昨日の購読紙1面に掲載のコラム『滴一滴』より。
【国産の蛍光灯が初めて実用に使われたのは1940年、奈良・法隆寺の金堂だった。出荷による焼損まえのこと。国宝の壁画模写を行うため、発熱量が少なく明るい光源が必要だったからだ。
戦時中は潜水艦の照明など軍事用に海軍が買い占め、一般家庭には届かなかったそうだ。文字通りの暗い時代を経て、戦後の日本に明るさをもたらした。その蛍光灯が電力消費量の少ない発光ダイオード(LED)照明の利用を促すため、蛍光灯や白熱電球の生産と輸入を原則禁じる方針を示した。2020年度以降に全ての照明の供給をLEDにすることを目指すという。―中略―。
LEDの消費電力は白熱電球の約20分の1で、寿命は100倍の10万時間。まさに照明の「革命」といえる。価格はまだ高いが、政府は30年度の普及を100%にする計画という。蛍光灯の明りが昭和の記憶とともに、またたきながら消えていく。―後略―。】
私たち昭和生まれは、戦後の物のない時代から、「贅沢は美徳だ」というキャッチフレーズが流行った高度成長期を経てバブル期へ、そしてバブル崩壊後の「失われた20年」、デフレ脱却を目指す「アベノミクス」へと、激しく変動する経済環境の中で懸命に生きてきた。戦後70年、めまぐるしい発展を遂げた今、物質的経済的な豊かさを享受しながらも、どんどん「昭和」が消えていく寂しさは如何ともし難く、戸惑いも覚える。が、これも時代の流れだろう。
蛍光灯の明りが昭和ならLEDは平成の明りといおうか? だが、消費者にとってLED照明への切り替えはどのようなメリットがあるのか、調べてみた。LED照明は、価格が高い一方、「省エネ」で「寿命が長い」ことが利点だ。が、普及のネックになっているのは価格の高さだという。大手家電量販店では、白熱電球なら60Wで1個100円程度、電球形蛍光灯は300〜500円程度で買えるが、LED電球は約1000〜3000円程度と10倍程度の価格差がある。
省電力性で言えば、LED電球は、白熱灯の2割、電球形蛍光ランプの7割の電力で済むという。LED電球が他の電球と違う点はその寿命で、白熱灯は寿命が長いもので1000時間、蛍光灯は1万時間といわれているが、LED電球は4万時間。LED電球は、白熱灯の40倍、蛍光灯の4倍の寿命だそうである。
また、日本エネルギー経済研究所が2011年に発表したリポートによると、日本全体の白熱灯や蛍光灯などをすべてLED 照明に置き換えた場合、1時間あた922億キロワットを節約できると試算している。これは日本の総電力消費量の約9%に相当し、原子力発電所13基分という。
LED照明への切り替えによるメリットはよく分かったが、後期高齢者を目前にしたババはあと何年生きるか分からないのに、10倍も高いLED電球など買いたくない。そうでなくても年金生活の身では倹約がモットーだ。昨今、「下流老人」「老後破産」 などの言葉が連日のようにメディアにとりあげられているが、老後破産の主要な原因となっているのは医療費と介護費の負担である。これらの負担はこれからも増え続けるのは確かだし、電球1個に1000円支払うなんてもったいない。今使用している100円の電球でももう4年近くもっている。自分の寿命より長いLEDを買ってどうする?
全ての照明の供給をLEDにするのは2020年度以降とか、その頃ババは79歳。もし生きていてLEDを使用しなければならなくなったら、ババの寿命が先か、LEDの寿命が先か、ひとつ根比べでもしようかネ。
偶然ですが、今日、アパートに住んでいる娘が、電球が切れたそうで電気屋さんに買いに行ったところ、LEDばかり売っていて、高くて驚いたそうです。やっと安い普通の電球をみつけて買ってきたそうですが、アパートにはこの先何年住むかもわからないのに、高い電球を買って、置いて出るのはもったいないと言ってました。
今後、少しは安くなってくれるといいんですけどね。
だんだんと安くはなるでしょうが、LEDしか使えないとなると、メーカーが安売り競争でもしないかぎりそれほど期待できないでしょうね。
ほんと、娘さんのような例はバカバカしいですね。引越しのときは電球を持って出られたらいかがですか?
今から白熱灯を買い占める人が出るかもしれませんね。私も2、3個買っておこうかしら、なんて(笑)
窓のない部分は 常時照灯する為にLEDに思いきって変えましたが、相変わらず「使ったら消す」が身に沁みてスィッチの方がいかれる!と叱られます。
国破れて山河あり。ではないですが、主死して電球残る。か・・
私は10年くらい前に白熱球を5個ほど買ったのがまだ1個残っています。マンがよければ3,4年はもつので、今のうちにまた買っておこうかと…。ケチ丸出しですね。
私も「使ったら消す」が身についていて、小まめに消します。ほんと、スイッチの方が壊れる心配もありますね。
時代の流れとはいえイヤですね。