都営浅草線の起点西馬込駅は国道1号線の下。車両には都営を示すイチョウのマーク。
浅草線は全線が地下線となっている。唯一地上に姿を現す馬込の車庫に新鋭車両が並ぶ。
最初の途中下車は戸越。食べ歩きのメッカ、戸越銀座をぶらり。
「鶏&デリ」で "ピリ辛なんこつ" を抓みに生ビールを一杯。真っ昼間のビールは効くね。
西馬込からの列車は泉岳寺止まり、京急から乗り入れてきた赤い電車に乗り換える。
京急線と京成線が乗り入れる浅草線は、都心と2つの国際空港とのアクセスを担う。
2つ目の途中下車は大門。天気が良いので浜離宮恩賜公園まで歩いてみる。
日差しを浴びて菜の花が輝いている。実は初めての浜離宮、ビルと花々のコラボが良い。
大門から日本橋まで乗った佐倉行は京成の車両、京成線に入ると快足を飛ばす。
午後4時半、ナトリウムランプが一斉に灯った。無機質な日本橋の風景が暖まるようだ。
日本橋から乗車した電車は濃いブルーのライン。北総線の車両は印旛沼まで駆ける。
吾妻橋からアサヒビールの炎のオブジェとスカイツリーそして雷門、浅草の風景だ。
浅草から隅田川を潜って2駅、スカイツリー直下が終点の押上駅だ。
イチョウのマークを付けた都営線の車両は、特急を先行させてから高砂までもう一仕事。
地上への長い通路を這い上がると、点灯したばかりのスカイツリーが銀色に輝いている。
人形町まで戻って、今宵は「水天宮酒場ゴチ」へ。
信州料理の店にしたのは、最近フィリピンから帰国した中学校時代の友人と飲むからだ。
まずは生ビールで乾杯。"信州サーモン" を抓む。
互いの記憶を辿ると、学生時代に渋谷で飲んで以来になる。すでに30年も前のことだ。
丸子の "柳水 特別純米" は、かすかに甘味があるキレの良い酒だ。
ものは試しに珍味 "蜂の子" を抓む。まあ佃煮と変わらない。
"楚々 純米吟醸" は諏訪の舞姫酒造の酒、霧ヶ峰の伏流水で美山錦を醸す。
松本の名物料理は我々の故郷では馴染みが無いが、にんにくが効いた "山賊焼き" は美味しい。
J1松本山雅の試合を生中継した今宵、緑のユニフォーム姿の女子で盛り上がる店内。
場違いな無口なオジサンふたり、故郷の酒で30年ぶりの旧交を温めた。
さて、都営浅草線である。曳舟で地上に這い出た電車は、京成線をさらに先へ急ぐのだ。
東京都交通局・浅草線 西馬込~目黒 18.3km 完乗
真夜中のドア / 松原みき 1979