
(これは2018年1月9日の記事です)
先日の「ダンケルク」に続いて「ハクソー・リッジ」を見ました。戦争映画です。しかも沖縄戦。しかも実話に基づく話。
戦闘シーンの迫力はすさまじく、「ダンケルク」とはくらべものにならない現実感を帯びています。
戦争というのはかくも激しくすさまじく人を殺しあうことなのかと実感できます。実際にアメリカ兵の中には発狂する人たちもいたとか。無事生きて帰ったとしても廃人同様になった人も多いだろうと想像がつきます。
主人公のデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は良心的兵役拒否者ですが、どうしても戦争に参加したくなり入隊しますが、銃を持つことを拒否します。
兵士が銃を持たないということは、ありえない。そのため軍法会議にかけられ危うく囚人として刑務所に収監されそうになり、すんでのところで衛生兵として参戦を許可されます。
デズモンドがなぜ銃を拒否したかは映画の前半で丁寧に描かれます。
全部で2時間19分という長い映画ですが前半の一時間は彼の生い立ちから家族関係を丁寧に描いています。
デズモンドはいいます。聖書に「汝殺すなかれ」と書いてあるじゃないかと。
そして、実際に、彼は人を殺すことなく、戦場で傷ついた大勢の兵士たち(日本兵も含め75名の兵士たち)を助けます。デズモンドは決して臆病者などではなく、本当の英雄であり、これこそ愛国者ではないかと映画は訴えるのですが、
愛国心て何だろうか?
これ、メル・ギブソン監督作品です。あの「ブレイブ・ハート」「パトリオット」のメル・ギブソン。彼が描くのはここでも「愛国心」であり、信仰に厚いキリスト教徒です。
一方で、この映画は沖縄戦であるにも関わらず、沖縄のことは一切触れられません。沖縄のどこで、どんな状況下で戦闘が行われたのか。地元の人たちに犠牲者は出なかったのか。そうしたことは一切語られません。
日本人である私には、そこが今ひとつ納得できない。
沖縄戦を日本の側から見たとき、そこには多大な犠牲が見えてきます。
これはハクソー・リッジの戦いがあった浦添市のHPです。映画について書かれているので、ぜひ開いてみてください。
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017050200104/
ハリウッド映画を楽しみながら見ている分にはいいのですが、ひとたびそれが日本人、あるいは私たち自身に関わる問題に触れたとき、そこには必ず違和感が見えてきます。
これはアメリカ人が作ったアメリカ人のための映画なのだと、しっかり肝に銘じて鑑賞する必要があるでしょう。こういう映画を見るたびにそう思います。
戦争映画として、実にすさまじく、おぞましいまでに戦場の現実が描かれているという点で、秀逸な映画だと思います。
こんな場所にいたら、発狂するよね普通、と思った。
人間て、何してるんだろ。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます