Netflix配信の新しい映画
「この茫漠たる荒野で」(原題 News of the World)
がすごくよかったので紹介したいと思います。
これは、ポーレット・ジルズの同名小説の映画化。Netflixオリジナル。
主演はトム・ハンクス。舞台は南北戦争5年後の1870年、アメリカ南部。
南北戦争で戦った退役軍人ジェファソン・K・キッド大尉(トム・ハンクス)はテキサスの町々を渡り歩きながら、新聞を読む時間のない入植者たちを集めて、アメリカ各地の最新ニュースを読み聞かせて生計を立てています。
ある日、旅の途中で、横転した馬車とその傍に殺された黒人、そして茂みの奥に一人の女の子を発見します。
この10歳くらいの女の子は目が青く白人のようですが、インディアンの衣服を着てインディアンの言葉しかしゃべりません。彼女が携行している書類には、ジョハンナという名前が記されていたので、ジョハンナと呼んでみたけれど応答はない。
通りかかった巡回中の軍人から「軍の検問所が近くにあるので、彼女をそこまで連れて行ってほしい。職員がその子を親族に引き渡す手はずを整えてくれるはずだから。」と言われ、キッド大尉はジョハンナを検問所まで連れて行くが、インディアン担当官が戻るまで三か月待たないといけないという。
結局、ジョハンナの唯一の身寄りがいるという640キロも離れたカストロヴィルまで、キッド大尉がジョハンナを連れていくことになります。これはその道中の話。
道中、ジョハンナを狙う荒くれ者3人に追われて銃撃戦になったり、砂嵐に襲われたりと困難の連続の中で、キッド大尉とジョハンナは言葉は通じないながらも心を通わせていきます。
これ、「マンダロリアン」の実写版といえばいいか、よく似ています。
というか、南北戦争直後のアメリカ南部ってこういう荒くれ者たちがいっぱいいたのね、それが「スター・ウォーズ」の世界でもあるのね、とすごく納得できた気がします。
つまり、「スター・ウォーズ」のオリジナル版を見た感じかな。
「スター・ウォーズ」にはいろんな要素がありますが、中でも西部劇というのは大きな要素です。その西部劇の実写版を見せてくれた感じ。
人々は貧しく重労働にあけくれ、欲望に支配されて心がすさみ、弱者をこれでもかと傷めつける世界です。
移民たちがアメリカに入植し、奴隷売買が行われ、インディアンとの戦いで残虐な殺戮が繰り返されていた時代。わずか150年ほど前の話です。
そんな中からよくぞ、民主主義、人種差別撤廃、人権を標榜するアメリカ(未完成だけど)が生まれたものだと感心します。
アメリカってすごい国なのね、と改めて思いました。
アメリカの人々が「スター・ウォーズ」に熱狂するのも、こうした歴史的背景があるからこそなのでしょう。
「マンダロリアン」も同様の意味で興味深いストーリーです。
この映画は、非常によくできており、おそらく来年アカデミー賞を取るのではないかと思われます。
これ以上書くとネタバレになるので控えますが、
未見の方はぜひ観てみてください。
最後はもう涙なくしては見られません。今年初の感動超大作といっていいと思います。
超お勧め必見の映画です。
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