2番線に愛らしい「ゆいレール」の2両編成が入線してきた。
「朱」のラインが青空や公園の緑に映える。首里城の伝統的な本朱塗りが基調だそうだ。
起点の那覇空港駅は日本最西端、次の赤嶺駅は日本最南端の駅だそうだ。
4つ目の壷川駅で途中下車。駅から15分、住宅街に紛れ込むと「楚辺そば」が在る。
薄っすら汗をかいた頃、赤瓦がお洒落な琉球古民家のお店に辿りつく。
地元の評価が高いこの店、「沖縄インターネット放送局」ってサイトで出会った。
あっさり味のスープで柔らかく煮込んだ "ソーキそば" が美味しい。
8つ目の牧志駅は国際通りの北側の入口、買い物客や観光客で終日賑わっている。
日が暮れたら、きっと、酒場を探しに戻ってこよう。
「ゆいレール」の終着駅は首里駅。首里城公園をはじめ史跡を巡る出発点となる。
首里駅から南西に10分、再び住宅街に分け入ると「瑞泉酒造」が在る。
1887年創業の名門蔵元は、由緒正しき琉球泡盛の古酒をメインに酒を醸している。
その名は首里城瑞泉門のほとりに湧く「瑞泉」をして名付けたという。
当蔵の交差点から首里城へと続く坂道を上っていくと、その「瑞泉門」が見えてきた。
双璧の門の上に朱に塗られた櫓が美しい。櫓の中央の「瑞泉」という扁額が立派だ。
振り返ると那覇の街並みと東シナ海が見渡せる。ずいぶんと上ったんだね。
首里城のシンボルでもある「守礼門」、扁額には「守礼之邦(しゅれいのくに)」とある。
中国風の牌楼(ぱいろう)という形式で建てられた、なんともエレガントで美しい門だ。
「正殿」は中国と日本の建築様式を基に琉球独特の意匠で建築された。
いたるところ龍の彫刻が施され、さながらたくさんの龍が首里城には棲んでいる。
絢爛豪華な玉座「御差床(うさすか)」にも、左右の柱に龍が天に昇らんとしている。
さて、首里城の "朱" を堪能したら、街に戻って、瑞泉の古 "酒" でも愉しもうか。
那覇都市モノレール線 那覇空港~首里 12.9km 完乗
海の声 / 桐谷健太