宇宙遊泳体験・・・

　21日、国際宇宙ステーションへの民間人の宇宙旅行を斡旋している米スペースアドベンチャーズ社は、3500万㌦（約40億7千万円）の参加費で、ロシア宇宙庁の協力を得て、顧客に宇宙遊泳を体験させるという新計画を発表したそうである。
　宇宙遊泳体験は最長１時間半、ロシアのソユーズ宇宙船に乗り、国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）に約１週間滞在する基本料金2000万㌦に、宇宙遊泳の特別訓練（約１ヶ月）費用を含む1500万㌦が上乗せされるという。しかし、ロシアとともにＩＳＳを運用する米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）は「何も聞いていない」と話しており、実現には曲折も予想されるという。　
　ＩＳＳには過去に米実業家ら３人が滞在しており、４人目が元ライブドア取締役で投資家の榎本大輔氏で、９月にＩＳＳに向かうことになっている。2004年11月に契約し、費用の2000万㌦（約23億円）は個人負担だとか。宇宙ステーションには約１週間滞在し、今後展開する宇宙関連事業の調査をしたり、好きな人気アニメのガンダムのプラモデルを作ったりして過ごすという。これまでに宇宙飛行をした日本人は秋山豊寛さんや毛利衛さんら６人いるが、民間人としては初の宇宙旅行客となる。
　榎本氏は千葉県出身。米国留学後、ＩＴ関連事業を立ち上げ、ライブドアの堀江貴文社長に売却するなどして財産を築いた。現在はＤｉｃｅ－Ｋ（ダイス・ケー）という名で最新の流行や宇宙に関する情報を紹介するなどの活動している。一方で７月、保有していた「ライブドア」株などの売却益を申告していなかったとして、2004年までの３年間に総額約30億円の申告漏れを指摘された。うち約５億円は他人名義での株取引によるもので、悪質な所得隠しと認定されたという。追徴税額は、所得税と重加算税などを含め約３億5000万円だとか。

　投資家とはこれほど儲かるものなのか、全く違う異次元の世界の話で、もう金銭感覚が追いつかない。我々の通常的な会話の中での単位は万、十万がいいところであり、一個人でこれだけの財をなすとは、格差も格差、ある所にはあるものだと、もう羨望を通り越して唖然とするばかりである。
　「ライブドア」に関わる、榎本氏とホリエモンとの格差も、かたや香港在住で隆盛を極め、かたや凋落の一途の被告の身という雲泥の差。一時はホリエモンも宇宙への夢を語っていたが、この榎本氏の夢の実現間近という話を聞いて何を思っているだろうか。
　ホリエモンは拘置所滞在、榎本氏は宇宙滞在と、明暗を分けた皮肉な話であるが、場所の違いはあれ、誰もがそうそうできない初体験には違いない。