去年、二宮忠八について書いて以来飛行機の歴史に興味が湧き、いろいろ調べてみたのですが、二宮忠八の伝記については、
「虹の翼」吉村昭著(文春文庫)
に詳しく書かれていますので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
力作です!
吉村昭はすごい作家だと思いました。
500ページ以上ある長編ですが、冒頭から引き込まれて最後まで一気読み必至です。すごく面白い!
一方、アメリア・イヤハートをモデルにしたという小説、
「翼をください」原田マハ著
も読んでみましたが、駄作です。時間の無駄。読むんじゃなかった。
ただし、この本で太平洋戦争勃発前夜に日本が国産の飛行機で世界一周を果たしていたという事実を知りました。
「ニッポン」という名の飛行機で。
「翼をください」は、太平洋上で行方不明になったアメリア・イヤハート(エイミー・イーグルウィングという名前で登場)が実は生きていて「ニッポン」に同乗し「ニッポン」の世界一周を助けた、
という設定のフィクションです。
日本人のカメラマンも登場し、アメリアとの恋愛沙汰にもっていこうとする小説で実に下らない。
こんな三流小説を書く暇があるなら、歴史的事実を掘り下げてなぜノンフィクションとして書かない?
事実は小説より奇なり。
ヘタな三流小説より事実のほうが圧倒的に面白いのに。
ただ、「ニッポン」が太平洋戦争前夜に世界一周をしたという事実は、歴史の闇に埋もれているので、ぜひ誰か発掘して(ノンフィクションとして)書いてほしいと思います。
一方、吉村昭の「虹の翼」は歴史的事実を詳細に調べあげた上で執筆されたもので、原田マハの小説とは比べ物にならない重みと厚みと面白さがあります。
当時の日本の政情や世界の様子などについても詳細に描かれているので、二宮忠八および飛行機の歴史を知りたかったら必須の本です。
原田マハの小説は二度と読まない。一冊読めば他の小説は推して知るべしなので。
飛行機関連では、他にも面白そうな本がいっぱいあるので順次読んでいきたいと思っています。
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