奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

シロバナサクラタデに来る虫たち

2021-08-06 20:26:33 | 奈良のむし探検
奈良のむし探検 第35弾


7月30日の午後、佐保川土手まで散歩に出かけました。





近くの休耕田にはシロバナサクラタデがいっぱいに咲いていました。よく見ると、そこにいろいろな虫がやってきていました。そこで、その虫たちの写真を撮ることにしました。



まず、これはホソハリカメムシ



それにクロスジチャイロテントウ





このカスミカメ、ナカグロカスミカメあたりだと思うのですが、前胸背の1対の暗色斑の位置と大きさが異なるので、別種かもしれません。もうちょっとピントが合っていればよかったですね。



ナナホシテントウ



これは近くにいたヒゲナガヤチバエ





これはコモンツチバチ♂。





これはジュウシホシツツハムシ





また、クロスジチャイロテントウです。



最後はツマグロキンバエ。この花だけでも飽きないですね。

植物を調べる アゼガヤ

2021-08-06 17:52:11 | 植物を調べる
7月24日に若槻環濠集落に行く途中でイネ科の植物を見つけました。最近、長田武正著、「日本産イネ科植物図譜」を購入したので、勉強のつもりでイネ科を中心に調べています。





今回調べたのはこんな地味なイネ科の植物です。高さは50cmくらいだったかなぁ。





とりあえず、採取してきて、小穂を見てみました。1小穂に6小花がついています。細い花軸の片側に小穂が付いています。「日本産イネ科植物図譜」ではイネ科を大まかに12群に分けています。

①花序は頂生、特異な総包葉はない
②穂状花序または総状花序、あるいはそれらの花序が2個~多数集まってできた花序を持つ
③花軸は明らかに小穂より幅が狭い
④総は数個~多数、稈上に羽状につくか、または稈をめぐって半輪生状について多くの段となる 第5群
⑤総は細々として、小さな小穂が規則正しく列を作って並ぶ。小穂は(2)3個~数個の小花からなり、しばしば紅紫色にそまる。湿地生 アゼガヤ属 Leptochloa

今回の植物について当てはめてみると、①~④の検索過程を経て、第5群になることが分かりました。ここからは絵合わせで決めていかなければいけないのですが、⑤の特徴とよく合っているので、おそらくアゼガヤ属でよいのではと思いました。本州産のアゼガヤ属はアゼガヤLeptochloa chinensisだけなので、たぶん、アゼガヤでよいのだろうと思いました。一応、各部の特徴も顕微鏡写真で撮っておきました。



「日本産イネ科植物図譜」の説明によると、第1包頴には1脈、第2包頴には太い中央脈のほかに細い2脈があるとのことですが、2脈というのがはっきりしませんでした。



これは第1包頴を拡大したものですが、中央脈の背面にはとげとげがあります。



小穂の長さは3.2 mmでしたが、説明では2.5-3 mmになっていました。



最後は葉舌です。これは図とよく似ているのではと思いました。

ついでに、先日購入した杉本順一著、「日本草本植物総検索誌 II 単子葉編」でも検索をしてみました。

族属の検索表
①全部または花序中一部の小穂は両性
②小穂は1~多小花、2小花のときは下位のものは両性登実生で、上方小花は登実生または退化花
③包頴は最下護頴より短いかまたは欠く。もし等長なるときは護頴は5脈以上ありてその芒は真直
④護頴は1又3脈あるか又は無脈
⑤小穂は有柄
⑥護頴は膜質で中肋のみ明らかで、他は無毛。果は小形で先は凸出しない。熟しても頴に包まれる
⑦小穂に長い基毛がない オヒゲシバ族
⑧花序は総状または円錐状に分岐する。まれに線柱状に密花
⑨包頴は著しい舟形でない
⑩花序の枝は扁平で片面に小穂を密生する。小穂は2~多数の登実小花よりなる
⑪花枝序の基部に褐色毛がない
⑫護頴は無芒で先端全辺 アゼガヤ属
⑬稈は丈夫、30~70 cm、葉鞘は無毛、小穂は5~7小花、2.5~3mm アゼガヤ

①~⑦の検索過程でオヒゲシバ族になり、⑧~⑫の過程でアゼガヤ属に到達します。さらに、⑬の種の検索により、アゼガヤに到達します。



だいたいは追いかけることができますが、③の第1包頴と第1護頴の長さだけ比べてみました。第1包頴の方がほんのわずか短くなりそうです。この本には花序の外形による検索表というのも載っていて、それによると次のようになります。

花序の外形による検索表
①花序の枝は片側に小穂をつける
②花序は掌状に分岐しない
③小穂は左右より扁平
④各頴は深い舟形ではない、小穂は2以上の小花より成る
⑤護頴の先は全辺で芒がない アゼガヤ属

こちらは簡単なのですが、③の「小穂は左右より扁平」という項目が意味不明です。これに対抗する項目は「小穂は前後に扁平」なので、おそらく、前者は小穂が柄に沿うようについていることを示し、後者では小穂が柄から離れてつくことを意味しているのではと思いました。

まだ、慣れていないので、はっきりしないところも多いのですが、少しずつ慣れていこうと思っています。

朝の散歩 続き

2021-08-06 08:09:20 | 奈良散策
奈良散策 第168弾


7月30日朝の散歩のときに撮った写真の続きです。







カヤツリですが、園芸用なのか、逸脱していたものか分かりません。図鑑で探すと、こんな感じに苞葉が放射状に出るのはアフリカ原産のシュロガヤツリなのですが、それなのかどうか自信がありません。今度、採取して調べてみたいと思います。



「帰化&外来植物950種」によると、こんな風に葉が丸いのはマルバアサガオ Ipomoea pupureaかとマルバアメリカアサガオ Ipomoea hederacea var. integriusculaがあるます。後者はアメリカアサガオの変種です。この本によると、見分け方としては、「萼裂片は短く、下部に長毛を生やす。花柄にも下向きの毛」がマルバアサガオ、「萼裂片は長く、先端がカールする。萼全体がけむくじゃらで、よく目立つ金毛が密生する」はマルバアメリカアサガオ。この写真をよく見ると、萼裂片は細長く、先端がカールしています。また、長毛が密生しています。ということで、たぶん、マルバアメリカアサガオではないかと思います。



これはセグロアシナガバチ





それにヨウシュヤマゴボウ



それからマメコガネ



これはたぶん、センニンソウです。





カラスウリの花がありました。今はしぼんでいますが、夜に見に行くとたぶん綺麗でしょう。



奇妙なクモの巣なので撮りました。



これはシラホシトリバです。





花弁の先端がやや開いているのでヒメムカシヨモギ







最後は葉の基部が丸くカールしているのでオニノゲシだと思います。

雑談)この日はNIKON P9501台とクローズアップレンズ (焦点距離 1 m)を持っていきました。離れた撮影対象にはそのままで、近くの対象にはクローズアップレンズで対応するつもりでした。案の定、近くの花に虫が来ていて、ズームを少し落として撮るか、クローズアップレンズをはめるかで迷いました。何とか撮っていったのですが、シラホシトリバ(蛾を集めていたので、蛾にはこだわりがあります)を撮影するとき、拡大しないといけないのでクローズアップレンズをはめて撮りました。でも、AFでもMFでも何度やってもピントがスカッと合いません。一番あったのをブログには載せたのですが、それでも周辺がぼやぼやしています。たった1匹の蛾を撮るのにほとほとくたびれてしまいました。それで、この日の午後からはマクロレンズを取り付けた接写用の一眼レフと、遠くを撮る時には小型のCanon SX70HSを撮影用ジャケットのポケットに入れて行くことにしました。遠くを撮る時はNIKON P950の方がシャープに撮れるのですが、仕方がありません。