8月4日、未明に起床。
6時過ぎには、ここ『双六キャンプ場』を出立。
今日は『西鎌尾根』ルートから『槍ヶ岳』を登り『東鎌尾根』に建つ『ヒュッテ大槍』へ向かう。
本日の一般平均コースタイムは以下。
『双六キャンプ場』→0:45→『従沢岳2755m』→3:00(西鎌尾根)→『千丈乗越2734m』→1:50→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『槍ヶ岳山頂3180m』→0:30→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『ヒュッテ大槍』
合計7時間5分の道のり。
先ずは『従沢岳』山頂へと続く歩きやすい道を登って行く。
6時40分『従沢岳2755m』の山頂へ到着。
ここは絶好の槍ヶ岳方の展望ポイントなのだが、この朝はガスのせいで槍の姿を拝む事が出来ず。
当初この山旅は、『遠くに見える槍ヶ岳へ、近づいて行く』そんな旅を想像していたのだが・・・・。
この日に至るまで、この時点でも『槍』の姿を目に出来ていない。
まあ、山旅ってのはこんなもんで、出発前に描いてた事を100%叶えるのは難しいものだ。
だからこそ、山旅は止められない。
『従沢岳』から少し進んだ所で右手を見ると『鏡平山荘』が見えた。
この山荘から見る槍ヶ岳の姿も素晴らしいと聞いている、何時か行って見たい場所だ。
『硫黄乗越』の辺りでは晴れていたものの『左俣岳2674.1m』付近に至ると、行く手を再びガスが覆った。
ここまで『従沢岳山頂』で老夫婦に会っただけで人に会わなかったが、『西鎌尾根』に至った所で20人くらいのパーティーに追いついた。
ツアー登山だろうか?そのパーティーに道を譲ってもらい先に進んだ。
『千丈乗越2734m』の手前まで来た時、雲の切れ間に『槍の肩』に建つ『槍ヶ岳山荘』のシルエットが見えた。(写真での確認は難しい)
ここから傾斜のキツイ登山道を更に1時間半登り、10時38分『槍ヶ岳山荘』前に到着。
『槍の穂先(山頂)』は、雲に隠れたり姿を表したりを繰り返していた。
山荘前で休憩を兼ねながらガスが晴れるのを待った。
頃合いを見計らい、ザックをデポして槍ヶ岳山頂へ登る。
11時過ぎに『槍ヶ岳3180m』の頂に立った。
山頂はガスに包まれて大パノラマを堪能する事は出来なかった、残念。
8~10畳ほど?ある山頂の端に座り、下を見下ろしても御覧の通り雲の中。
長居はせず山荘まで下りて、山荘内の『キッチン槍』でラーメン(1000円)を食べる。
去年も食べたこのラーメン。
チャーシューと味付け卵、出汁も良く出ていて美味かった。
しかし去年と同じく、麺はのび気味(笑)。
街じゃこう言う『あっさりラーメン』が少なく、残念だ。
さて、この後は今日の目的地『ヒュッテ大槍』を目指す。
上記写真の左の尾根『東鎌尾根』の上にポツンと立つ『ヒュッテ大槍』へ向う。
(因みに、東鎌尾根の下に立つのが去年テントを張った『殺生ヒュッテ』)
槍の肩から痩せ尾根を30分も行けば、評判の山小屋『ヒュッテ大槍』に到着。
ここ『ヒュッテ大槍』から眺める『槍ヶ岳』の姿は美い。
正に『天を指す!』って感じだ。
惚れ惚れと槍を眺めた後、受付を済ませて山小屋の中へ。
1泊2食付9000円。
あてがわれた上下二段の寝床が向かい合った部屋へ入ると(部屋名は東鎌だったか・・・?)
70歳位だろうか、男性二人が居られた。
この方達も山で出会う人の御他聞に漏れず、オープンで話好きの人達だった。
中でも印象に残った話が・・・。
北海道でヒグマに遭遇した体験、藪漕ぎをしたら全身をダニにたかられた話し。
夜明けに鏡平から見た『真っ青に染まった槍ヶ岳』の心を打つ美しさ。
山梨の富士五湖周辺のマイナーだけど素晴らしい山の話し。
こんな話を夕食前後に楽しく拝聴した。
部屋に荷物を置いた後、食堂でドリンクバーと読書で過ごす贅沢な時間。
500円を払えば滞在中コーヒー・ロイヤルミルクティー・黒豆ココア・アップルティー・緑茶等が飲み放題!
16時を回ると雲が切れたので外へ出てみた。
槍の穂先には雲がかかったり晴れたりしていた。(上記写真左)
また、北鎌尾根を眺められた。
東へ目を転ずると、こちらは雲が多いのだが時折『常念岳2857m』が姿を見せてくれた。
残念ながら『燕岳2762.9m』の姿は確認できず。
明日向かう『南岳3032.7m』へ目を向ければ、その先に『北穂高岳3106m』の姿を目にする事ができた。
山小屋から続々と出てきた宿泊者達が、360度のパノラマを思い思いに堪能していた。
その中の槍へカメラを向け熱心にシャッターを切っている可也御高齢の男性と話しながら、この眺望を楽しんだ。
『ヒュッテ大槍』からの眺めを楽しんだら、次の楽しみは夕食となる。
因みにメニューはこちら↓
こうして見るとお洒落な感じだが、勿論コースで出て来る訳は無くそこは山小屋の食事。
3分の1位食べた後、気がついて撮った写真がこちら↓
この日はサラダバー食べ放題の日だったそうだが、連日のガスのせいでヘリによる荷揚げが行われず、残念ながらサラダバーはお預けとなった。
ホスピタリティーと食事が(あと酒も)評判の山小屋だけあって、美味い。(グラスワインまで付く!)
同席となった6人と御飯・スープを何度もお代わりしながら、会話と夕食を楽しんだ。
夕食後、食堂は御待ちかねのBARタイム。
ここ『ヒュッテ大槍』では、山小屋とは思えない程、豊富な種類の酒が飲める。(日本酒・焼酎・スコッチウイスキー・バーボン等々)
俺自身は、安曇野の地酒4種類から3種類を選ぶ『利き酒セット900円』と洒落たカクテル?を、行動食のカシューナッツをつまみに味わった。
酒を飲みながら、置いてある漫画『宇宙兄弟』(これが面白い!)を2巻の後半まで読んでいた。
お陰で本日は、21時前に就寝・・・(苦笑)。
この日の締めくくりに、縁があり同部屋で話に花を咲かせた人達を記して置きたい。
先記の定年後山を楽しんでるお二方、御住まいが東京で内の実家と近い。(一人の方は娘さんが3人居て全員国際結婚だそうな、娘さん曰く『日本の男は頼りない』そうだ・・・納得いかね~笑)
サラダバーを楽しみにソロで来た細身で眼鏡の男性(天候の為ヘリが飛ばずサラダバー無し)。
初めて北アルプスに来た男性二人。
部屋は違ったが夕食のテーブルが一緒になった男性。
『こっち空いてるよ』と自分の寝床の方へ俺を誘った男性。(何か恐かった・・・笑)
全身サポートスーツと高価な装備で身を包むが山の頂きには立たず、山の写真だけを撮る男性。(この方は良い意味で遠慮が無く面白い人だった。夕食時、皆の御代わりを率先してガンガン頼んでくれる方 笑)
みんな山に来る人特有の『オープン』で『気持ちの良い人達』だった。
こう言った人達と、交流できる事が山小屋の魅力なんだろう。
勿論こちらも『心を開いて行けば』だが。
さて、明日は槍ヶ岳へもう一度登り南岳へ向かいます。
つづく
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