(これは2018年の記事です)
女性が主人公の映画が続いたので、今日は男の子が主人公の映画を紹介します。
「ウォルター少年と、夏の休日」
(ティム・マッキャンリーズ監督 2003年公開)
主人公のウォルター少年を演じているのは、「シックスセンス」で有名なハーレイ・ジョエル・オスメント君。あの頃から見るとかなり成長していますが、まだまだ少年です。
物語は、ウォルター少年と夏の間彼をあずかる大叔父二人、この三人でほぼ進みます。男三人の物語。
ウォルター少年は、シングルマザーの母に連れられて大叔父である老兄弟の家を訪ねます。
この老兄弟(ハブとガース)に扮するのが、名優、ロバート・デュバル&マイケル・ケイン。
彼らはギャングのアル・カポネから奪った大金を家の中に隠しているのよ、と母は言います。
どうせ人から奪った金なんだから、こっちが奪っても罪にはならないわ。
だから お金のありかを探るのよ、ウォルター。
母はそうウォルターに言いつけ、仕事のための勉強をするからといって、彼を置き去りにします。
実は、母はラスベガスに行っていたことが後にわかるのですが、この困った母親を持つウォルター少年はまっとうで賢い。
老兄弟は少年に若い頃の冒険譚を語るのですが、それが事実なのかファンタジーなのか、よくわからない。
ここら辺は「ビッグ・フィッシュ」にちょっと似てます。若い頃の冒険譚で、三つの部分に分けて話されます。
ハブは恋人のジャスミンをどうやって見つけたか・・
ハブは彼女とどうやって一緒になったか・・
なぜ、今、ジャスミンはいないのか・・
ここにアラブの王様やアフリカの話やライオンなんかもからんできて、一大冒険譚になり、しかも、彼らの財産を狙う別の親戚も現れて・・
のんびりした夏休みの思い出かと思いきや、ウォルター少年の過酷な現実も語られ、こういう母親を持つ子どもは大変だろうなあ、そして意外と多いんだろうなあと想像できます。
老兄弟がとてもいい。
彼らは実際アラブで戦ってきた人たちで、腕力も凄いし、やたらと銃も使う。彼らの家を訪れた人たちに向かって、ところかまわず銃をぶっ放すシーンには驚かされますが、まあ、実際のところ、荒野で生きているとこうなんだろうなあ、そして、アメリカは今もなお、こうした荒野が広がっていて、人々は銃を必要としているのだろうなあ、という想像もつきます。
やはり風土が日本とはまるで違うので、銃規制の問題も一筋縄ではいかないわけです。
「女神の見えざる手」は銃規制の法整備についての映画でしたが、今回は、やたら銃をぶっ放す年老いた荒くれ兄弟の話、というわけ。
ハブが少年にスピーチをするシーンがあります。ハブは言います。
「人には、真実かどうかは別として、信じるべきことがある。人は生来善なるものだ。自らの誉れ、勇気、高潔さこそが全て。権力と金は全く意味がない。善は必ず悪に勝つ。そして、愛は、真実の愛は永遠に滅びることはない・・」
このじいさんたち、カッコいいんだよねえ。
そして、最後はスカッとします。
お勧めです。