昨日の朝景。この雲もやがては消えてなくなるのだ。
慌ただしく、賑やかだったGWも終わった。3年ぶりの「制限なし」大型連休とあって、観光地はどこもたくさんの人、人、人。各地の交通機関も久しぶりの旅行や帰省を終えた家族連れなどで混雑したという。大きな事件・事故がなかったのは良かったが、1週間前よりコロナ感染者数が増えている。やはり大勢の人が集まるのは良くないということだろう。
知床沖の観光船沈没事故発生からはや2週間以上、いまだ12 人の消息は分からないままだ。懸命の捜索が続いているが、生存者発見の望みはかなり薄いという。あの冷たい北の海で波に翻弄され、遠く潮に流されてしまったのか、そう思うと遺族でなくても胸が痛む。
水中カメラが船内に入ったが人の姿は確認できなかったという。沈みゆく船にしがみつくこともならず、荒れ狂う真冬の冷たい海に放り出され救助を待っていたのだろう。どんなに冷たかったか、怖かったか、想像にかたくない。
先日、ロシアから北方領土・国後島西の海域で、救命胴衣を着用した漂流者を見つけたが、荒天で救助できなかったという報告があったとか。海上保安庁はロシア側と調整がついた国後島周辺の中間ライン近くで行方不明者の捜索を始めたという。とにかく今は船体内の捜索より、まずは不明者の安否確認が先だろう。海はどこまでも果てしなく続く。このまま遠くへ流されてしまったら、もう見つけられなくなってしまう。
昭和の終わりころ、季節はちょうど今頃だったが、私は5泊6日で道東の観光スポット巡りツアーに参加、知床へも行った。その頃の知床はまだそれほど観光地化していなかったから野趣あふれる自然がいっぱいの美しい所だった。
大昔のことでほとんど忘れてしまったが、知床峠の展望台から北方領土の国後島が肉眼でハッキリ見えたこと。またうっすらとだが択捉島も見えたように記憶している。
そして「知床五湖」を巡る遊歩道を歩くとき、ガイドから「ヒグマが出るので数人ずつ固まって、大きな声でしゃべるか、歌を歌いながら歩いて…」と言われて、ビクビクしながら歩いたことを覚えている。
ちなみに知床半島の北半分は国立公園で、北米のグリズリー(ハイイロヒグマ)と近縁のウスリーヒグマ(エゾヒグマ)の日本最大の生息地だとか。美しい自然もさることながら、クマが観光客の大きな目当てになっているそうで、そのクマを最も簡単に見る方法が、今回事故を起こした遊覧船がそれである。
旅に出るときに飛行機が落ちないか、船が沈まないか、新幹線が脱線しないか、そんな心配をする人はだれもいないだろう。だれもが自分だけは大丈夫と思い込んでいるからだ。が、どんな危険に遭遇するかは分からない、「一寸先は闇」なのだ。今回の事故が抗えない運命だったとしてもあまりに残酷すぎる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます