寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (7th Day)

2011年09月23日 | 2011北アルプスの旅

8月4日、未明に起床。

6時過ぎには、ここ『双六キャンプ場』を出立。

 

今日は『西鎌尾根』ルートから『槍ヶ岳』を登り『東鎌尾根』に建つ『ヒュッテ大槍』へ向かう。

本日の一般平均コースタイムは以下。

『双六キャンプ場』→0:45→『従沢岳2755m』→3:00(西鎌尾根)→『千丈乗越2734m』→1:50→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『槍ヶ岳山頂3180m』→0:30→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『ヒュッテ大槍』

合計7時間5分の道のり。

 

先ずは『従沢岳』山頂へと続く歩きやすい道を登って行く。

6時40分『従沢岳2755m』の山頂へ到着。

Img_0398 従沢岳山頂

ここは絶好の槍ヶ岳方の展望ポイントなのだが、この朝はガスのせいで槍の姿を拝む事が出来ず。

当初この山旅は、『遠くに見える槍ヶ岳へ、近づいて行く』そんな旅を想像していたのだが・・・・。

この日に至るまで、この時点でも『槍』の姿を目に出来ていない。

まあ、山旅ってのはこんなもんで、出発前に描いてた事を100%叶えるのは難しいものだ。

だからこそ、山旅は止められない。

 

『従沢岳』から少し進んだ所で右手を見ると『鏡平山荘』が見えた。

Img_0403 鏡平山荘

この山荘から見る槍ヶ岳の姿も素晴らしいと聞いている、何時か行って見たい場所だ。

 

『硫黄乗越』の辺りでは晴れていたものの『左俣岳2674.1m』付近に至ると、行く手を再びガスが覆った。

Img_0407 槍へと続く登山道

ここまで『従沢岳山頂』で老夫婦に会っただけで人に会わなかったが、『西鎌尾根』に至った所で20人くらいのパーティーに追いついた。

Img_0408 西鎌尾根を行く登山者達

ツアー登山だろうか?そのパーティーに道を譲ってもらい先に進んだ。

Img_0409

『千丈乗越2734m』の手前まで来た時、雲の切れ間に『槍の肩』に建つ『槍ヶ岳山荘』のシルエットが見えた。(写真での確認は難しい)

ここから傾斜のキツイ登山道を更に1時間半登り、10時38分『槍ヶ岳山荘』前に到着。

Img_0416  Img_0417

『槍の穂先(山頂)』は、雲に隠れたり姿を表したりを繰り返していた。

山荘前で休憩を兼ねながらガスが晴れるのを待った。

頃合いを見計らい、ザックをデポして槍ヶ岳山頂へ登る。

Img_0422 槍ヶ岳

11時過ぎに『槍ヶ岳3180m』の頂に立った。

山頂はガスに包まれて大パノラマを堪能する事は出来なかった、残念。

Img_0420

8~10畳ほど?ある山頂の端に座り、下を見下ろしても御覧の通り雲の中。

長居はせず山荘まで下りて、山荘内の『キッチン槍』でラーメン(1000円)を食べる。

Img_0427 キッチン槍のラーメン

去年も食べたこのラーメン。

チャーシューと味付け卵、出汁も良く出ていて美味かった。

しかし去年と同じく、麺はのび気味(笑)。

街じゃこう言う『あっさりラーメン』が少なく、残念だ。

 

さて、この後は今日の目的地『ヒュッテ大槍』を目指す。

Img_0430 槍の肩から見下ろす槍沢方面

 

上記写真の左の尾根『東鎌尾根』の上にポツンと立つ『ヒュッテ大槍』へ向う。

(因みに、東鎌尾根の下に立つのが去年テントを張った『殺生ヒュッテ』)

槍の肩から痩せ尾根を30分も行けば、評判の山小屋『ヒュッテ大槍』に到着。

Img_0436ヒュッテ大槍

ここ『ヒュッテ大槍』から眺める『槍ヶ岳』の姿は美い。

Img_0439_2 槍ヶ岳3180m

正に『天を指す!』って感じだ。

惚れ惚れと槍を眺めた後、受付を済ませて山小屋の中へ。

1泊2食付9000円。

 

あてがわれた上下二段の寝床が向かい合った部屋へ入ると(部屋名は東鎌だったか・・・?)

70歳位だろうか、男性二人が居られた。

この方達も山で出会う人の御他聞に漏れず、オープンで話好きの人達だった。

中でも印象に残った話が・・・。

北海道でヒグマに遭遇した体験、藪漕ぎをしたら全身をダニにたかられた話し。

夜明けに鏡平から見た『真っ青に染まった槍ヶ岳』の心を打つ美しさ。

山梨の富士五湖周辺のマイナーだけど素晴らしい山の話し。

こんな話を夕食前後に楽しく拝聴した。

 

部屋に荷物を置いた後、食堂でドリンクバーと読書で過ごす贅沢な時間。

Img_0441  Img_0444

500円を払えば滞在中コーヒー・ロイヤルミルクティー・黒豆ココア・アップルティー・緑茶等が飲み放題!

16時を回ると雲が切れたので外へ出てみた。

Img_0450  Img_0448  

槍の穂先には雲がかかったり晴れたりしていた。(上記写真左)

また、北鎌尾根を眺められた。

東へ目を転ずると、こちらは雲が多いのだが時折『常念岳2857m』が姿を見せてくれた。

残念ながら『燕岳2762.9m』の姿は確認できず。

明日向かう『南岳3032.7m』へ目を向ければ、その先に『北穂高岳3106m』の姿を目にする事ができた。

Img_0451 北穂・南岳・・・ 

山小屋から続々と出てきた宿泊者達が、360度のパノラマを思い思いに堪能していた。

その中の槍へカメラを向け熱心にシャッターを切っている可也御高齢の男性と話しながら、この眺望を楽しんだ。

『ヒュッテ大槍』からの眺めを楽しんだら、次の楽しみは夕食となる。

因みにメニューはこちら↓

Img_0440ヒュッテ大槍の御品書き。

こうして見るとお洒落な感じだが、勿論コースで出て来る訳は無くそこは山小屋の食事。

3分の1位食べた後、気がついて撮った写真がこちら↓

Img_0455 夕食

この日はサラダバー食べ放題の日だったそうだが、連日のガスのせいでヘリによる荷揚げが行われず、残念ながらサラダバーはお預けとなった。

ホスピタリティーと食事が(あと酒も)評判の山小屋だけあって、美味い。(グラスワインまで付く!)

同席となった6人と御飯・スープを何度もお代わりしながら、会話と夕食を楽しんだ。

 

夕食後、食堂は御待ちかねのBARタイム。

ここ『ヒュッテ大槍』では、山小屋とは思えない程、豊富な種類の酒が飲める。(日本酒・焼酎・スコッチウイスキー・バーボン等々)

Img_0460 宇宙兄弟を読みながらBARタイム!

俺自身は、安曇野の地酒4種類から3種類を選ぶ『利き酒セット900円』と洒落たカクテル?を、行動食のカシューナッツをつまみに味わった。

酒を飲みながら、置いてある漫画『宇宙兄弟』(これが面白い!)を2巻の後半まで読んでいた。

お陰で本日は、21時前に就寝・・・(苦笑)。

 

この日の締めくくりに、縁があり同部屋で話に花を咲かせた人達を記して置きたい。

 

先記の定年後山を楽しんでるお二方、御住まいが東京で内の実家と近い。(一人の方は娘さんが3人居て全員国際結婚だそうな、娘さん曰く『日本の男は頼りない』そうだ・・・納得いかね~笑)

 

サラダバーを楽しみにソロで来た細身で眼鏡の男性(天候の為ヘリが飛ばずサラダバー無し)。

 

初めて北アルプスに来た男性二人。

 

部屋は違ったが夕食のテーブルが一緒になった男性。

 

『こっち空いてるよ』と自分の寝床の方へ俺を誘った男性。(何か恐かった・・・笑)

 

全身サポートスーツと高価な装備で身を包むが山の頂きには立たず、山の写真だけを撮る男性。(この方は良い意味で遠慮が無く面白い人だった。夕食時、皆の御代わりを率先してガンガン頼んでくれる方 笑)

 

みんな山に来る人特有の『オープン』で『気持ちの良い人達』だった。

こう言った人達と、交流できる事が山小屋の魅力なんだろう。

勿論こちらも『心を開いて行けば』だが。

 

さて、明日は槍ヶ岳へもう一度登り南岳へ向かいます。

 

                                                    つづく

  


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