透水の 『俳句ワールド』

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一行詩の紹介 〈少女期の崩れやすさよチューリップ〉   高橋透水

2014年05月01日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
緑の精

おじさんの心のリハビリ座禅草   行灯
大胆に脚を広げて車中の化粧     ミラー
緑の精がわたしを襲う幸せな一時     比沙子
ニッポンの三途の川に鮎のぼる     左膳
カンバスの真っ赤な花に蝶狂う     絵里
女みな男を見ずに手はスマホ    イチロー
少女期の崩れやすさよチューリップ    杏子


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アメリカの詩・紹介

「希望」は羽根をつけた生き物――
魂の中にとまり――
言葉のない調べをうたい――
けっして――休むことがない――

そして聞こえる――強風の中でこそ――甘美のかぎりに――
嵐は激烈に違いない――
多くの人の心を暖めてきた
小鳥をまごつかせる嵐があるとすれば――

わたしは冷えきった土地でその声を聞いた――
見も知らぬ果ての海で――
けれど、貧窮のきわみにあっても、けっして、
それはわたしに――パン屑をねだったことがない。

亀井俊介 編『対訳 ディキンソン詩集―アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫)より

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ことば
口にだしていうと
ことばが死ぬと
ひとはいう
まさにその日から
ことばは生きると
わたしがいう


川名 澄 編訳『わたしは誰でもない エミリ・ディキンソン詩集』(風媒社)より

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