岡山県津山市で2004年9月、同市立北小3年筒塩侑子(当時9)さんが殺害された事件で、岡山県警は30日、殺人容疑で、別の事件で服役中の容疑者(39)を逮捕した。捜査関係者によると、「いたずら目的だった」と話しているというが、侑子さんに性的被害の形跡はなかったという。それがせめてもの救いである。
容疑者は過去に、100回以上にわたって女児を狙う事件を起こしたと供述しているとか。それなのにこれまで3度しか逮捕されていないというのが腹立たしい。
津山署はこれまでのべ6万人以上の捜査員を動員してきたが、犯人の指紋、足跡、凶器などの遺留品がなく、捜査は難航し長期化した。今回も容疑者が犯行をほのめかさなかったら逮捕できなかったかもしれない。
先日、13年ぶりに解決した広島県廿日市市の女高生殺人事件は、残っていた指紋やDNAが一致したそうだが、犯人がこれから先ずっと犯罪を犯さなければ迷宮入りしたかもしれない。2つの事件解決は、まさに「天網恢恢疎にして漏らさず」である。
当時、私は津山市に住んでいたのでこの事件はよく覚えている。事件があった所と私宅とはそれほど遠くなかったので、いろんな噂話が聞こえてきた。父親が失業中だとか、家庭内のいざこざとか、あれこれ取沙汰されていた。一番ひどいのは父親の犯行ではないか、そんな噂話も広まった。世間の口さがない噂話に家族はどれほど苦しめられたことか、想像に難くない。
津山市にはもう一つ未解決事件がある。侑子ちゃん事件より2年ほど前になるが、2002年6月3日、津山市弥生町の医師の妻、高橋妙子さんが自宅から連れ出され、夫名義の銀行口座から現金約700万円が引き出された。
現金が引き出されたATMの防犯カメラの映像から、女性容疑者(33)が浮上したが、9月23日に岡山市日応寺の山中でキノコ採りの男性が白骨死体で発見。歯型などが吉田容疑者と一致、DNA鑑定で本人と確認された。
また、共犯と見られていたパチンコ仲間で元タクシー運転手も6月下旬に同市内の公園で首吊り自殺している為、事件解決への糸口は完全に途絶えてしまった。
私はこの被害者をよく知っている。彼女と知り合ったのはスイミングスクールで、入会時期は少し前後したが、一番最初のクロールのコースで一緒だった。その内、私が上達して次の背泳ぎのコースへ移ったとき、「私、どんくさいから置いてゆかれたわね」と悔しがっていたことを覚えている。
彼女は医師の妻とは思えない控えめで、笑顔のすてきな女性だった。市民講座の英会話にも通っていたようだが、車に乗れないからどこへ行くにも自転車だった。
何年か経ったある日、彼女はスイミングに来なくなった。あとで、乳がんの手術をして、精神的に落ち込んで体調がよくなかったと聞いた。が、まさかこんなことになるなんて…。
この事件が起きたときも口さがない噂話が広まって、聞くたびに腹立たしかった。ご主人と看護師との不倫話、体調不良からうつ病になって精神科へ通っていたとか。その病院のそばにパチンコ店があり、そこで犯人の男女と仲良くなって夫のお金を持ち逃げしたなどなど、中傷のデマが出回った。
私には彼女がパチンコ店に入るということすら信じられなかった。わざわざ私に噂話を知らせてくる人もいて、その度に「そんな人じゃあないわ」と否定したものである。
6月3日で16年を迎えた。一昨日もローカルニュースで、情報を求めるビラ配りをしている警察官の姿があった。未だに消息不明というのが可哀そうでならない。
被害者の方が生死不明で、また誹謗中傷のデマが広がるなんて酷い事件ですね。
わたしも、被害者の無事を祈りたいです。
何か事件が起きれば、加害者、被害者とも丸裸同然にされます。
未解決事件の高橋さんのように純で控えめ、品行方正な人でもこうですから、日頃の行いの悪い私などどんなことを言われるかわかりません。人の口って恐ろしいなあと思います。
犯人の死亡で、高橋さんがどうなったか、もう永久に分からないのかも…。ひどい話です。