こんど、明治大学(駿河台キャンパス)で、「世界文学」をめぐるシンポジウムを行ないます。言語と文学をめぐる問題、ドイツのロシア作家、沖縄文学と世界文学、越境とディアスポラをめぐる問題などを論じます。詳細は、以下の通りです。予約不要、入場無料。当日、資料を配ります。
<文学と思想>をめぐる国際シンポジウム
世界文学を創造する——ディアスポラ、トランスエスニシティ、言語葛藤
(科研助成事業、後援:明大国際連携本部、明大大学院外国人有識者招聘事業)
12月13日(土)午後1時~5時
明治大学駿河台キャンパス リバティ・タワー 1086教室(8階)
基調講演 午後1時~2時10分
講師:クリスティーネ・イワノヴィッチ教授(ウィーン大学)「ディアスポラから出て:翻訳を通して世界文学を創造する」Out of the Diaspora: Creating the World Literature through Translation
シンポジウム 午後2時20分~5時
講師:合田正人教授(明治大学)「デリダと言語の不安」
講師:リディア・ミッシュクルニク、作家(ウィーン造形芸術大)「水道栓文学:分類化の挽歌」
講師:レオポルド・フェダーマイアー教授(広島大学)「ドイツのロシア作家」
講師(司会):越川芳明教授(明治大学)「目取真俊のウチナー口:沖縄文学と世界文学」
ディスカサント:土屋勝彦教授(名古屋市立大学)
(発表は、原則的に英語中心で、日本語を補助にしておこないます。フランス語やドイツ語もまじるかもしれませんが、その場合は、日本語の翻訳をつけます)
シンポジウムの趣旨
近代の国民国家の形成と共に育まれてきた「国民文学」の枠組みが崩れてきている。そのことは、国民国家を単位としない、より大きな経済的グローバリゼーションの流れと共に、複数言語のあいだを横断する越境作家・詩人の誕生と活躍を見れば明らかである。この国際シンポジウムでは、日本語圏、ドイツ語圏を含む、世界各地で誕生しつつある「世界文学」を取りあげ、それらにどのような共通の特徴が見られるのか、ディアスポラ(離散)、トランスエスニシティ、言語葛藤の観点から考察する。そうすることによって、狭隘なナショナリズムと結び易い「国民文学」の特異性ではなく、「世界文学」の普遍性を導きだす。