ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

2019-12-05 13:07:13 | 映画

 

昔、子連れでパリに6週間滞在したことがあり、ある日、マクドナルドに行ったんですね。とりあえず英語が通じるレストランといったらマクドナルドくらいしかなかったので。

ところが、カウンターでいきなり「マンジュー、マンジュー」とまくしたてられて呆然。
そこで私は考えた。日本のマクドナルドで最初に聞かれるのは「店内ですか、それともお持ち帰りですか?」おそらくここでも同じだろう。だとすると、「マンジュー」は「食べる」じゃないか。ここで食べますか、と聞かれたのではないかととっさに判断し「ウイ、マンジュー」と答えたのでした。
我ながら冴えてるなあと思った瞬間でした。

その「マンジュー」が今回の映画「ジュマンジ」なのではないかと後に気付いたのですが、ネットで調べるとちょっと違うみたい。

フランス語の「私は食べる」は「je mange」なので綴りも違う。でも響きは似てる。つまり、「おまえを食べてやるぞ」という意味、なんじゃないかしら。

で、今回見たのがその「ジュマンジ」の続編。

「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」(ジェイク・カスダン監督 2018年)

今、Netflixで配信されています。

お子様向けだと侮るなかれ。こういうエンターテイメント映画は本当に面白く作ってあります。楽しむための映画なので、難しいことは考えなくていい。ただひたすら子どもたちの冒険につきあい、最後はめでたしめでたしとなる予定調和の世界なので安心して見られます。

最初の「ジュマンジ」も好きな作品で3回は見てます。ロビン・ウィリアムズが出ているのだもの。

ロビン・ウィリアムズはボードゲーム「ジュマンジ」の世界に捕われてしまい、出られなくなっています。そこへ主人公の子どもたちがやはり「ジュマンジ」の虜となって入り込んでくるというストーリー。

今回も「ジュマンジ」の世界に取り込まれ、出られなくなったアレックスという少年が登場します。

この映画、面白いのでネタバレは避けたいと思いますが、基本的なストーリーは最初の「ジュマンジ」と同じ。今回はボードゲームからPCゲームに変わったのだけど、この変幻自在ぶり、一体誰が造ったゲームなんだ?

少年たちがゲームの世界に捕われてゲームをクリアしないと外に出られない、しかもゲーム内で死んだら現実でも死ぬかもしれないという恐ろしいゲームです。その過酷なゲームを通して少年たちが成長していくというお話。

こういうタイプのエンターテイメント映画けっこう好きです。
「ナイト・ミュージアム」とかね。もう理屈抜きで面白い。

なんていうと子どもっぽいと思われがちなのですが、そう、かなり子どもっぽいのですね、私。

「大人は、だれも、はじめは子どもだった」
とサン・テグジュペリが「星の王子さま」で言ってますね。

その通り。そして、歳を取るにつれて子どもにかえっていく、というのも真実のような気がします。

過酷な現実に疲労困憊している人、たまには子どもっぽい世界で遊ぶのもいいかもしれませんよ。

 

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黙秘

2019-12-02 10:32:56 | 映画

今回、amazonプライムの週末100円セールでレンタルしたのが、

「黙秘」(テイラー・ハックフォード監督 1995年)

これずいぶん前に気に入って何度も見たけど(ブログにも書いた気がする)久しぶりにまた見てみました。

主人公のドロレスを演じているのがキャシー・ベイツ、ドロレスを執拗に追う警部がクリストファー・プラマーという豪華キャスト。

原作がスティーヴン・キングの「ドロレス・クレイボーン」で、キング作品の中で私のお気に入りの一つです。これと「ローズ・マダー」が私の中ではキングの双璧。

キングといえば「It」が有名だけど「It」はなにしろ長いのよ。しかも登場人物が多くて覚えきれない。いちいちメモ取りながら読んだ記憶があります。これも原作のほうが圧倒的に面白い。

「ドロレス・クレイボーン」は「シャイニング」や「キャリー」といったホラー路線からは外れるけど、「スタンドバイミー」や「アトランティスの心」ほど感傷的な路線でもない。

キング作品の中でこの「ドロレス・クレイボーン」と「ローズ・マダー」はメジャーではないけど、女性目線で描かれた貴重な作品です。なにしろ取り上げているテーマがDVやレイプといった女性に関わるもので、当時はよくぞ取り上げてくれたという感じでした。

キングならではのホラーテイスト、暴力シーン、悪態の数々はあるけど、キング読むからにはそれはご愛敬ね。

というわけで原作「ドロレス・クレイボーン」は超お勧めですが、それを見事に映画化したのがこの「黙秘」というわけ。

今回改めて見なおして、これって正統派のミステリーだよね、と思った。
冒頭から視聴者を欺く伏線の数々、ミスリードするストーリー展開、そして最後に明かされる驚愕の真実・・ときたらもうアガサ・クリスティ顔負けでしょ。

この映画を最初に観たのは離婚後まもない頃だったので、つい自分の身の上に引き付けて見てしまったのだけど、冷静に見てもすごい映画だなあと今回つくづく思いました。あまりメジャーじゃないのが残念。

ミステリーである以上、ネタバレは避けたいのですが、私が気に入っている台詞だけはここに書いてもいいかな。

主人公のドロレスは金持ちのヴェラの使用人となるのですが、このヴェラがとにかく意地悪。キング特有の悪態がそこらじゅうに出てきます。このヴェラとドロレスのやり取りが事件の鍵、そして重要なターニングポイントになるのだけど、

ヴェラの台詞。
「悲しいけど、この世は男の世界なのよ」
「毎日どこかで夫が死んでいる。あなたがそこで泣いている瞬間にもね。夫は死んで財産を妻に残す・・ドロレス、事故は不幸な女のいい友達よ・・」

そして事件は起きます。
現在と過去を行き来しながら語られるストーリーは、混乱なく私たちをドロレスの住む小さな島に連れていきます。
ドロレスの娘セリーナが事件解決に一役買うのだけど、このセリーナが実に痛々しい。
一人のクズ男がどれほど妻と娘の人生を狂わせどん底に突き落としたかということを、この映画は完膚なきまでに描き切っています。

アメリカのメイン州にある小さな島のどんよりとした風景が、物語の陰鬱さをより一層際立たせます。

幸いにしてDVやレイプ被害に合わずに来た人たち、また人生がそれほど過酷ではなかった人たちにも、共感を与える映画です。ミステリー好きにもお勧め。

 

コメント (2)
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