透水の 『俳句ワールド』

★古今の俳句の世界を楽しむ。
ネット句会も開催してます。お問合せ
acenet@cap.ocn.ne.jp

一行詩の紹介       高橋透水

2014年02月28日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史

春 温 し

死にたいと思いつつ桜待っている。    爛々
春温し。犬の世話して、介護忘れた。   蒼天
合コンも飽きて、水遣るシクラメン    稜子
刑事がまた私をみている、物欲しそうに。   翔子

春昼の指をかむ癖。治らない、君。    愛

*************************************************

フランス詩を読む

ランボー「永遠」(「詩学」2003年4月号より)
    永遠    アルチュール・ランボー

見つかった
何が? ―〈永遠〉
太陽と一緒に行った
海のことだよ

見張り番する魂よ
そっと本音を語ろうよ
こんなにはかない夜のこと
炎と燃える昼のことを

世間並みの判断からも
通俗的な衝動からも
おまえは自分を解き放つ
そして自由に飛んでいく

だって きみたちだけなんだ
繻子(サテン)のような緋の燠よ
〈義務〉の炎を上げるのは
ついに という間(ま)もないうちにね

そこに望みがあるものか
救済だってあるものか
忍耐の要る学問だ
煩悶だけは確実さ

見つかった
何が? ―〈永遠〉
太陽と一緒に行った
海のことだよ


詩人紹介
アルチュール・ランボー Arthur RIMBAUD (1854一1891)
アルデンヌ県シャルルヴィル生れ。16歳で家出し初めてパリに出る。1871年パリコミューンの動乱のさなか三度目の家出をしパリ滞在。ポール・ヴェルレーヌに手紙を書き、招かれてパリに本格的に滞在。ヴェルレーヌの家庭崩壊の原因となる。二人でベルギー、イギリスを放浪するが、1873年、ブリュッセルで泥酔したヴェルレーヌに拳銃を発砲される。わずか3年ほどの間に少なからぬ韻文詩と散文詩集『地獄の季節』『イリュミナシオン』を書いた後、詩を放棄。天才少年詩人として神話化される。1876年からアジア、アフリカを遍歴後マルセイユの病院で死去。
**************************************
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  一行詩の紹介      ... | トップ | 蕪村はその時、どこにいたか... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史」カテゴリの最新記事