越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

連合駿台会懇話会

2011年01月26日 | シンポジウム・講義・講演
きょう、夕方、連合駿台会懇話会(リバティホール)で、講演をおこないました。

タイトルは、「メキシコの国境地帯を放浪する チカーノ文学の魂をさがして」

連合駿台会とは、大学の執行部(学長、理事長、学部長、理事)と明治出身の企業人からなる親睦会のようです。

僕など普段話したことのない偉い人ばかりでした。

このたび、その会で出している学術賞をいただけることになり、授賞式のまえに、記念講演を頼まれました。

専門家でない方々に、柔らかに、しかも実質のあることを喋るのにあたって、江戸落語のまくらを参考にしました。

娘の成人式の日の朝、自転車に乗っていて自動車にぶつけられ、救急車で運ばれました。白鵬に幕下力士が飛ばされた感じです。

患者としては、「初救急車」でした。

数日後に、友人の整形外科医に手術で鎖骨の骨折部分をくっつけてもらいました。

手術した夜は、痛みで眠れませんでした。点滴だけでおしっこはしたいし、ベッドから動けないし。。。

いまは、左肩に金属プレートが埋まっています。疲れると、すこし重たいような、痛みが走ります。

先生によれば、ベッカムもワールドカップのときに、骨折を早く治すために使ったという超音波器を毎日20分ずつ使っています。

業者の方は、松井秀喜も使いましたよ!と、4割早い回復を強調していました。

ベッカムや松井秀喜と同じプロ選手なみの機械で早く治して、

また元気にテニスをやりたいと思っている、きょうこの頃です。






「世界政府(その1)」第九回目

2011年01月26日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

麻薬取引における合衆国の関与の歴史

 歴史書が長年私たちに教えてきたことに反し、破滅的な麻薬取引だけが、犯罪階層の独占領域ではない。

 少なくとも、犯罪階層が、合衆国の歴史において、「東海岸のリベラル」として知られている最も重要な家族を指すかぎりにおいては。

 その家族のメンバーが、ビルダーバーグ倶楽部として知られる疑似政府を通して、少数の政治支配によって合衆国を仕切っている。

コソヴォとヘロイン
 
 1999年3月24日付けのロンドンの『タイムズ』紙に載った記事で、ロジャー・ボイヤーとエスク・ライトの二人のジャーナリストは断言している。 

 「アルバニア[バルカン半島南西部の共和国(コソヴォ人に金を渡すのに重要な役割を果たしている)は、ヨーロッパの麻薬取引の中心である・・・。
 
 アルバニアは、ヨーロッパの犯罪の都と化した。この国で最も有力なグループは、組織犯罪者であり、非合法のドラッグの大半を西ヨーロッパ向けに栽培し加工し貯蔵するために、アルバニアを使っている」


 私は明日もこの続きを書くことにする。
(2010年8月17日午後6時20分)







「世界政府(その1)」第八回目

2011年01月20日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

「口実をさがして ウィリアム・ウォーカー登場」

 ジョン・ラフランドは、「クーデターのテクニック」という記事の中で説明する。
 
 「米外交問題評議会のメンバーであり、エル・サルバドル(その政府は合衆国のサポートを受けていた)駐在の前米大使であるウィリアム・ウォーカーこそ、死の部隊を作ったのである」

 1985年、ウォーカーは中米担当の国務次官補で、ニカラグア政府の転覆をはかったレーガン政権のキーパーソンだった。

 オリヴァー・ノース中佐は、1986年11月25日に国家安全保障委員会のメンバーに任命され、86年11月25日に除名されたが、レーガン政権の高官として、イランへの武器売却の利益を用いたニカラグラの反政府組織(コントラ)への秘密援助にかかわった。

 公式記録によれば、ウォーカーはエル・サルバドルのイロパンゴの空軍基地での偽りの人道的作戦を立てた。

 それは、ニカラグラを攻撃しようとしているコントラの傭兵に武器やコカイン、弾薬、食糧を密かに提供するものだった。
 
 ウォーカーは、ニカラグラでコントラに武器を手渡していたのに、こんどは平和主義者に変身して、世界のマスコミに向かって、自分はセルビアの警察による「これ以上ないほどおぞましい虐殺」を見たのであり、セルビアの警察は非難されるべきだ、と大げさに述べた。

 セルビアは、そのときまで、北大西洋条約機構とビルダーバーグの挑発を巧みにかわしていたが、ついに屈服した。「大虐殺」と申し立てられた事件が介入の口実となった。

 1月30日に、北大西洋条約機構理事会は、爆撃を承認した。

 ビルダーバーグは事務総長ハビエル・ソラナに、「セルビアの代表とアルバニア民族の代表とをフランスでの「和平」交渉の座につかせ、コソヴォの「自治」の枠組みについて話し合うために、軍隊を使うこと」を命じた。

 8月4日付け『ワシントン・ポスト』紙の記事は、たった一つのことが政策の転換を促すことがある、と述べた合衆国国防省の上級士官の言葉を引いている。

 「私が思うに、もしあるレベルの耐え難い残虐行為にまで手が届くことになったら、それが起爆装置になるだろう」

 有益な歴史的な参照点として、セルビア人が最悪の民族浄化の犠牲者であったことを思い起こすべきだろう。

 1995年、合衆国による援護を受けた*『嵐(ストーム)作戦』[ボスニア・ヘルツェゴビナ軍と共に、クロアチア軍によって展開された]の最中、20万人以上のセルビア人がクロアチアのクラジナ地方で抹殺されたり、北大西洋条約機構による爆撃後、10万人以上のセルビア人が「コソヴォ解放軍」によってコソヴォで抹殺されたりした。
 
 言うまでもなく、新世界秩序におけ正義の機関である国際裁判所が、そうした残虐行為の張本人たちを裁判にかけることなど、一切ない。

 「彼らは知っていたに違いない。

 他に、どうして英国王室をわざわざ誘いだして、儲かるアヘン貿易以外に何の価値もないその地域で軍隊を維持させることなどあるだろうか。
 
 そんなに遠い国で軍人たちを維持するのは、高くついた。
 
 きっと女王陛下は、なぜ軍隊がそこにいるのか、と尋ねたに違いない」
 
 そう疑問を投げかけるのは、『三〇〇人委員会――陰謀者たちの権力構造』の著者、ジョン・コールマン博士だ。



「世界政府(その1)」第七回目

2011年01月19日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

第3章 どうして、そしてなぜビルダーバーグ倶楽部はコソヴォの戦争を作り上げたのか?

 こんどは、バルカン半島の番だ。

 マスター・プランは、カナダのトロント市から二十キロ離れた小さな豪華リゾート、キングシティで開かれたビルダーバーグ倶楽部の1996年の会合の最中に作られた。

 (中略)ビルダーバーグ倶楽部のメンバーによるコソヴォとバルカン半島での戦争には、具体的な目的があった。

 すなわち、ドラッグ、石油、鉱物資源、『世界(グローバル)政府』という大義の提示だ。
 
 旧ソ連の共産主義が崩壊してから、ユーゴスラビア連邦共和国が西側勢力圏に統合されることを拒むと、合衆国とドイツはユーゴスラビアの分離独立派を支持し始めた。

 オーストラリアの著名なジャーナリスト、ジョン・ピルガーは『ニュー・ステイツマン』誌に、こう書いている。

 「ミロシェヴィッチ[元ユーゴスラビア大統領]は、無責任な男だった。

 彼は銀行家でもあり、国際通貨基金や世界銀行や欧州連合の要求に沿って「経済改革」を実行しようとしていたので、西側の同盟者と見なされていた。

 不幸なことに、彼は主権を譲渡することを拒んだ。アメリカ帝国もそれぐらいは予想していた」
 
 中東やバルカン事情に詳しいジャーナリスト、ニール・クラークの書いた記事によれば、「そのとき、ユーゴスラビアの70万以上の会社が公有のままであり、その大半はいまだに所長と労働者との共同委員会によって運営されていて、私企業の資本は五パーセントにすぎなかった」

 サラ・フランダース[「国際行動センター」の共同議長]は、国際的な平和運動を行なう「労働者世界党」に所属している活動家でありジャーナリストだが、このように書いている。

 「国際通貨基金と世界銀行の貸与条件によれば、すべての公的企業の解体が必須だった。

 コーカサスとカスピ海の石油や天然ガスがそれにあたり、シベリアのダイアモンド鉱山も同様だった。

 そこで支配的な権益を獲得することは、コソヴォで始まったばかりの武闘闘争で勝利することを意味する。

 この土地を北大西洋条約機構が統治することで、合衆国の企業はそこの自然資源を所有する上で優位な位置に立つことになるだろう』
 
 当初、ビルダーバーグのメンバーは、セルビア人が匿(かくま)っている戦争犯罪人を追いかけ、新しい国際裁判所で裁判にかけることで、セルビア人の「怒りに火を」つけようとした。

 一方、セルビア人は誇り高く百戦錬磨で、最下級の容疑者を説得して自首させ、こうした挑発には乗らなかった。

 しかし、それだけでは十分でなかった。

 合衆国に牛耳られているハーグの国際裁判所は、セルビア人を激怒させ、戦争を誘発するために非合法的な誘拐という手に出た。
 
 これによって、同様に、なぜリチャード・ホルブルック(1999年から2001年まで米国の国連大使を勤め、ビルダーバーグと米外交問題評議会のメンバーで、六度ノーベル平和賞の候補に挙がった)が、コソヴォをめぐる最終協定にある条項をさし挟んだか、説明がつくだろう。

 コソヴォはボスニアとどんな関係があるのか? 

 何もない。

 だが、ホルブルックの考えは、ビルダーバーグ倶楽部によるバルカン半島への領土拡大を見据えて、ボスニアを実験場とすることだった。



「世界政府(その1)」第六回目

2011年01月18日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

 アン・カプランはこう言う。

「MTVは、心理操作の方法論をめぐって絶えず増大する知識により構想された」

 テレビの平均視聴時間は、テレビが出現して以来、絶えず上昇した。

 1970年代半ばまでには、それが毎日の行事になり、睡眠と労働をのぞくほとんどすべての時間、一日につきほぼ6時間が費やされるようになった。

 それ以来、ビデオデッキの出現と共に、視聴時間はうなぎ昇りである。就学児童がテレビの視聴に費やしている時間は、睡眠時間とほぼ同じである。

 エメリーはこう述べる。

 「フロイト心理学の洗脳用語によれば、ミュージック・ビデオの視聴者は睡眠状態に似た誘発された状態に置かれているという。

 視聴者は、みずからの目を圧倒する鮮やかな色彩やイメージの繰り返しに助けられて、あるいは誘導されてそうした状態に置かれる。

 一方、ロックンロールの脈打つ激しいリズムが耳に対して似たような効果をもたらす」

 私たちはテレビの時代に生きているだけでなく、テレビによって条件付けられる時代に生きている。

 しかも、テレビが神のごとく偏在する環境では当たり前のことであるように、それはどこにも向けようのない、あるいは一度にそこら中に向けられる不平不満やフラストレーションの蓄積した時代である。

 邪悪な集団ビルダーバーグのロビイストによる密かな感性と意識の領域、規律化された習慣の知的操作は、自ら以外にはなんら説明責任がなく、際限ない世界政府を導入するために徹底的に操作された最新のキャンペーンである。

 (中略)主たるヒット曲は、誰に対しても応じる必要のない、絶対的な権力を求める一握りの人たちの原理主義的な熱狂のために、混乱した国民に意図的に売られる。

 ビルダーバーグ+外交問題評議会+タヴィストック研究所や、それらに属して新たなローマ帝国を建国しようと決心した科学者や心理学者、社会学者、ニューサイエンス(ニューエイジ、神秘主義など)の学者、文化人類学者、ファシストからなるチームの操作装置や洗脳によって、現代人は名誉を汚され、屈辱を与えられ、軽蔑されて・・・。

 まず、エドワード・バーネイズとウォルター・リップマンが始めた。

 それから、ギャラップ[世論調査会社]とヤンケロヴィッチ研究所[1958年より消費者の動向を調査]が登場する。

 さらに、 [ジョン・ローリングズ・]リーズ[タヴィストックの重要人物]とアドルノ、オルダス・ハックスリーとH・G・ウェルズ、[フレデリック・エドマンド・]エメリー[オーストラリアの心理学者。タヴィストックに所属]と[エリック・]トリスト[タヴィストックの創設者の一人]がつづき、ドラッグ文化と「水瓶座の陰謀」が後を追いかけ、本物の自由の代わりにひと欠らの自由をまぶした、古い文化のための一見「人道主義的な」理想が掲げられた。

 それは、人々をただの農場動物に変え、人間意識のオリジナリティを否定することで人々を堕落させる知的な方法である。人々がわざわざ解説する必要もなく、どこでも直ちに理解される可能性を持つ。

 ニューエイジは、新たな暗黒時代になるだろう。

 それは、人口の半数以上の早すぎる死や、人類の最も偉大な成果の意図的な忘却を意味する。

 これは、たとえそれが私たちの死体の上を覆うことになったとしても、世界を支配することを決意した新世界秩序を唱道する、全体主義的イデオロギーである。

 (中略)なぜ私たちの文明を守ることに価値があるのか? 

 なぜ自由に基づく体制のほうが、現在、人類の大半を抑圧している独裁政治よりも良いのか? 

 少数のある者にとって、こうした疑問に対する答えは自明のことであるが、多くの者にとってはそうでない。

「世界政府(その1)」第五回目

2011年01月07日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)


第2章 完璧な洗脳マシーン――MTVの登場
 MTV(ミュージック・テレビション)、すなわち、ロバート・ピットマンによって十代の若者向けに製作され運営されているポピュラー音楽と音楽ビデオのマーケティング放送は、1981年8月1日に創設された。

 現在は、*ヴァイアコム帝国(CBSテレビ局として知られている)[巨大メディアグループ]の一部である。社会がそのまやかしに気づくことなく、若者の心に到達するためには、「対抗組織が社会の支配的な価値観と対立する価値観を説くこと」が必要である。

 MTVがおこなっているのは、まさにそのことである。

「だが、そうした努力が成果を生むためには、両親や学校の影響が中和されるか、少なくとも薄められる必要がある」と、L・ウルフは言う。

 「このMTVのモデルになったのは、ナチの支持者リシャルト・ワーグナーが上演してみせた劇場ショーだった。観客は恍惚状態になり、それをナチスは、たとえばニュルンベルクの会議のような、彼ら自身の象徴的な祝典を作りだすために意識的に用いたのだった」
 
 MTVを作った洗脳の専門家たちは、その効果を十二分に意識していた。

 MTVに関する著書『ロッキング・アランウンド・ザ・クロック』で、M・アン・カプランはこう述べる。

 「MTVはどのチャンネルよりも催眠効果がある。一連の短いテクストからなり、私たちを絶えず感情の高まりと期待の中に置いておくからだ。

(中略)私たちは、次のビデオがついに私たちを満足させてくれるだろうという妄想に囚われつづける。

 目の前の豊かさに魅了されて、私たちはそうした短いテクストを果てしなく消費しつづけるのだ」

 一つのミュージック・ビデオが映る四分間に(四分間が番組に含まれるメッセージを被験者が把握できる最大の長さであるとの決定を下したのは、タヴィストックの科学者たちである)「「対位法」の形式による人工的なリアリティが意識の中に挿入されて、それが認知リアリティに取って代わるのである・・・」

 ウォルター・リップマンはこう書いている。

「人々が番組のこうしたからくりを知りさえすれば、すべてが終わるはずだが、文盲で、精神薄弱で、ひどいノイローゼで、栄養失調で、いらだちを募らされた個人がかなりいるので、概して自分が信じている以上のことを信じるようになってしまうのである。

 そこで、こうした番組が精神的に子供か野蛮人同然の人々の手の届く範囲に置かれると、生活が混乱の極みであるために、彼らは非常に人気のある単純な内容に飛びついてしまう」

 『世論を具体化する』という著書の中で、エドワード・バーネイズ[広告・政治宣伝活動のパイオニア]はこう述べている。

 「平均的な市民は、世界で最も有能なセンサーである。おのれの精神が市民自身を諸事実から遠ざけさせる最大の障害物となる」

 洗脳を受けた視聴者は、自分には選択能力があるという幻想を抱く。

 ちょうどドラッグ中毒者が、薬によってコントロールされているのではなく、自分が中毒をコントロールできていると信じるように。

「世界政府(その1)」第四回目

2011年01月02日 | シンポジウム・講義・講演
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

水瓶座の陰謀

 リンドン・ラリュチェが『ドープ株式会社』の中で書いている。

 「1980年の春、『アクエリアン陰謀』というタイトルの本(100万部以上売れ、十ヵ国語に翻訳された)は、カウンターカルチャーのマニフェストとして、一夜にして有名になった」。

 (中略)『アクエリアン陰謀』は、一千五百万人のカウンターカルチャーのメンバーが合衆国に根源的な変革をもたらすために一堂に会するときがきた、と述べた。

 事実、この本は、チームワークというコンセプトを後押しする社会に向けて最初に刊行された出版物だった。

 このコンセプトは、非常に高潔と見なされ、経営者「導師たち」によってすばやく採用された。
 
 著者マリリン・ファーグソンは述べる。

「まだタイトルは未定ですが、新たに現れつつある社会的価値観をまとめながら、私はその運動の特徴について、特殊な指導者について、その追従者の忍耐強い熱心さについて、ありえそうもない成功について考えた・・・」

 1961年の学会で、オルダス・ハックスリーはこうした警察国家を「最終革命」と描写した。

 言い換えるならば、それは人々が「みずからの隷属を愛する」「冷血な独裁政治」である。
 
 カーター大統領時代の国家安全保障アドバイザー、ズビグニュー・ブレジンスキー[アドバイザーは1977年~1981年]は、日米欧三極委員会(1973年、デイヴィッド・ロックフェラーの提言で設立された民間の政治団体)の創設メンバーの一人であり、ビルダーバーグと外交問題評議会のメンバーであるが、彼も似たような思想を情熱的な本『二つの時代の間で テクネトロニック時代のアメリカ合衆国の役割』の中で表明している。

 その本は、コロンビア大学共産主義研究所の肝いりで書かれ、1970年にヴァイキング社によって出版された。
 
 暴力的な圧力を用いることなく、彼らは新しい世界秩序のための「平和な市民」を確保するために、複雑な行為の組み合わせを計画した。

 (中略)彼らは、同様に、自分自身を愛し、他人と適切な関係を築く能力を指す「感情的知性」のような新しいコンセプトを支持した。

 (中略)「勤勉な市民」を「平和な市民」へと変えるもう一つの方法は、私が『ビルダーバーグ・グループの真実の物語』という著書で説明したように、NGO(非政府組織)への協力者に対する大きな社会的認識を促すような大々的な市場キャンペーンである。
 
 ハーマンによれば

  「合衆国が柔軟な態度をとるやいなや、ドラッグ(とりわけ、コカイン、クラック、ヘロイン)の導入に熟した時がやってきた。巨額の金が動く、禁酒法時代に匹敵する時代の到来だった」。
 
 1981年1月、外交問題評議会によって、大統領に選ばれたばかりのロナルド・レーガンに提供された3000ページにわたる「提言」の断章は、ウィリス・ハーマンによる『変容する人間のイメージ』という報告書に基づくものだった。

 その点は、指摘しておくだけの価値はある。
 
 1980年12月8日の満月の下で、ジョン・レノンがマーク・チャップマンという名の男によって殺された。

 これは一見ありそうにないことだが、ある日私たちが知ることになるのはマーク・チャップマンが人工的に誘導された「精神異常」モデルの犠牲者であり、ますます体制的に厄介な存在になってゆくレノンのような人物を沈黙させるために、タヴィストック研究所、CIA(米中央情報局)、MI6(英対外情報部)によって送り込まれた「影なき狙撃者」[リチャード・コンドンの推理小説]風の殺人者ではなかったかということだ。