重連のEDR形がマッチ箱のようなトロッコを連ね、橙の長大編成同士が行き違う。
機関車に「宇奈月ゆ」と金文字のヘッドマークが誇らしい。
黒部峡谷の入口に建つ山岳リゾートホテル風の宇奈月駅から、トロッコ電車の旅は始まる。
ますの寿司と缶ビールを買い込んだら、人波に流されて足早にホームへと進む。
クリームとマルーンに塗られたレトロ調は、ちょっぴりゆったりとしたリラックス車両。
開閉可能とは云え窓付きの車両は、こんな暑い日には風通しが悪くてミスチョイス。
ところが復路は夏の雷雨に見舞われて、この車両で事なきを得たから分からないものだ。
宇奈月駅を発ったマッチ箱たちは直ぐに真紅の新山彦橋を渡る。
渓流からの高さは約40m。ゴーっと列車が鉄橋を鳴らす音がやまびこのように響く。
続いて現れるエメラルドグリーンの「うなづき湖」は宇奈月ダムの完成で生まれた比較的新しい人工湖。
ところで車窓を案内するナレーションは室井滋さん。一緒に旅してくれる彼女は富山県出身だそうだ。
プシュッと “アルト” を開ける。ホップの苦味が効いた黒褐色のビールが美味しい。
宇奈月麦酒は地産の大麦と黒部川の伏流水で醸したまさに地ビールだね。
アテに抓んだ “ますの寿司” は炙ったやつが美味。これは良いね。
鷲羽岳に源を発した黒部川は、切り立った深いV字峡を刻んで、3,000mの標高差をたった85kmで下り切る。
車窓の手つかずの大自然と絶景の渓谷美は、案外トンネルやスノーシェッドが続いて、シャッターが難しい。
宇奈月からゆるりと1時間20分、橙のマッチ箱たちは黒部川に絡みながら、20キロを道のりを走る。
本来電源開発のための資材運搬用だったトロッコ電車は、多くの観光客を乗せて欅平に終着した。
さて、欅平での2時間をどう過ごす?。河原展望台で足湯に浸かって猿飛峡をめざすか、
人喰岩を抜けて名剣橋を渡り祖母谷温泉(ばばだにおんせん)をめざすか、呑み人は後者を択ぶ。
黒部川の本流にかかる朱色の奥鐘橋を渡る。高さ34mからの景色はなかなか迫力がある。
でも、祖母谷温泉までの片道40分はただ汗をかくだけだったかなぁ。
途中の名剣温泉で蕎麦をいただくか、河原展望台で足湯に浸かるのが正解だったかも知れない。
宇奈月駅の近くに釜飯やおでんが人気メニューの食事処「河鹿」がある。
もちろん富山の地酒もあるだろうからと、開店の17:00に飛び込むのだ。
大きなおでん鍋を前にしたカウンターに座ったら、先ずはスーパードライを注文。
冷たいゴールドの液体が喉を鳴らして、んっ美味い。アテは “昆布巻きかまぼこ” だ。
“白海老の唐揚げ” を抓みながらおでんの具を品定めする。これってなかなか楽しい時間なのだ。
サーバーと一体になった冷蔵庫から “幻の瀧” を注文、黒部川が富山湾に注ぐ生地(いくじ)の酒だ。
たまご、焼き豆腐、車麩、つぶ貝を青磁に盛って、富山らしい “おでん” が登場。
洒落た一合徳利から純米吟醸を注いでキュッと一口、米の旨みを感じるスッキリした酒が旨い。
甘みのある油揚げと絡んで三つ葉を散らした “ホタルイカ釜飯” が登場する。
このホクホクを噛み締めながら、黒部峡谷鉄道で呑む休日は、温泉の町で更けていくのだ。
黒部峡谷鉄道 宇奈月〜欅平 20.1km 完乗!
<40年前に街で流れたJ-POP>
ギザギザハートの子守唄 / チェッカーズ 1983
万年雪はあるみたいですよ。
室井滋さんがアナウンスしていましたから。
私が追いきれなかったようです。
コメントありがとうございます。
もう少し待てば紅葉の黒部峡谷でしたが、
まだ空いているであろう暑い時期に出かけました。
お酒もアテも美味しい、トロッコ電車の旅でした。
コメントありがとうございます。
欅平まで行きましたが
このときはまだ 根雪が見られました
温暖化で 根雪はなくなったようですね
https://blog.goo.ne.jp/tsakaegoo/d/20150614
チョコレート色の方座席も同じ色なんですね
あぶったます寿司、おでん、いかの釜めし、どれも美味しそう~