単車を買った。単身赴任のつれづれに。家族には内緒だ。
ずっと乗りたかったのだけれど、なかなか機会に恵まれなかった。
最初の遠出は新潟から小出へ、大湯温泉に浸かって、R252で六十里越峠を越えて奥只見へ。
入広瀬からいつ果てるでもなく、長い長い登り坂が続く。
並走するJR只見線がトンネルに吸い込まれると、R252はつづら折りとなる。
トンネルが意外と長いなと感じていると、突然、空に飛びだすかのように視界が広がった。
眼下には雪解け水を満々と湛えたエメラルドグリーンの田子倉湖が横たわっている。
これからは、時々、こいつに遊んでもらおうと思う。峠をわたる風が爽快だ。
風を感じて / 浜田省吾