重量は60キロ以上ある。運び込むのもキツかった。
開梱
底面はこうなっている。
作業部屋の床は厚さ30mmのパイン無垢材。キャスターのままだとボコボコになりそうだったので板を貼り付けることにした。底面にはリブが入っているのでこれをかわせる板を作らなければならない。
4つある工具箱のうちとりあえず2つの中身を移すことにした。
出し入れしやすい状態で工具を全部入れようとしたらもうキャビネットがもう1台要りそう。なので使いそうなものに絞り込んだ。特にレンチ類は綺麗に並べたいのでKTC のレンチラックTEH1SMを 3セット敷きつめることにした。
まずは標準のチャックを外さないといけない。
バール等でこじても良いがチャックを外すための専用工具もある。JT6で使えるものはGLOBEよりチャックドリフトという製品が販売されているが結構なお値段。ドリルドリフトも鉄板を切ったもの使っていたくらいだからこれも作ってしまえ(なるべく簡単に)ということで精度を無視して鉄板を目測でポンスで打ち抜いてサンダーで軽く削ったものを作った。
5分の穴を連続で開けてちょい修正したもの。
両側からはさんで金槌で軽く叩く。
軽い力で簡単に外れた。
交換するのはTRUSCOのKL-130N。ドリル径0.5mm〜13mmまで対応する。当初ユキワのLC13のゴールをを買おうとしていたがこれはOEM品だろうか?シルバーと同じに見えたのでコスパの良いこちらにした。標準のチャックと比べるとかなり大きい。
かるく清掃してKL-130Nを装着する。
ピンポンチを入れて押さえつける。
これで交換完了。キーレスのチャックを回す時のヌルっとした感触に剛性と精度の高さを感じる。
注文中の経緯台がまだ届かないのでいつものZERO経緯台を使用する。
三脚はManfrotto475Bでハイランダーに合わせてカサイの140mmハーフピラーを装着して高さを上げてある。もしかしたら低高度の対象では使いにくいかもしれない。
重量はそれなりにあるが持ちやすいので設置も緊張しなくて良い。
双眼望遠鏡ではどう見えるのだろうか?ハイランダーとの差は?通常の単眼との違いは?高倍率は可能か?100度の広視野は使い物になるか?
疑問や期待はたくさんあるが順番にやっていこう。
とりあえず今夜は最小倍率と最大倍率の両方を試してみる。
使用するアイピースはこれ。
まずはNikon NAV-17HWから。
土星に向けてピント合を合わせる。片目づつ個別に調整する。目幅はちょうど良さそうだったのでこのままとし、次にミラーを調整して視軸を合わせる。
先に経緯台を操作して左側望遠鏡で対象を中央に導入し、次に右側はミラー調整ネジで左右方向と上下方向を調整して対象がほぼ中央にくるように粗調整する。次に両目で見ながら像が一致するよう微調整する。FC-100DZとNAV-17HWでは47.1倍になる。この倍率での調整はとても容易だ。
左右の像が一致すると102度の視界にぽっかり浮いている土星が見える。土星は何度も見てるしハイランダーでも見ているが102度の双眼だとなんと言うかすごい臨場感がある。くっきり見えた瞬間にはっとした。そこに土星が浮いている。知識としては当たり前のことと理解していても体感すると何もない空間にぽっかり巨大な物体が浮かんでいてどこにも落ちていかない不思議さを強く感じる。土星に感動していたが機材に目を向けると意外に目の位置にシビアでないというか位置を合わせていることが難しくないことに気付いた。単眼で見ていたときには大丈夫かと心配していたが杞憂だった。
次に木星へ向ける。とても明るいが模様はちゃんと見える。ガリレオ衛星がとてもシャープだ。木星も土星同様に臨場感が凄い。
次に月へ向ける。明るくて目が痛い。
南しか見えないベランダでは時間帯が良くないことと雲が多いので恒星は見ていないがガリレオ衛星の様子からしてきっとシャープだろう。
NAV-17HWは双眼での使用はさほど苦でないことと、両目で見る102度の視界は臨場感が素晴らしいことを体感できた。
NAV-17HWと比べても大きさ的にあまり差がない。XW3.5は結構大きいのであった。FC-100DZに装着すると倍率は228.6倍になる。
まずは木星へ向ける。片側ずつピントを合わせていくのだがZERO経緯台だとさすがに揺れるのでシビアな調整は難しくて勘を頼りに合わせる。次に視軸合わせだがアイピースを変えるとかなりズレているのでNAV-17HWと同様に調整する。が目幅が少々合っていないようなのでビノテクノのクレードルの調整ネジで合わせ直す。そして再度視軸調整を行う。
どうもNAV-17HWよりも目の位置にシビアなようで見る際の姿勢維持も結構難しい。しかし一旦視野に木星を捉えると片目で見た時はピントはイマイチのような気がしたが両目では細かい模様がとても良く認識できる。TOA-130で一瞬よく見えたという状態が双眼ではずっと見えっぱなしのような感じだ。見えている範囲内で模様を認識するのがとにかく楽。
全体の雰囲気としては木星の上にガリレオがぽっこりタンコブのようにくっついている位置関係のためか木星がとても立体的に感じられる。
高倍率も実用になるかどうか気になっていたがこれならOKだ。TOE3.3mm、賞月観星XWA3.5などにするか5mmまで上げてNAV-5SWにするかなど高倍率のアイピース選びはずいぶん検討したが結果的に高倍率と見やすさのバランスを期待してアイレリーフに余裕のあるXW3.5を選んだ。しかし単眼の時よりも思った以上に目の位置にシビアだ。
雲が切れて土星の位置が確認できたので土星へ向ける。
土星が2重に見える。どうやら先程目幅調整したので視軸が合っていなかったようだ。合わせ直して土星を見るとウニウニしてあまりシャープではないし何だか暗い。今年の位置ではこんなものか。カッシーニの空隙も左右の端にわずかにそれらしきものが見える程度で少々残念だ。もう少し高度の高い季節に見るべきだったがもう遅い。ただ、単眼で見るよりはるかにじっくり見ることができる。
期待を超えなかったことが残念というちょっと贅沢な感想だ。
この状態で再度月へ向ける。すると先程より更にはっきり見やすくなった。クレーターの凸凹や影をじっくり凝視しても疲れない。これは良い。
こうなると経緯台が手動のZERO経緯台では対象がすぐ視野からハズレてしまうのが残念だ。
次にアルデバランへ向ける。若干薄雲もかかっておりこれくらい明るい星でないと肉眼で見つけ難い程度の空の状態だ。気になっていたのは2重星の見え方だ。しかし今夜は無理なので恒星がどう見えるかだけ試してみた。
双眼228.6倍で見るアルデバランは単眼よりもたくさんのジフラクションリングに囲まれているように見えた。表現が難しいが多重というよりも一周していない細切れのリングが上下左右に複数に見えたり明るいのが1周くるっとつながったりと刻々と変化して賑やかだ。中心のエアリーディスクはぽっこりと雪見だいふくのような丸い立体的な小さな光点に見えた。左右差が激しくてまともに見えないのでは?と危惧していたが結構いけそうな感じだ。これでシリウスBを見てみたい。
次は散開星団を見てみたい。自分の経験では最高に綺麗に見えるアイピースはNAV-12.5HW。主観そのものなので説明が難しいがとにかく没入できる。M41やトレミーが単眼でも何故か立体的に感じられる。これを双眼に使ったらどんな見え方するのかとても楽しみだ。明日も晴れて欲しい。
これまで使っていた卓上ボール盤は高儀のEARTH MAN DP-200。穴あけ能力的にはさほど問題もなく小柄なことと台車を付けていたこともあり納戸から部屋や廊下への移動も容易であり割と役に立っていた。
しかし動作時はガラガラとノイジーな音を発して不快なことと、テーブルに昇降ハンドルがないこと、各部の操作に滑らかさや剛性感が無いことと、細い錐ではエキセントリックシャフトが入っているのでは?と思うような若干芯ブレの影響を感じるなどといった不満点もあった。身内の工場でちょくちょく日立やKIRAのボール盤を使っていたこともあり本物とオモチャの差を感じていたところで家のリフォームを機に1部屋作業部屋を設けることとなり前から思っていたボール盤の入れ替えをすることにした。
いざ新しいボール盤を探し始めると殆ど中国製のよくわからない製品ばかりな状況になっていることがわかった。
日本メーカーだと以前から注目していた日立や東芝のちょうどよいサイズのボール盤はもう売っておらず、京セラとマキタくらいだ。それでも生産は中国なのでもうどこの製品を買っても大差なしの状況だ。
Made in Japanを探しても日立のB13はもう販売しておらず、KIRAや遠州はどう見ても家庭用ではない。
そこで昇降ハンドルが着いていることは必須として大きさや使い勝手に保守性など、それぞれの面で気になる製品をいくつか選んで検討してみた。
・京セラ TB-2131
・stax tools 303 UNCLE SAM
・SK11 ラジアルボール盤 SDP-600RD
・イリイ TR-307ED
これならOKと思える機種は無い。結局決め手になったのは現実的なサイズと保守性。問題があった際に営業所へ持っていけるとか部品を入手しやすそうという目線から京セラ TB-2131を購入した。ネットのレビューを見るとコスパは悪く、性能のバラつきも目立ち、京セラが中国からベトナムへ電動工具生産をシフトするタイミングで廃盤の不安もあるしテーブルは回転式の丸型ではないがまぁいいだろう。
まだ部屋の中には何もない。数日間はボール盤だけデーンと置いていた。
てっきり組み立てが必要かと思っていたらほぼ完成状態。
重量も34キロあり発泡スチロールの梱包材にガッチリハマっていてなかなか取り出せない。無理やり引っ張っても発泡スチロールが曲がりながらいっしょに着いてくる。予想外にてこずりながら取り出した。
まずは芯ブレチェック。
予想外に精度が良かった。
道具箱からすぐ取り出せた面取りカッターを装着して振れ幅を測定したところ、5/100mmと予想外に良いのでチャックを交換するのが逆にリスクに感じる。しかしチャックハンドルはたくさん持っててよく間違えるのでキーレスを使いたいから交換必須。ユキワのゴールドの方買わないともったいないかな。
一方で直角精度などは未チェックだがこちらはあまり気にしていない。自分のバイスの咥え方の方がはるかに問題なのでだいたい合っていれば良い。これ以外に気付いたことには全体的な作りの雑さがある。鋳型から出してそのままのようなベースやテーブルにネジ穴のミゾもガタガタのままな手抜き感。テーブルの表面の平面加工の表面粗さとかいう以前にレコード盤みたいだ。しかし作動音は回転時と停止時はガサガサするが回っている最中は滑らかな音質でかなり静なので気に入った。(DP-200比)
購入前はこの機器選定に少々不安があったがこの芯ブレ精度と音もあって総じて買ってよかったという気分にはなれた。