思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

残酷な遊び

2009-10-05 06:11:28 | 7.夏は恥辱の季節
 この建物の中には僕の着る物がない。だから、僕はずっと素っ裸だ。それだけでも十分に恥ずかしいのに同級生の3人の女子は、僕だけが糸くず一つまとっていないのを理由にして、好き放題いじめを楽しんでいる。
 仰向けに寝かされた僕の股間をY美の白い靴下がぐいぐいと押す。足の指がおちんちんをこすりながら、動いた。
「気安く女の子の下着を覗くんじゃねえよ。この変態」
 そう毒づいて、Y美が足の裏で押すおちんちんの袋に一層の力を加えた。いじめの最中、偶発的にワンピースの隙間から風紀委員のブラジャーが見えたこと、N川さんのスカートの中が一瞬だけ見えたような気がしたことが彼女たちの気に障ったらしい。
 服を着た女の人たちに真っ裸のままいじめられている僕について、恥辱に耐えるのは当たり前のことだと彼女たちは異口同音に述べるのだった。男の子だから多少恥ずかしくても我慢するべきだとY美が断じた。彼女の母親であるおば様も同じようなことを僕に話したことがある。男の子に比べて女子は繊細な生き物、男の欲望に満ちた目で見られるのは、あなたたち男子の想像を絶することなんだから、とおば様は語ったものだった。
「だからみだりに女の子の体や下着を見るもんじゃないのよ」
 おば様の言葉が冷酷な響きを伴って僕の頭の中をこだまする。もちろん見たいと思って見たのではない。が、弁明しても無駄だった。「でも、見たんでしょ」と詰め寄られたら、頷くしかないのだし、そうすると、それ見なさいと言わんばかりに「見るべきではなかったのよ」と、くる。そこに僕の意志があったかどうかなどは問題ではなかった。居候先の家で奴隷のような立場に置かれている僕の意志など取るに足らない、Y美もおば様もそう考えているに違いなかった。だから、「見るべきではなかったのよ」の一言でおしまいにしようとする。
 そう、たしかに見るべきではなかったかもしれない。が、いくら悔やんだところでおちんちんを踏まれる激痛がひくものではない。僕を見下ろす風紀委員の眼鏡のレンズが蛍光灯の光を反射した。彼女は、呻き声を漏らして身悶えする僕の裸体に冷たい視線を注いでいるのだった。
「ねえ、次は私にやらせてよ。下着を見られたのは私なんだから」
 当然その権利は自分にあると言いたげに頬を膨らませて、風紀委員が交代を申し出た。風紀委員は靴下を脱いだ。
「裸足の方が踏み心地がいいと思って。ナオス君も気持ちいいんじゃない?」
 足の親指でおちんちんを突っつきながら、風紀委員が僕を冷やかす。踵でおちんちんの袋を踏み付けたかと思うと、つま先に力を入れる。踵、つま先と交互に力を入れ替え、ペダルを踏むようにリズミカルに電気あんまをするのだった。
 かっくんかっくんと、仰向けの僕の体が上下に揺れる。N川さんが床に膝を着けて、僕の裸の胸に手を置いた。
「おもしろいな。男の子にもちゃんと乳首って、あるんだね」
「当たり前でしょ」
 素朴に感動するN川さんをY美が冷やかに見つめた。しかしN川さんは、一向に意に介さぬようで、僕の汗に濡れる胸を撫で回している。
「でも、男の人の乳首って、どんな意味があるのかな」
 乳首を挟んで周囲の肉を引き寄せるように揉むN川さんが乳首をツンツン突きながら、呟いた。風紀委員の足の指に挟まれたおちんちんが痛みと気持ちよさの間を行ったり来たりして、激しく揺すぶられている。
「なんか乳首も硬くなってきたみたい。すごい」
 指を唾液で濡らし二つの乳首を撫で回していたN川さんが驚きの声を上げた。くすぐったくて激しく抵抗する僕はY美に腕を取られ、身動きができなくなってしまった。抵抗できない状態でずっと乳首をくすぐられている内に、別の感覚が生まれてきた。
「こいつ、感じやすい体なんだよ。乳首も責められるのが大好きなの」
 Y美が馬鹿したように言うと、N川さんは大きく頷いた。
「ほんとだね。乳首を撫でている内に色もピンクに近くなってきたし、硬くなって、ツンと上を向くようになった」
 口からよだれを垂らし、じっと天井を見つめたまま、自由の利かない裸の体に加えられる様々な刺激に耐える僕は、何も考えることができない。ただ刺激に対する肉体的な反応が僕という存在の全てだった。まさに一匹の動物だった。
「ねえねえ、私もスカートの中覗かれたんだよ。私もやってもいい?」
 N川さんが風紀委員の肩を叩いた。スリッパを脱いだN川さんの白い靴下が眩しい。風紀委員に倣って靴下を脱ぐN川さんをY美が制した。
「靴下は脱がなくていいんだよ」
「あ、そうなんだ。ごめんなさい」
 すでに片方だけ脱いだ靴下を拾い上げ、再び身に着けようとするN川さんに、Y美が苛々した調子で注意した。
「早くしなよ。脱いだ靴下は、もうそのままでいいからさ」
 いきなり叱られたN川さんは悲しげな顔をして俯いたが、すぐに元気を取り戻して、僕の足首を握った。腰を下ろしたN川さんは、両足を僕の股間に差し入れた。片方は裸足、もう片方は靴下のアンバランスな足が二つ、おちんちんを挟み込む。
 足を引っ張られ、股間にN川さんの二つの足が入ってきた。激しい電気あんまに言葉にならない声を上げてしまう僕を風紀委員が笑う。振動に体全体が波打つ僕の体をY美か慌てて押さえつける。Y美の指示で風紀委員が僕の右腕を、Y美は左腕を足に挟むようにして引っ張った。
 仰向けのまま大の字に固定された僕の股間を、靴下と裸足の二つの足がもぞもぞと動き回った。動く範囲が広く、足の指が何度もお尻の穴に触れる。靴下と裸足と、それぞれ感触が異なる。決して頂点には向かわない、低い位置をぐるぐると流れる快楽が僕を責め続ける。快楽の絶頂に僕を導かないことが、低く流れる快楽責めの恐ろしいところだった。僕はいつしか、もっと更なる気持ちのよさを求めて喘ぐ恥ずかしい姿を女の人たちに晒していた。
 横に伸ばした両腕をY美と風紀委員が足に挟んで引っ張るので、悶えるたびに腕が痛い。のけ反って背中をわずかに浮かすのが僕にできるわずかな動きだった。それでも、いきなりお尻の穴に足の指が食い込んだり、踵でおちんちんの袋を強く踏まれたりすると、前後だけでなく、左右にも体を揺すってしまい、両腕の痛みが僕を締め付ける。自分に許されていない動きをしたことについて、罰を受けたかのようだった。
「もうやめてよ。ね。もう充分でしょ?」
 必死になってN川さんを説得するが、濡らした手拭いで僕を打ちまくったN川さんは、Y美と風紀委員に対して自分も仲間であることを理解してもらうのに夢中で、ろくすっぽ返事もせず、僕への無情な振る舞いをやめようとしない。それは、Y美と風紀委員に仲間として受け入れてもらうために必要な儀式的な意味合いが濃かった。別に無理にY美や風紀委員の仲間になんかなることはないのにと僕は思ったが、今この場には女子がその二人しかいない以上、N川さんとしては一時的にせよ、どうあっても彼女たちの仲間に加わらなければならないと、女子特有の感覚で感じているらしかった。
「ねえ、こんなことはよくないよ。やめてよ」
 と、震える声でN川さんの内に眠っている良心にすがりつこうとする僕を、
「うるさいな。黙ってなよ」
 ぴしゃりと払って、N川さんは更にエスカレートした行為に出た。両足で僕のおちんちんを挟み、ゆっくりとこすり始めたのだった。
「ひどいよ。やめて」
 絶望に打ちひしがれた情けない声でしか危機感を訴えることができない自分が惨めだった。危機感は深刻だった。風紀委員の手で勃起させられてから、手拭いで打たれている間もずっと、おちんちんは同じ大きさを保っている。すでに勃起したおちんちんを靴下と裸足の異なる感触を持つ二つの足が挟み込み、ゆっくりとさするのだから、たまらなかった。首を上げると、N川さんの白い靴下が精液で濡れているのが見えた。
 足の指で両側から包み込むようにおちんちんをさすり、踵はおちんちんの袋を軽く踏み付ける。N川さんによるこの、Y美や風紀委員へのアピール行為に効果があったのかどうかは知らないが、少なくとも僕の性的な快楽を高めるという意味では、非常なものがあった。じんじんと下腹部から快楽の波が伝わってくる。
 やめて、と今一度叫んだのは、快楽の圧倒的な波に朦朧とする自分を覚醒するためだった。ついにN川さんにまで射精の瞬間を見られる。観念して、その恥辱を自分自身に対して受け入れようとした時、それにしてもいきなり足で射精させられるのは酷すぎるという思いが胸に返ってきた。
 このまま絶頂を迎えるのは絶対に阻止しよう。心に決めた僕は、歯を食いしばり、迫りくる快楽の波に耐えた。意識的にN川さんへの憎しみの感情を駆り立てる。N川さんの足なんかで興味本位に射精させられるものかという、奴隷のような境遇に落とされて久しい僕としては珍しいくらいに強い気持ちがあった。
 性的な気持ちのよさに抗うため、身悶えがいっそう激しくなる。Y美と風紀委員が僕の脇の下を踏みつけ、さらに強く腕を引っ張る。両腕が痛い。その痛みが快楽から僕の意識を逸らす。ならばもっと痛みを、と壮絶な気持ちで、仰向けに拘束された不自由な体を左右に激しく動かす。が、N川さんの足は、たぶん偶然なのだと思うが、恐ろしく意を尽くした熟達の動きを見せていた。靴下と裸足の、それぞれ感触の異なる足が緩急をつけたリズムでおちんちんをさすったり、おちんちんの袋を踏みつけたりする。
 このままでは射精してしまう。切羽詰まった僕の身悶えがいっそう激しくなり、風紀委員の足の間からもう少しで腕が抜けるところだった。N川さんの足の動きが速くなった。
「やだ、やだ、やめて。見ないで」
 目をつむったまま、最後の声を振り絞る。と、それとほとんど同時にY美の声が響いた。「はい、ストップ」と、僕の耳に聞こえたような気がする。N川さんの足がおちんちんから放れた。
「やだ、おちんちんがヒクヒク動いてるよ。生き物みたい」
 さっきまで僕の足を掴んでいた手で顔を覆うようにして、N川さんが驚嘆する。射精寸前で止められたおちんちんが剥き出しの亀頭をピンクに染めて、ゆらゆらと揺れていた。Y美と風紀委員が僕の腕を放し、立ち上がる。僕が上半身を起こして腕の付け根をさすっていると、Y美に髪の毛を掴まれ、立たされた。
「あっさり射精させてもらえると思わないでね。その前にすることがあるでしょ」
 なんのことか分からず、うろたえる僕の頬をY美が平手打ちした。
「お前、女子の下着を覗いたんだろ? ちゃんと二人に謝れよ」
 すでに罰を受けたのだから、もう許してくれるかと思ったが、そうではないらしい。確かに一度も謝罪していない。僕自身に下着を見たくて覗いたという意識が皆無だったので、謝罪の必要性を忘れていたのだった。
「土下座だよ。謝る時は、いつも土下座でしょ」
 一通りの謝罪の言葉を口にした僕に向かって、Y美が罵声を浴びせた。風紀委員もN川さんも、Y美の言葉に頷いている。
 興奮冷めやらぬおちんちんを手で押し隠すようにして、その場に座り、Y美の命令に従う。風紀委員とN川さんに向かって、土下座すると、声が小さい、気持ちが入っていないなどと難癖を付けられ、何度も何度もやり直しをさせられた。
「下着を覗いてしまい、申し訳ありませんでした」
 涙の乾いた顔を伏せて、額を床に押し付ける。
「いいよ。もう許してあげる。もう見ないでね」
 さすがに哀れになったのか、風紀委員がそう言うと、続いてN川さんも許すと言ってくれた。そして、おちんちんを勃起させたままの僕を見下ろしながら、
「ナオス君、服があるといいね。私は下着をスカートの間から覗かれたけど、ナオス君は、考えてみれば、ずっと裸んぼなんだよね。おちんちんもお尻も丸出しにして。なんか、可哀想かも」
 と、付け加えた。
「何か、着る物がほしいです」
「馬鹿。お前は最初から素っ裸だったでしょ。この建物にはお前の服なんかないんだよ。私のお母さんが戻ってくるまで待つんだね。服を持ってると思うから。それまでは、真っ裸のままで我慢しなさいよ」
 やさしい言葉に反応してつい甘えてしまう僕に、Y美がすかさず冷や水を浴びせかけた。
「お前は、女の子に恥をかかせたんだから、罰として、もっと恥ずかしい目に遭わせる」
 こう宣告するY美を、僕は信じられないという目で見る。そこには、誇張ではなく、一匹の悪魔がいる。そして、風紀委員を呼んで、教壇の机にぽつりと置かれた水差しを持って来させた。
「何これ。変な臭いがするけど」
 風紀委員が顔をしかめながら水差しをY美に手渡した。Y美はちょっと鼻を近づけて臭いをかぐと、すぐに水差しを自分の顔から遠ざけた。
「ねえ、この水差しって、中に何が入ってるか、お前知ってんだろ?」
 正座の足を崩してうなだれている僕に水差しを突きつけて、Y美が詰問する。僕は自分の顔が強張るのを感じた。この水差しの中身は、僕のおしっこだった。整体マッサージのモデルの最中、どうしてもトイレに行きたくなったが先生が許可してくれず、講習生の前でこの水差しにおしっこをさせられたのだった。それをヌケ子さんが片付け忘れたのだった。もしかすると、わざと放置したのかもしれない。
「答えなさいよ」
 思わず黙ってしまう僕を、Y美がきちんと答えるまで許さないという剣幕で問い続ける。僕がもじもじしていると、風紀委員を呼び寄せ、耳打ちをした。風紀委員は頷いて、教室の外へ出て行った。
 長い逡巡。Y美が水差しを僕の頭上で傾ける。早く答えないとかけるよ、とおどかす。
「そ、それは僕のおしっこです」
 僕が重たい口を開くと、N川さんが目と口を大小の円にして驚きの声を上げた。あまり大袈裟に驚くので、僕の恥ずかしさが増す。Y美は、呆れてものが言えないという顔をして、腕を胸の前で組んだまま、天井を見上げた。
「一体、どういう理由で水差しの中におしっこなんか、したのよ」
 顎を僕に向けてY美が問う。まるで顎に目があるようだった。顎に見据えられた僕は、見えない鎖で体を縛られ、黙秘を引きのばす程にぐいぐいと締め付けられていく。自白する以外、道は残されていなかった。
 整体マッサージ講習のモデルを、事務局の手違いでモデル用のユニフォームが用意されず、パンツ一枚の裸でやらされたこと、その最中、尿意を催し、講習生の見ている前で水差しの中へおしっこさせられたことを話す。
 教室の引き戸があいて、風紀委員が入ってきた。茶色い大きな革鞄を持っている。Y美が風紀委員に向かって片手を上げた。中身がぱんぱんに詰まった、重そうな鞄を床に置いた風紀委員は、その場にしゃがんで、鞄の中からロープを取り出した。
「ねえ、ガム噛まない?」
 ガムの封を切った風紀委員が自分用の一枚を抜き取って、Y美に渡す。Y美も一枚抜き取り、N川さんへ。N川さんは丁寧にお礼を述べてから二枚取り、一枚を僕に渡そうとした。と、Y美が素早く取り上げ、紙を剥くと自分の口に放り込んだ。
「あんたは余計なことするなよ、N川。こいつにやる必要はないの」
 強い口調でY美がN川さんに注意する。僕はと言えば、恥ずかしい告白をさせられ、床にだらしなく座り込んだまま、うなだれていた。別にガムが欲しいとは思わなかったが、Y美の仕打ちが悲しかった。この悲しい気持ちは、僕のせいで叱られたN川さんを気の毒に思うことで紛らせようとした。が、N川さんは、案外にこやか笑みを絶やさずにY美の怒気を受け止めている。
「ごめんごめん。私ったらペットの犬にもお裾分けする習慣だからさ」
 ガムをクチャクチャ噛みながら下手な言い訳をするN川さんに、Y美はこれ以上文句を言うつもりはないらしかった。風紀委員からロープを取り寄せると、腰に手を当てて僕の前に立つ。
「あの鞄の中身、気になるでしょ。お前がここに裸で監禁されてるってお母さんに聞いたから、私たち、うんと遊べるように道具を取り揃えて来たんだよ。わざわざ荒山んちに寄ったんだからね」
 Y美が楽しそうに説明した。そして、いつの間にか僕の後ろにいる風紀委員に目配せをすると、僕の脇の下に風紀委員の腕が入り、力づくで僕を立たせた。羽交い締めにされた僕は、何をされるか分からない恐怖に震え、体を左右に揺すった。
「暴れないで。我慢、我慢」
 風紀委員が幼児をあやすように言う。細身ながらすごい力だった。僕よりも頭一つ分背の高い風紀委員にとって、僕を取り押さえることなど、造作ないことなのかもしれない。
 ロープを手に巻き付けたY美が腰を落として、隠す手立てを奪われたおちんちんに向かった。Y美の後ろではN川さんが手を口に当てたまま硬直している。
「やっとおちんちんも元の大きさにしぼんだね」
 ツンツンと指でおちんちんを突いて、Y美が笑う。
 僕の耳元で風紀委員が唇の先に出したガムを膨らませている。風紀委員の親戚にヨット乗りがいて、彼女が乗せてもらった時に失敬したというロープがおちんちんに近づく。Y美がおちんちんの袋を掴み、上に向けると、ロープの輪を通して、おちんちんの根元でぎゅっと縛った。間髪を入れず固結びをする。
「嘘でしょ。やめてください」
 哀願する僕を例に寄って全く無視するY美は、固結びの団子をロープの先端がなくなるまで作り続けた。
「これでよし、と」
 二三度ロープを引っ張って、おちんちんから抜けないのを確認すると、Y美が満足げに息をついた。風紀委員による羽交い締めを解かれた僕は、自分でもおちんちんの根元に結び付けられたロープを引いてみて、愕然とした。どんなに引っ張っても、おちんちんの袋がつっかえて、抜き取ることができない。固結びをほどこうにも偏執的に結ばれた固結びの団子が数珠のように繋がっており、これらを全てほどくのは容易ではなかった。
「さ、じゃ、行こうか」
 長いロープを手に巻き付けて、Y美が言った。二枚分のガムを入れた口が忙しなく動いている。
「ど、どこへ行くんですか」震える声で僕が訊ねる。
「トイレでしょ。お前が水差しにしたおしっこを処理するんだよ」
 ツンと横を向いたY美がロープを引きながら教室の引き戸を開ける。おちんちんが引っ張られる。抗うとロープがおちんちんの袋に食い込み、激しい痛みを伴うのだった。廊下に出たY美が構わず、ロープを引いてゆく。犬の散歩にでも出掛けるつもりだろうか。
「お願い、やめて。そんなに強く引っ張らないで」
「とっとと歩くしかないみたいよ、ナオス君」
 水差しを持った風紀委員と話をしながら前を行くY美に代わって、N川さんが僕の肩をぽんと叩き、忠告してくれた。わざわざ僕に足並みを合わせ、並んで歩く。N川さんにしてみれば僕を介添えするつもりだったのかもしれない。しかし、あまり有り難くない行為と言えた。なぜならば、N川さんの目は、引っ張られる方向へほぼ垂直に立つおちんちんに釘付けなのだから。視線の痛さに両手で股間を隠そうとすると、ちらちらと後ろを振り返るY美から怒鳴りつけられ、更に強く引っ張られる。僕は前のめりになりながら、必死になって歩いた。
 おちんちんをロープで縛られて、廊下を素っ裸のまま歩かされる恥辱を意識から遠ざけようとして、自分のおぼつかない足取りをじっと見つめる。N川さんの白い靴下を入れたスリッパが交互に前へ出ている。その隣りでは、僕の惨めな裸足がぺたりぺたりと冷たい床を踏みつけてゆく。
「なんか犬みたいだね」
「ほんと。犬の散歩みたい」
 Y美と風紀委員がこんな風に僕を評したかと思うと、不意にY美が立ち止まった。
「お前さあ、犬なんだから二本足歩行は、ないでしょ」
 果てしなく続くいじめに疲労した僕は、とにかくこの状況から抜け出したい気持ちで、考える余裕がない。黙って俯いている僕の脇腹へY美の蹴りが入った。苦しい。裸の脇腹を押さえて、この唐突の仕打ちに思わず顔を上げると、
「何よ、その反抗的な顔は。私はね、四つん這いになれって言ってるの。分からないの?」
 腕力でかなうものであれば、Y美の言いなりになぞなったりしない。でも、絶対にかなわない。だから、四つん這いになれと言われたら、もう四つん這いになるしかないのだった。膝を着けず、お尻を高く上げて歩くようにY美が言い添えた。
 股の間から、N川さんが目のやり場に困ったような顔をしてつき従うのが逆さになって見える。蛍光灯が明るく反射する床に手をぺたぺたと着いて、進む。前を行くY美の歩みは不規則で、速くなったり遅くなったりした。歩行速度が変わる度にロープを強く引かれて、おちんちんの袋にぎゅっとロープが食い込む。喘ぐ僕をY美と風紀委員が振り返り、笑う。とにかく長い廊下だった。
「もうやだ。さっきからずっとお尻の穴、丸出しなんだもの」
 蛇口の並ぶ流し台の横にさしかかった時、もう勘弁してと言う顔をしてN川さんが叫んだ。その声に応じて前方のY美と風紀委員が立ち止まる。風紀委員の持つ水差しの口が僕に向けられた。
「どんな感じ?」
 ロープを床に落として、Y美が後ろに回った。
「じっとしていなさいよ。動いたら許さない」
 ぴしゃりとお尻を叩いたY美の両手がお尻に掛かった。そして、風紀委員に「綿棒」と言った。Y美が流しに向かうと蛇口をひねって、綿棒を濡らし、流しに備え付けの石鹸を綿棒にごしごしと塗り始めた。
 手で掬った水をお尻の穴に掛けると、Y美が「動くなよ」ともう一度言った。お尻が冷たい。僕は床に両腕を着け、頭を低くして、お尻だけ高く上げさせられた。もし今、お尻の上にミニカーを置いたら、背中へ急降下して僕の頭を越えると思われる。3人の女の人たちが僕のお尻をしげしげと覗き込んでいる。
「楽にして。うんちする時みたいに下腹部に力を入れなさい」
 まるで看護婦のような職業的冷たさでY美が命令する。お尻の穴に異物の当たる感触がした。しばらくツンツンと突いていたかと思うと、ぐりぐりと左右に動きながら、綿棒がゆっくりとお尻の穴に押し込まれてゆく。
「すっぽり入っちゃったね」
 N川さんが感嘆した。綿棒が引き出される。綿棒の頭が出かかったところで、再びゆっくりと押し込まれる。それが何度も繰り返された。
「もうやめてください。お願いだから」
 喘ぎながら懇願する僕を無視して、Y美は面白がっている。飽きずに僕のお尻の穴に綿棒の出し入れをする。
 やっと綿棒を取り出したY美が風紀委員に何かを言った。風紀委員が口からガムを取り出したようだった。
 ぐにゃぐにゃした柔らかい、生温かい物がお尻の穴に入れられた。続けてN川さんもガムを口から出すようにY美に命じられたようだった。N川さんが「ごめんね」と小声で僕に詫びて、僕のお尻の穴に手を伸ばす。ガムだった。噛み終えたガムを僕のお尻の穴に押し込んでいる。最後にY美がガムをペッと吐き出す。Y美だけ2枚分のガムを噛んでいた。それもお尻の穴に入れると、綿棒でぐいぐいと奥へ押し込んでゆく。
「同級生の女の子の唾液が付いたガムをお尻の穴に入れられた気分はどう?」
 低く喘ぐ僕を見下ろしながら、Y美が面白そうに訊ねた。それから、N川さんに指を入れるように勧めた。さすがにN川さんは抵抗を示したようだったが、流しに立って自分の指を濡らし、石鹸を塗り始めた。
「今からN川がお前のお尻に指を入れて、ガムを更に奥まで押し込んでくれるからね」
 Y美の言葉に体を激しく震わせて、ついに姿勢を崩した僕の首を風紀委員が押さえつけた。
 N川さんのおどおどした指先がお尻の穴に当たった。
「早くして」
 Y美が叱咤すると、ずぶずぶとN川さんの指が僕の体の中に入ってゆく。

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6 コメント

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Unknown ()
2009-10-06 15:47:56
次の展開がおもしろそうですね☆毎回楽しみです☆
返信する
Unknown (Unknown)
2009-10-14 22:30:47
幸ちゃんたちを相変わらず待ってます。
同級生や下級生に精神的にいじめられて馬鹿にされる描写が見たいです。毎日楽しみにしてます。
返信する
もう (Unknown)
2009-11-05 22:27:31
1ヶ月以上更新がありませんね…このまま終わってしまうんじゃないかと心配になってきました
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-08 01:19:33
毎日楽しく読ませてもらってます

無理せず頑張ってください
返信する
Unknown (名無しさん)
2016-09-30 21:25:30
残酷というかスパルタでは、ないでしょうか?戸塚ヨットスクールみたいな感じです。Y美や他の女子は、戸塚ヨットスクールの教員で、おば様は、校長なのか?ナオス君は、戸塚ヨットスクールと同じ恐ろしい体験をしているのでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2016-10-10 01:06:43
いい加減、戸塚ヨットスクールやスパルタの海とかくだらないワード乱射するのやめませんか?
http://blog.goo.ne.jp/naosu72399/e/39a18cb711eef5d3ee5040e18b057234#comment-list
作者の方もそれに関心が無いと書いてますよ!
返信する

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