長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『LAMB ラム』

2022-10-07 | 映画レビュー(ら)

 アイスランドの山奥、牧羊を営む夫婦はある日、羊の奇妙な出産に遭遇する。上半身が羊、下半身が人間のそれは夫婦の亡き子供に因んでアダと名付けられ、我が子同然に育てられるのだが…。昨年、Netflixからリリースされた同じくアイスランド産のホラー『カトラ』も話がそっくりで、彼の地にも死んだ者が別の“何か”になって還ってくるという怪談があるのだろうか。人里離れたアイスランドのランドスケープはまさにこの世の最果てを思わせ、人知の及ばぬこの地で夫婦は何かによって試されるのである。半獣半人のそれはさながら悪魔の化身であり、我が子を失った夫婦は哀しみのあまり彼岸を渡ってしまっていたのか。かつてエイリアンまで身に宿したノオミ・ラパスが主演なだけに、クライマックスはこのままでは終わらないという気配も感じたのだが。


『LAMB ラム』21・アイスランド、スウェーデン、ポーランド
監督 バルディミール・ヨハンソン
出演 ノオミ・ラパス、ヒナミル・スナイル・グブズナソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン

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