透水の 『俳句ワールド』

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石田波郷・「波郷句自解」(二十六)(二十七)      高橋透水

2014年09月17日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
悉く芝区の英霊木枯れたり       波郷

芝公園所見。蕭々たる合同葬、幾十幾百の英霊は悉く芝区出身のそれぞれあ
る。「悉く」に、季語「木枯れたり」に作者の現実に対する激しい悲しみを
人汲むや否や

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 隙間風兄妹に母の文異ふ       波郷

昭和十四年、前年夏妹真佐子が上京して共に暮した。遥かな伊予の国からの
老母の手紙、一通の封筒の中に、兄と妹に別々の便りは、めんめんとして母
情の限りを尽した。


「波郷句自解―無用のことながら―」(有)梁塵社 より

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