(これは2018年7月9日の記事です)
たまたまGYAOで見た映画「素敵な人生のはじめ方」がけっこうよかったので紹介します。
これ、日本では未公開作品だそうですが、モーガン・フリーマン主演制作総指揮の作品です。
タイトルがイマイチで、似たようなタイトルが山ほどあって見分けがつかないのが難点です。
見よ、このタイトル群!
•『最後の恋のはじめ方』
•『新しい人生のはじめ方』
•『わすれた恋のはじめ方』
•『ファースト・タイム ~素敵な恋の始め方』
•『最高の人生のつくり方』
•『ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた』
•『恋するレシピ ~理想のオトコの作り方』
•『恋とニュースの作り方』
そして「素敵な人生のはじめ方」と来たら、見分けつく?
(原題は"10 Items or Less" 2006年公開)
でも、この映画は他の「作り方」「始め方」映画とはちょっと違う。
最後まで「愛してるよ」「愛してるわ」が出てこない珍しい映画です。だからね、安心して見られる。
ストーリーはシンプル。
モーガン・フリーマン演じるところの役者(一時は売れたものの最近は仕事がまわってこない初老の役者)がインディペンデントの映画の役作りのために、地方のスーパーマーケットを訪れるところから始まります。
このスーパー、客も従業員もヒスパニック系の移民たちで英語が通じない。
スーパーばかりでなく、他のシーンでも英語がしゃべれない移民ばかりが登場する、なんというか、これもまた、アメリカ的な映画です。
レジ係をしているスカーレット(英語しゃべれる)にモーガン・フリーマンが話しかけます。君の仕事ぶりは見事だと。
彼を迎えに来るはずの車がいくら待っても来ないので、彼は途方に暮れ、彼女が彼を自宅まで送ることになります。
その途中、スカーレットは建設会社の秘書の面接を受けるというので、モーガン・フリーマンがいろいろ伝授する(新しいブラウスを買って着替えて化粧をする等々)とまあ、それが全てです。
すべてはモーガン・フリーマンにかかっている映画といってもいい。登場人物もほぼこの二人。それでも、一本のロードムービーに仕上がっていて、けっこう最後まで見飽きない。
何ということないのだけど、最後に、いいなあ、と思わせてくれる映画です。こういう映画、好きだなあ。
車の中で、モーガン・フリーマンがスカーレットに言います。
人生の中で好きなものを10個あげてごらん。
でも、彼女は好きなものを7つまでしかあげられない。それに対して、彼は11個あげます。
彼女はスーパーで、10品目以下の買い物客専用のレジ担当なので、11個はダメよといい、彼は、でも全部好きなんだもの、という。君も残りの3個をあげてごらん。
そして、ついに彼女も残りの3個をあげます。
秘書面接の合否はわかりません。でも、彼女はもう二度とスーパーのレジ係には戻らないと彼にいい、彼もまた役者として復帰する決意をします。
そんな映画。
なんかね、拾いもん! という感じです。
あなたなら、好きなこと10個、何をあげますか?