自分たちの仕切り内、マジックショーに欠かせない装置であるボックスの保管場所に戻ろうとした僕は、そこに人の気配を感じて、急いで身を引き、腰を落とした。
そっと仕切りの中を覗く。ひとりの女子がボックスの前に立っていた。きょろきょろと辺りを見回している。僕は小さく、あ、と声を上げた。
同級生のエンコだった。
Y美の取り巻きグループのひとりであるエンコは、メライちゃんや僕よりもちょっと背が高いくら . . . 本文を読む
〇
パッパッパッ、とY美とS子は手際よく僕の体操着を脱がし、上半身を裸にした。
「やめて、何するの」
おびえた声になってしまったのが悔しい。
おびえるとY美たちは、いよいよ嗜虐的になる。
逃げようとして、転んだ。
転んだ拍子に運動靴が脱げてしまった。
S子がすかさず僕の靴下も引き抜いた。
半ズボンも脱がされる。
あっというまに僕は白ブリーフ一枚という情けない姿になっていた。
ほんとにもう勘弁して . . . 本文を読む
原っぱを歩いている。もうずっと前から素っ裸だった。
何か着る物はないか、辺りを見回しながらも、せっせと歩き続ける。
一本の丸太を伝って川を渡り始める。と、丸太が回転を始めた。僕は曲芸師さながらに足を動かし、平衡を保つ。そんなにうまくできるはずがない。ついに丸太から落下する。
丸太はなぜか三階建てのビルの屋上と同じ高さにあった。ぐんぐん川へ頭から向かってゆく。川の水は驚くほど透明で、色とりど . . . 本文を読む
ご無沙汰しております。
naosuジッコーです。
「思い出したくないことなど」の最終エピソード、「愛と冒険のマジックショー」を完成させたので、公開していきます。
ぼくのブログを応援してくださっている皆さんには、お待たせしてほんとうに申し訳ないと思っています。
ちょっぴり長いお話です。
なんとナオスくんがテロ組織の大規模な犯罪に巻き込まれます。
らしくないアクションシーンなんかも、出てきます。
か . . . 本文を読む