日本生まれのイギリス人作家、カズオ・イシグロの長編小説。『Never Let Me Go わたしを離さないで』という題名に惹かれ(いつものごとく)読み始め、一気に読み終わってしまいました。
主人公の女性が回想しながら語っていく一人称の文章で全編構成されています。設定や事実が明らかになるたび背筋が凍るほどの驚愕があるのに、語り口はあくまで淡々としていて、思わず物語世界の中に入り込んでしまいました。
「顔には涙が流れていましたが、わたしは自制し、泣きじゃくりはしませんでした。しばらく待って車に戻り、エンジンをかけて、行くべきところへ向かって出発しました。」という作中の文章に雰囲気が凝縮されている気がします。僕も泣きました。声も上げず涙も流さず、ただ心臓が震え身体の奥で泣きました。
かなり特殊な人間たちについての話ですが、読んでいて別に特別ではなく誰とも同じではないかと思いました。死ぬときを神が決めようが人が決めようが、この世の不条理には何の違いもなく、その中で過ごしていくひとりの時間もふたりの時間も結局誰も一緒のことじゃないか。そしてどんなことが起こっても日々は淡々と続いていくのだな。残酷なまでに淡々と。などということを思い出させてくれました。
主人公の女性が回想しながら語っていく一人称の文章で全編構成されています。設定や事実が明らかになるたび背筋が凍るほどの驚愕があるのに、語り口はあくまで淡々としていて、思わず物語世界の中に入り込んでしまいました。
「顔には涙が流れていましたが、わたしは自制し、泣きじゃくりはしませんでした。しばらく待って車に戻り、エンジンをかけて、行くべきところへ向かって出発しました。」という作中の文章に雰囲気が凝縮されている気がします。僕も泣きました。声も上げず涙も流さず、ただ心臓が震え身体の奥で泣きました。
かなり特殊な人間たちについての話ですが、読んでいて別に特別ではなく誰とも同じではないかと思いました。死ぬときを神が決めようが人が決めようが、この世の不条理には何の違いもなく、その中で過ごしていくひとりの時間もふたりの時間も結局誰も一緒のことじゃないか。そしてどんなことが起こっても日々は淡々と続いていくのだな。残酷なまでに淡々と。などということを思い出させてくれました。
私は私のすることが
馬鹿らしくって
自己嫌悪で
後悔ばかりです。
私の夢は潰えても
誰にも何にも譲れない
願いが一つだけあります。
ヒロトのように歌えたら。
あなた よ
あなた よ
しあわせに なれ