電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

ブログと引用について

2004-11-04 23:12:20 | デジタル・インターネット
 「絵文録ことのは」の松本英明さんが、「木村剛の「マスメディアへの対抗意識」は時代錯誤。中越地震マスゴミ批判記事を検証する」で「週刊!木村剛」の「これが新潟県中越地震の真実だ!」を巡る一連の論争の問題点をまとめ、検証している。私は、松永さんにおおよそのところで賛成だが、木村剛さんの最初の記事については、もっと単純な気もする。つまり、「引用」の基本ができていなかったのだと思う。最近、いろいろなブログを見ていて、「引用」と言うことがかなりいい加減に行われていることに唖然とさせられることが多い。
 他人の文章を引用するには、自分の文章と「引用文」とをはっきり区別して、明示しておくということが大切だ。著作権法第32条に次のようにある。

第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。


 ここでは、3つのことが述べられている。①公表された著作物であること、②引用の仕方は公正な慣行に合致していること、③引用の目的上正当な範囲内で行わなければならない、ということである。①は「公表された著作物」であるから、手紙などは書いた人に了解を得なければ引用することはできないということでもある。また、②の「公正な慣行」とは、「原文のままに」、「引用文だとわかるように」、「出典を明示する」ということである。つまり、他人の文章を勝手に持ってきて、自分の文章の中にそのまま紛れ込ませることは「引用」ではなく、剽窃という。③の「正当な範囲内」というのは、自分の文章が主で、「引用文」は従であるという関係であることを意味する。引用文を並べただけのものや、必要以上の長文の引用は、「引用」とは言わずに「転載」であり、その場合は、著者の了解が必要であるということだ。

 おそらく、木村剛さんもこうした手続きを正確に行えば、当然混乱は起きなかったと思う。木村さんは元の「天漢日乗」のブログへのリンクを張ってあるからいいと考えたのかもしれないが、これは、「引用」ではなく「転載」であり、かなり「改変」された「転載」である。おそらく、その旨、原著者に当たれば、著者は何らかの返答をするはずだ。そうすれば、多分、「抜粋をお読みください」等ということはなかったと思う。

 これらは、木村さんだけでなく、現在のブログ全体において問題になっているように思う。ある意味では、著作権の問題以前のことかもしれない。他人の文章に対する読者としての姿勢の問題かもしれない。ブログには、「コメント」や「トラックバック」の機能があるのだから、それをフルに活用すると同時に、リンクを使い、必要最低限の「引用」をするように心がければ、かなりの混乱は防止できるように思う。
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