思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

男の子というものは

2009-01-25 09:35:05 | 7.夏は恥辱の季節
「そ、そんなことありません。おば様にはいつも・・・」
 ズキンと痛みが走るおちんちんの袋を手で押さえながら釈明を試みる。狭いお風呂場で大柄なおば様が立ち上がり、腰に手を当てて、僕をじっと見下ろす。互いの全裸を間近で見て、圧倒的な肉体の差を思わずにはいられないのは、おば様も同じだったに違いない。おば様は、その気になればいつでも僕を自らの肉体、たとえば乳房に押さえつけ、窒息死させることができる。
「いい加減なこと言わないで。そういう感謝の気持ちを忘れて欲しくないから、あなたにはいつも裸になってもらっているの。うちには男の人がいないから、Y美にも男の子の体がどうなっているのか知ってもらいたいし、あなたは自分の立場をいつもわきまえる必要があるから、裸にしておくのが一番なのよ。だいたい男の子なんだから、おちんちんを見られたっていいでしょ。我慢しなさいよ。世の中に裸の写真はあふれているけど、その大半は女じゃないの。男はいつでも女の裸を見ることができるけど、女はなかなか男の裸を見られないのよ。あなたが裸で見世物になることぐらい、女の恥ずかしさを思えば、どうってことないと思うんだけど、違うかしら」
「僕だって、恥ずかしいんです」
 無毛で皮をかぶったおちんちんは、委縮して小指の先ほどの大きさしかない。僕は、おば様に説教される時はいつもそうするように、体の側面にぴったり両腕を付けて伸ばす姿勢を取っていて、手を動かそうものならこっぴどく叱られるのが分かっていた。それで、おば様が小さく丸まったおちんちんを見て、ニヤリと笑うのに気付いても、気をつけの姿勢は崩さずに黙って、恥ずかしさに耐えた。
「同級生の女の子の前で、何回も射精させられたんでしょ。今更恥ずかしがることないわよ。裸でいることには慣れたかと思ったんだけど」
「もう、いやなんです、見世物になるのは」
 耳たぶまでもが熱を帯びて赤くなっていたと思う。僕が忘れたいことを思い出させるのがおば様の狙いだとしたら、上首尾だったと言わねばならない。つらい気持ちをそのまま伝えて、おば様の憐みを乞うしか僕には手立てがなかった。だが、おば様は聞く耳を持たないことを殊更に誇示するかのように、首を横に振った。
「ちっちゃなおちんちんのくせに、子どものおちんちんのくせに、恥ずかしがることなんか、全然ないの。女の子がかわいいおちんちんを見たり、触ったりすることの教育的な効果は計り知れないのよ。彼女たちに、いきなり成人した男性のおちんちんを見せたら、男性の性器に対する恐怖の感情を植え付けてしまうかもしれない。そうなったら心に刻まれて、ずっと男に対して引け目を感じるようになるわ。一般に男は女に対して、男性性器への恐怖の感情でイニシアチブを取ってきて、それが男性優位の社会を形成してるという説もあるのよ。だから、女の子は、肉体と心が成熟して、いわゆる異性との関係を結ぶようになるよりも前に、おちんちんに慣れておく必要があるの。おちんちんに対して恐怖心よりも、むしろ優越感を覚えるくらいじゃないと、駄目だと思うのよ」
 風呂場のタイルの上に僕を四つん這いにさせて、おば様が石鹸をなすり付けた軽石で僕の体を背中から洗い始めた。おば様は、僕の何も反論できないで沈黙している横顔にねっちりとした視線を送ってから、ゆっくりと言葉を続けた。
「だからあなたは、我慢しなくちゃいけないのよ。女の子の前で素っ裸にされて、おちんちんを見られたり、いじられたりしても、彼女たちが将来おちんちんに対して恐怖の感情を覚えることなく、男に精神的な優位を覚えてのびのびと暮らせるように、彼女たちの前ではなるべく裸でいなくちゃ駄目なのよ。そりゃ、時々はおちんちんを蹴られたり、あなたの有り余ったおちんちんの皮を引っ張られて、痛い思いをすることもあるでしょうけど、別に殺されるわけじゃないんだから、じっと我慢しなくちゃね。あなたは、男の子なんだから恥ずかしくても、ちょっとぐらい痛くても、我慢できるわよね」
「ひどいです。なんで僕がそんな目に遭わなくちゃいけないんですか」
 全身を軽石で洗われた僕は、おば様と一緒に浴槽に身を沈めていた。狭い浴槽の中では、膝を丸めても、おば様の体にどうしても密着してしまう。弾力に富んだおば様の肌を感じながらも、今はその肉体が僕の欲望を刺激するよりは、威圧するものとして裸の身にひしひしと迫ってくるのだった。ベッドで僕が奉仕させられている時に、一瞬だけ覚えたおば様へのおちんちん挿入の欲望は、おば様との束の間の対等意識から生まれた、はかない幻のようなものだった。その対等意識がどのような理由で僕の頭に発生したのかは不明だけれども、とにかくもその対等意識なるものが全くの僕の独りよがりな産物でしかないことを、おば様は僕に鞭打つように思い知らせる。女の子たちの前で裸にされ辱められる僕の人格のことなどは、まるで省みられることがない、あまりにも一方的なおば様の女子への教育的配慮は、それを聞かせるだけで僕を傷つけるものだった。
「あなた自身のことも考えなくちゃ。自分が裸でいるのは、なんでだと思うのよ。あなたのお母さんが私の会社の独身寮で住み込みで働いていられるのは、誰のおかげかしら。あなたがご両親から受け継ぐ筈だった土地や家屋は、私の協力なくして取り戻せると思っているのかしら。私があなたの家を助ける義理なんて、どこにもないのに、きちんとあなたの両親が借金を返せるように仕事の場を与え、私の家であなたの面倒を見ているのよ。それに対して、あなたはなんとも思わないの?」
「その点では、ほんとに感謝しています」
「そうよね。偉いわ。あなたは感謝してるのね。それが正しい。でも、想像してみてほしいの。もし、あなたが普通に服をまとって、普通に私やY美と一緒に生活していたら、あなたはいつでもその感謝の気持ちを忘れずにいられるかしら。恐らく、あなたはすぐにそんなことを忘れて、私たちの家で自分勝手に振舞うでしょう。実際にそうだっだじゃないの。あなたがこの家に居候を始めて、最初の一週間までは、あなたの図々しさにY美がひどく腹を立てて、私はなだめるのに大変だった」
 湯から出て、最後にシャワーを浴びると、おば様は浴室の戸を開けた。僕もおば様に続いて、浴室を出た。大きなタオルが一枚しかなく、おば様が念入りに自分の体を拭いているのを、僕は黙って見ているしかなかった。脱衣所にいつのまに用意したのか、衣類一式があった。体を拭き終えたおば様がそそくさとパンツ、ブラジャー、スカート、ポロシャツを身に着けてゆく。僕は、おば様から手渡されたタオルで頭をごしごしこすってから、体全体をくまなく拭いた。
 日常の服装をまとったおば様が僕からタオルを取り上げ、脱衣所の籠に放り込んだ。僕の服はなかった。パンツもなかった。お風呂から出るまでは、おば様と二人でずっと一緒に裸だったのに、今は僕だけが裸のまま取り残され、手持ち無沙汰で突っ立っている。おば様は、僕の体をじろじろ見ながら、
「ほんとに図々しくて、呆れてたのよ」
 と、笑う。僕は思わず俯いた。母は僕に、クラスメイトのY美の家に、三カ月だけお世話になるように言った。Y美の母には簡単には説明できないほどの大きな借りがあるから、失礼のないように、迷惑をかけないように細心の注意を払ってほしいと、泣きそうな顔をして僕に頼んだのだった。それがどんな事情だったか、僕も分かっているつもりだった。だから、この家に一歩足を踏み入れた瞬間から、僕なりに最大の気を遣ってきた。食事は口に合わなくても残さずに食べたし、食後は食器を台所まで運んだ。玄関では脱いだ靴をきちんと揃えた。使っていない部屋の電気は、消した。でも、一人っ子でぬくぬくと育てられた僕は、他人の家の空気を読むことが不得手だった。知らず知らずのうちに、日常の何気ない所作がY美やおば様の顰蹙を買っていたようだ。
「だから、あなたは自分の立場をいつでもきちんわきまえるように、裸でいてもらうことにしたの。さっきも言ったように、Y美には、おちんちんに対する優越感を覚えてもらいたいから、あなたがこの家で服をまとうことが許されないのは、一石二鳥の効果があるのよ。パンツ一枚でも許されていることに感謝しなくちゃ」
 脱衣所の戸を開けて廊下に出たおば様は、振り返り、素っ裸のままもじもじしている僕の手首を掴んで、引いた。
「パ、パンツはどこですか」
「なによ」
「パンツ一枚は穿かせてもらえるんですよね」
 昨日からずっと一糸もまとっていない僕は、おば様がパンツは許されると言ったので、藁にもすがる思いだった。
「Y美が管理してるから、私は洗濯したら、全部Y美に渡してるよ。あの子がどこにしまってるのか、あなたは知らないの?」
「知らないんです。でも、Y美さんの部屋の中にあるのは間違いないと思います」
「そう、それは困ったわね。許可なくあの子の部屋に入るのは、あの子のプライバシーを侵害することになって好ましくないから、母親の私でも、それはしないことにしてるのよ。あなたも最初から丸裸だった訳じゃないでしょ。パンツ一枚は穿いていたわよね。それはどうしたのよ?」
 なんでそんなことをわざわざ聞くのか、計りかねた。僕がこの家で唯一着用を許されている白のブリーフのパンツは、昨日、Y美とY美の4人の友達の手で、無理矢理脱がされてしまった。それは、おば様も当然知っているはずだった。
「だから、昨日遊びに来ていた女の子たちに・・・」
「脱がされたって言うんでしょ。馬鹿な子。そんなことを訊いてるんじゃないの」
 掴んでいた手首を放すと、ピシャリと僕の手の甲を叩いた。おば様の顔が少し赤らんでいるのは、湯上がりのせいなのか、怒っているからなのか、即座には分からなかったけれど、その両方に原因がありそうだった。
「あなたが同級生の女の子たちに素っ裸に剥かれて、おちんちんを見られて、お尻の穴まで広げられて、挙句の果てに電気あんままでされて、強制的に精液を何度も放出させられたことくらい、知ってるわよ」
 昼間でも薄暗い廊下に立ち止まったまま、おば様が苛々した口調で僕の察しの悪さをなじった。僕はおちんちんを片手で隠し、もう片方の手で胸の辺りを覆い、自分の裸をなるべく怒りに駆られているおば様に見せないようにした。あまり裸をじろじろ見られると、おば様の頭に、どんな酷い仕打ちが思い浮かばぬとも限らなかった。
「私が知りたいのはね、あなたがどこでパンツを脱がされたかっていうことなの」
「Y美さんの部屋です。Y美さんの部屋で脱がされました」
 ゴクリと音を立てて生唾を飲み込んだ。
「だったら、諦めることね。あの子が帰ってくるまで、素っ裸でいるしかないじゃないの。家の手伝いは、その格好でもできるから、我慢しなさい」
 がっくりと肩を落とす僕の手を引き、おば様は居間に移動した。

 居間の庭に面したガラス戸の窓ガラスを拭き、廊下と縁側の雑巾掛けを終わらせ、フローリングの床に座り込んで休んでいると、おば様が水の入ったコップを渡してくれた。一気に飲んで喉の渇きを潤す。おば様は食卓にたくさんの書類を広げて、電卓片手に細かい数字を書き込んでは、時折頬杖ついて、溜息をついている。
 ひきしまった口元、真剣な目つきで書類に向かうおば様には、話しかけづらいオーラが漂っていた。自宅に会社の仕事を持ち込んで、それに向かう時は、たとえ外出の予定がなくても、おば様は化粧を施す。「そうしないと仕事の気分になれないのよ」と、おば様が鏡を見ながら答えてくれたことがあった。メークした顔に知性の強い輝きがあって、僕は仕事に励むおば様に畏敬の感情を抱いていた。飲み終えたコップを台所の流しに置いて戻ると、おば様が顔を上げた。
「掃除機かけてちょうだい。ソファとかテレビのあたり、埃が溜まっている」
 返事をして、廊下の戸棚から掃除機を取り出し、電気コードを本体から引きずり出してコンセントに差し込む。スイッチを入れると、振動が手に伝わってきた。ソファを動かして、うっすらと層を成している埃を吸い取る。
 こうして素っ裸のまま掃除させられることにも、肌が慣れてきたような気がする。外の空気に肌が馴染んで、ともすると自分が糸くず一つ身に着けていないことを忘れそうになる。とっとと仕事を終わらせるには、その方がありがたいのだった。だから、集中して掃除している時に話し掛けられたり、ちょっかいを出されたりするのは、僕にとっては迷惑至極なのだった。Y美がいれば、かならずおちんちんやお尻に手を出してくる。おば様は、さすがにそういうことはあまりしないけれども、それでも「一人だけ裸で恥ずかしいよね、でも男の子だものね」とか、「おちんちん、早く毛が生えるといいね」などと僕の羞恥心を煽るようなことを言うのには、閉口した。
 今はおば様は自分の仕事に専念していて、掃除に励む僕を冷やかす余裕はないようだった。が、時々チラチラと目を向けて、僕がきちんと掃除機をかけているか、チェックしている。その眼差しが肌に突き刺さり、ふっと自分の今の格好に対する意識が戻ることがある。おば様の視線をお尻に感じて振り向いた時、呼び鈴が鳴った。
 大儀そうに立ち上がったおば様がインターフォン越しに返事をすると、明るい女の人の声が名前を告げた。「少々お待ちくださいね」と、おば様が会社で働いている時のような声を出して、インターフォンを切った。そして、駆け足で僕に近づくと、掃除機を止めるように命じた。
「あのね、今から私の仕事上、とっても大切な付き合いのある人が来たの。応接間に案内するから、あなたは、緑茶と水羊羹を用意して運びなさいね。水羊羹は、この間雪ちゃんのお母さんから頂いたのがあるから。置き場所は分かるわよね?」
「はい。では、とりあえず服を貸してください」
「あ、そうか。どうしようかな。あなたの服の場所が分からない」
 軽く舌打ちして、おば様が指を口に当てた。急いで判断しなくてはいけない時のおば様の癖だ。思案しながら僕の体を頭からつま先まで、素早く眺め回す。と、パンと手を鳴らして、
「いいから、その格好のままで運んできて」
「え? 仕事関係の大切な人に失礼じゃないですか」
「そんなことは、あなたが心配することじゃないの。私にも考えがあるんだから、あなたは今の真っ裸の格好で、お茶を運ぶのよ。隠さないこと。いいわね?」
 問答無用の勢いで僕に命じると、おば様が玄関に向かって走った。僕は居間と応接間の間のふすまを閉じた。そして、台所に行き、水を入れたやかんに火をかけ、これから自分がしなくてはならないことを思って、体を震わせた。
 あの短い時間でどんな考えがおば様の頭に浮かんだのか、それは想像することもできないけれども、とにかく僕は、腰にタオルを巻くことすらも許されないらしい。仕事上のとても大切な付き合いのある人が来訪したというのに、その家の居候に全裸のまま接客させるとおば様は決めたのだった。恐らくは仕事上の重要な話をしに来た人の前で、おちんちん丸出しの格好でお茶を運んだりしたら、その人は僕のことを頭のおかしい子と思うに違いない。おば様は、きっとうまいフォローの仕方を思い付いたのだろう。僕としては、そう信じるよりほかになかった。
 応接間からふすま越しにおば様と来客の話し声が聞こえた。しわがれた男の人の高い声と、女の人の声だった。
 お盆にお茶と水羊羹をのせ、運ぶ準備は整った。しかし、やはり裸のままお客さんの前に出るのは、恥ずかしい。台所でためらっていると、おば様が手を叩いて、「お茶をお願いします」と、ふすま越しに催促した。
 仕方がない。このまま愚図愚図していたら、きっと後でこっぴどく叱られる。恥ずかしい思いは、その時だけ我慢すればよい話だ。そう自分に言い聞かせて、僕はお盆を両手で持ち、向こうに応接間のあるふすまを見た。このふすまを開けて応接間に入ることもできるが、それは正式ではないから、そんな真似をしたら、おば様から折檻を受けるかもしれない。何しろおば様は接客のマナーにうるさいのだった。そのおば様が僕に全裸の接客を命じるのだから、大人の世界や考えというものは、よく分からない。とりあえず居間を出て、玄関から入ってすぐ左の応接間のドアの前に立った。ふと玄関のたたきに目を落とすと、皮靴とハイヒールが仲良く並んでいた。ドアを隔てて、弾んだ楽しそうな話し声が聞こえてくる。おば様も、僕の気持ちなぞ知らずに、会話に適度な笑い声を挟んでいる。僕は、おちんちんを股の後ろに隠した。
 深呼吸してから、ドアを叩いた。お盆を持つ手が震える。「どうぞ」と、おば様の声がした。僕は、「失礼します」と言って、ドアのノブを回した。冷房のひんやりした空気が流れ込んできた。
 会話が断ち切られ、沈黙が打ち込まれた。応接間には、右手のふすま側の席におば様がいて、膝くらいの高さのテーブルを挟んで五十歳代後半くらいのおじさんと、三十代前半くらいの女の人が並んで座っていた。
「なんで、この子は裸なんですか」
 最初に口を開いたのは、おじさんだった。ネクタイで首元をきっちりと締め、背広を着込んでいる。おば様が珍しく冷房を強く効かせているのは、この人の暑苦しい格好に配慮してのことだろう。
「それがね、この子は、うちで面倒見ている子で、娘の同級生なんだけど、性的な好奇心が強いのかしら、入浴中の娘を覗こうとしたり、私の下着を手にとってみたり、ここが女だけの家と思って、好き勝手な真似をやめないのよ」
 お盆からテーブルへお茶と水羊羹を移す僕の手が震える。Y美も口から出任せに自分に都合のよい話をでっちあげるが、その厚顔ぶりは、おば様譲りなのだということがよく分かった。おば様は、僕を全裸にして過ごさせるのは、おば様自身ほとほと困り果てた末に思い付いた罰なのだと、続けた。
「お風呂場で体を洗っているところを見られたりするのが、年頃の娘にとって、どれほど恥ずかしいことか、男の子には理解できないと思うわ。それで、少しでもその気持ちを味わってほしいと思って、この子には今日一日丸裸でいてもらうことにしたの。みんなが服を着ているのに、一人だけ素っ裸を晒していたら、風呂場を覗かれたり、下着に鼻を付けて深呼吸されたりするいやな気持ちに、少しは近づけるんじゃないかしら」
 客人に茶を勧め、自らも一口すすると、おば様は僕をテーブルの横に立たせた。
「ぼく、名前はなんて言うの?」
 青いカーディガンを袖に通した女の人が身を乗り出して、僕に尋ねた。お盆をテーブルに置いた僕は、両手でおちんちんを隠しながら、もじもじしていた。股の後ろに隠したおちんちんは、中腰になった弾みにプルンと前に飛び出していた。おば様が横から僕のお尻を平手打ちし、きちんと自己紹介するように命じた。
 僕が名前を告げると、おば様が笑った。
「ついでに教えてあげたら。この家ではチャコって呼ばれてるって。ペットみたいなものなのよ。かわいいでしょ」
「す、すごい待遇なんですね。それにしても、一人だけ丸裸なんて、チャコくん、かわいそう。でも、仕事だけじゃなく、家庭内の教育にも熱心な方に面倒みてもらって、幸せなのかもしれないけど」
 女の人は、急いで付け加えたおば様へのフォローがやや不自然になってしまったのを誤魔化すかのように、ヒステリックな高笑いをした。用事を済ませた僕は、そのかんに回れ右して応接間を出ようとしたら、おば様に「待って」と、制された。仕方なく、元の位置に戻る。お盆を股間に当てて、おちんちんを隠した。
「勝手に出ていかないこと。自分の立場を忘れるなんて、馬鹿よ」
 容赦なく僕の手からお盆を取り上げて、テーブルに置いたおば様は、反射的におちんちんを両手で隠す僕の動きを見て、クスっと笑った。客人の女の人も、それに遅れまいとするかのように、引き攣りのような短い笑い声を立てた。そして、ちらちらとおば様の顔色をうかがいながら、僕に話し掛けるのだった。
「ねえねえ、チャコくん。ちょっとでいいからさ、私にも見せてよ。隠してないで。ねえ、見せて」
 すかさずおば様が「気をつけ」と、命じる。僕は観念して、手の力を抜く。伸ばした手を体の両脇に添える。冷房がガンガンに効いていて、寒い。この部屋は、長袖の衣類をまとった人が快適に過ごせるような温度設定になっていて、おば様もどこから取り出したのか、縞模様のカーディガンを羽織っている。間近でおちんちんを見られる恥ずかしさで体が熱くなっている筈なのに、冷たい空気に全身を包まれた寒さが勝り、僕は体を小刻みに震わせていた。
「この子、娘さんの同級生でしょ、じゃあ中学生だ、一年生でしたよね。皮かむりのこんなに小さなおちんちんでも、女の体にいっぱしの興味を持つんだね。いや、感心感心」
 おじさんが腕を組み、まるで契約書の一言一句をチェックするような鋭い視線を僕の下半身に向けた。その地味なスーツ姿は、普段はずっと会社にいてあまり外回りをしない職種を思わせた。
「いやだ。もう、ドキドキしちゃうわ」
 頬をほんのり赤く染めた女の客人は、年に似合わぬはしゃぎぶりだった。僕は、手でおちんちんを隠したい衝動に駆られた。しかし、おば様が鋭い視線を向けていて、体が思うように動かない。
「K沢さんたら、そんなに興奮するもんじゃないわ。まるで生まれて初めておちんちんを見るみたいじゃないの」
「ええ、そうなのよ。実は生まれて初めて見たの」
 あっけらんと女の人が答えた。おば様が「信じられない」と叫んだ。
「やだ。そんなに驚かないでよ。うちは二人とも娘だし、私自身も女ばかりの家で育ったから、男の子の体なんて、よく知らないのよ」
「だってあなた、旦那さんは、いるんでしょ」
 畳み掛けるようにおば様が質問すると、女の客人は「ええ、まあ」と髪を指に巻きつけながら、曖昧に返事をした。そして、すぐに「でも、いつも電気を消すから」と続けて、一層赤くなった顔を隠すようにおば様から隣りのおじさんへ視線を移した。
「それならば、せっかくだから、よく見せてもらったらどうかな」
 食べ終えた水羊羹の容器をテーブルに戻したおじさんが立ち上がり、僕の後ろに回った。いやな予感がした時は、いつでもそうなのだが、遅すぎた。おじさんは近くにあった丸椅子を手早く引き寄せ、その上に僕をのせると、足首を握って持ち上げるのだった。僕はひっくり返りそうな角度で持ち上げられ、おちんちんだけでなく、お尻の穴まで女の人に晒す羽目になってしまった。
 嫌がって暴れる僕をなだめたり、叱ったりしながら、おば様がおちんちんへ手を伸ばし、女の人に向かって解説を始めた。皮を剥いて亀頭を露出させ、過敏な部分に指を当て、おしっこの出る穴をぱっくりと開かせる。
 女の人は、恥ずかしがる素振りを見せながらも、細い目を大きく開き、頻りに感心している。おば様がおちんちんを手で擦り始めた時は、僕は再び体を激しく揺すって、声を上げながら抵抗を試みた。と、すかさずおば様が乱暴な言葉で僕を叱り飛ばす。
 冷房の冷たい空気が股間を直撃して寒い。それでも、おば様の指の動きは緩急のリズムが絶妙で、おちんちんからじいんと痺れるように伝わってくる気持ちよさは、無視できなかった。
 すっかり大きくなったおちんちんを指で弾きながら、おば様が女の客人に説明している。 おちんちんのどこを叩くと男の人は痛がるのかと女の客人が問うと、おば様は逆に訊き返す。「どこだと思うの?」「ここかしら」と、女の客人が冷たい手で触った。おちんちんだった。おば様が首を横に振る。そして、おちんちんの袋を手のひらに乗せて、女の客人に示した。
「この袋を手のひらで転がしてみて。中にグリグリ動く物が入っているでしょ。それに少しでも衝撃が加わると、こっちが驚くほど痛がるのよ」
 手探りする女の客人の指がお尻の穴に当たって、止まった。軽く押した後、ツツと指が動き、おちんちんの袋を軽く揉み始めた。
「ぶよぶよしてる。こんなに柔らかいのね」


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お待ちしておりました (Unknown)
2009-01-26 00:23:48
更新ありがとうございます
返信する
Unknown (Gio)
2009-01-30 20:28:19
ご無沙汰してます。新しい章に入りましたね。がんばってください。
返信する
最高です (Joe)
2009-02-01 12:43:59
最高です!
特に最後の方の場面の場面『おしっこの出る穴を広げて見られてしまう』ところがたまりません。

キンタマもぐりぐり触られて痛みつけられてしまうのを期待してしまいます。
返信する
御礼 (naosu)
2009-02-07 09:29:43
コメント書き込んでくださったみなさま
お返事が遅れて申し訳ないです。
応援、ありがとうございます。
もうすぐ更新できると思います。

Gio様
こちらこそご無沙汰です。
新しい章では、急展開が・・・というわけでもなく、今までと同じように少しずつ進行です。

Joe様
ありがとうございます。
これからも、痛くて、恥ずかしいことがいっぱいです。
返信する

コメントを投稿