過ぎ去る夏とともに根室本線を東進中。息子を引っ張りだして北海道男旅。
8月26日。根室本線の起点は滝川駅、函館本線から分岐する駅前広場にはグライダー。
上昇気流が発生しやすい滝川市には、日本中からグライダー愛好者が集まる。
15:28発の東鹿越行きは単行ディーゼルカー、1番線から身震いひとつ動き出す。
ぐい呑みに注ぐ "金滴 杜氏の夢呑" はサラリとした喉ごしでキレが良い。
「吟風」など空知産の好適米を使った純米吟醸は、新戸津川町の金滴酒造の酒だ。
東鹿越までの根室本線は空知川の流れを遡り、赤平、芦別、富良野と抜ける。
車窓に夕日に照らされた金山ダム湖(かなやま湖)が広がると間もなく東鹿越駅に到着。
東鹿越から新得間は平成28年台風10号の被害で不通になっている。
本当は復旧してから訪ねたかったが、JR北海道の姿勢からそれは適いそうにない。
日に5往復の代行バスで1時間10分、140キロ、暮れた新得駅に辿りつく。
第3走者は池田行きのやはり単行ディーゼルカー、僅かな乗客を乗せて十勝平野へと下る。
行く夏を惜しんで?日曜日の晩、帯広の中心街には意外と若い人の姿が多い。
「北のいっぴん・正次郎」で先ずはサッポロ・クラッシック、ジンジャエールと乾杯。
肴は十勝の恵みにこだわって。"中札内枝豆" に "自家製タレのジンギスカン"。
"じゃがバター塩辛添え" は新じゃが、ホクホクにバターのキューブをのせて絶品。
2杯目から "トカップワイン" の赤、池田町で生産するお手頃ワインだ。
ロース肉を炭火で焼いて甘辛ダレに潜らせる、熱々のご飯にのせた "豚丼" は十勝の名物。
押さえないといけない名物丼、息子から一枚味見させてもらって今宵の〆なのだ。
明日は東の果て、納沙布岬をめざす。
季節の中で / 松山千春 1978