昨日の朝日テレビの昼番組「スクランブル」で、35歳のIT会社社長・藤田憲一氏が、今年1月に「スキルス胃ガン」で余命3ヶ月と宣告され、闘病中であることが紹介された。闘病中といってもベッドの中にいるわけではなく、ごく普通に出社し仕事に明け暮れている。
進行胃ガンのなかでも悪性度の高いスキルス胃ガンは、繊維質を伴うので胃が硬くなるのが特徴である。一般的な胃ガンの広がり方は粘膜の表面に広がり、徐々に胃の壁の深いところに進行していく。これに対しスキルス胃ガンは、最初から縦方向に深く広がり、胃の粘膜表面にあまり異常が認められないので、発見が遅れやすい。50%以上が発見時に手術ができない状態で、腹膜、骨、他の臓器への転移の危険性が高く、分化度も低いのでやっかいなガンであるといわれている。若い人に多く、過去にアナウンサーの逸見政孝氏が48歳で、歌手の堀江しのぶさんが23歳で死亡している。
藤田氏が、空腹時の痛みを感じ検査をしたのが2年前である。胃カメラ検査の結果、即スキルス胃ガンであること、余り時間がないことを宣告されたという。胃の外側にまでガン細胞が出ており、手術はしたものの5年生存で、成功率15%ということだった。
それからの彼は仕事に没頭し、今までと変らない普通の生活をしていた。だが、やはり奇跡は起きなかった。半年後再発し、すでにガンは腸を圧迫していたという。そしてさらに、今年1月23日「余命3ヶ月」という宣告を受けたという。奇しくもその日は、ライブドア元社長のホリエモンが逮捕された日で、その後の「ホリエモン逮捕から1ヶ月が経過……」などの報道に、その日数分だけ自分の命も永らえていることを実感しているという。もう抗がん剤も効果なしの状態で、鎮静剤で痛みを抑えているだけである。手術の傷跡を障るだけでガンが出てきているのが確認できるほど腹部が固くなっているそうだ。
医者からは食べることを制限されているが、彼は一口でも二口でも欲しいものは口に入れる。医学書から死因となる前兆の症状を探し、それに自分の症状を照らし合わせて現状を把握しているという。そして、末期がん患者がベッドに横たわり死を待つだけの生き方でなく、最後まで生き抜いてやるという気力で、日々戦っているという。彼は、おそらく最後になるであろう事業計画を立てたが、それはインターネットを利用して自分自身の病状をすべて世間に公開し、今後の治療に役立てるためのネット作りである。
彼は独身で、大切な人である両親との残りの時間を大切にしているというが、自分がガンの宣告を受ける以上に、両親にガンを告げることの方が辛かったという。母親は「この子は強いから病気で死ぬとは思ってない。だが、現実には毎朝生きていることを確認したら安心する」と健気にも笑顔で語っていたが、その心中の辛さは察するにあまりある。
彼は、生きるために闘い、死を意識しないことにしているという。レポーターと「来年の桜を一緒に見よう」と小指をからめ約束していたが、多分彼自身が一番虚しい約束であると知っているのではないか。死ぬまで努力を怠らない、最後の最後まで社会にあり、生きていることを実感したいという彼の強さに感動した。生きたくても生きられない人もいれば、自らの命を粗末にする人もいる。だが、人は死に直面した時に改めて真価が問われるのであり、それだけにいかに死ぬるかということが大切であると思う。
進行胃ガンのなかでも悪性度の高いスキルス胃ガンは、繊維質を伴うので胃が硬くなるのが特徴である。一般的な胃ガンの広がり方は粘膜の表面に広がり、徐々に胃の壁の深いところに進行していく。これに対しスキルス胃ガンは、最初から縦方向に深く広がり、胃の粘膜表面にあまり異常が認められないので、発見が遅れやすい。50%以上が発見時に手術ができない状態で、腹膜、骨、他の臓器への転移の危険性が高く、分化度も低いのでやっかいなガンであるといわれている。若い人に多く、過去にアナウンサーの逸見政孝氏が48歳で、歌手の堀江しのぶさんが23歳で死亡している。
藤田氏が、空腹時の痛みを感じ検査をしたのが2年前である。胃カメラ検査の結果、即スキルス胃ガンであること、余り時間がないことを宣告されたという。胃の外側にまでガン細胞が出ており、手術はしたものの5年生存で、成功率15%ということだった。
それからの彼は仕事に没頭し、今までと変らない普通の生活をしていた。だが、やはり奇跡は起きなかった。半年後再発し、すでにガンは腸を圧迫していたという。そしてさらに、今年1月23日「余命3ヶ月」という宣告を受けたという。奇しくもその日は、ライブドア元社長のホリエモンが逮捕された日で、その後の「ホリエモン逮捕から1ヶ月が経過……」などの報道に、その日数分だけ自分の命も永らえていることを実感しているという。もう抗がん剤も効果なしの状態で、鎮静剤で痛みを抑えているだけである。手術の傷跡を障るだけでガンが出てきているのが確認できるほど腹部が固くなっているそうだ。
医者からは食べることを制限されているが、彼は一口でも二口でも欲しいものは口に入れる。医学書から死因となる前兆の症状を探し、それに自分の症状を照らし合わせて現状を把握しているという。そして、末期がん患者がベッドに横たわり死を待つだけの生き方でなく、最後まで生き抜いてやるという気力で、日々戦っているという。彼は、おそらく最後になるであろう事業計画を立てたが、それはインターネットを利用して自分自身の病状をすべて世間に公開し、今後の治療に役立てるためのネット作りである。
彼は独身で、大切な人である両親との残りの時間を大切にしているというが、自分がガンの宣告を受ける以上に、両親にガンを告げることの方が辛かったという。母親は「この子は強いから病気で死ぬとは思ってない。だが、現実には毎朝生きていることを確認したら安心する」と健気にも笑顔で語っていたが、その心中の辛さは察するにあまりある。
彼は、生きるために闘い、死を意識しないことにしているという。レポーターと「来年の桜を一緒に見よう」と小指をからめ約束していたが、多分彼自身が一番虚しい約束であると知っているのではないか。死ぬまで努力を怠らない、最後の最後まで社会にあり、生きていることを実感したいという彼の強さに感動した。生きたくても生きられない人もいれば、自らの命を粗末にする人もいる。だが、人は死に直面した時に改めて真価が問われるのであり、それだけにいかに死ぬるかということが大切であると思う。