り返し、射精間近を伝える恥ずかしい科白を何度も言わされた。射精の瞬間、女の子が突然手を放す。しかし最後には、女の子の手の動きが異様にスピードアップしたので、とうとう射精を止めることはできなかった。女の子の口から悲鳴とも歓声ともつかぬ甲高い声が上がった。
 この場にいる人全員が射精の瞬間を目撃したとのことだった。女の子が好奇心の赴くまま、新たな精液の加わったコップを鼻に近付けて匂いを嗅いだり、そっと指で精液の糸を引いたりしている。と、突然、縦縞のシャツの人がコップを取り上げた。女の子はびっくりして見上げたが、縦縞のシャツの人は女の子を一顧だにせず、コップを僕に突き付け、中の精液を今すぐ飲み干すように命じるのだった。
 拘束された不自由な手足を動かせるだけ動かして抗議する僕に、縦縞のシャツの人は極めて落ち着いた口調で僕が精液を飲まなければならない理由を説明した。つまり、僕は約束の三分を超えて射精したと言うのだった。女の子が射精寸前でおちんちんから手を放さしたりしなければ三分以内で射精ができたのに、と返すと、長い黒髪の人が垂らした前髪に隠れていない方の目をかっと見開いて「男のくせに言い訳するな」と怒鳴った。どんな理由があったにせよ罰を受けなければならない、これが縦縞のシャツの人の理屈であった。女の人たちの中には、「なんか可哀想」「さんざん焦らされた末に出したんだから許してあげたら」という声もあったが、縦縞のシャツの人は頑として自分の考えを譲らなかった。そして、いつのまにか、女の人たち全員が僕は約束通り精液を飲み干さなければならないと考えるようになっていた。
 最後まで納得できない僕は、女の人たちによって無理矢理顔を押さえ付けられ、顎を上向きにさせられた。唇にコップの縁が乗る。コップが傾き、どろりとした液体が僕の口に中へ流れ込んでくる。途中で噎せながらもなんとか飲み干した僕の目からは、いつまでも涙が流れ続けた。見ず知らずの女の人たちの前で無理矢理射精させられ、その上精液まで飲まされたという悔しさと恥ずかしさ、更に長時間縛られている苦しさの三重苦が僕を責め苛んだ。幾ら涙を流しても、心がすっきりすることはなさそうだった。
 ロープが解かれ、ようやく手足が自由になると、僕はその場にしゃがみ込み、身を小さく丸めた。ずっと吊り上げられていた両腕が痛い。しかし、肉体の痛みが羞恥の苦しみから少しでも意識を逸らすことができるのであれば、大抵の痛みは歓迎したいところだった。何よりも今、この部屋に十人近い女の人がいて、みんな洋服をまとっているのに、僕だけが男の子で、しかも一糸も身に纏う物がない素っ裸であるという事実、これが体の拘束を解かれて自由になった途端、強烈に意識に上ってきて、僕を落ち着かなくさせるのだった。
「あのね、私たちは君を休ませるために縄を解いてあげたんじゃないんだよ」
 少しでも裸を隠そうとして膝を抱え、背中を向ける僕の脇の下から手を通し、縦縞のシャツの人が僕を立たせる。僕は涙を拭いて従った。片手でおちんちんを隠し、もう片方の手で胸の辺りを覆う。恥ずかしがる僕の様子をしばらく意地の悪い目つきで見つめてから、気をつけを命じた。両腕を体の側面に合わせて伸ばすことが至難の業に感じられる。
「君ねえ、今更何を恥ずかしがってんのよ」
 縦縞のシャツの人が、どすんと床を踏み鳴らした。恐怖を覚えた僕が渋渋手を動かし、気をつけの姿勢を取る。と、一瞬にして別人のような笑顔になり、おしっこの入ったコップを僕に差し出した。これを早く捨ててきなさい、と命じる。
 外に捨てようとして玄関に回ったが、トイレに流しなさい、と声がしてトイレに向かった。トイレは昼のように明るくて白檀の良い香りがし、ピンク色の便座カバーがあり、トイレットペーパーの端はきれいに折り畳まれていた。便器の底に溜まった水におしっこを入れ、ついでにもう一度おしっこをする。清潔で心地のよい空間だった。水を流してトイレから出ると、玄関にルコとFさんがいた。たった今帰ってきたばかりのようで、二人して大きな買い物袋を上がり框に下ろしたところだった。トイレから出てきた僕を見るルコの顔が険しくなった。ほとんど足音のない軽やかな足取りで廊下を進み、僕の腕を取ると、ドアを開けて居間へ僕のお尻を蹴っ飛ばした。
 ペットの分際で人用のトイレを使用したことがルコの逆鱗に触れたのだった。女の人たちが取り囲む中、散々蹴られ、背中や胸を長い定規で打たれた。激痛に悲鳴を上げ、素っ裸のまま転げ回る僕のお尻をルコの硬い膝が蹴り、床に倒れると、今度は鞭のようにしなる長い定規が僕の無防備な肌の上に襲いかかった。おちんちんを打たれた時は、激痛のあまりしばらく動けなかった。そんな僕の惨めな姿をこの部屋にいる誰もが黙って見つめる。呻き声を漏らしながら首を上げる僕の脾腹をルコが撫でた。膝を折り曲げたルコのきれいに揃えた剥き出しの太腿が天井の照明に白く輝いている。
「なんで自分がペットだってこと忘れるかな。ナオス君はなんか着てますか? 着てないよね。丸裸じゃん。おちんちんもお尻もお臍も乳首も、みんな丸出しなんだよ。それって動物だよね。私たちと同じじゃないんだよ」 
 体じゅうを立て続けに打たれた痛みもさることながら、自分の今の惨めさが胸いっぱいに広がる。突然の闖入者によって、拘束された素っ裸の身をじろじろ見られただけではなく、彼女たちの好きなようにいたぶられた。僕は、女の人たちの前だというのに、その中には年少の女の子もいるというのに、少しも憚ることなく、しゃくり上げて泣いた。震えながら土下座し、許しを乞う。ルコは「二度と人用のトイレを使わないこと」と念押ししてから、僕の涙に濡れた頬に手を当てた。酷い暴行だったけど、それでもただ一度の例外を除いておちんちんを打たれなかったのは、ルコの秘かな配慮かもしれなかった。
 女の人たちばかりの集団来客者は、この別荘の近隣に住むルコの知り合いで、ルコが自分の留守中に招いたのだった。

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1 コメント

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Unknown (湘南)
2015-08-01 11:00:55
これってチンポ見たがる女の関連小説か女達のチンポイジメの話なのでしょうか?ナオス君がY美にいつもフルチンにされて同級生の女子達の前でまでフルチンにされてイジメられていたり。DVDでチンポ見たがる女の映像見ながらこの小説を読んでみたら共通してるみたい?
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