つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

集団で無銭飲食、バカ!・・・

2006-07-14 | Weblog
 まるで落語に出てきそうな話である。我々も割り勘で会食した時などに、ジョークで「トイレへ行くふりをして帰ろうか」などと言うことはあるし、それに似たことをする者もいなくはない。タクシーなどの相乗りで、最初に乗った者が料金を支払わされる破目になることはよくあり、それを見越して最後に乗る者もいるとか。それらは結局気のいい奴が被害を蒙るので、やる側も大して悪意があるわけではなく、単なるドケチというだけだ。

 『おれのおごりだ―すき見て逃走 無銭飲食少年12人逮捕』という新聞見出しのこの話は、単なる度が過ぎたお遊びでは済まされない悪質な事件である。
 埼玉県内の県立高校1年の男子生徒など14~16歳の少年12人が、食い逃げを繰り返したとして詐欺(無銭飲食)の容疑で逮捕された。少年たちは、あらかじめじゃんけんで最後に残る者を決める。そして店に入り、あれこれ注文してお腹一杯食べるのだ。そこからが悪質だ。じゃんけんで負けて残った少年が「今日はおれのおごりだ」と店内に聞こえるように大きな声で言うと、ほかの者は一人二人と店を出る。お店の人は残っている少年が払うものと思っているから、多分彼らを「有難うございました」ってお礼を言って送り出したことだろう。ところが最後に店に残っている少年は代金を払うどことか、店員のすきをみて全力疾走で逃走するというのである。逮捕された少年たちは「お金がなく、腹が減ったから食い逃げした」と容疑を認めているというが、戦災孤児ではあるまいし、いまどきそんな理由が通ると思っているのか。甘ったれるなと張り飛ばしてやりたいくらい歯がゆくて、この少年たちを養育した親の顔が見てみたい。

 今の若者は一人では何もできないで、有象無象が集まれば理性を失い、エキサイトして暴走する。だが、夢から覚めて後悔しても、「消しゴムみたいに過去が消せたらいいのに」というわけにはいかないのである。
 この事件が人命に関わるものでないのがせめてもの救いだが、先ごろ起きた東大阪大学生集団リンチ事件のように、最悪の結果に至った事件は数多くある。
 愛読する地方紙に、新しく「いのち」と題したコラム欄が設けられた。今日は2回目であるが、仲間と集団リンチで会社員を殺害し、岡山少年院で矯正中の少年を取り上げている。少年はその後の矯正教育で自分の犯した罪の重さを自覚し、奪った命の重さに圧倒され、苦しみながら内省し続けた日々の心の変容を取材したものである。
 その少年の言葉に、「自分の弱さを他人に見せたくないという弱さ。僕は今まで嫌なことから逃げてきた。逃げて逃げて、その行き着いた先が少年院だった。…中略…。命の尊さを知るために一生かけて考えていこうと思う」とある。3年4ヶ月間の少年院生活を仮出所したそうだが、立派に社会復帰してくれることを祈りたい。
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2 コメント

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Unknown (kiyosan)
2006-07-14 23:08:47
思わず、吹出した事は不謹慎でした

“俺おれ”詐欺といい、高校生の集団食い逃げ・・世間に疎くなった我が身にとって、世の中悪知恵に長けてる人間達に恐れ入るばかりです

汗ながさずして、お金が転がるように入る事を知ると、モウ辞められない世界なのでしょうか・・裏で組織を操る者が居るのでしょうけどね、

でも単なるドケチサンの話しは、似たような話しは良く聞きます、ドケチさんも可也の厚顔で度胸ものですよね、当事者は、お金頂戴と言われる方が未だ気分がイイと申しておりました

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おはようございます (オールドレディー)
2006-07-15 08:49:10
 うっとうしい梅雨の最中、笑えるような話があればいいのに、テポドンだ、制裁だと、物騒なことばかり。

 浮世の出来事に我関せずといきたいところですが、これに興味を示さなくなったらボケの始まりとか、がんばってオバアサンは首を突っ込みたいと思います。
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